Google アドワーズにおいてスマートディスプレイキャンペーンがローンチ

スマートディスプレイキャンペーンとは

2017年4月20日、Google アドワーズの公式ブログInside AdWordsにおいて、スマートディスプレイキャンペーンが全ての広告主に対して利用可能になったと発表されました。

参考:Inside AdWords: Introducing Smart display campaigns

スマートディスプレイキャンペーンとは、GoogleのデータとAIを用いた機械学習技術を活用して、ディスプレイ広告の入札・ターゲティング・クリエイティブ作成を自動化できるという機能です。

Inside AdWordsブログの中で本機能を活用して成果をあげたHulu Japanの事例が紹介されており、この機能を導入して新規契約者にアプローチし、他の同様のディスプレイキャンペーンと比較してコンバージョン率を37%向上させた例が紹介されています。

それでは、具体的な機能を設定方法とともに見ていきましょう。
※すでに筆者の担当するアカウントでは利用可能となっています。一部のアカウントで未実装のものがありますが、近日利用可能になるものと思われます。



スマートディスプレイキャンペーン設定方法

スマートディスプレイキャンペーンを利用するには、スマートディスプレイキャンペーン専用のキャンペーンを新規に作成する必要があります。

まず管理画面のキャンペーンタブで「+キャンペーン」をクリックし、新しく「ディスプレイネットワークのみ」キャンペーンを作成します。


次に「マーケティング目標」を選択し、「ユーザー行動を促進する」の中から「ウェブサイトで購入」「ウェブサイトのユーザーのアクション」「電話による問い合せ」「来店」のいずれか1つ以上を選択します。

なお、モバイルアプリ関連の目標を選択するとスマートディスプレイキャンペーン機能は利用できません。アプリの宣伝にはユニーバーサルアプリキャンペーンという、アプリ版のスマートディスプレイキャンペーンとも呼べる機能がすでに用意されていますので、こちらを利用しましょう。
参考:ユニバーサル アプリ キャンペーンについて – AdWords ヘルプ


下へスクロールすると「Smartキャンペーン」という項目が出現していますので、「Smartディスプレイキャンペーンを作成する」の項目にチェックを入れてください。

その後配信エリア・言語を選択し、入札戦略を選択して1日あたりの予算を決めると、キャンペーンの設定は完了です。1日あたりのキャンペーン予算は、目標コンバージョン単価の10~15倍を設定するのが推奨となっています。予算が不足していると、予算の制限により機械学習が十分に行えず、成果が出せない可能性があります。目標CPAによっては1日あたりの予算が急激に上る可能性があり、いずれにせよ注意が必要です。

自動入札

上記で選択する入札戦略は目標コンバージョン単価のみです。スマートディスプレイキャンペーンでは、目標コンバージョン単価に基づいて入札が自動化されています。
過去 30 日間にディスプレイ ネットワークで 50 回以上(または検索ネットワークで 100 回以上)のコンバージョンを獲得している必要があります。個別単価設定や配信先デバイスの指定など手動での管理が一切できないため、データ量が不十分な場合は、まずは手動で運用のできる通常のキャンペーンを選択するのが良さそうです。

自動ターゲティング


次に広告グループを作成するのですが、従来はこのレイヤーで設定していたターゲティングも完全に自動で行われるため、特に手動での設定は不要となっています。

スマートディスプレイキャンペーンは以下の2つの方法によってターゲティングがされます。

・自動リマーケティング
ウェブサイトを訪れたことがあるユーザーを自動的にターゲットします。なお、スマート ディスプレイ キャンペーンが既存のリマーケティングに影響を与えることはありません。

・購買プロセスの初期段階にいるユーザー
「機械学習やブラウザのデータに基づき、自分では思いつかないようなシグナルがターゲットとして設定される」という記載から、通常のキャンペーンでも利用可能な「慎重な拡張」と「積極的な拡張」といった自動ターゲティングと同様の機能と考えられます。

参考:ディスプレイ ネットワークでの自動ターゲティングについて – AdWords ヘルプ

なお唯一、アカウント単位でプレースメントを除外とサイトカテゴリの除外を行うことは可能となってます。

クリエイティブの自動作成

最後に、スマートディスプレイキャンペーン用の広告を作成します。


アセットと呼ばれるクリエイティブの要素(広告見出し、広告文、ランディングページ、画像、ロゴ)予め登録しておき、その要素が組み合わされて広告が自動生成されます。アセットの種類はすでに提供されていたレスポンシブ広告と同様ですが、スマートディスプレイキャンペーンでは各要素を複数パターンずつ登録することが可能です。

各項目の入力が完了すると、右カラムのフローティングにあるプレビューで自動生成される広告パターンを確認出来ます。
問題なければ「広告の保存」をクリックして、設定は完了です。

なお、配信後は掲載結果をアセット毎に「最良」、「良い」、「良くない」に相対的にランク付けされた結果を確認することができるようです。

最後に

Googleは、従来から入札戦略の使用における自動化を推奨してきました。自動入札において、例えば端末、地域、時間帯、リマーケティング リスト、ブラウザなど非常に多くのシグナルを元に実施されており、もはや人間が管理するのは到底不可能なレベルにまで達してきています。現に自動入札で大きな成果を出すアカウントも少なくありません。

今回ご紹介したスマートディスプレイキャンペーンは、自動入札、クリエイティブの自動生成のみに留まらずターゲティングの完全自動化まで範囲を広げています。チャネル別のパフォーマンスをひたすら追うのではなく、検索ネットワーク、ディスプレイネットワークといった垣根を超えて、Googleが提唱しているユーザーのMicro-momentを適切に捉えられるよう広告配信を設計することが求められていくように思います。

これまでディスプレイネットワーク向けの広告で多くの実績を出せており、それらのデータを機械学習に活かしてさらに多くのユーザーへアプローチしたい場合などにぜひチャレンジしておきたいですね。

Koichiro Hayashi

Koichiro Hayashi

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 大学卒業後、金融機関にて融資・渉外業務に従事。その後、ウェブコンサルティング会社にて宿泊施設に対するリスティング広告の新規導入・運用業務に従事した後、2014年よりアナグラムにて様々なプロジェクトに携わる。広告運用はもちろん、新規のお問い合わせ対応、時には打ち合わせと称した飲み会などを行っている。