ユーザーそれぞれに関連性の高い製品やサービスを配信できるFacebookのダイナミック広告ですが、これまでの仕様では1製品・サービスにつき画像は1種、画像に加工を加えたい場合はカタログ内に設定している画像をその都度加工するしかなく、製品の魅力や強みを十分に伝えきれているとは言いきれない状態でした。
今回は、そんな痒い所にも手が届く、ダイナミック広告の広告クリエイティブに関連するアップデートをご紹介します。特にこれから本格化する年末商戦に向けて役立つ内容です。
ダイナミック広告をまだ導入していない方は、特徴や導入方法について下記の記事をご参照ください。
参考:Facebookダイナミック広告の仕組みと作成方法、成果を伸ばすためのターゲティング設定まで
1.画像上に値段、割引率などを表示できる「オーバーレイ」
画像引用元:ダイナミック広告にオーバーレイ、クーポンなどを追加する|Facebookヘルプセンター
ダイナミック広告で表示される製品画像上に、「価格、割引率、取消線付きの価格、配送料、人気の商品」といった情報を、アイコン的に表示できるようになりました。 なお、徐々にアカウントへ適用がなされているようで、筆者の環境では「配送料」「人気の商品」は確認ができませんでした。(2017年11月現在)
設定の方法は、ダイナミック広告キャンペーンの広告編集画面で「画像にオーバーレイを追加」にチェックを入れ、追加したい情報をプルダウンから選択します。デザインを編集する場合は「デザインを編集」をクリックします。「デザインを編集」をクリックすると画面が表示され、アイコンの形状と色、テキストの色、アイコンの表示位置を編集可能です。フォントは現状1種のみが選択可能ですが、プルダウンが確認できるため今後拡大も期待できますね。
価格、割引率、取消線付きの価格、配送料
管理画面上での設定は上記のようにとても簡単ですが、これだけでは価格、割引率、取り消し線価格、配送料を表示することはできません。カタログに必須項目を設定する必要があります。
画像引用元:ダイナミック広告にオーバーレイ、クーポンなどを追加する|Facebookヘルプセンター
- 価格、割引率、取り消し線価格を表示したい場合:[sale_price]、[sale_price_effective_date] 列にデータを入力
- 配送料を表示したい場合:[shipping] 列にデータを入れる必要があります。
画像引用元:ダイナミック広告にオーバーレイ、クーポンなどを追加する|Facebookヘルプセンター (筆者により一部加工)
ただ目に留まりやすいだけでなく、割引率など、製品の強みとなる部分をアイコンとして目立つ位置に表示できるため、まず目に留めてもらえるよう視認性のアップも期待できます。筆者の環境で確認したところ、現時点では「製品」、「旅行業界向け」(フライト、ホテル、目的地)、「自動車業界向け」では適応が確認できましたが「不動産」のカタログでは使用できませんでした。
人気の商品
「人気の商品」については、ユーザーがWEBページ上で起こしたアクションを元にカタログ内での人気の商品が選出され、該当商品にアイコンが表示されるようです。Facebookヘルプページには以下の記載があります。
利用者がウェブサイトで製品に対して起こしたすべてのアクションを基に、カタログ内のベストセラー製品が割り出されます。これらのアクションは、Facebookピクセルに基づいています。
引用元:Facebookダイナミック広告にオーバーレイ、クーポンなどを追加する | Facebookヘルプセンター
こちらに関してはカタログ上で設定は今のところ提示されておりません。また、オプトアウトの可否も不明なため続報が待たれます。
2.製品画像をスライドショーで表示可能に
ダイナミック広告でカルーセル形式の広告を選択し、カタログにおいて一つの製品に対し複数の画像を設定している場合、それらの画像がスライドショーになって表示できるようになりました。
設定の方法は、ダイナミック広告キャンペーンの広告編集画面でカルーセル形式を選択し、「カタログアセット」箇所で「使用可能なスライドショーを表示」にチェックを入れます。
管理画面上の設定は以上ですが、カタログに画像が複数設定されていない場合、オーバーレイと同様これだけではスライドショーになりません。カタログをカスタマイズする必要があります。
画像はカタログの[image_link] 列に設定されており、必須項目なため必ず1製品1件は設定されています。この列に2枚目以降の画像を設定します。なお、スライドショー表示をするためには、最低100製品(または総製品数の20%)に複数画像を設定する必要があります。
参考:Add overlays, offers and more to your dynamic ads(英語版ヘルプ)
こちらもカタログのカスタマイズが発生する場合はハードルが高いですが、特にEC商材では、1枚の画像だけではその製品の魅力を伝えることは難しく、例えば洋服なら、洋服の全体が分かる画像、モデルが着用した画像、素材感が分かるような生地のアップの画像など、複数の画像を表示することで、広告で伝えられる製品の情報や魅力の幅は大きく広がります。
ヘルプページに適応済みカタログの明記はありませんが、筆者管理画面上で確認したところ、製品カタログのみでしか適応が確認できませんでしたが(2017年11月現在)、製品カタログ以外のカタログに今後適応されていことが期待されますね。こちらのアップデートは順次アカウントへ反映されていくとのことです。
3.カルーセルの一部としてクーポンを表示
画像引用元:ダイナミック広告にオーバーレイ、クーポンなどを追加する|Facebookヘルプセンター
ダイナミック広告にクーポンを追加し、さらにカルーセルの一部として最初の画像に設定できるようになりました。クーポンを追加できるのはカルーセル形式のみです。
設定方法は、ダイナミック広告キャンペーンの広告セット編集画面でクーポンを有効にし、「クーポンを作成」をクリックします。
クーポン作成画面が開かれるので、情報を入力していきます。
・クーポンのタイトル:そのクーポンがわかりやすく伝わるタイトル
・詳細:クーポンの説明
・終了日・終了時間:クーポンの有効期限が終了する日時
・クーポンを利用できる場所:オンライン、店舗、両方 から選択
・オンラインクーポンURL」そのクーポンが使用できるウェブサイトのURL(クーポンを利用できる場所がオンラインまたは両方の場合)
・クーポンコードを入力:
┗コードなし:コードの入力は不要で使用できるクーポン
┗共通コード:全てのユーザーの共通するコードを入力すれば使用できるクーポン
※コードの入力が必要です。
┗個別コード:ユーザーそれぞれに個別のコードを割り当て、その個別コードを入力すれば使用できるクーポン
※個別コードをCSVファイルまたはTXTファイルでアプロードする必要があります。また、合計クーポン数はアップロードした個別コード以上の数で設定することはできません。
・クーポンのshareオプションを非表示:クーポンをシェアできないように設定が可能
・利用規約:このクーポンが使用できない製品・サービスなど、重要な利用規約
これらの情報を入力し、「作成」をクリックします。これでクーポン作成は完了です。その後広告編集画面に移ると、自動でカルーセル形式が選択され、クーポンが最初に設定された画面が表示されます。クーポンの画像はこの画面で選択できます。
クーポンというユーザーの注目を集めやすいものをダイナミック広告のカルーセルの最初に配置できるため、クーポンの内容を踏まえた上で商品を確認してショッピングを行え、ユーザー利便性の向上が期待できます。ヘルプページに適応済みカタログの明記はありませんが、筆者管理画面上で確認したところ、製品、フライト、ホテル、目的地、不動産のすべてのカタログで利用可能なのが確認できました。
最後に
Facebookダイナミック広告は、リターゲティングの場合ユーザーが閲覧した製品やその他関連製品が表示され、新規ユーザーをターゲティングした場合FacebookやWEBページ上でのユーザーの行動を元に関連すると判断された製品が表示されます。ユーザーそれぞれに関連性の高い製品を表示できるダイナミック広告は、これまでも高い効果が期待できる広告メニューでした。
そこに今回アップデートされた機能を利用することで、よりユーザーの目に留まりやすく、興味を引きやすくなることが期待できますね。画像の追加などは導入のハードルが高いですが、効果の高い製品を優先的に対応するなど、できるところから積極的に活用することを検討するのが良さそうです。