ノンデザイナー向け!今より一歩前進するためにおすすめのデザイン書4選

ノンデザイナー向け!今より一歩前進するためにおすすめのデザイン書4選

広告運用とクリエイティブ制作は密接な関係にありますが、専門性の違いからスキルセットとしては分断されがちです。一方、近年では広告運用の自動化の進歩をきっかけに、運用型広告におけるクリエイティブの重要性が改めて認識されているように感じます。その流れもあり、本職はデザイナーではないながらもバナー制作などのクリエイティブ領域にチャレンジし始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とはいえ、何から始めれば良いのか分からず、自分には難しいかもと感じてしまうこともあるかもしれません。

この記事では、主業務としてデザインを行っていない方を対象に、現在より一歩前進するためにお勧めしたい書籍を紹介します。段階ごとに紹介していくので、現在の課題感に合うものを検討してみてください。


1.デザインへの苦手意識をなくしたい:『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』

有名アートディレクターである佐藤可士和氏の書籍が、初心者にどう参考になるのか疑問に思うかもしれません。しかしこの書籍ではトップクリエイターならではのすごい仕事術や具体論ではなく、クリエイティブを用いてビジネス課題を解決するための考え方が紹介されています。センスよりも論理が光る内容で、普段から広告運用に従事している方にはむしろ身近に感じられるかもしれません。

読み終える頃には「クリエイティブな仕事は一部の人が才能やセンスでこなしている」のような誤解からくる苦手意識が軽減されるでしょう。以下に序章の一部を引用しますが、これだけでもクリエイティブが身近なものに感じられるはずです。

「そうは言っても、やはりクリエイティブというと敷居が高い」と感じる人は、たとえばスポーツや音楽と同様に捉えてみてはどうでしょうか。誰もがプロのスポーツ選手やミュージシャンになるわけではありませんが、軽い運動でいい汗をかいたり、カラオケで思う存分歌ったりと、日常的にスポーツや音楽を楽しむ方はたくさんいます。それと全く同じで、アーティストやデザイナーでなければクリエイティブな考え方ができないというわけではありません。

ただし、デザインソフトの扱い方やバナーづくりのポイントのような、目の前の制作業務に直接的に役立つ情報には触れられていません。あくまで、どうしてもデザインへの苦手意識が強い場合に、マインドを切り替える目的で手にとってみてください。以降は制作実務の助けになる書籍を紹介していきます。

2.初心者向けに基本がまとまったものを手元に置きたい:『デザイナーじゃないのに!』

必要に迫られてクリエイティブ制作を行っている中で、自分はデザイナーじゃないのにどうして制作の業務をしているんだろう……とネガティブな気持ちになってしまう場面もあるかもしれません。こちらの書籍はまさに「デザイナーではないけど突然デザインの仕事を任されてしまった人」を想定読者としています。

「漫画でわかる」系の書籍は、後半は急に文字ばかりになり難しくなりがちですが、こちらは全編が漫画で構成されているため非常に読みやすいのもポイントです。題材として取り上げられているデザインのいわゆる素人っぽさや、主人公が誤解しているデザインへの認識のリアリティも非常に高いため、内容に納得感があります。

1つのデザインが物語の進行とともに、一度ではなく複数のステップを経て段々と改良されていくため、他のデザイン書籍のBefore→Afterの例を見て、肝心のプロセスが分からず参考にできなかった方にもお勧めできます。

さっと読むだけで終わらせず、手元に置いておき、自分の制作物と都度比較しながら改良するような使い方も有用だと思います。

3.すぐに真似できる作例集がほしい:『思わずクリックしたくなる バナーデザインのきほん』

広告バナーに特化した珍しい1冊です。作例も多く、色々なジャンルのバナーが紹介されています。ご自身が取り扱う商材に近い作例を見つけて真似するだけでも、ゼロから自力で制作するより遥かに良い仕上がりになるはずです。

単なるバナーのサンプル集ではなく、広告効果を意識したうえでのデザイン上の狙いも解説されており、広告運用者にとって身近な分野からデザインを学ぶことができるのが嬉しいですね。

『デザイナーじゃないのに!』で身につけた知識があれば、いわゆる「プロっぽい」まとまったデザインがなぜ洗練して見えるのか、理解できることも増えているはずです。2冊を併用することで「なんとなく良い」「プロっぽい」といった、これまで感覚で処理していた部分を言語化しやすくなるでしょう。

なお本書の作例を完全に再現しようとすると、フォントなどの有料のデザインアセットが必要になったり、それなりに高度な編集技術が必要なケースも出てきます。クオリティを追求したい段階になれば既に脱初心者といえますので、ブログや動画などでデザインソフトの解説をしている情報にアクセスしてみるのも良いでしょう。

4.デザインの幅を広げたい:『同じ素材&テキストなのに、こんなに違う! デザインのネタ帳』

制作にはある程度慣れてきたけど、毎回同じようなデザインになってしまう……。という壁を感じている方にはこちら。タイトルの通り同じ写真素材とテキストを題材に、タイプの異なる4つのデザインが紹介される、切り口が独特な一冊です。

同じ情報からでも、着目する部分や見せ方が変わるだけで、全く違う仕上がりになっていることが分かります。デザインには多くの可能性や様々な捉え方があることを感覚として理解できれば、日常で目にする広告やデザインのすべてをデザインの見本として捉えることができるようになります。

アイデアの引き出しが自然に増えるため「同じようなデザインになってしまう」といった悩みの解消を手伝ってくれるでしょう。広告運用でいうところの、クリエイティブ摩耗のような現象に日々悩んでいる人にはおすすめです。

書籍のコンセプト上、素材とデザインが別々になっていることで、より制作のイメージがつかみやすいのもポイントです。一方、1つ1つの作例に対する解説にはあまりスペースが割かれていないため、元の素材と結果のデザインだけを見てプロセスが想像できる程度のレベルは求められるかもしれません。

番外:ベストセラーだけど最初の1冊としてはオススメしにくい書籍

この記事の他にもデザインの良書紹介はたくさんあります。その中でよく見るのが『ノンデザイナーズ・デザインブック』と『なるほどデザイン』の2冊です。これらはたしかに良書ですが「これからクリエイティブ制作に挑戦する広告運用者が手に取る最初の1冊」として考えると、筆者としてはお勧めしにくいです。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』

見やすいレイアウトの原則が学べます。情報量としては申し分ないものの、例が広告クリエイティブというより文書・ドキュメントが多いことやテキストの量が多めであることから、ゼロから学ぶ段階の人が読破するのには気力が求められそうです。かえってデザインへの苦手意識が強くなってしまうかもしれません。

本書の肝である「デザインの4原則」については、この記事でも紹介した『デザイナーじゃないのに!』でも多くのページを割いて解説されています。より楽しみながら・実践しながらインプットできそうな点で、筆者としては漫画形式の書籍をお勧めします。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』は、ある程度クリエイティブ制作を実践したうえで、より知識として定着させたい場面で是非手にとってみてください。

『なるほどデザイン』

手を動かすよりも前に整理しておくべき「なんのためにデザインするのか?」という大前提の解説からはじまる良書です。デザインを擬人化しながら説明したり、左脳で説明できる部分と右脳で感じる部分で区別するなど、身の回りのデザインが何を考えて制作されているのかを覗くことができます。文字通り「なるほど!」と感じながら楽しく読み進められるでしょう。

しかしながら、作例に関してはどちらかというと経験者向けの内容のように思います。「ここに書いてあることは納得できたけど、目の前の仕事にどう活かせば良いのかわからない」「NG例も十分良いものに見えてしまってOK例との違いが分からない」と感じるかもしれません。

『なるほどデザイン』もある程度クリエイティブ制作に慣れてきて、そのうえでもっとデザインのことを学びたい、もしくは誰かのデザインにフィードバックをする立場になったときに助けになるでしょう。

まとめ

デザイン書籍といっても取り扱うテーマも幅広いですし、書籍によっては特定のトンマナに偏っている場合もあるため、全く土地勘が無い方が今の自分に必要な一冊を選ぶのは難しいかもしれません。今回紹介した書籍が、皆さんのクリエイティブ制作が前進するきっかけになれば幸いです。

なお、デザインに関する書籍を購入する際は、トレースしたり自分の制作物と比較しやすい電子書籍版を筆者個人としてはお勧めします。

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Yuta Semba

Yuta Semba

クリエイティブチーム チームリーダー。前職ではECサイトを専門に売上を上げるためのウェブデザイナーとして、ディレクションや解析まで幅広く兼務。広告がきっかけでデザイナーを志した経験から、自分が作ったもので世の中に良い変化を生んでいきたいという気持ちでアナグラムに参画。

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