「Facebook広告は他のインターネット広告と比較しても成果がいい!」と感心されている方も増えていることかと思います。しかし、本当にその「成果」は想定している成果と同様でしょうか?
Googleアナリティクスなどの解析ツールなどと合わせてその成果が確認できているならば、問題はないかと思います。もしそうでない場合は、Facebook広告のコンバージョンにおいてチェックすべきことがあるかもしれません。今回はその、Facebook広告のコンバージョン計測の仕組みについての解説です。
Facebook広告でレポート表示されるコンバージョンデータについて
まず、Facebook広告の広告マネージャ(またはPower Editor)にてレポート表示されるコンバージョンデータについておさらいしてみましょう。デフォルト設定では、下記の計測条件でのコンバージョンデータが表示(※1)されます。
■広告の表示後1日以内
■広告のクリック後28日以内
(※1:facebook for business 広告管理者ヘルプセンターより)
この2ついずれかの条件と、作成済みのカスタムコンバージョン条件を満たすと(Facebookピクセルの読み込み)コンバージョンが計測され、レポート上に数値として反映がされます。
上記デフォルト設定のコンバージョン計測条件の注意としては、「広告の表示後1日以内」のコンバージョンも計測されるという点です。広告がクリックされずに、広告が表示された後にFacebook広告経由以外の何かしらの導線(たとえば:自然検索・リスティング広告・お気に入りからの訪問)でコンバージョンに至った場合も、Facebook広告管理画面上ではコンバージョンカウントがされます。
これはGoogleアドワーズやDSP広告などにも指標として用意されている、いわゆる「ビュースルーコンバージョン」と同様のものです。
残念ながら現状のFacebook広告のレポート画面においては、リスティング広告とは違いコンバージョンの内訳として「ビュースルーコンバージョン」と「クリック後コンバージョン」それぞれを同時に別離して表示することができないため、それぞれのコンバージョンが合算された形で表示がされます。
※同時に別離して表示はできませんが、後述の設定変更を参考にして、それぞれの数字を2度の動作に分けて見ることは可能です。
※2015年10月05日追記、次でご紹介する手順にてコンバージョンの計測条件が設定されると設定した期間ごとのレポートを確認することができるようになりました。
Facebook広告のコンバージョン計測条件の設定方法
Facebook広告と併用して配信されることが多いGoogleアドワーズにおいては、特殊なケースを除き、ほとんどのケースでビュースルーコンバージョンはコンバージョンの内訳に含めないかと思います。そこで、「ビュースルーコンバージョンは分けてFacebook広告のコンバージョン数を計測したい」という場合には、上記のデフォルトのコンバージョン計測条件を変更することで対応可能です。
まず、広告マネージャの「列:○○」ボタン(事前の設定によって表記が「列:パフォーマンス」や「列:カスタム」などになっています)をクリックし、プルダウンされたメニューの中から「列をカスタマイズ...」をクリックします。
「アトリビューションウィンドウを変更」をクリックします。この画面で現在のコンバージョン計測条件が表示されています。
上図のように、コンバージョンの計測条件は以下の2つから選択が可能です。
「広告の表示後」:1日間、7日間、28日間
「広告のクリック後」:1日間、7日間、28日間
この計測条件に基づいて、レポート画面にコンバージョンデータが数値として反映されます。
「広告の表示後」の項目に何も選択をしなければ、コンバージョン数からビュースルーコンバージョンを除く設定にすることができますので、例えば「広告の表示後は除き、広告のクリック後28日」としたい場合は、「広告の表示後」にチェックは入れず、「広告のクリック後」の28日間だけにチェックを入れればその設定が完了します。この設定はいつ何度でも自由に変更が可能です。
ちなみに、広告セットの入札最適化をoCPMやCPAに設定している場合に、最適化の判断指標とされるコンバージョンデータに関しては、アトリビューションウィンドウで設定した計測条件によるデータは反映されません。デフォルト設定である「広告の表示後1日以内、広告のクリック後28日以内」のコンバージョンデータが用いられます。
そして最後に大事な点に触れますが、Facebook広告のコンバージョン計測はユニークコンバージョンではなく、総コンバージョンです。現状ではコンバージョンの計測方法を選択することはできないため、今後の改善に期待したいですね。
まとめ
リスティング広告など他の運用型広告と併用してFacebook広告を配信している広告主の皆さまも少なくはないかと思います。Facebook広告は他の運用型広告とコンバージョン計測の仕組みが異なり、デフォルト設定では広告表示後1日のビュースルーコンバージョンもコンバージョンとして含まれてしまうことに注意が必要です。
リターゲティング広告を実施している場合や、大量の予算をかけて広告を出稿している場合などは比較的ビュースルーコンバージョンが集まりやすくなるため、アトリビューションウィンドウの概念と仕組みを理解しておかないとコンバージョンに関する正しい分析と評価が行えない可能性もあります。
冒頭でも触れていますが、管理画面の数値だけでなく、Googleアナリティクスなどの解析ツールでも広告成果の確認をして広告評価を行っていきたいですね。