「広告運用の外注先」ではなく、「社内で相談しづらいことも相談できる関係性」に|チームリーダー 二平 燎平
『#times-にへい-btob研究所』

社内のSlackに突如現れたこのチャンネルは、二平さんがほぼ趣味でBtoBのビジネスに関する情報発信を行い、「BtoBのお客様のご支援で困ったら二平さんに聞いておけば間違いない。」という認識で、多くのクルーが二平さんを頼っています。

前職までは営業職中心で運用型広告はほぼ未経験だった二平さんが、営業の経験も活かしながらどのように今に至り、何を考えながら仕事に向き合っているのか話を聞いてみました!

――二平さんは入社して3年ほどたちますよね。営業経験の印象が強いですが、アナグラム入社前は具体的に何をしていましたか?

学生から振り返ると、本当はプロ野球選手になりたかったんです。高校ではレギュラーで甲子園に出場することができ、当時自分は野球がうまいと勘違いしていたのですが、大学に入ってみるとレベルが高く「プロにはなれないな」と挫折して、大学3年ぐらいからビジネスに興味を持ち始めました。周りに起業する人たちがちらほら現れて、自分でもなにかできないかなと思っていたんです。それで分からないなりにブログ立ち上げてアフィリエイトをやったり、広告を配信してみたりしたのが今の仕事に繋がるきっかけかもしれません。

新卒ではBtoB向けのSaaSを扱っている企業に入社し、その後は訪日外国人向けのニュースサイト運営やコンサルティングを行っている会社に転職をしました。起業するためにも営業を学びたいと思っていたので、正直アナグラムとは全く違う雰囲気で、どちらかというとゴリゴリの営業マンでしたね。

1社目でも2社目でも営業の仕事をする傍ら、リード獲得のために広告運用に少し携わったり、ライターとしてメディアの運営に関わったりとマーケティングに触れる機会はあったんです。そこから徐々に、営業は自分なりに結果を残すことができたので、次はもっとマーケティングを極めたいなと考えるようになりました。

――そこからなぜアナグラムに?

学生の頃から代表の阿部さんのTwitterをフォローしていて、アナグラムのことは知っていました。マーケティングの中でも特に広告運用をやりたいなとは思っていたので、積極的に情報発信していたアナグラムは良さそうだなと思っていました。周囲の人からも運用型広告やるならアナグラムがいいんじゃない?と同じような話を聞くことが多かったので、それなら間違いないだろうと応募しました。

――入社前後で感じたギャップはありましたか?

アナグラムに対するギャップではないんですが、前職とのギャップはすごく感じましたね。1社目2社目は、とにかく売上重視の雰囲気が強い会社でした。アナグラムは売上ノルマがないとは聞いていたものの、「そうは言っても多少はあるでしょ」と正直少し疑ってたんですよね。でも実際に現場に出ると本当になくて。顧客に寄り添うというか、自社の売上だけを追わない社風というのを選考で話した人もみんな共通して言ってたので、アナグラムに対するギャップは感じませんでした。

売上ノルマがないからと言って決してのんびりゆったりしているわけではなく、むしろ顧客の成果に対してはみんなシビアなのでそこは大変ですけど、クライアントさまに対して本質的な仕事をしたいとか、マーケティングに対して本気で向き合いたいという人にとっては良い環境なのかなと。少なくともぼくはそう思って入社したので、ギャップはありません。

――二平さんから見て、アナグラムはどういう人が多いと思いますか?

オトナな人が多い気がします。ワイワイガヤガヤという雰囲気ではなく、みんな自分の仕事にしっかりと向き合うっていう感じでしょうか。決して会話が多いわけではないんですけど、教えたがりな人が多いので質問はしやすい方だと思いますね。

――私も同じ印象でした。色んな人に話を聞いても入社前後でギャップを感じたという話はあんまり聞いたことがないんですよね。割と外側から見えてるイメージ通りなのかなって。入社後、苦労したことはありますか?

期待していただいている裏返しではあるんですけど、プレッシャーはすごく感じますよね。

アナグラムは社内だけでなく、お客さまも現状維持ではなくどんどん伸ばしていきたいという考えの企業が多いので、お客さまの成果を伸ばすために自分自身が成長していかないといけません。そのための継続したインプットは必須ですし、正直1,2か月情報のキャッチアップをおろそかにするだけでも相当ビハインドしてしまいます。

――二平さん含めアナグラムは未経験でも営業経験のある方が多いですよね。営業の経験が具体的にこういう風に活きているとか、お客さんとコミュニケーションを取るうえで意識していることとかありますか?

営業で学んだことそのままですが、先回りして動くことは意識しています。

1聞かれたら10応えるようにしていて、例えば「いま成果のいい広告ってどれですか?」という質問に対して「一番いいのはAという訴求です」という回答だと、1聞かれて、1しか答えてないんですよね。もしかしたら今の成果に対して懸念を感じていて「成果のいい訴求に寄せてほしい」と思っているのかもしれないし、WEBサイトやオフラインのコピーの参考にしたいのかもしれないし、営業トークの参考にしたいのかもしれない。この質問を頂くということは、こういうこと知りたいんだろうな、であればこういう情報まで出さないといけないなというのを常に考えてコミュニケーションを取っています。

「後から言うと言い訳、先に言ったら説明」という言葉があって、順番が前後するだけで相手が受け取る印象が全然変わることってあるんですよ。とにかく先手先手を打つというのは営業の経験が活きているなと思いますね。

あとは、とにかく「与える」ことです。ぼくらの仕事は運用型広告が軸ではありますけど、お客さまの悩みって運用型広告だけじゃないことがほとんどなんです。

だいたい打ち合わせの最後15分くらいは「広告以外で困ってることありますか?なんでも相談してください。」という時間を取っていて、結構いろんな質問を頂くんですよね。例えばぼくの場合は、これまでの経験を活かして営業について相談にのることができます。ぼくの経験では足りないなと思えば、社内の知見を提供することもできます。お客さんにとって「広告運用の外注先」ではなくて、「社内で相談しづらいことも、二平になら相談できる。」そういう関係性を築くことができれば最高ですね。運用型広告以外の相談に乗ったからといって、直接ぼくの評価が上がるわけでも、アナグラムの売上が増えるわけでもないんですけど、それでいいと思うんです。

――広告以外のご相談を頂けるのは、すごく嬉しいですよね。そういった姿勢もあって二平さんは結構早い段階でチームリーダーにもなられたのかなと思うのですが、マネジメントをやりたい気持ちは入社前からありましたか?

できるようになりたいなとは思ってました。後出しジャンケンみたいになっちゃいますけど、入社して2年くらいでマネジメントはやりたいなとは考えていて、予定通りだなと(笑)

営業をやっていた時もそうだったんですが、商流の上流に身を置くと見える景色が全然違うし、自分が周りに与えられる影響も大きくなると思います。あくまでぼく個人の考え方ですが、自分自身の価値を上げていきたいと考えると、プレーヤーで終わるのではなく、リーダーやプロジェクトのマネージャーは経験しておくべきだなと思います。

――チームリーダーになるために何か意識したことはありますか?

量をやることです。アナグラムではグロースハックという自分が担当していないアカウントを見る機会はありますが、一人あたりの担当社数が多くはないので量を経験するには工夫が必要です。社内の色んな情報がオープンになっているのでやろうと思う気持ちさえあればできる環境ではあるんですよね。

社内の色んなアカウントを見に行って、どういう意図で作られているのか、どういう広告の成果が良いのか、何か改善できるところはないか、自分の運用しているアカウントとの違いはどこかとか、とにかく色んな人のアカウントを見て分析していました。

あとは「ちゃんと理解する」ということですね。良くも悪くも、営業スキルがあれば細かいことは理解してなくても言い回しでその場を乗り切ることはできちゃうんですよ。でもお客さまと長期的にお付き合いして、成果を出し続けるうえで、その場だけを乗り切ることって全く意味ないんです。広告の仕組みやルール、アップデート情報、お客さまの業界や競合の情報など、ちゃん理解していないと本質的にお客さんの役に立てないので、日々出てくる分からないこと・理解が浅いなと感じることを曖昧なままにしないというのは大事だと思います。

――確かに一気通貫で、長期的なお付き合いをさせていただいている以上、表面的なコミュニケーションを取って困るのは、その後の自分ですよね。

そう。例えば提案においても無茶で非現実的なプレゼンテーションをして苦労するのは自分ですし、それで受注してもお互いに不幸になりますよね。もちろん高い目標を先に立てて、そのあとにどうやって達成できるかを考えるのもひとつのやり方ですし、その考え方を否定するわけではありません。

本当に顧客のことを第一に考えて誠実な提案ができたり、運用型広告では伸ばすことが難しそうなお問い合わせをちゃんとお断りできる、あるいはマーケットに対して誠実な判断ができる、こういった対応はアナグラムだからこそできるんじゃないかなと思います。

――最近「二平さんと言えばBtoB」という印象があり、ご自身でも多分そこを強みとしているのかなと思うのですが、何かそこを強みとするきっかけがあったのですか?

全然意図して狙ってたわけではないんですが、自分自身のこれまでの経験をつなげていった結果、BtoBが強みになったという感じです。1社目に経営者の方を相手にした営業とBtoB向けのSaaSをやっていてマーケから営業、CSと「The Model」にある全ポジションを経験しました。その後、2社目では中小から大企業と幅広く、訪日外国人対策のコンサルティングに携わり、BtoB向けの営業力を磨いた感じでした。アナグラムでも入社してはじめて担当したお客さまもBtoBのビジネスモデルだったんですよね。

BtoBとBtoCって、こういう言葉があるくらい別物のように捉えられることも多いと思います。でも意外とそこを跨いで施策を横展開すると上手くいくことって多いんです。それを1社目、2社目、さらにアナグラムでも経験してきたのでまだまだこの領域は改善幅が大きいなと。色んな役割や立場からBtoBのビジネスをみていくうちに、成功するポイントの共通点が多いし、再現性があるなと感じてきたのがきっかけです。

それで自分の考えを体系的にまとめて人に話すのは好きなので、今はBtoBに関する知見をまとめて社内に少しでも還元できたらいいなと思って、勉強会をやったりもしてますね。誰かに頼まれたわけでもないんですけど、もはや趣味みたいな感じで楽しくやっています。

――最後に、二平さんはどんな人に来てほしいなと思いますか?

なんでもいいので「なにか極めたものがある」「何かに真剣に取り組んだことがある」と自信を持って言える人がいいなと思います。

ぼくは学生時代ずっと野球をやっていて、その経験が今仕事にすごく活きています。当時野球部の監督に言われた「努力は裏切る」という言葉は今でもぼくの指針になっていて、普通「努力は裏切らない」じゃないですか。「頭を使わない努力は裏切る」という意味で監督は話されていて、大げさに言うと野球選手になりたいのにサッカーの練習ばかりやっててもなれるわけないですよねと。せっかく努力をするならちゃんと考えて、目的に沿った努力をするべきというのを、教えてくれました。広告運用でもボトルネックを見つけてインパクトのある施策に時間を割くというのは、根本この「努力は裏切る」の考えが染みついているからなのかなと。

こういうのって真剣にやっていたからこそ心に残っていると思うんです。同じ監督の話を聞いていても、それほど真剣じゃなかった人は印象には残っていないんじゃないかな。だからこそ何かに真剣に取り組んだことがある方と一緒に働きたいなと思います。

そういった意味でも、全く違う業界でも営業職で結果を残してる方は、個人的にはすごく魅力的です。営業は基本1対1で、マーケティングは1対nを相手にする仕事というだけで、本質は変わらないと思うんですよ。営業で結果を出せる方は、人の気持ちが分かる人だと思うので運用型広告でも活躍していただけるはずです。