
Facebookを利用するユーザーは、新しい情報を求めてフィードという決まった箇所に繰り返し訪れます。そのため、表示される広告も新鮮さを維持することが継続的な成果につながることはFacebook広告を運用されたことがある方なら頷いていただけると思います。
しかしながら通常、あまり多くのクリエイティブ一緒に配信してテストしてしまうと、データが分散され検証結果を得るのに時間がかかるため一度にテストできる広告クリエイティブのパターンは限られます。さらに広告クリエイティブは、画像、動画、タイトル、説明、CTA(call to Action)といった多くの要素から構成されているため、これらの組み合わせパターンを検証するだけでもなかなか現実的ではないですよね。でもさまざまな広告クリエイティブのパターンを試すことは成果を出すのには欠かせないというジレンマを抱くケースも多いはず・・。
そんな悩みの一助になるプロダクト「ダイナミッククリエイティブ」が提供開始となりましたので、ご紹介します。


目次
ダイナミッククリエイティブとは?
一言で述べると、画像やテキストなどクリエイティブを構成するための要素を複数パターン登録するだけで最適な広告素材の組み合わせが自動に作成される機能です。2017年09月に発表*が出ており、すでに一部の広告アカウントで実装されています。(段階的にリリースされるとの記載があるため、現時点では利用ができないアカウントもあることはご承知おきください。)
*参考:facebook for developers - Dynamic Creative
あらかじめ画像や見出し・説明文を複数用意しておき設定するだけで、多くのパターンの広告を自動生成してくれるため、さまざまな広告素材の組み合わせをより簡単に試すことができるようになります。
どんな広告素材を指定できる?
広告素材は以下の選択肢から設定ができます。
- 画像または動画:最大10個
- テキスト:最大5個
- 見出し:最大5個
- 説明文:最大5個
- アクション(CTA):最大5個
画像と動画はいずれか片方しか選べず、URLは1つしか指定出来ませんが、合計数で最大30個まで広告素材を登録できるため自由度は高いといえるでしょう。現時点では、1件の画像または1件の動画を使用する広告フォーマットのみが対象となります。
どんなキャンペーンの目的で利用できる?
ダイナミッククリエイティブが使えるキャンペーンの目的は3種に限定されています。
- コンバージョン
- アプリのインストール
- トラフィック
ブランドの認知度アップなど認知目的などでは現状利用できないため、今後のアップデートに期待したいところです。
どんな配置が選択できる?
- Facebookニュースフィード(デスクトップ、モバイル)
- Facebook右側広告枠
- Facebookインスタント記事
- Instagram フィード
- Audience Network ネイティブ、バナー、インタースティシャル
- Audience Network インストリーム動画
- Audience Network リワード動画
- Messenger ホーム
Instagram stories など一部を除き、ほとんどの配置をカバーしています。
ダイナミッククリエイティブの設定方法
ダイナミッククリエイティブを設定していきます。機能が実装されていればパワーエディタ、広告マネージャのどちらかでも設定可能です。今回はパワーエティタの画面をもとに説明します。
1. キャンペーンを作成
2. 広告セットを作成
その後、通常と同様に配置などの項目を入力して、完了です。
3. 広告を作成
通常の広告作成と同じように、[広告を作成]を選択します。
広告セットで「ダイナミッククリエイティブ」を設定しておくと、カテゴリ[広告素材]が表示され、広告素材のアセットが登録できるようになります。
赤枠の[+追加する]をクリックすると入力欄が新しく1つ追加されます。
リンク先のURLを入力して完了です。
広告プレビューをチェック
赤枠の[その他のバリエーションを見る]を選択することで、登録した広告素材は、自由に組み合わせて広告プレビューで確認ができます。
組み合わせによって意図しないクリエイティブが配信されることを防ぐため、いくつか自由に組み合わせてみて、ちぐはぐなクリエイティブになっていないか確認することをお勧めします。
成果の良いクリエイティブはどこで分かるの?
惜しむらくも広告素材の組み合わせパターンの成果を確認する方法はありませんが、広告素材ごとのパフォーマンスは[内訳]>[ダイナミッククリエイティブアセット]から確認することができます。
例えば[見出し]を選択すると、下図のように見出しごとの配信実績を閲覧できるため、成果に応じて広告素材を差し替えるなどの判断をすることができます。
参考:Facebookのダイナミッククリエイティブ | Facebookヘルプセンター
参考:Facebookでダイナミッククリエイティブを使用して広告を設定する | Facebookヘルプセンター
最後に
ダイナミッククリエイティブと同様に、クリエイティブの作成を自動化できる機能といえば、Google アドワーズの「スマートディスプレイキャンペーン」や「ユニバーサルアプリキャンペーン(UAC)」が挙げられますね。
参考:Google アドワーズにおいてスマートディスプレイキャンペーンがローンチ
参考:Google アドワーズ、ユニバーサルアプリキャンペーン(UAC)の仕組みと設定、考え方までのキホン
広告素材を自動で組み合わせた広告クリエイティブを用いるのが運用スタイルのひとつとして確立していく可能性は多分にあります。
ただし、あくまで自動で行われるのは広告素材の組み合わせです。どのような広告素材を用いるか、が重要なのはいうまでもありません。広告素材はアセット(資産)と呼ばれることもありますが、ユーザーにとって商品やサービスがもっとも魅力的に映るであろう広告主の資産を整理し活用できることが、これまで以上に重要ですね。