Metaピクセルとは?初心者向けに基本と設定方法をやさしく解説

Metaピクセルとは?初心者向けに基本と設定方法をやさしく解説

広告の効果の計測をはじめ、ユーザー行動のデータをもとにした広告の最適化や、効果的なターゲティングまで、Metaピクセルは幅広い場面で活用できます。

一方、機能が多くカスタマイズ性も高い反面、はじめて設定するときに混乱する広告運用者も多いのではないでしょうか?

そのために初心者はもちろんのこと、リファレンスガイドとして設定方法を改めて確認したい方にも、Metaピクセルについて詳しく紹介します。


Metaピクセルとは

Metaピクセルは、商品の購入やお問い合わせといったコンバージョンアクションや、ページ閲覧やカートへ追加などの、サイトに訪れたユーザーのさまざまな行動を計測するためのウェブサイトに設置するコードのことです。(広告計測タグとも呼びます。)

ピクセルを設置することで、ユーザーの行動を計測するだけでなく、計測されたデータを基に自動入札の最適化に使ったり、ウェブサイトにアクセスしたユーザーリストの作成やターゲティングに活用したりすることも可能です。

Metaピクセルの構成

簡単に言えば、Metaピクセルは下記の2つの要素で構成されています。

画像引用元:Metaピクセル標準イベントの仕様
  • ②ベースコード
  • ③標準イベントコード

※①ウェブサイトの元のコード

ベースコード

まず、ウェブサイト上でユーザーの行動を追跡し、イベントの計測に必要な機能を実行するためのコードです。

1つのアカウントに対して1つのみ作成可能で、すべてのページで共通のコードになります。

ベースコードだけが設置された状態だと、PageViewというユーザーがページを閲覧したイベントだけが記録できます。「購入」「カートに追加」などの他のユーザー行動の計測には、専用のイベントコードを追加する必要があります。

標準イベントコード

標準イベントは、登録完了、購入など一般的なアクションに対応するイベントです。各種イベントの追跡に必要なコードを該当するページのベースコードに追記するだけで、計測や最適化などに使用できます。(例えば、「購入」イベントのコードは購入完了ページに追加するなど)

追記すべきコードは追いたいイベントによって異なりますが、基本的に計測するイベント名の指定とそのイベントに関する詳細情報を示すパラメータで構成されています。(パラメータが不要なイベントもあります)

例えば、上記の商品購入イベントの場合、①の「Purchase」が標準イベントの指定、②の価格(value)か通貨(currency)がパラメーターに該当します。

こうして購入イベントのコードを購入完了ページに設定すると、購入が発生した回数と購入金額(と通貨)の追跡が可能になります。

デフォルトで用意されている標準イベントと対象のパラメータは以下の通りとなります。

サイトアクション説明標準イベントコード
支払い情報の追加チェックアウト手続き中に顧客の支払い情報を追加する(例: 請求情報の保存ボタンをクリックする)fbq('track','AddPaymentInfo');
カートに追加ショッピングカートやバスケットにアイテムを追加する(例: ウェブサイトで[カートに追加]ボタンをクリックする)fbq('track', 'AddToCart');
ウィッシュリストに追加ウィッシュリストにアイテムを追加する(例: ウェブサイトで[ウィッシュリストに追加]ボタンをクリックする)fbq('track', 'AddToWishlist');
登録完了ビジネスが提供するサービスと引き換えに、顧客が情報を提出する(例: 電子メール購読の申し込み)fbq('track','CompleteRegistration');
問い合わせ顧客とビジネスが電話/SMS、メール、チャットなどの方法で連絡を取り合うfbq('track', 'Contact');
製品のカスタマイズビジネスが所有する設定ツールまたはその他のアプリケーションを使用して製品をカスタマイズするfbq('track', 'CustomizeProduct');
寄付団体や慈善活動に寄付するfbq('track', 'Donate');
場所の検索ウェブまたはアプリであなたの店舗を見つける(例: ある商品を検索して実際の店舗で見つける)fbq('track', 'FindLocation');
チェックアウト開始チェックアウト手続きを開始する(例: [チェックアウト]ボタンをクリックする)fbq('track', 'InitiateCheckout');
リードビジネスから後日連絡が来る可能性があることを理解して、顧客が情報を提出する(例: フォームの送信、トライアルの登録)fbq('track', 'Lead');
購入購入を完了する。通常、注文/購入の確認や取引の領収書の受け取り(例: [ありがとうございました]ページまたは確認ページの表示)fbq('track', 'Purchase', {value: 0.00, currency: 'USD'});
スケジュール店舗の訪問を予約するfbq('track', 'Schedule');
検索ウェブサイト、アプリ、その他のプロパティで検索を実行する(例: 商品の検索、旅行の検索)fbq('track', 'Search');
トライアル開始ビジネスが提供している製品またはサービスの無料トライアルを開始する(例: サブスクリプションの無料体験)fbq('track', 'StartTrial', {value: '0.00', currency: 'USD', predicted_ltv: '0.00'});
応募ビジネスが提供している製品、サービス、プログラムなどに応募する(例: クレジットカード、教育プログラム、求人)fbq('track', 'SubmitApplication');
サブスクリプション登録するあなたが提供している製品またはサービスの有料サブスクリプションを開始するfbq('track', 'Subscribe', {value: '0.00', currency: 'USD', predicted_ltv: '0.00'});
コンテンツビュー関心のあるウェブページを訪問する(例: 商品ページやランディングページ)。コンテンツビューではウェブページのURLに訪問があったことはわかりますが、訪問者がウェブページで何を実行または閲覧したかはわかりませんfbq('track', 'ViewContent');

参考:Specifications for Meta Pixel Standard Events | Meta Business Help Center

上記のイベントコードは、標準イベント計測に最低限必要なコードになっていますが、さらに任意のパラメータでカスタマイズできるケースや、パラメータの追加が必須になるケース(Advantage+ 広告など)もあります。

各イベントコードに対応しているパラメータの詳細については下記のリファレンスをご参照ください。

参考:リファレンス - Metaピクセル - ドキュメンテーション - Meta for Developers

カスタムイベントについて

また、特定のボタンのクリックなど、上記の標準イベントで網羅されていないアクションを計測したい場合は、自由にイベント名を付けられる「カスタムイベント」で計測が可能です。

「カスタムイベント」を広告レポートで表示したり、最適化に使用したりするためには、イベントを条件にしたカスタムコンバージョンの設定が必要です。

設定方法について下記の記事で説明しています。

Metaピクセルの設置でできること

費用対効果の把握と最適化

Metaピクセルを設置することで、購入や問い合わせといったコンバージョンを計測を可能にすれば、1件あたりの獲得単価(CPA)が把握でき、広告の費用対効果を高めるために次にとるべきアクションがより分かりやすくなります。

さらに、こうして計測されたコンバージョンを基にMetaの機械学習を活用し、コンバージョンの見込みが高いユーザーへの広告配信の最適化にも繋がります。

ユーザー行動に基づいたターゲティングピクセルイベントで計測できたデータを基に、ターゲティングに利用できるオーディエンスの作成も可能になります。

カスタムオーディエンスの作成

カスタムオーディエンスとは、Meta広告で設定できるターゲティングの一つで、

広告主が保有する顧客情報(メールアドレス、電話番号、住所など)の他にMetaピクセルを利用してサイト訪問やアプリの利用などのデータを基にカスタムオーディエンスを作成する方法があります。

Metaピクセルを活用したカスタムオーディエンスを作成すると、既に接点を持っているユーザーユーザーへの広告配信だけではなく、カスタムオーディエンスに含まれたユーザーを意図的に配信対象から除外することもできるため、広告配信の細かいコントロールが可能です。

カスタムオーディエンスの詳細については下記の記事でご確認できます。

類似オーディエンスの作成

類似オーディエンスとは、「商品を購入した人」や「サービスを利用した人」などの既存のカスタムオーディエンスに似た特性を持つ新しいユーザーにリーチを広げる機能です。

例えば、Metaピクセルで計測したコンバージョンに至ったユーザーをまとめたカスタムオーディエンスがあるとします。そのオーディエンスを基に類似オーディエンスを作成すると、似たような特徴(年齢・性別・興味関心など)を持つ新たなユーザーにもリーチできコンバージョン数の増加が期待できます。

類似オーディエンスについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

Metaピクセルの設定手順

ここで、Metaピクセルの作成から設定までの具体的な手順を解説していきます。

Metaピクセルの作成について

まず、Metaピクセルの作成方法について見ていきましょう。

①広告マネージャ画面の左側にある「すべてのツール」をクリックします

②イベントマネージャを選択します

ウェブやアプリからのデータ連携

最初にウェブサイトやアプリなどの計測データの元となるスースとのリンクが必要です。

①イベントマネージャ画面の左側にある「データソースをリンク」をクリックします

「データソースをリンク」をクリックすると以下のようなポップアップが表示されます。

Web サイトやアプリなどのデータを共有先を選択できます。

①計測したいものを選択してください。今回はウェブサイトに設置するケースで説明しますので、「ウェブ」を選択していますが、データソースが違えばそれに応じて選択します。

② 選択後に表示される「次へ」をクリックしてください。

次は、データセットの作成です。データセットとは、Metaのイベントマネージャでウェブサイト、アプリ、オフラインイベントのデータを一元管理できる仕組みです。

①「新しいデータセットを作成」のポップアップで名前を入力し「作成」をクリックします

データセットの作成が完了すると「ウェブサイトのリンク方法を選択」のポップアップが表示されます。(今回は手動で設定する方法について紹介します。)

①「手動でリンク」をクリックします

②「MetaピクセルとコンバージョンAPI」と「Metaピクセルのみ」の選択肢がありますが、「MetaピクセルとコンバージョンAPI」の導入には専門知識のもったエンジニアが必要となるので、今回は「Metaピクセルのみ」を選択した場合の解説になります。

③「次へ」を選択

※コンバージョンAPI(CAPI)とはWebサイトに実装されたFacebookピクセルタグの代わりに、広告主が持つクライアントサーバーからFacebook社の広告サーバーにイベントデータを直接送信する仕組みになります。

詳しくはこちらの記事をご参考ください:

Facebook広告のコンバージョンAPI(CAPI)とは何か?を理解する前に知っておきたいこと

④最後に「完了」をクリックしてピクセルの作成が完了します。

Metaピクセルの設置について

ここからはMetaピクセルのコードをサイトに設置する方法について説明します。

まずはイベントマネージャからベースコードを取得する必要があります。

①イベントマネージャ画面の左側にある「データソース」をクリックします。

ベースコードを取得したいピクセルを選択してください。

②ピクセルを選択後、「Meta ピクセルを設定」をクリックします。

クリックすると以下のポップアップが表示されます。

今回は「コードを手動でインストール」する方法を解説しますが、もし自社サイトがShopifyなどと連携している場合は「パートナーを確認」をクリックで連携ができます。

③「コードを手動でインストール」をクリックします。

④次に表示される「ベースコードをインストール」の画面で「コードをコピー」をクリックします。

ベースコードをサイトに設置

コピーしたベースコードをサイトに設置します。

「ベースコード」とよばれるJavaScriptタグが表示されるので、ユーザー行動を計測したいウェブページ全ての<head>タグのすぐ上に貼り付けてください。設置する場所を間違えると、ピクセルが作動しないこともあるので正しい場所に設置するように注意しましょう。

もし、Google タグマネージャー(GTM)を利用している場合は、コードをページソースに直接貼らずタグマネージャーから設定を行ってください。

GTMのタグの設定方法について下記の記事で説明しています:

⑤ベースコードをウェブサイトに設置できたら、「次へ」をクリックします。

次は「自動詳細マッチング」の選択画面になります。

自動詳細マッチングとは、メールアドレスや生年月日、性別などユーザーから提供されたデータを最適化に利用できるようになる機能です。

オンにすることで取得したユーザーデータがより多く集まり、広告のターゲティング精度や自動最適化の向上につながりやすくなると考えられます。

ただし、場合によって利用できないこともありますので、要件について下記の記事をご確認ください:

⑥利用したい場合は「自動詳細マッチングをオンにする」を選択します。

⑦オンにした場合、都道府県やメールアドレスなどMetaに送信する顧客情報の内容を確認して、設定が終わったら右下に表示される「次へ」をクリックします。

イベントコード設置について

次はコンバージョンを計測するためのイベントコードを設置します。

Meta側で標準イベントとして購入やリード獲得などのイベントコードが用意されています。計測したいイベントのコードを設置してください。

複数のイベントを計測したい場合は、イベントコードを複数設置が必要です。

例えば、登録完了と商品購入を計測する場合、登録完了イベントのコードと購入イベントのコードをそれぞれの該当するページに設置します。

登録完了ページに以下のコードを設定

購入完了ページに以下のコードを設置

それぞれのイベントコードを設置せずに標準イベントの追加が可能な「イベント設定ツール」もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

Metaピクセル設置後の動作確認について

ピクセルの設置が完了できたら、正常に作動しているか確認することをおすすめします。

動作確認の仕方はMetaピクセルの設置方法によって異なりますが、以下の3つはもっとも一般的だと考えられます。

  1. Meta Pixel Helper で確認
  2. Google タグマネージャーで確認
  3. イベントマネージャを利用した確認

1.Meta Pixel Helperを利用した確認方法

Google Chromeの拡張機能を使用して確認する方法を紹介します。

(お持ちでない方は「Meta Pixel Helper」をChromeにダウンロードしてください。)

まず、Google ChromeでMetaピクセルを設置したサイトを開き、拡張機能から「Meta Pixel Helper」を選択します。

選択した後、設置したIDと同じピクセルが画面左側に表示されているか確認してください。同じIDであればピクセルは問題なく動作しています。

また各種イベントの確認をしたい場合は、イベント発生の条件を満たした上でイベント名などの情報が正確にMeta Pixel Helperの画面に表示されるかどうかチェックしてください。

例えば、「カートに追加」のイベントの場合、商品をカートに入れた上で「AddToCart」がMeta Pixel Helperに表示されるかどうかで検証できます。

2.Google タグマネージャーで確認する方法

Googleタグマネージャーを使って確認する方法を紹介します。

タグマネージャーを使ってMetaピクセルを設置した場合、そのまま動作を確認できます。

①タグマネージャーのス右上にある「プレビュー」をクリックします。

②ピクセルを設置したサイトの URL を入力して「Connect」をクリックすると設置されているタグを一覧で確認ができます。

問題なく動作していれば、表示されたタグ一覧の「配信されたタグ

」の欄にピクセルタグが表示されます。

逆に「未配信のタグ 」にピクセルが表示された場合、タグ配信のトリガーを満たしているかどうか、など確認する必要があります。

3.イベントマネージャを利用した確認

最後にイベントマネージャからピクセルを確認する方法を紹介します。

①広告マネージャ画面の左側にある「すべてのツール」をクリックします

②イベントマネージャを選択します

③イベントマネージャ左側「データソース」をクリックします。

④「テストイベント」をクリックするとイベントコードをテストする画面が表示されます。

⑤ここで「ブラウザーイベントのテスト」にイベントコードを設置したURLを入力します。

URL入力後、「ウェブサイトを開く」を選択しピクセルが正しく設置されていれば、イベント発火を確認できます。

Metaピクセルを利用する際の注意点

ページに同じコードを複数設置しない

1ページに同じピクセルのコードを複数回設置すると、計測ミスが発生しやすく、広告の最適化に悪影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、購入後に表示されるサンクスページに購入のイベントコードを複数設置した場合、1回の購入が複数回計測されたり、意図しないイベントが記録されたりすることがあります。そのため、同じピクセルコードを1ページにつき一回としてください。

正しいイベントコード設置と種類を

イベントコードの種類を間違えて設置すると、正確な計測ができなくなります。また

イベントコードの中には、必須パラメーターを正しく設定しないと正常に動作しないものもあります。

たとえば、「購入(Purchase)」のイベントコードでは、「価格(value)」や「通貨(currency)」のパラメーターを設定しないと、正確な計測が行えません。

そのため、イベントコードの種類とパラメーターの組み合わせは必ず確認し、設定ミスを防ぐようにしましょう。イベントコードを記述した後は、必ず再確認を行うことをおすすめします。

まとめ

今回はMetaピクセルの概要と設定の流れについて説明しました。

Meta広告は、計測されたデータを基に自動で学習し、最適なユーザーに向けて広告を配信することに優れています。そのため、正確なデータを取得できるようにMetaピクセルを設置することが非常に重要です。

また、ピクセルの設置方法やその役割をしっかりと理解することで、万が一の計測エラーが発生した際にも迅速に対応することが可能です。

この記事を参考に設定を行い、効果的な広告運用に役立ててください。

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