管理本部 本部長
松崎旭 さま
輸入車の買取・販売を手がける横浜ユーポス。同社の買取専門サービス「外車マスター」は、一括査定サイトなど外部媒体からの問い合わせで集客していました。しかし、費用対効果の悪化や問い合わせの質が課題に。加えて、販売用車両の仕入れを安定させたいという狙いもあり、自社でのWeb広告集客に踏み切ります。
問い合わせの件数は順調に伸びた一方、利益につながりにくい車種の問い合わせや、営業リソースへの負荷増大といった新たな課題に直面。そこから、事業全体の状況を踏まえながら、広告の配信設計を段階的に見直しました。その結果、主力車種の問い合わせ数が増加し、成約率は倍増しています。
この取り組みについて、管理本部 本部長の松崎旭さまにお話を伺いました。
このインタビューは、2026年04月に行われました。
聞き手:アナグラム株式会社
広告運用事業部 クルー 三石創太
広告運用事業部 チームリーダー 清水拓哉(執筆者)
経営企画室 西尾美紗姫
ご利用サービス: 広告運用代行 , クリエイティブ制作支援
三石(アナグラム):まずは、外車マスターについて教えてください。
松崎さま:外車マスターは、輸入車に特化した買取専門のサービスです。また、別事業で買い取った車の販売も行っております。業者間のオークションを介さないことで、中間マージンをカットした高価買取を実現しています。
大きな特徴は、契約・車両引き取り後に買取額を引き下げる、いわゆる「減額交渉」が一切ない点です。一括査定のように複数社から電話が殺到することもなく、当社1社とのやり取りで完結します。専門の査定士が適正価格を提示し、最短即日の買取・支払いにも対応しています。

三石(アナグラム):輸入車の売却を検討されているオーナーにとって、メリットの多いサービスですよね。松崎さまは外車マスターでどのような役割を担われていますか?
松崎さま:管理本部の本部長として、Web集客だけでなく経理や総務、営業部の管理まで幅広く担当しています。店舗の管理も兼任している部分もあるので、お客さまや営業現場の声を直接拾える立場です。
一括査定サイトへの依存から脱却し、自社集客へ。立ち上げ期に直面した課題
三石(アナグラム):アナグラムにご依頼いただく前は、どのように集客されていましたか?
松崎さま:もともとは、一括査定サイトからの問い合わせで集客していました。件数は確保できていたのですが、問い合わせ数と成約数がかみ合っていない状態でした。たとえば、キャンペーン目的で問い合わせたユーザーへも費用が発生する仕組みで、成約につながりにくいケースも含まれていたんです。
並行して、輸入車の買取に特化した一括査定サイトも利用していました。こちらは売却意欲の高いお客さまの問い合わせが多く、成約にもつながりやすかった。ただ、問い合わせ1件あたりにかかる費用が年々上昇し、最終的には当初の約5倍にまで高騰してしまって。これ以上は続けられないな、と。
三石(アナグラム):一括査定サイトでの集客は、費用対効果と営業効率の両面で課題があったのですね。
松崎さま:はい、それもありますし、もう一つ大きかったのが仕入れの観点ですね。当社は販売事業もやっているので、買取は販売車両の「仕入れ」でもあるんです。
中古車販売では通常、業者間のオークションで仕入れますが、お客さまから直接買い取った方がメリットが大きくて。オークションを介さない分、中間コストがかからず、お客さまへの還元と自社の収益性を両立できます。前オーナーの使用歴もわかるので、販売時の説明にも説得力が出ます。
だからこそ、成約につながりやすい問い合わせを、自社で安定して集められる体制を作りたかった。それが、アナグラムさんにWeb広告の支援をお願いしたきっかけですね。
三石(アナグラム):実際に広告運用をお任せいただいてからの手応えはいかがでしたか。
松崎さま:問い合わせの件数自体は増えました。ただ、一括査定サイト経由とWeb広告経由で同じお客さまが重複し、二重にコストがかかるケースが出てきたんです。さらに自社集客の場合は、一次対応もすべて営業が担うので、現場の負担は想像以上に大きくなりました。

検索広告の車種絞り込みとMeta広告の追加。2つの配信設計で問い合わせの質と量を変える
三石(アナグラム):そこで、CPAではなく利益への貢献度を基準に、配信する車種を絞り込むご提案をしました。松崎さまから見て、この方針転換はどう映りましたか。
松崎さま:最初は車種を気にせず、とにかく件数を取ることが大事だと思っていました。ただ、続けていくうちに、車種によって収益への貢献度に大きな差があることがわかったんです。事業としても欲しい車種に集中したいタイミングだったので、この提案はありがたかったですね。
三石(アナグラム):実際に切り替えてみて、成果にどんな変化が出ましたか。
松崎さま:まず、主力車種の問い合わせが増えました。あと大きかったのが、営業担当者のモチベーションです。買い取れば利益につながる車種が中心になったことで、「自分が頑張れば成果が出る」という感覚が生まれた。それが成約率の改善にもつながっていきましたね。
三石(アナグラム):あわせて、Meta広告の導入もご提案しました。最初に聞いたとき、どう思われましたか。
松崎さま:関係者からは懸念の声もありました。「車は次に欲しい車が見つかってから売るもの。今まさに検索していないユーザーに広告を出しても響かないのでは」という声ですね。ただ、新しいことにはチャレンジしないと意味がないと思っていたので、やってみましょうと。
実際に配信してみると、全獲得のうち約半数がMeta広告経由になっていました。現場の実感としても、Meta広告を見て来られる方が増えているので、相性は良かったんじゃないかなと思っています。
三石(アナグラム):クリエイティブはさまざまなパターンを制作・検証してきました。市場の反応を見ながら訴求の切り口を変え続けているのですが、松崎さまから見てどう感じていますか。
松崎さま:自分たちだけでは出てこないような切り口を次々と提案してもらっています。ユーザー心理に寄り添ったものや、車好きにしか伝わらない言葉をあえて使ったものなど、引き出しの多さには助かっています。




三石(アナグラム):Meta広告は配信対象が広い分、問い合わせの質が下がる懸念もありましたが、実際はいかがでしたか。
松崎さま:懸念していたほどの低下はなく、十分な水準を維持できています。導入当初と比べて査定CPAも半分近くまで改善しましたし、問い合わせ数の底上げにもつながっているので、今でも主力施策の一つですね。
「電話からの問い合わせは成約につながりやすい」。現場の声を広告運用に活かすためにコールトラッキングを導入
三石(アナグラム):定例会で「電話からの問い合わせは成約につながりやすい」とお聞きして、コールトラッキングツールの導入をご提案しました。最初、社内の反応はいかがでしたか。
松崎さま:最初の3ヶ月はツール費用をアナグラムさんに負担していただいたので、社内の承認は取りやすかったです。当時は電話経由の問い合わせをほとんど計測できていない状態だったので、まずは実態を把握しようという気持ちで導入しました。
三石(アナグラム):導入後、広告運用にどんな変化がありましたか。
松崎さま:どこに予算をかければ成果が出るのかが、はっきり見えるようになりました。実際の架電数の2〜3割程度しか計測できていない状態だった電話経由の問い合わせが可視化されたことで、検索広告の貢献度が明確になりましたし、その後の配信精度の改善にもつながっています。
全体の成約率が改善してきているのも、コールトラッキングツールの効果が大きいと思っています。
広告を抑えるのではなく、エリアを絞る。成約実績から逆算した配信設計で営業効率を改善
松崎さま:施策が軌道に乗り、Web広告経由の問い合わせが全国から月250件近く集まるようになりました。ただ、嬉しい悩みでもあったんですが、量が増えるほど対応の質を維持することが難しくなってきて。
特に遠方のエリアは、現地に拠点を持つ業者さんと比べるとどうしても対応力で差が出てしまい、お客さまに十分な価値を届けられないケースも出てきました。採用を増やすか、広告を抑えるかで悩んでいたんです。
三石(アナグラム):広告を一律に抑えると、成約につながる問い合わせまで減ってしまいます。そこでご提案したのが、配信エリアの絞り込みでした。成約実績の薄いエリアを除外して、営業担当者の方が動きやすいエリアに集中させる形です。
実際に変化はありましたか。
松崎さま:店舗に近いエリアのお客さまからの問い合わせが増えました。距離が近い分、折り返しにも応じていただきやすく、商談もスムーズに進むようになりましたね。
こういった施策の積み重ねで、成約率は約2倍になっています。欲しい車種の問い合わせが安定して取れている実感もあります。

CPAではなく、利益につながるかどうかで考えてくれる
三石(アナグラム):数値面以外で、取り組みを通じて感じていることがあれば聞かせてください。
松崎さま:業界に染まりすぎていない視点で提案してもらえるのは大きいですね。業界に長くいると「これが常識」という固定観念にとらわれがちで、別の角度から意見をもらえるのがありがたいです。
成果報告も「CPAが上がりました、下がりました」で終わらないんです。なぜそうなったのか、うまくいかなければその知見を次にどう活かすかまで踏み込んでくれます。
利益につながらなければ意味がないという視点で一緒に考えてもらえているので、伴走してもらっている実感があります。
三石(アナグラム):今後の展望も聞かせてください。
松崎さま:対応エリア外からの問い合わせを新たな収益につなげる仕組みを、将来的には作っていきたいと思っています。そうなれば広告の費用対効果もさらに上がるので。
また採用面でも課題があるので、そうした領域でもご一緒できればと思っています。
三石(アナグラム):ぜひよろしくお願いします!本日はありがとうございました。
- Voice Of AdOps担当者の声
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CPAを下げることと、事業に貢献することは、必ずしもイコールではない。今回の取り組みを通じて、改めてそう感じています。
安いCPAで問い合わせを多く獲得できる車種であっても、利益額が低かったり成約につながりにくければ、広告費の回収は難しくなります。
逆に、CPAが高くても利益額の高い車種に予算を集中させた方が、事業全体への貢献は大きくなる。この判断は、広告管理画面だけを見ていたら難しかったはずです。
成果につながったのは、車種ごとの利益額や成約実績、営業現場の状況といった情報を、広告の数値と重ね合わせながら配信設計に反映し続けたからだと思っています。
そのためには、定例会が数値の報告会で終わらないことが前提になります。
そして何より、松崎さまが事業の情報をオープンに共有し、迅速に意思決定してくださったことが、すべての施策の土台になっていました。
こちらの仮説をフラットに受け止めてもらえるからこそ、思い切った提案ができる。どれだけ良い仮説があっても、そういう関係性なしには検証すらできません。
「広告の数値を改善する」ではなく、「事業の利益を増やす」。その視点を持ち続けることが、自分たちの役割だと考えています。


