Google、Better Ads Standards に準拠しないサイトにおいて、2018年にChromeでの広告表示を停止へ

Google、Better Ads Standards に準拠しないサイトにおいて、2018年にChromeでの広告表示を停止へ

Google は2017年6月1日にGoogle アドワーズの公式ブログ Inside AdWords (英語版)にて、2018年の初めより Better Ads Standards に準拠していないWebサイトにおいて、Chrome 側で広告表示を停止する予定であると発表しました。

参照:Inside AdWords: Building a better web for everyone

【2017年12月22日追記】

2018年2月15日適用開始と公式に発表がされました。

参考:An update on Better Ads  |  Web  |  Google Developers


変更に至った背景

本件は2017年4月に The Wall Street Journal でも関係者からの情報として報じられていた件ですが、それが公式でいよいよ発表されたということになります。広告がユーザー体験を阻害してしまうがために、アドブロッカーを導入が進んでいるということであれば、ユーザー体験を阻害する広告を Chrome 側で事前に排除することで、アドブロッカーの利用拡大を抑えようというのが主な狙いであると考えられます。

Better Ads Standards に準拠しないWebサイトとはどのようなものか

まず、Better Ads Standards とは一体何か?ということですが、これは Google や Facebook といった企業やインタラクティブ広告業界団体のIAB(The Interactive Advertising Bureau)などが立ち上げた団体である Coalition for Better Ads が、2万5000人以上の消費者を対象に実施したオンラインにおける広告体験についての調査結果を基にして、Better Ads Standards では消費者がその広告体験を受け入れる可能性のしきい値を下回る広告タイプについて定義しています。

参考:The Initial Better Ads Standards - Coalition for Better Ads
参考:The Research - Coalition for Better Ads

同団体では、どのような広告表示がユーザー体験を阻害するかについて例を公表していますので、これらの広告タイプが採用されたWebサイトは Better Ads Standards に準拠していないという事が言えそうです。

引用:The Initial Better Ads Standards - Coalition for Better Ads

自社サイトが Better Ads Standards に準拠しているか確認する方法

Google は今回の発表の中で、Webサイト運営者に対して Better Ads Standards に準拠しているか確認できるツールとして、新しい「広告エクスペリエンスレポート」を活用するように呼びかけています。この「広告エクスペリエンスレポート」はサーチコンソールから簡単にアクセスできるので、確認しておくことをおすすめいたします。

サーチコンソールを開き、サイドバーのメニューから「Web Tools」をクリックします。

「Web Tools」の画面に切り替わったら、「広告に関する問題」をクリックします。

どのくらいのユーザーに影響が出そうか?


(画像をクリックして拡大)

引用元: StatCounter Global Stats - Browser Market Share

StatCounter の調査データによると、日本における2017年4月時点でChromeのシェアは36.62%との事で、日本国内でもこの影響は多分に出てくることが予想されますね。

最後に

広告主としてはユーザー体験を阻害するサイトに広告が表示されることは、ブランドの毀損につながる可能性もありますし、コンバージョンがあまり期待できないサイトからの広告クリックで広告費が使われてしまうのは本望ではありません。

また、メディアは日々新しく立ち上がっています。その中で、広告運用者側が常に広告の配信先レポートを確認して、広告配信サイトの除外設定をし続けるといったいたちごっこにも限界があります。

一方でメディア側はユーザー体験を阻害しない広告の表示方法について再考するタイミングでもあると言えます。前述で紹介した方法によって、Webサイトが Better Ads Standards に準拠しているか確認してみてください。もし、準拠していなければ Chrome での広告表示がされなくなり、その分の広告収入も得られなくなってしまうでしょう。

今回の変更(まだ予定ですが)によって、消費者の広告体験だけではなく、広告主や広告運用者にもメリットが生まれると良いですね。

関連記事

【運用型広告アップデートまとめ】2022年8月
【運用型広告アップデートまとめ】2022年8月
続きを見る
広告運用者がチェックしている公式情報まとめ|よりスムーズに一次情報を収集しよう
広告運用者がチェックしている公式情報まとめ|よりスムーズに一次情報を収集しよう
続きを見る
Google 広告、広告表示オプションの設定方法や特徴、成果の確認方法
Google 広告、広告表示オプションの設定方法や特徴、成果の確認方法
続きを見る