「この先、社会人を続けていけるだろうか?」新卒1年目の挫折で気づいた、仕事への向き合い方
この記事は、就職活動や働くことに不安を感じている学生さん、新卒1・2年目で仕事に悩んでいる方に読んで頂きたいと思い執筆しました。(もちろんそれ以外の方もぜひ!)

今回インタビューをした保立さんは2020年に新卒でアナグラムに入社。就職活動では多くの内定を獲得し、入社してから今まで全てが順風満帆で成功してきた、というわけではないかもしれません。むしろたくさん悩みつつ就職活動をし、入社後も1年目で「自分は仕事ができない」と悩んだそう。

成功のエピソードも素敵ですが、「自分は仕事ができない」「この先社会人を続けていけるのだろうか?」と悩んだ経験のある保立さんだからこそお伝えできることがあるはずだ、と思い話を聞いてみました。

まずは保立さんが入社前、アナグラムの会社説明会に参加した後に送ってくれたメールからどうぞ!

―――新卒向けの座談会に参加してくれた後、こんな素敵なメールを送ってくれたんですよね。

まずは、先日の説明会に参加させていただきありがとうございました。 法政大学経済学部国際経済学科4年の保立琳太郎と申します。

これまで多くの会社を見てきましたが、初めて自分にはこの会社だ!と思いました。そして説明会後のアンケートの最後には「私を採用して下さい!」という熱いメッセージお待ちしています、と書かれていました。 もうこれはメッセージを送るしかないと思いメールさせて頂きました。

どうして自分にはこの会社だ!と思ったのかを大きく3つに分けて話させて下さい。

まずは、「30歳までにマーケターとして食べていけるようになる」ということです。これはまさに私がキャリアを考える上で1つの通過点として考えていたことと同じでした。 それを断言してくれる環境で、しっかりと努力すればそこに辿り着けると確信しました。

次に、営業をしていないということ。私は営業をやりたくないと思っています。それは、信用が大切になってくる時代に、求めていない人に求めていないものを売りつけることに違和感を感じるからです。

そして1番は、社長の人柄です。説明会では、私の拙い質問に、熱心に回答してくださいました。社長からもありましたが、「この人になら騙されてもいい」と感じました。正しいキャリアなんてなくて、自分の情熱がどこに向くのかなんてわからない。どこに情熱を向けていいかわからず、就活に迷走していた私にはこの話が1番心に刺さりました。

以上、簡単にですが私が御社に入社したい!と感じた点です。つきましては、是非面接をして頂きたいと思っています。よろしくお願いいたします!

―――当時も「おおぉ!」と思ったんですが、今見てもやっぱり素敵でした。

ありがとうございます。3年も前なので懐かしいですね(笑)当時、広告代理店を中心に色んな企業の選考を受けたり説明会に参加したりして、アナグラムは最後だったんです。それでメールに書いてある通り「今まで見てきた会社とは何かが違う!」と感じました。

その説明会で、阿部さんに「クライアントの課題を解決するのにリスティング広告が向いてないとわかったら、どうするんですか?」とか、ちょっとひねくれた質問をしてみたんですよね。それで「そういう時は提案しない」とか、近江商人の三方良しの話とかを聞いて、今まで話を聞いた会社とは違うぞ、と思ったんです。

そして、気づいたらこんなメールを送っていました。

―――もちろん代表の考え方って会社の方向性としてすごく重要だと思うんですが、「じゃあ実際に現場はどうなんだろう?」という不安はありませんでした?

それはちょっと思ってました(笑)でも、 「この人になら騙されても仕方ないと思えるかどうかで、最終的に入る会社を選ぶといいよ」という話もきいて、普通そんなこと会社説明会で言わないじゃないですか。そこまで言ってくれる人なら信じてみてもいいんじゃないかと。

―――「騙された」と思っていないことを祈ります……!他にもメールの内容で気になるところがいくつかあり、1つずつ聞かせて下さい。

まず、「30歳までにマーケターとして食べていけるようになる」という点。アナグラムは「一人でも食べていける力を身につける」、かつ「その力を身につけた人が、それでもなお働きたいと思える会社にする」というのがひとつの目指している方向だったりします。

まだ30歳までは数年ありますが、今の時点でここに近づいていると感じていますか?

そうですね、近づいてきているとは思います。当時は何かしら具体的なスキルを身につけて、将来困らないようにしておきたいくらいの気持ちでした。「独立して食べていく」だけが目的であれば、出来ないことはないと思います。否定するわけではないですが、今自分がそれをやりたいか、と言われるとちょっと違うなって感覚なんですよね。

広告運用の仕事は今のところ続けたいので、であれば独立するよりもアナグラムにいた方が良いというのが今の気持ちです。きれいごとかもしれないけど、今は稼ぐことよりもお客さんの力になりたいと思っています。そこが目的だとクリエイティブの相談に乗ってくれるデザイナーや、広告運用だけでなく色んな事を相談できる今の環境の方が良いと思うんです。

あとは、そこまでスキルに対してのこだわりはなくなりました。広告運用のスキルを身につけたい!と思って、今そのスキルをある程度身につけた結果「広告運用だけできても仕方ないな」と感じ始めているんです。

なので近づいてはいるんですけど大学生の時に思っていた「広告運用のスキルを身につけて稼いでいく」のは、今は目指していないです。

―――目指していたところにある程度近づいてきたら、「あれ、なんか思ってたのと違うぞ?」と感じることってありますよね。営業に対する考え方についてはどうでしょう?メールだと「私は営業をやりたくないと思っています。」とストレートに書いていますが(笑)

「ほんとに世間知らずだな」って当時の自分に言ってやりたいんですけど、その時は「営業」という字面に対するいいイメージをあまり持っていなかったんです。なんとなく求めていないものを無理やり押し付けるようなイメージがあって……。

―――なるほど。今はそこに対するイメージは変わりましたか?

求めていないものを無理やり売ることは今でもやりたくないです。でも「営業をやりたくない」とは思わないですね。むしろもっとできるようになりたいと思っています。

アナグラムで色んな企業の課題や目標とかをお伺いする機会が増えて、クライアントさんの課題にマッチした営業であれば、喜んでもらえるという経験をしたので、「営業」というものに対するイメージは変わりましたね。

―――実際に仕事に取り組んでみて感じたことってたくさんあると思うんですが、印象的なことはありますか?

最初は座学で広告やマーケティングの知識をインプットする時間がありました。割と好奇心は強い方だと思うので、新しい知識が入っていく感覚はすごく楽しかったんです。

ただ3か月目くらいから、インプットした知識を業務に落とし込んでいくフェーズになってくると、インプットしたはずの知識を全然活用することができず、ツラい時期がありました。今までふわっと生きてきたツケが来てしまったなと。自分で考えて実行しないといけない環境だったんですが、全く主体的に動けませんでした。

―――知識はあるけど、何をしたらいいか分からなかったと。辛いとはいえ、やらないといけないと思うんですが、どう乗り越えましたか?

「長くやってる人でも全部は覚えてない。都度みんな調べながら進めているんだよ」という話を聞いて、すぐに使える知識ではなくて、必要な情報を引っ張ってくるための基礎を身につければ良いんだと気づいたのが最初の一歩でした。

今でも全部は覚えきれていないです。でもフックになりうる知識は最低限抑えているので、必要な時に引っぱり出せるんですよね。これができるようになってからは仕事がしやすくなりました。

―――特に今は媒体も多いし、毎日のようにアップデート情報が流れてくるので、全部を100%正確に覚えておくのはほぼ無理に近いですよね。「なんとなくこの情報があった気がする」「この情報はこの人が持っていそうだ」というのが分かっていれば、必要になった時に情報が得られる感覚はとても分かります。

もう1つ知識を引っ張り出しやすくなったのは、当時の上司が必要な知識を体系的にまとめてくれ、全体像が掴めたからです。どうしてもヘルプやブログの1記事1記事を読んでくと、細部はわかるけど、全体が掴めないみたいになりがちだったので、それを軌道修正してもらったのは大きかった。地図を手に入れた感覚ですかね。

―――他にこの3年で大変だったことはありますか?

実は入社して1年経たないくらいのころ、力不足を感じて「自分は仕事ができない。他の人が担当した方がお客様のためになるのではないか」というネガティブな思考になっていたことがありました。

少し冷静になって考えたときに、ネガティブになってしまっている要因が大きく2つあることに気づいたんです。1つは自分の実力不足ゆえに「クライアントさんに迷惑をかけているんじゃないだろうか……」というストレス。もう1つは自分の出したアウトプットに対してフィードバックを貰うことで「また直された……」という感情からくるストレス。

1つ目の「クライアントさんに迷惑をかけていること」、に対しては全て自分の力で解決しようとするのではなく、人の力を借りれば良いんだと気づきました。1年目の自分一人でできることはたかが知れているし、その力を急に伸ばすのは難しい。なので上司や先輩の施策を見たり聞いたりして、良いところを真似をする。そうすることで自分自身が短期間で成長しなくても、人の力を借りてお客さんの成果を伸ばすことはできますよね。

変にプライド高く自分の頭で考えたことばかり実施するのではなく、まずはパクる。それで成果を出す。そのうえで少しずつ自分の頭で考えたアウトプットを継続していくことで、自分の力も少しづつ伸ばしていけばいいんだと。

―――まさに守破離の「守」!!プライドが邪魔して、全部自分でやろうとするよりもパクる参考にすることで学ぶこともありますよね。

フィードバックを貰って落ち込んでしまう問題に関しては、捉え方次第だなと。相手も責めようと思ってフィードバックをしているはずはないし、社内にそんな人はいないはず。とはいえ直されたら「くそー!」と思ってしまう。じゃあ心の中で一回「うるせー!」って言おうと(笑)ぼくの場合は、それでモヤッとした気持ちがなくなって素直にフィードバックを受け入れることができるようになったんです。

この2つを意識してやるようになってからは、感情的にならずに仕事に取り組むことができるようになりました。

―――多分当時はしんどかったと思うけど、1年目でそれに気づいたのはいい経験だったのかもしれないですね。

正直その時は1年も経っていないのに、これでこの先社会人を続けていけるんだろうか、という不安はありました。でも原因は自分にあることは理解していたので、転職して解決する問題でもなく、解決するには自分の考え方を変えるしかないとは思っていました。

周りを見ても、たった1年でめちゃくちゃ仕事ができる人なんてそんなに多くない。それなら新卒1年目の自分ができなくても当たり前じゃないか。それよりも2年、3年続けていくことの方が大事だと。

―――成長が早い人もいれば、ゆっくりな人もいる。短期で成長することだけが正解じゃないですからね。

正直「自分はこの仕事に絶対向いている!天職だ!!」とは言えません。でも全くできない、無理なことをやっているというわけでもない。悩んでいた時も、広告運用関連の書籍は読んでいたんです。その時読んでてよかったのが『リスティング広告 プロの思考』ですね。

知識ではなく、考え方のことが書いてあって、まずはその通りにやってみようと。

―――悩んでいるときも仕事の本を読むってことは、広告運用の仕事そのものがイヤだったわけではないんですね。

はい、あくまでできない自分がイヤだったんです。

実際に読んだ本の通りに施策を考えてみたんですよ。そしたら思ったよりすぐに結果が出てきました。別に知識が増えたわけではないのに、考え方を知っただけでこんなに上手くいくんだという体験をしました。環境は変わらなくても、自分の考え方次第で結果が変わると分かってからは、どういう考え方で仕事をしたらもっと楽しく働けるかを考えるようにしています。

―――今はどういう考え方で仕事をしていますか?

今は少し不真面目になってきてます(笑)真面目になりすぎると、また落ち込んでしまうので。

以前は毎日100%のパフォーマンスを出さないといけないと思っていたんですけど、ぼくにはその働き方が無理だなって実感しました。80%の日があってもいいし、120%出さないといけない日もある。運用型広告の管理画面に張り付いた方が良いタイミングもあるし、少し離れて客観視したり、オンラインから離れてみることも必要。メリハリも大事だと思っています。

あとは例えば社内のSlackで、「ボケるタイミングはないかな?」みたいな楽しみポイントを自分で作って、ちょっとした工夫で仕事が大変な時でも楽しく向き合うことができるようにしています。そうして心に余裕ができれば、焦って変なメールを返信したり、見当違いの施策を打ったりすることもなくなり、結果的に全てがいい方向に向かう気がするんです。

―――それはもはや不真面目ではなく、だからこそ保立くんは良いクリエイティブを作れるのかもしれないですね。

最後に

アナグラムではカジュアルな会社説明会として代表・阿部との座談会を開催します。

満員御礼!定員に達したため応募を締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございます。

すでに広告・マーケティング・アナグラムにご興味がある方はもちろん、やりたいことが見つからない、何を軸に就職活動をしたらいいか分からない、という方にこそ参加していただきたいです。もしかすると保立さんのように「最悪この人になら騙されてもいいと思える会社に入る」という就職活動や仕事の考え方のヒントになるものが得られるかもしれませんし、そうなれば嬉しいという気持ちの元運営をしています。

1時間ほどの気軽な場ですので、ぜひお気軽にお申込みください。

※zoomにて開催。途中参加・退室OK、耳だけのご参加もOK。

中途の方向けのMeetupも適宜開催しています。