木村石鹸工業株式会社(12/JU-NIシャンプー)
木村石鹸工業株式会社
広報・マーケティング担当
金 永樹さま 田村 佳穂さま 鹿嶋 友莉江さま

創業は1924年(大正13年)。老舗の石鹸メーカーの木村石鹸工業株式会社さま。同社初となるヘアケア商品「12/JU-NI(ジューニ)・シャンプー」を開発したタイミングで広告運用の支援をさせていただきました。

今回は、お問い合わせいただいたきっかけから、弊社との取り組みを通じてどのように自社ブランド事業を成功に導けたのかをお伺いしてきました。

このインタビューは、2021年12月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
島田 大資
森 弘繁
佐竹 篤紀(執筆者)

改めて、御社についてお伺いさせてください。

金:木村石鹸は、創業98年目の石鹸メーカーです。もともとは歯ブラシの製造業にはじまり、戦後は石鹸や洗剤などのOEM(※)を中心とした事業を展開しています。2013年からは、自社ブランド事業もはじめました。

自社ブランド事業で開発した商品のなかでも、アナグラムさんに広告をお願いしている「12/JU-NI(ジューニ)・シャンプー」は、開発者の多胡が約5年の歳月をかけて納得いくまで開発した、弊社の自信作です!

※ OEMとは、メーカーが他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)です。「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」の略語。

自社ブランド事業での金さんの業務内容を教えていただけますか。

金:自社ブランド事業のマーケティング担当として、お客さまと関わる部分すべてを担っています。商品企画からパッケージづくりなどの商品開発、PRやマーケティング、ECでの販売、イベント、カスタマーサポートまで、幅広く携わっています。

弊社を知ったきっかけは何でしたか?

金:弊社社長からの紹介です。以前から繋がりのあった会社さんがアナグラムさんと広告に取り組んでおられることを聞いたのがきっかけでした。

商品への自信があるからこそ、髪に悩んでおられる多くの人に12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーを使ったときの感動を伝えたい。そのために広告を活用したいと考え、問い合わせしました。その際には、アナグラムさんの口コミも参考にさせていただきました。

なぜ、アナグラムに依頼して下さったのでしょうか?

金:繋がりのあった会社さんの成果が非常に伸びたというお話もありますが、アナグラムさんのブログやWEBサイトなどの取り組み全体を通して、メーカー側を深く理解しようとする姿勢や柔軟さを感じるものがありました。実際に会ってお話をしてみて、本当にコミュニケーションが取りやすいと感じたことが決め手でした。私たちの話をしっかり聞いてくれて、落ち着いた雰囲気で信頼できそうだなと思いました。 

広告でも「正直さ」を貫く姿勢を大事に

ご相談いただいた当初、「広告っぽくない広告」を展開したいというご要望を伺いました。そのようにお考えになっていたのには、どのような背景があったのでしょうか?

金:以前から、ランディングページ(以下、LP)はこうあるべきというWeb広告業界の定石に対して「本当にそうなのか?」と、疑問を持っていました。派手な色のボタンや限定キャンペーンを目立たせ、購買意欲を煽って・・・というようなタイプのLPです。

「広告っぽくない広告」は、そうしたWeb広告業界の定石に対してのアンチテーゼとしてやってみたかったんです。

実際、広告配信に使用した12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーのLPは、商品を作り上げるまでのストーリーを綴った、私たちの想いを伝えるために作ったLPです。いわゆる「売れるためのLP」とはかけ離れています。このLPを広告と連動させたいとお話したらどう思われるかなという気持ちもありましたが、アナグラムさんに相談したら、「むしろこれがいい」と快諾してくれて・・・。

森:たしかに、12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーのLPには「万人向けではありません。合う人と、合わない人がいます。」と、合わない人もいることを正直に書いてあって、LPとしては斬新ですよね。しかし、このLPから、木村石鹸さんの企業姿勢がひしと伝わってきたので、「このLPを読んでくれたら、12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーを知らなくてもきっと買いたくなるはず!」と感じられたんです。

金:ありがとうございます。

木村石鹸は、何ごとにも「正直さ」を貫く姿勢を大事にしています。それは、モノづくりにおいても、マーケティングにおいてもです。広告だからといって商品の見せ方を変えたくなかったんです。そしてなにより、私たちは広告に関しては素人だったので、それならいっそ、よく見せようと装うよりも正直に伝えようと思いました。

Twitterのフォロワー数とトライアルセットの販売数は5倍以上に

お取り引きを始めてからの成果はいかがでしたか?

金:おかげさまで、トライアルセットの販売数は5倍以上となり、当初の想定よりも早いペースで沢山の方々にお試しいただける機会を増やすことができました。 

実際にお取り組みしていくなかで印象に残っていることはありますか?

金:これまで検討もしていなかったTwitter広告の活用を提案していただいたことです。広告を始める前は、広告をやるならInstagram広告かなと思っていました。

プライベートでInstagramもTwitterも使っていますが、Twitterはあまり興味が持てない内容だとスルーしがちだったので、広告はより反応が悪いのではと思ってました。対して、Instagramは、広告とわかっていても割と見てしまうことが多かったので、広告をやるならInstagram広告から始めたいと考えていました。

なので、Twitter広告を始めることは、私たちからは出てこない発想でしたね。

森:広告運用のご依頼をいただいた際に、「お客さまと継続的にコミュニケーションを取りたい」という要望も伺っていたので、それならなおのことTwitter広告の方が木村石鹸さんのやりたいことができると思い、提案しました。

Twitterのフォロワー獲得広告なら、広告で獲得したフォロワーがその後も資産になります。

フォロワーの集め先となる公式アカウントが運用されていない場合は、広告でフォロワーを獲得しても、その後フォローを外されてしまうことはよくあります。しかし、木村石鹸さんは丁寧なTwitter運用をされていたので、広告経由でフォローしてくれた人でも、木村石鹸さんが発信する情報を見続けてくれたらファンになってくれるはずと確信がありました。

また、シャンプーへの質問などのコメントをもらった際にはすぐに、木村石鹸さんが返事をできる体制も整っていたので、それならばと、はじめはフォロワー獲得広告を提案しました。

金:「Twitter広告をやりましょう」と言われたときは、本当に驚きましたよ!でも実際やってみて結果はかなりうまくいきましたよね。

広告配信の初期段階でフォロワー獲得広告を実施したことで、これまでのオーガニック投稿だけでは届けられなかった人にも「12/JU-NI(ジューニ)・シャンプー」をきっかけとして木村石鹸のことを知ってもらうことができ、フォロワー数も増加させることができました。いまでは、フォロワー約18,000人まで増えています。

Twitter広告で12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーを知って、LPを読んで興味をもってフォローしてくれた沢山の人たちに12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーをご愛用いただいてます。

広告をきっかけに沢山のお客さまが自ら商品の感想を投稿、「届けるべき人に届いている」ことを実感

金:12/JU-NI(ジューニ)・シャンプーのLPに「万人向けではありません。」と書いてあるように、実際この商品は万人向けではありません。そのため、すべての人に対して売り込もうとはせず「合う人、合わない人がいます。」ということを、広告でもLPでも正直に伝えました。

その取り組みは結果的に多くの反響を呼ぶことができ、さらには商品を使っていただいたお客さまが自らビフォア・アフターの写真をSNS上に載せてくれるなど、沢山の感想コメントをいただけたことにより、そうした口コミを通して一機に多くの方に商品を知っていただけたと思っています。

広告からLPまでの一貫したメッセージにより、まさに「届けるべき人に届いている」ことが実感できました。

社内の小さな一事業が注力事業にまで成長

金:広告を開始してからは、社内でも「自社ブランド事業が飛躍的に成長しているぞ」という雰囲気が出てきてました。

それまでは、全体の売上の10%ほどだった自社ブランド事業が、今期は全体の売上の30%ぐらいまで成長しています。12/JU-NI(ジューニ)シャンプーだけが成長したのではなく、それをきっかけに他の商品にも興味を持っていただけて、ご購入いただける流れもできました。

おかげさまで、今では自社ブランド事業は全社で取り組まなくてはいけない事業だと社内での認識が大きく変わってきています。

メーカー側の想いを汲み取ってサポートしてくれる

金:アナグラムさんは、物事をニュートラルに捉えて、広告屋さんに終わらず、すごくメーカー側に立った視点でお話をしてくれます。

たとえば、コピーひとつとっても、「私たちの想いに反するようなコピー」は作りません。ふつう広告代理店という立場なら、もっと売れるようなコピーにしたがると思います。

ここまでメーカー側の想いを汲み取ってくれる会社を、私ははじめて見ました。 

私自身メーカーに入って初めて知ったのですが、メーカー側は「自分たちの想いを知ってほしい」という気持ちがとても強いんです。広告代理店が自分たちのことを知ってくれれば知ってくれるほど、二人三脚でうまく進めていける。その点、アナグラムさんはこちらの想いをよく理解してくれていると感じます。

広告に関する専門的な知見も豊富に持っていて、成果の改善をしっかり行ってくれたうえで、メーカー側の気持ちに寄り添ってサポートしてくれる。その両軸がしっかりある会社だからこそ、安心して任せられますね。

今後アナグラムに期待していることは?

金:今の広告は、広告に見えないようにしていることも多いように思います。しかし、広告は伝えるべき人に知ってもらうための手段のひとつでしかないと思うんです。

広告は、世間的に嫌われがちな側面もありますよね。ですが、世の中の企業には伝えたいことや想いが沢山あって、広告はこれらを「広く告げる」ためのものだと思っています。なので広告を見ていただける方と正直に向き合えれば、広告は決して嫌なものにはならないのではないでしょうか。

利益の最大化を最優先にした「売れるための広告」から一度離れて、広告のあり方をアナグラムさんと一緒にこれからも考えていきたいです。

Voice Of AdOps担当者の声
木村石鹸さまとのお取り組みで印象的だったのは、「広告を見た方から実際にどんな反響があったか」、「広告を見た方はどういった感想を抱くか」を、定例会の場で最優先でお話いただける点です。

運用型広告というと、どうしても広告管理画面上の「数値」の議論のみになってしまう傾向があります。しかし、木村石鹸さまと一緒につくる広告は、商品の反響や応援のメッセージなど、広告の先に確かに「人」がいることを感じることができています。「届けるべき人に広告を届ける」、広告運用者としてこれ以上の喜びはないな、と強く感じる瞬間です。

さらに驚いたのは、ご担当者の鹿嶋さん・田村さんがSNS上に投稿されたコメントに1件1件返信をされていることです。お褒めのコメント・ご指摘のコメント問わず、木村石鹸のみなさんが真摯に返信されているのを拝見した際は、「正直なものづくり」を掲げる木村石鹸さんの組織としての強さを実感することができました。

これら木村石鹸さんの魅力を、「広告らしくない広告」として翻訳し、代理店としての価値を発揮できたことを光栄に思います。ご相談の当初からかなりチャレンジングな施策のご提案が多くあったかと思いますが、忌憚ない意見・アイデアをくださった木村石鹸さんの皆さまに改めて感謝をお伝えしたいです。

現在は、木村石鹸さんのさらなる躍進に向けて準備を進めている段階ですので、今後ともどうぞよろしくお願いします!

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