Criteo広告で成果を出すために知っておきたい指標の意味と使い方

Criteo広告で成果を出すために知っておきたい指標の意味と使い方

Criteo広告を上手に使いこなすには、広告のパフォーマンスを示す様々な数字(これを「指標」と呼びます)を理解することがとても大切です。

Google広告やFacebook広告など、広告運用に携わったことのある方でも、Criteo広告には独自の指標も多く、指標の意味や使い方の理解に苦労している方も多いのではないでしょうか?

この記事では、Criteo広告でまずは確認しておきたい指標や間違いやすい指標の意味や使い方を分かりやすく解説していきます。


常に確認しておきたい重要な指標

まずは、業種や商材を問わず広告運用の改善点を特定するために、常に確認しておきたい重要な指標を紹介します。

オーディエンス

「オーディエンス」は、広告の配信対象となるユニークユーザー(ユニークブラウザ)数です。ユーザーとどれだけ接触できているかを確認するために使用します。

オーディエンス数が減ると、ユーザーとの接触機会が減り、その結果クリック数やコンバージョン数も減少する可能性があるため、オーディエンスは常に確認しておきたい指標のひとつです。

もしオーディエンス数に変化があった場合、その変化が外部要因なのか内部要因なのかを特定する必要があります。まずは、複数の広告アカウントでも同じ動きが見られるかを確認しましょう。

広告枠の増減は通常、すべての広告アカウントで共通の動きとなるため、他の広告アカウントにも同様の動きがあった場合は、「広告枠」の変化によるものだと考えられます。

一方で、オーディエンスの変動が特定のアカウントだけの場合は、次のような内部要因が考えられます。

  • ターゲティングの変更
  • Webサイトの集客方法の変更
  • Criteoタグが正しく動作していない

ターゲティングやWebサイトの集客方法を変更した結果であれば想定内ですが、Webサイトのユニークユーザー数と連動していない場合はCriteoタグが正しく動作していない可能性があります。

Criteoタグのエラー状況は、広告管理画面の左メニューにある「アセット」の「タグ/イベント」より確認できます。発火数の推移に異常がある場合は、速やかに改善策を講じましょう。

eCPM

「eCPM」は、インプレッション1,000回あたりの費用を指します。

eCPMの計算式は下記の通りになります。

参考:【FAQ】管理画面などで使用されている用語(略語)の意味を教えてください - Criteo Commerce Academy ※要ログイン

eCPMは「クリック単価」、あるいは「クリック率」により変動します。

また、Criteo広告では業種にもよりますがeCPMが競合と近しい値でないと、広告オークションで他社に負けやすく、広告の表示がされにくい傾向があります。

例えば、初期値の入札価格20円のまま配信し、eCPMが低くなって広告があまり表示されていない広告アカウントはよく見かけます。

初動でeCPMが低くて広告が表示されていない場合は、入札価格の引き上げがもっとも素早く対応できる有効な方法です。配信がなされない場合には、入札価格の引き上げを検討しましょう。

一方で、クリック率の低下によりeCPMが下がった場合は、次を見直す必要があります。

  • タグ
  • フィード
  • クリエイティブ
  • ターゲティング

タグ・フィード

特にCriteo広告の場合はより見込みの高いユーザーに対してより関心の高い内容の広告を表示することでクリック率が大きく変わる点から、タグやフィードを見直すことが非常に重要です。

リスティング広告に馴染みのある方は、タグ・フィードを配信開始後に修正することが不思議に感じられるかもしれません。この背景には、Criteoでは配信開始時にタグ・フィードが完璧な状態でスタートすることが少ないこと、また特にフィードは配信開始後も繰り返し検証を行うため手を加えることが多いことが影響しています。

タグの推奨設定やフィードの改善ポイントは以下の記事でご紹介しているので、是非ご確認ください。

クリエイティブ

Criteoでクリエイティブの変更を行う際、クリエイティブの設定を変更する場合とデータフィードから変更が必要なケースがあります。これはデータフィードの情報を基にクリエイティブが生成されているためとなります。

クリエイティブの改善策については以下の記事でまとめていますので、是非ご確認ください。

ターゲティング

リターゲティング配信におけるターゲティングの見直しは、2通りあります。

  1. 対象とするターゲティングを変更する
  2. タグが実装されている箇所を変更する

対象とするターゲティングは管理画面の広告セット設定から変更が可能です。クリック率を上げるためには広いターゲティングを狭くする等調整が可能です。

またターゲティングはタグで接触しているユーザーが対象となることから、タグを実装している箇所を調整することも有効です。ですが、Criteoタグではタグ実装をサイト全体にすることを推奨しています。タグ実装箇所を一部に絞ってしまうよりも、全体にタグを実装し、見込みの低いユーザーを学習させることも重要です。

クリック率を上げるためのアプローチをやり切っても改善されない場合は、CPCを上げることを検討することをおすすめします。

入札勝率

「入札勝率」は、表示される可能性のあった回数に対して、実際に広告が表示された回数の割合(%)です。「インプレッションシェア」と同義の指標です。

「入札勝率」は、成果の変化要因が内的なものか外的なものかを特定するのにも役立ちます。クリエイティブやターゲティングの変更を行っていないにもかかわらず「入札勝率」が変動した場合の変化要因が、内的か外的かを読み取る方法は、次のとおりです。

内部要因で入札勝率が上がった場合、広告費用対効果が合っていれば狙い通りに表示先が拡大している状態なので問題ありません。ただリーチ数がConvertキャンペーン(リターゲティングキャンペーン)においての30~40%が推奨値のため、この値よりも高い場合は広告で接触しているユーザーが少ない可能性があるので、タグの発火数の減少やターゲティングの拡大を検討してみてください。

参考:リーチの算定:ユーザーと訪問者について - Criteo Commerce Academy
※要ログイン

外部要因の場合は、競合が入札を抑制している、または広告配信を停止したことたとことが関係している可能性が考えられます。

入札勝率が下がった場合は、競合と比較して広告オークションに負けている可能性があります。内部要因の場合は、競合よりも表示機会が少なくなってしまっているため、入札価格または日予算を引き上げることをおすすめします。外部要因については他広告主やモールなどで実施しているセールなどのイベントが影響している場合は無理に強化せず静観することを考えていいでしょう。

リーチ

重要な指標としてもご紹介したリーチは、実は誤解しやすい資料でもあります。

Criteo広告のリーチは、オーディエンスに対して実際に広告が表示されたユニークユーザーの割合(%)になります。

インプレッションだけでなく「リーチ」も確認することで、ターゲットユーザーのうち、どのくらいの割合のユニークユーザーにアプローチできているかがわかるため、次に取るべきアクションが見つかります。

例えば、リーチが少なくインプレッションが多い場合、同じユーザーに繰り返し同じ広告が表示されている可能性があるため、ターゲティングを広げる必要があると判断できます。

またCriteoによると、Convertキャンペーン(リターゲティングキャンペーン)のリーチは30~40%程度あれば、ターゲティングした中でもコンバージョン見込みの高いユーザーに広告が表示できると言われています。

リーチが30~40%よりも低い場合は、オーディエンスの有効日数を短くすることで、より見込みの高いユーザーに広告を表示できる可能性が高まります。

一方で、Convertキャンペーンのリーチが30~40%よりも高い場合は注意が必要です。ターゲティングが狭すぎる可能性があります。

サイト内におけるタグ実装箇所が一部に限定されている場合は、サイト全体にタグを実装するよう見直しを行うことが有効な解決策になります。また、ターゲティングが一部のユーザーのみと限定的な場合、ターゲティングを拡大することも解決策の一つです。現在の設定状況に合わせた方法を是非取り入れてみてください。

誤解しやすい指標

次に、Criteo広告独自の名称や定義を知らないと誤解しやすい指標をご紹介します。

リーチ

Criteo広告のリーチは、オーディエンスに対して実際に広告が表示されたユニークユーザーの割合(%)になります。

Meta広告などの他の広告媒体でも「リーチ」は存在しますが、Criteo広告は”数”ではなく”割合”です。他の広告媒体とは定義が異なるため、Criteo広告で「リーチ」を確認する際は気をつけたいですね。

入札勝率

入札勝率は他媒体でもあるオークションの勝率を確認可能な指標です。実際の配信で表示される可能性のあったオークション数を母数としたときに、広告表示できた勝率を確認することが出来ます。

指標名内容
入札勝率表示される可能性のあった回数に対して実際に広告が表示された回数の割合(%)。「インプレッションシェア」と同義。

CPO

指標名内容
CPO1コンバージョンあたりの費用。コンバージョン単価(CPA)と同じ

「CPO」は見慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、Criteo管理画面上では一般的な「コンバージョン単価(CPA)」と同じ定義の指標です。もし忘れてしまった場合は、「Cost per order」の「order」を連想語にして、次のように思い出してみてください。

Cost per order→order→購入(コンバージョン)→コンバージョン単価(CPA)

COS

COSは広告からの売上に対する広告費の割合を示す指標です。CriteoにおけるROAS最適化エンジン(RO)を利用する際も、目標値の設置はCOSとなっているので注意が必要です。

指標名内容
COS広告からの売上に対する広告費の割合(%)

COSは広告費を広告経由の売上から割ったものなので、別名で「売上原価」とも呼ばれます。売上における広告費用の割合を示すため、収益性評価をする際に適した指標です。

計算式は、ROAS(広告費用対効果)の逆です。

一見ROASと似た指標と思われがちですが、COSは広告費用の効率性、ROASは広告自体の効果をみる指標と視点の違いがあります。そのため、ROASは数値が高い方が成果が高くなりますが、COSは低い方が成果が高くなります。

ECビジネスでは、一般的に薄利多売のモデルが採用されているため、利益率の管理が特に重要です。短期間で収益性を把握し、管理する必要があるため、広告費用の割合を示すCOSが用いられていると考えられます。

レポートへ指標を追加する方法

ここまでご紹介してきた指標のなかにはデフォルトでは表示されていない指標も。カスタムレポートに指標を追加して保存することで、いつでもレポートライブラリより指標を確認できます。

また、カスタムレポートへの表示形式は、表と折れ線グラフの2種類です。それぞれ設定方法を紹介します。

表のレポート(Table)に指標を追加する方法

まずは、表のレポート「Table」に指標を追加する方法を紹介します。

①管理画面でアナリティクスを開き、「レポートライブラリ」よりカスタムレポートを作成します。いつも確認しておきたい指標を追加したいので、レポートのテンプレートは「全体概要」を選択します

②レポートの編集画面に切り替わります。画面右上「Table」の「編集ボタン(ペンマーク)」をクリックします

③「指標を追加」をクリックします

④今回は例として「eCPM」を選択します

⑤指標が反映されているのを確認して「適応」をクリックします。
次に、作成したカスタムレポートを保存します。

⑥画面右上の保存マークをクリックします

⑦レポート名を入力して「保存」をクリックします

⑧保存したレポートは、レポートライブラリのカスタムレポートからいつでも確認できます

折れ線グラフのレポート(Tiles)に指標を追加する方法

時系列で変動を確認したい指標は、折れ線グラフのレポート「Tiles」に指標を追加擦ると良いでしょう。

①管理画面でアナリティクスを開き、「レポートライブラリ」を選択。レポートのテンプレートより「全体概要」をクリックします

②レポートの編集画面に切り替わるので、「Tiles」で表示されている指標名をクリックします

③追加したい指標をクリックします。今回は例としてオーディエンスを選択します

④「Tiles」で表示させたい指標が4つ以上ある場合は、「+タイルを追加」をクリックして追加しますこの後の手順は、②③と同じです。

最後に

Criteoはエンジンが配信調整している要素が多く、分析が難しいと思われることが多いですが、今回ご紹介した入札勝率から他社広告の状況が見えるようになるので、要因分析に役立てていただきたいです。

またリーチが高い状態を知ることで、限定的なユーザーに配信していることに気づき、WebサイトのTOPページに任意タグを追加実装しようといった次の施策に繋げてもらえると幸いです。

Criteo管理画面レポートを確認する際は、見慣れない指標が多いので、ぜひこの記事を片手に確認してみてください。最初は見づらい部分はあると思いますが、慣れてくると段々と上記でご紹介した指標を使って、これまでよりも多くの視点からの分析が可能になります。

関連記事

広告文・LPをレベルアップさせる、コピーライティングの原則とは?
広告文・LPをレベルアップさせる、コピーライティングの原則とは?
続きを見る
顧客インサイトだけでは足りない?3C分析を使った戦略的な広告クリエイティブの設計方法
顧客インサイトだけでは足りない?3C分析を使った戦略的な広告クリエイティブの設計方法
続きを見る
Twitter広告のレポートの使い方と見るべき指標
Twitter広告のレポートの使い方と見るべき指標
続きを見る