自動化のいまだから見直したい、リスティング広告の除外設定

自動化のいまだから見直したい、リスティング広告の除外設定

手動入札しかなかった頃は、キーワード毎に上限クリック単価を決めたり、ユーザー属性の項目毎(性別、年齢など)に入札単価調整比を設定する必要がありました。

これらをオークション毎に実施してくれるのが自動入札機能です。入札調整の自動化により、工数を削減できたアカウントも多いですよね。

しかしながら、自動化にすべてを委ねてしまうのには注意が必要です。たしかに掲載実績によって自動的に調整されていくことが期待できますが、任せきっきりだと意図しないユーザーや場所(地域/配信面)に広告が配信されてしまう可能性もあります。また、成果が出せるまで費用や時間がかかりがちです。

そんなときに見直したい設定のひとつが除外設定です。

今回は、自動化が広告運用の中心となっているいまだからこそ見直しておきたい除外設定について、できることや使い方を解説していきます。



早々に成果を上げる場合は除外設定も大切

自動入札であれば、ターゲティングも勝手に調整してくれるから除外は必要ないのでは?と思われるかもしれません。しかしながら一刻も早く成果を出そうとするのであれば、ターゲティング対象でないユーザーや配信面は早々に除外しておくのが大切です。多くのケースでは費用対効果が合ってからターゲティングを拡大しても遅くはないはずです。

むしろ、配信したものの効果が伴わずに除外したターゲットへの広告配信を再開するのは難しく、再び拡大させる機会を作るのは難しくなりますよね。できるだけ早い段階で成果を出すことで、次の展開にも目を向けられるようになるため、配信しない対象を決めておくことは重要です。

それではリスティング広告で除外できる項目を、検索広告とディスプレイ広告でそれぞれ確認していきます。

検索広告で除外できる項目

媒体(Google/Yahoo!)、広告の種類(検索広告/ディスプレイ広告)によって除外設定できる項目は異なります。まずは検索広告で除外できる項目について確認していきましょう。

除外できる項目GoogleYahoo!
キーワード
地域
曜日と時間
ユーザー属性年齢×
性別×
世帯収入×
デバイス
アフィニティ・購買意向×
ウェブサイトを訪れたユーザー

キーワード

ビジネスの成果につながりづらい、もしくは意図しない検索語句に対して広告掲載が行われるのを防ぐためには、除外キーワードを行います。

除外キーワードに関しては、マッチタイプまで配慮する必要があります。マッチタイプの詳細や除外キーワードの設定方法に関しては以下の記事をご参考ください。

地域

特定地域で広告配信を除外できます。たとえば特定の地域のみへの出店などビジネスの商圏が限られているケースでは、商圏以外の地域への広告配信は成果につながらず、予算の無駄になってしまいます。そのような場合、該当する地域に広告が配信されないように除外設定を行いましょう。

Google 広告での設定方法

①地域>②除外>③ペンマークまたは「地域を編集」をクリックし、キャンペーンを選択。除外したい地域を入力して「保存」をクリック

地域設定の仕組みや設定方法の詳細は次の記事をご参考ください。

Yahoo!広告での設定方法

①キャンペーン管理>②ターゲティング>③地域>④「地域を編集」をクリックし、キャンペーンを選択>⑤除外したい地域の「除外」を選択して「適用」をクリック

時間と曜日

広告配信したい曜日と時間を指定することで、それ以外の曜日と時間は広告配信されないように除外設定が可能です。たとえば、店舗の営業時間帯のみ広告を配信したい場合などに活用できそうですね。

Google 広告での設定方法

①「もっと見る」より広告のスケジュールをクリックして「広告のスケジュール」を選択>②ペンマークまたは「広告のスケジュールを編集」をクリック

③キャンペーンを選択>④広告配信したい曜日と時間を設定>⑤「保存」で設定した曜日と時間以外は除外できます。

曜日は、すべての曜日・月曜日~金曜日・土曜日~日曜日・曜日ごとに、時間は15分単位で設定可能です。

※広告のスケジュールは、スマート ショッピング キャンペーンでは使用できません。

Yahoo!広告での設定方法

①キャンペーン管理>②ターゲティング>③曜日・時間帯>④曜日・時間帯を編集>⑤キャンペーンを選択>⑥「設定追加」をクリック

⑦広告配信したい曜日と時間帯を設定>⑧設定追加>⑨「適用」で設定した曜日と時間以外を除外

曜日は曜日ごとに、時間は15分単位または終日を設定できます。

ユーザー属性(性別、年齢、世帯収入)

Googleの検索広告ではユーザー属性による除外も可能です。性別、年齢、世帯収入の3項目があります。

たとえば男性限定の商品や年齢制限のあるサービスなど、集客したいターゲットが定まっている場合、対象外となるユーザー属性は事前に除外できます。

ただしユーザー属性はあくまで推定であり、正確ではありません。これはユーザーが訪問したウェブサイトなどをもとに年齢・性別が推定されるためです。こちらを踏まえると、除外したユーザー属性が実は集客したいユーザーだった、ということが起こり得ます。まずははっきりターゲットではない属性を除外し、成果が落ち着いた段階で「不明」やその他の属性に配信対象を拡大していくのも有効です。

設定方法は以下のとおりです。

Google 広告での設定方法

①ユーザー属性>②除外設定>③ペンマークまたは「年齢や性別の除外」をクリック

④キャンペーンを選択>⑤除外したい性別、年齢、世帯収入の項目を選択>⑥保存

※広告グループ単位で入札単価調整を行いたい場合は、先に左メニューで広告グループを選択します。

デバイス

ユーザーのデバイスはパソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面(Googleのみ)のいずれかに分類されています。特定のデバイスで効果が合わない場合、任意のデバイスを選択して除外可能です。

たとえばBtoB案件の場合、パソコンから問い合わせや資料請求が行われることが多いため、タブレット・モバイル・テレビ画面を除外することがあります。

もちろん、ここでも他のデバイスからのアクセスがビジネスの成果につながる可能性も考えておき、成果が安定したタイミングなどで配信を拡大する候補として検討しておくのがよさそうです。それでは設定方法です。

Google 広告での設定方法

①デバイス(※メニュー内に見当たらない場合は「もっと見る」をクリック)>②除外設定したいキャンペーンのデバイスの入札単価調整比にカーソルをあてると出てくる鉛筆マークをクリック

※広告グループ単位で入札単価調整を行いたい場合は、先に左メニューで広告グループを選択します。

③デフォルト値の「引き上げ」から「引き下げ」に変更>④「100」を入力>⑤保存

Yahoo!広告での設定方法

①キャンペーン管理>②ターゲティング>③デバイス>④除外設定したいキャンペーンのデバイスの入札価格調整率をクリック>⑤デフォルト値の「引き上げ率」から「引き下げ率」に変更>⑥入札価格調整率に「100」を入力>⑦変更

アフィニティ、購買意向

ユーザー属性と同様、関連性が低く収益につながりにくいであろうオーディエンスをターゲットから除外できます。

ただし、ターゲットユーザーが想定していなかったアフィニティや購買意向を持っている可能性があります。明らかにターゲット外であればあらかじめ除外、関連性が不確かであれば実績から判断しましょう。

Google 広告での設定方法

①オーディエンス>②除外設定>ペンマークまたは「オーディエンスの除外」をクリック

④設定対象のキャンペーンまたは広告グループを選択>⑤閲覧>⑥「ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画(購買意向強)」からオーディエンスを選択>⑦保存

ウェブサイトを訪れたユーザー

ウェブサイトに来訪済のユーザーや、すでにコンバージョン済のユーザーを除外できます。

たとえば会員登録が目的の場合、すでに会員登録を行ったユーザーに対する広告配信は避けたいですね。ユーザーリストを活用することによって、コンバージョン済ユーザーへの配信を避けることが可能です。

Google 広告での設定方法

アフィニティ、購買意向の設定方法①~③と同じ手順を踏みます。

④除外設定したいキャンペーンまたは広告グループを選択>⑤閲覧>⑥「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法(リマーケティングと類似ユーザー)」からオーディエンスを選択>⑦保存

Yahoo!広告での設定方法

①「ツール」から「ターゲットリスト管理」を選択>②除外したいターゲットリストにチェック>③「関連付けの設定 」から「 広告グループに設定(除外)」または「キャンペーンに設定(除外)」を選択

④設定したい広告グループまたはキャンペーンをクリックして選択>⑤選択したキャンペーンが表示されているのを確認>⑥保存

ディスプレイ広告で除外できる項目

ディスプレイ広告では、検索広告で記載した内容に加えて下記項目が除外できます。Yahoo!広告では一部、除外できない項目もあります。

  • ユーザー属性>子供の有無
  • プレースメント
  • トピック
  • コンテンツ
除外できる項目 Google Yahoo!
地域
曜日と時間
ユーザー属性 年齢
性別
世帯収入×
子供の有無×
デバイス
アフィニティ・購買意向
ウェブサイトを訪れたユーザー
プレースメント
トピック×
コンテンツ×

それでは各項目について確認していきましょう。

ユーザー属性>子供の有無

Googleのディスプレイ広告では、検索広告で除外可能なユーザー属性の3項目(年齢・性別・世帯収入)に加えて「子供の有無」も除外できます。

子供の有無でターゲットを絞った方が良い場合は、除外設定を行いましょう。

ただし、こちらの属性もあくまで推定であるため、必要以上な除外や後の検証なども踏まえて設定を行うのがいいと考えています。

Google 広告での設定方法

①ユーザー属性>②除外設定>③ペンマークまたは「年齢や性別の除外」をクリック

④キャンペーンを選択>⑤子供の有無を選択>⑥保存

※広告グループ単位で入札単価調整を行いたい場合は、先に左メニューで広告グループを選択します。

プレースメント

特定のプレースメントで実績が悪かった場合、その配信面で広告がでないように
除外設定ができます。

たとえば特定のURLで極端に費用対効果が合わなかったり、Webサイトに比べてアプリ面の成果が悪かったりする場合、これらを除外したほうが全体実績が改善できる可能性があります。

ただしプレースメントに除外をかけすぎると、配信面が限られ配信ボリュームが下がってしまう可能性があります。プレースメントレポートで実績を確認したうえで、極端に実績が悪い配信面のみ除外を行っていくことを推奨します。

Google 広告で特定のURLを除外する方法

①プレースメント>②除外設定>③ペンマークをクリックで表示されたプルダウンから「プレースメントを除外」を選択

④プレースメントの除外リストを追加する>⑤除外設定したいアカウントまたはキャンペーン、広告グループを選択>⑥「複数のプレースメントを入力」から個々のURLを入力して「プレースメントを追加」をクリックして選択>⑦保存

Google 広告でアプリ面を除外する方法

Google 広告で特定のURLを除外する方法の①~③の手順を踏みます。

④プレースメントの除外リストを追加する>⑤除外設定したいアカウントまたはキャンペーン、広告グループを選択>⑥「アプリのカテゴリ」より、Apple App Store、Google Play、Windows Phone Appsを全て選択>⑦保存

個別にカテゴリを選択して除外することや、[アプリ]から特定のアプリを除外することも可能です。

Yahoo!広告で特定のURLを除外する方法

①プレースメント>②「編集」をクリック

③設定対象の広告グループを選択>④プレイスメントリスト(※事前に作成が必要)を指定して配信>⑤除外したいリストを選択>⑥「除外」を選択>⑦設定

Yahoo!広告でアプリ面を除外する方法

管理画面の左メニューより広告グループを選択後、「広告グループ設定」をクリックします。次に「編集」をクリックして、以下の画面を開きます。

①デバイスを指定して配信>②「アプリ」のチェックを外す>③「保存」をクリック

トピック

Googleのディスプレイ広告では、自動車・音楽など特定のトピックに関連するページを事前に除外できます。幅広いトピックをターゲティングしながら、サブトピックを指定して除外することも可能です。

①トピック>②除外設定>③ペンマークまたは「トピックの除外」をクリック

④除外設定したいキャンペーンまたは広告グループを選択>⑤トピックを任意で選択>⑥保存

上記の例では、同じ「おもちゃ」でも商品の種類によっては関心をもってもらえなさそうな配信先となるトピックの除外が考えられます。

コンテンツ

Googleのディスプレイ広告では「冒とく、乱暴な表現」といったデリケートなコンテンツを含む配信枠や、ドメインパーキングサイト(所有者は存在するものの実際には使用されていないウェブアドレス)への広告配信を除外することが可能です。ブランドに適さなかったり、広告目標を満たさない可能性があるコンテンツを含むサイトへの配信は事前に除外しておきましょう。

なお、ファインドキャンペーンと動画キャンペーンは除外の対象外です。

①除外設定したいキャンペーンを選択のうえ「設定」をクリック>②「その他の設定」をクリック

③「コンテンツの除外」をクリックして開いた画面で除外するコンテンツを選択>保存

※「アカウント設定」 でも設定可能ですが、キャンペーン設定とは除外できる項目が異なります。

最後に

自動入札をはじめとした自動化が広告運用の前提ではありますが、限られた予算・時間で速やかに成果を上げるためには、ビジネスに結び付きにくいものを見極め除外設定を行うことも重要です。

自動化が当たり前になっている今だからこそ、集客したいターゲットを明確にし、除外機能をうまく活用して実績を更に改善していきたいですね。

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