「実際どうでした?」育休復帰したママパパ対談

2020年11月時点でアナグラムの育休取得者は女性2名、男性1名(現時点で数名が今後も取得予定)。今回はアナグラム初の育休取得を経て2019年に復帰をした古田が、直近育休から復帰した猪股・賀来の2人にインタビューをする形で、アナグラムの育休事情をお伝えさせていただきます!
※この対談は2020年11月に行われました。

まず最初に自己紹介をお願いします。

猪股:私はいま入社約5年が経ち、入社からずっと現場で運用型広告エキスパートとして働いています。2019年に1人目を出産してそのタイミングから約1年間の産休・育休を経て2020年の10月に復帰をしました。

賀来:ぼくは入社いま4年半ほどで、人事、現場、Marketeerの編集長を担当しています。子どもは2人で3歳の長男と、4ヶ月の長女。1人目出産のときは取得せず、今回長女が3か月になる2020年10月に、約1か月間の育休を取得しました。

ありがとうございます。入社時期はこの3人結構近いですよね。私も簡単に自己紹介させていただくと、いまは人事と現場と兼務をしています。猪股さんと同じく約1年間産休育休を取って、2019年6月に復帰したので、復帰後すでに1年半ほど経ちました。

賀来:古田さんはアナグラム初の育休取得者でしたし大先輩ですね。

いえいえ(笑)

育休を取得した理由やきっかけ

賀来さんは男性としてはアナグラム初の育休取得ですよね。なぜ今回、育休を取ろうと思ったのですか?

賀来:いくつか理由はあって、まずいちばんは子ども含め家族に向き合うためです。ただ取得しようかどうかは正直結構悩みましたね。いまって新型コロナウイルスの影響もあり、基本的に在宅ワークがメインじゃないですか。普通に通勤してた時は、平日は仕事終わって家に帰って、寝る前に本を読んであげるくらいしかできなかったんです。でも在宅ワークがメインになってからは送り迎えをしたり、ご飯を作って一緒に食べたりと、仕事をしながらでも家庭に時間を割きやすくなったんです。その状況で「あえて育休を取得する必要があるのだろうか?」と。でもそこはしっかりと休業という形をとることで、妻のサポートではなく、2人で向き合えるかなぁと思い取得を決意しました。

2つ目は純粋に価値ある経験になると思ったからですね。男性の育休取得率って7%ほどしかないって知ってましたか?男性全体で見るともっと低いはず。そのごくわずかな人しか知らない世界があって、そのマイノリティになれるのはすごく価値があるのでは?と思いました。

あとはちょっと嫌らしい話をすると、今までアナグラムの男性で育休を取った人がいなかったので、その人柱になれたらいいなぁと(笑)

育休取得の話を男性としていると、「前例がないから取りにくい」って言うケースもあるみたいです。1人目がいることで今後も続きやすくなるといいですよね。

猪股:女性側からしても夫が育休を取得してくれるというのは助かります。育休中は買い物に行きたいと思ってもなかなか行けないじゃないですか。「ちょっと見ててくれる?」というのが気軽にできるので男性が育休を取るのって良いなぁと思いました。

賀来:そう言っていただけるとすごく嬉しいです…!でもやっぱり男性側が育休を取るとなると、収入面や仕事面での不安を感じるママも少なくないと思うので、難しい問題ではありますよね。

1人目は取らなかったということなんですが、2人目で取得をしようと思ったきっかけがあったんですか?

賀来:1人目の時は本当に無知すぎたんですよ。多分男性が育休を取ることができるということも知らなかったし、休んで収入がゼロになったら困る!と思ってました(※)。育休を取るという選択肢が頭の中に全くなかったですし、調べようともしませんでした。妻は色々調べてたので「育休取らないの?」って言われたんですけど、「え?なんで取るの?取れないでしょ。」ぐらいの温度感でした。今思うとほんとバカだなと思いますね。

でもここ3年だけでも世の中の男性の育休取得に対する考え方って大きく変わってますよね。世の中の雰囲気は少なからず後押しになりました。妻が長女を妊娠しているときに、政治家の小泉進次郎さんが2週間の育休を取得されるというニュースを見たんです。育休って半年とか1年とか取るイメージだったので、そういう取り方もあるのか!と。それで結構リアリティが出てきましたね。

※実際には一定の要件下での「育児休業給付」という制度により、元の給与の50~67%が給付されます。アナグラムでは全額保障となるよう残りの33~50%を会社から支給しています。)

確かに育休は長期間取得するイメージがありますよね。育休に入る前に不安とかはありましたか?

賀来:正直すごくありました。1か月仕事から離れるなんて就職してからしたことなかったので、「本当に大丈夫?」という漠然とした不安がありました。育休に入る前に阿部さんと面談する機会があったので不安があるというのは伝えました。そしたら「大丈夫でしょ!なんとかなるよ!」って(笑)人事も2人でやってたんですけど、ぼくが育休に入る前に古田さんにも入っていただきましたし、運用型広告の仕事もすごく頼りになるメンバーが協力してくれて、そこはすごく安心できました。育休取得の手続きから始まり、色んな方にサポートしてもらったので本当に感謝しかないです。

猪股:私も産休に入る前は1年間も仕事から離れて大丈夫かな……、という不安はありましたね。業界的にも情報のアップデートとか早いじゃないですか。1年後にちゃんと復帰できるのだろうかと。でも私が産休に入る直前に古田さんが育休から復帰していましたし、何かあれば古田さんに相談しようと。あとはアナグラムは分業を取っていないので、長期の休みに入るとなると自分が担当しているクライアントさまの引継ぎをする必要があります。そこはみんなすごく協力的でしたし、安心して任せることができました。

産休・育休中の過ごし方は?

誰しも多少の不安は感じますよね。実際に休業に入った後はどのように過ごしましたか?

猪股:もう本当に子どものことでてんやわんやしてました。最初に感じていた仕事に対する不安は正直考える余裕がなかったですね。目の前の子どもに向き合うことで精いっぱいだったので。最初は時々Slackを開いてチーム内のチャットだけ見てたりしたんですけど、すぐにその余裕すらなくなりました(笑)

賀来:考えられないですよね。ぼくは正直3割くらい仕事のことは考えてました。実際に業務をしていたわけではないですし、誰かに強制されたわけでもないですけど、育休に入る前から全てを遮断するつもりはなく、3割くらい考えている状態が精神衛生上も良いだろうなと思ってたので。そこは人によりますよね。期間が半年とかだとまた変わると思います。

賀来:あとは両家の実家に帰ったり、毎日長男の保育園の送迎をしたり、妻と育児について話したりしてましたね。長女の育休ではあったんですけど、正直産後3,4か月の子に対してパパが直接できることって多くはないので、妻が長女に集中できるようにひたすら長男と遊んでました。

復帰前の不安はありましたか?

猪股:復帰直前も少し不安があって、古田さんに「どうしたらいいですか?」って相談したら「ゆっくりしてて良いよ」って言ってもらえたのはすごく安心しました。先陣を切った古田さんがいうならそうしようって。

復帰前にZoomランチに誘ってもらえたのもすごく嬉しかったです。私の場合コロナウイルスの時期と被っていたのもあって本当に家にこもりきりだったんですよ。家族以外とコミュニケーションを取る機会はすごく少なかったので、家族以外の大人と普通の会話ができるだけで気分転換になりました(笑)

話しができる相手がいるって良いですよね。私も会社として育休取得が初めてで、しかもコロナウイルスが出てくる前からリモートワーク状態での復帰という当時は割と特殊な状況だったので、細かい不安はたくさんありました。色んな人に色んな相談をして、その時にすごく柔軟に対応してくれて、全て最善の方向に動いてくれたのは安心できましたね。

猪股:もちろん人にもよると思いますけど、私の場合は全部断ち切られると不安だったので、時々チームメンバーがメッセージを送ったりしてくれて「ちゃんと会社とつながりがあるんだ!忘れられてない!」と感じられるのは嬉しかったです。なかなかこちらからは連絡を取りづらいですし。

育休を取得してみて

実際に育休を取ってみて今どう感じてますか?

賀来:すごくよかったです!!一番良かったのは長男と向き合えたこと。それは妻も同じことを言ってました。長男はもう3歳になるので、とにかく元気でわがままなんですよ。ぼくも妻も余裕がないとどうしてもイライラしてしまうことはあります。ぼくが育休を取得したことで、多少妻にも余裕が生まれたのか「長男と向き合えている気がする」と言ってくれたのはすごく嬉しかったです。育休取って良かったなぁと。

あと、復帰してからすぐ、ある男性メンバーが「うちも来年出産予定で、育休取ろうと思っていて、話し聞いてもいいですか?」と相談してくれたのは嬉しかったです。これこれ…!と(笑)

へ~!それは良いですね!

猪股:当り前といえば当り前ですけど、色んな事をママ目線で見れるようになって、世界が広がった感じがします。今後ママ向けの商品をご支援することもあると思いますし、新たな視点を持てるようになったという点では仕事にプラスの影響は出てくると思います。

あとはとりあえず保育園からの呼び出しがすごいなと。覚悟はしていたんですが、ほんとにこんなに呼び出しがあるんだと思いました。復帰後1週間は毎日呼び出しで、毎日早退でしたからね(笑)。でも復帰時に上長が「無理しなくていいから、まず1か月くらいは情報収集したりして元の感覚を取り戻しましょう。」と言ってくれたのは良かったです。雰囲気によっては肩身が狭くて後ろめたさを感じることもあると思うんですが、早退しても「いってらっしゃい!」と明るく送り出してくれる雰囲気はありがたいですね。

アナグラムのメンバーはそこの理解がすごくありますよね。私も安心して子育てにも仕事にも向き合えています。では最後に、これから育休を取る方、取ろうかどうか迷っている方へのメッセージを貰ってもいいですか?

猪股:取る前は不安でいっぱいかもしれないですが、育休を取ったからこそわかることもあります。復帰後ちゃんと感覚を取り戻せる期間もあるし、1年仕事から離れても大丈夫だよと言いたい。不安なことは、社内の色んな人がどうにかしてくれるから育児に専念して欲しいです!

賀来:最初にも言ったんですけど、男性が育休を取るのことは決してネガティブではなく価値あることなので、その機会と意思があるのであればぜひ取って欲しいです。ただ何も残らなかった…だとすごくもったいないので、「家族で育児について話し合う」とか「子どもに向き合う」とかざっくりとでも目的を決めてパートナーの方に伝えておくと良いと思います!

不安はいっぱいあると思いますが、休業を経て違う世界が見えるのでそれを楽しんで欲しいですね。思い通りにいかないことも多いけど、パートナーと話したり、会社に相談すると、最適な解決策を出してくれるはずなので気軽に相談して欲しいなと思います^^