
キーワードアドバイスツールは、2023年5月31日に提供を終了しました。
検索連動型広告において、キーワード選びは重要です。なぜなら、どのような検索意図を持つユーザーに広告を表示するかを決める要因のひとつになるからです。
そんなキーワードの表示回数のボリュームやクリック単価などの予測値をもとに配信計画を立てたり、配信に使える新しいキーワードを発見できたりするのがYahoo!広告の検索広告(以下、Yahoo!検索広告)の「キーワードアドバイスツール」です。
今回は、Yahoo!検索広告に取り組むならぜひ活用したい、キーワードアドバイスツールの使い方について解説していきます。


目次
キーワードアドバイスツールとは?
「キーワードアドバイスツール」とは、Yahoo!検索広告における各種推定データや、キーワード候補を過去の実績にもとづいて表示してくれるツールです。
キーワードやウェブサイトのURLを入力するだけで、指定したキーワードに関連するキーワードや推定データを表示できます。
広告の配信前に使用すれば、「選定したキーワードが思ったよりもインプレッションされない。クリックされない。」といった状況を回避できます。
なお、キーワードアドバイスツールは、Yahoo!広告のアカウントにアクセスできればどなたでも無料で使用できます。
キーワードアドバイスツールでできること
キーワードアドバイスツールを使えば、広告配信前でも検索キーワードに関する推定データを把握できるため、次のことができます。
- 新しいキーワードを探せる
- 除外すべきキーワードを探せる
- 検索ボリュームを見積もれる
- シミュレーション作りに役立つ
アカウント構築するときや、キーワードを追加するときの参考にできそうですね。
キーワードアドバイスツールの使い方
先ほども述べましたが、キーワードアドバイスツールを利用するにはYahoo!広告のアカウントにアクセスする必要があります。ここでは、Yahoo!広告のアカウント開設手順からキーワードアドバイスツールへのアクセス方法と使い方までを解説します。
Yahoo!広告のアカウント開設手順
まずははじめに、Yahoo!広告のアカウントを開設します。
Yahoo!広告 公式サイトにアクセスして「広告のお申し込み」または「無料でアカウント開設」をクリックします。
次に、アカウントに登録する情報を入力します。詳しい手順は以下をご参考ください。
キーワードアドバイスツールへのアクセス方法
Yahoo!広告のアカウント開設ができましたら、キーワードアドバイスツールにアクセスしていきます。
Yahoo!広告のログイン画面を開き、Yahoo! JAPANビジネスIDとパスワード(※)を入力し、「ログイン」をクリックします。
※Yahoo!広告のアカウント開設時に発行したYahoo! JAPANビジネスIDとパスワードを利用します。
「検索広告」タブを選択し、「ツール」をクリックで表示されたプルダウン内「キーワードアドバイスツール」をクリックでキーワードアドバイスツールにアクセスできました。
キーワードアドバイスツールの使い方
では、本題のキーワードアドバイスツールの使い方を解説していきます。
「キーワードまたはフレーズ」もしくは「ウェブサイトのURL」を入力します。どちらか一方の入力は必須です。また双方を同時に入力することも可能です。
使い分けとしては、キーワード候補がすでにある場合は「キーワードまたはフレーズ」を使用し、キーワード候補がまだない場合は「ウェブサイトのURL」からキーワードを抽出し、その中からキーワードの当たりをつけるのがよいでしょう。
また入力は必須ではありませんが、希望入札価格やマッチタイプなども選択できます。各項目で設定できる内容は下記のとおりです。必要に合わせて設定しましょう。
項目 | 内容詳細 |
---|---|
①希望入札価格 | 1クリックあたりに支払う上限金額を入力します。目安となる入札価格がすでに決まっている場合は設定しましょう。 ※1円~80,000円の範囲で設定可能です。 ※未入力の場合は、インプレッション数が最大限獲得できるように算出された結果が出ます。 |
②マッチタイプ | 選択したマッチタイプに応じて、キーワードに関する推定データを抽出できます。 |
③推定対象期間 | 推定データの推定対象となる期間を設定できます。 |
④キーワードを拡張 | 「拡張する」にチェックあり 「キーワードまたはフレーズ」に入力した内容の推定データと、関連するキーワードも抽出します。 「拡張する」にチェックなし 「キーワードまたはフレーズ」に入力した内容の推定データを抽出します。関連するキーワードは表示されません。 |
⑤広告掲載方式の指定 | 検索を含むすべての広告掲載方式 Yahoo!の検索結果に加えて、Yahoo!の関連ページでの検索や提携サイトでの検索結果、Webサイト上のキーワードにもとづき広告を表示させる際の推定データを抽出します。 検索のみ Yahoo!の検索結果に広告を表示する際の推定データのみを把握したい場合はこちらを選択しましょう。 |
参考:キーワードアドバイスツールとは - ヘルプ - Yahoo!広告
項目の入力が完了したら「キーワードを抽出」をクリックでします。推定データとキーワードがページ下部に表示されました。
抽出結果の取得方法
ここでは、抽出結果の取得方法をご紹介します。抽出結果をそのままキーワード登録したい場合と、編集してから登録したい場合の方法を各々ご紹介します。
抽出結果をそのままキーワード登録したい場合
アカウントに追加したいキーワードにチェックを入れて「+キーワード追加」をクリックします。キーワード作成画面が表示されるので、対象のキャンペーンと広告グループを選択し「保存」をクリックでキーワードの追加ができます。
抽出結果を編集してからキーワード登録したい場合
「キーワードをテキスト形式で表示」または「抽出結果をダウンロード(CSV)」のどちらかを選択します。
「キーワードをテキスト形式で表示」は、抽出結果をテキスト形式で表示してくれます。コピー&ペーストして貼り付けたい場合に便利です。
また、推定データを分析したい場合やキャンペーンエディターのインポート用ファイルを作成したい場合は「抽出結果をダウンロード(CSV)」を選択します。抽出結果をCSVファイルで取得できるため、Excelで編集も可能です。
推定データ用語の解説
キーワードを選定するにあたり、分析に必要な用語を知っておくことも重要ですよね。そこで推定データの用語を簡単に解説します。
項目 | 内容詳細 |
---|---|
①推定CPC | 希望入札価格から算出された推定平均クリック単価 |
②推定クリック率(%) | 推定クリック数(④)÷推定インプレッション数(③) |
③推定インプレッション数 | 希望入札価格と推定対象期間から算出された広告の推定表示回数 |
④推定クリック数 | 希望入札価格と推定対象期間から算出された広告の推定クリック回数 |
⑤推定コスト | 希望入札価格と推定対象期間から出された広告の推定費用 |
※希望入札価格や推定対象期間が未入力の場合は、インプレッション数が最大限獲得できるように算出された結果が出ます。
キーワードアドバイスツールの活用方法
キーワードアドバイスツールの活用方法を2つご紹介したいと思います。
わかりやすくするために、りんごの通販会社を例にして説明していきます。
商品:無農薬の蜜入りりんご
入力キーワード:りんご
キーワードの拡張:拡張する
キーワードごとの入札の強弱を判断する
以下は、キーワードアドバイスツールに入力したキーワード「りんご」に関連する抽出データです。
キーワード | 推定インプレッション数 | 推定CPC | 推定クリック数 | 推定コスト |
---|---|---|---|---|
りんご | 220,554 | 72円 | 4,047 | 294,224円 |
りんご 通販 | 19,557 | 137円 | 1,480 | 203,196円 |
※わかりやすくするために、推定データを部分的に抜粋しています。
推定データを見ると、「りんご 通販」よりも「りんご」方が推定インプレッション数が多いことがわかります。おそらく「りんご」は、りんごに関連するさまざまな情報を知りたい人が検索しているキーワードだと仮説を立てます。
次に、仮説が合っているかを確かめるために、実際の「りんご」の検索結果を見てみます。以下のとおりでした。
- りんごの販売サイト
- りんごのWikipedia
- りんごのニュース
- りんごのお菓子のお店のサイト
- りんごの食べ方ブログ
- りんごの品種や歴史のブログ
りんごを買いたい人や、りんごのレシピやお菓子など、りんごの関連情報を知りたい人が検索していそうですね。仮説どおり 「りんご」は、りんごに関連するさまざまな情報を知りたい人が検索していました。
では、「りんご 通販」はどうでしょうか?検索結果のほとんどが「りんごの通販サイト」でした。「りんご」単体より「りんご 通販」の検索語句のほうがりんごを買ってもらえる可能性が高そうです。
以上から、「りんご」よりも「りんご 通販」の入札を強化するという判断ができますね。
新しいキーワード候補を探す
自分で発想したキーワードだけでは、どうしても抜け漏れがでてしまいます。しかし、「キーワードを拡張」機能を使えば、キーワードの網羅性を高めることができます。
上記は「キーワードまたはフレーズ」に「りんご」と入力し、「キーワードを拡張」で選出したキーワード候補です。
「無農薬りんご」や「蜜入りりんご」「りんご訳あり」など、これらのキーワードを検索する人に「無農薬蜜入りりんご」の広告文を表示できれば、買ってもらえる可能性が高そうですよね。
広告費のおおよその見積もりを立てる
過去にりんご関連のキーワードでの広告配信実績があり推定コンバージョン率がわかる場合は、おおよその見積もりを立てることもできます。

上記の表のように、推定コンバージョン数や推定コンバージョン単価を試算できるため、推定コンバージョン率を使用して広告費のシミュレーションを立てられます。
このようにキーワードアドバイスツールを利用すれば、検索広告で狙いたい市場の規模を把握したり、自分の立てた仮説が大きくずれていないかを確認しながら、キーワードの入稿の有無や、入札単価の強弱を決めることができます。
キーワードアドバイスツール活用時の注意点
広告配信前に、立てた仮説がおおよそ合っているか否かを確認するのに役立つキーワードアドバイスツールですが、使う際に注意すべき点もあります。
ここでは、活用時に気をつけたいポイントを2つご紹介します。
予測値はあくまで仮説を立てるための目安として
キーワードの抽出結果および各種推定データは、あくまで予測値です。実際の配信結果は競合状況や、広告文、ランディングページの内容に影響されて変動します。正確な配信数値を予測するのは難しいため、全体の傾向を捉える目安とするなどの目的で活用しましょう。
キーワードの審査状況は加味していない
ツールに表示されたからといって、必ずしも該当のキーワードで広告が掲載がされるとは限りません。実際には、Yahoo!の広告掲載ガイドラインに則ったキーワードの審査が行われ、これに通過したら掲載されます。キーワードアドバイスツールの抽出結果はアカウントの情報にづく掲載の保証ではない点に注意しましょう。
最後に
敵と味方の情報をしっかり把握していれば何度戦っても負けることはないという意味の孫子の格言です。
配信する前に戦略的に重要なキーワードの情報が把握できるのですから「キーワードアドバイスツール」を使わない手は無いですよね。
自分で立てた仮説に対し、どのキーワードで配信するか、入札の強弱をどうするかなどを調べ、検索キーワードの需要と傾向をしっかり把握したうえで広告配信を有利にすすめていきたいですね。