今日から始めるYahoo!タグマネージャー

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先日、「タグマネージャーの重要性と用途で使い分けるYahoo!タグマネージャーとGoogleタグマネージャ」の記事内にて、Yahoo!タグマネージャーとGoogleタグマネージャの概要と機能差、活用シーンをご紹介しました。

今日はそのひとつ、Yahoo!タグマネージャー(通称:YTM / ワイティーエム・わいてぃーえむ)の具体的な設定方法をご紹介します。

多くのタグテンプレート(タグカタログ)に対応し、インターフェースも比較的直感的に操作できるYahoo!タグマネージャー。とはいえ通常のタグ設置と比べると、多少導入のハードルが上がることは否めません。

また、売上額を動的に取得するような若干テクニカルな設定になると雲行きが怪しくなり、けっきょく導入が見送られるケースも意外と多いのではないでしょうか。

本記事では、Yahoo!タグマネージャーのアカウント開設から、タグとページの設定方法はもちろん、先ほど例にあげた動的売上取得まで、これさえ読めば必要最低限の設定ができるように解説していきます。

目次

はじめに

Yahoo!タグマネージャーは、Yahoo!プロモーション広告で広告を出稿中の広告主であれば無料で利用することができます。

ただし、Yahoo!プロモーション広告で広告を出稿中であっても、例えば広告代理店などに運用を委託している場合などの理由で、Yahoo!プロモーション広告の閲覧権限しか持っていないユーザーは、Yahoo!タグマネージャーを利用するために必要なアカウントの開設はもちろん、閲覧・編集もできません。登録更新権限ユーザーであれば閲覧・編集は可能ですが、こちらもアカウント開設はできません。管理権限ユーザーだけが、開設・閲覧・編集のすべてを行うことができます。権限の有無は、タグマネ導入前に必ず確認しておきましょう。

Yahoo!タグマネージャーのアカウント開設方法

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まずYahoo!プロモーション広告にログインし、上部右側の「①運用サポートツール」タブをクリック。その後「②Yahoo!タグマネージャー」タブをクリックし、対象アカウントの「③設定」ボタンをクリックしてアカウントの作成を開始します。

なお、スポンサードサーチアカウントとYDNアカウントを両方運用している場合は、2つアカウントが表示されますが、同一サイトであればどちらか1アカウント開設すればOKです。ここではスポンサードサーチのアカウントで開設をしていきます。

※ドメインの異なるサイトをお持ちの場合は、ドメインごとに別途Yahoo!タグマネージャーアカウントの開設を行うか、開設しなかった方のドメインのサイトIDをYahoo!タグマネージャーのタグ(ユニバーサルタグ)内に追加で記載する必要があります。

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同意するにチェックを付けて「規約に同意してサイト選択へ」をクリック。

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Yahoo!タグマネージャーを設置するサイトの「サイト名」と「確認用URL」を入力し、「設定してアカウント一覧へ」をクリック。

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これでYahoo!タグマネージャーのアカウント作成申請は終了です。おおむね5分程度でログインボタンが表示され、アカウント開設が完了します。ログインボタンをクリックすると、Yahoo!タグマネージャーの管理画面へ遷移します。

Yahoo!タグマネージャーの基本的な設定方法

(1)各媒体でタグを発行しよう

まずは下準備として、各媒体(Yahoo!スポンサードサーチ、YDN、Google アドワーズ)でYahoo!タグマネージャーに設定するためのコンバージョンタグ、リマーケティングタグ(リターゲティングタグ)を発行しておきます。すでに発行済であればこの手順はスキップして大丈夫です。一般的なサイトでは、アカウントごとにコンバージョンタグがありますから合計で3つ、YDNサイトリターゲティングタグが1つ、Googleリマーケティングタグが1つで、計5つのタグ発行となります。

(2)ページを作ろう

Yahoo!タグマネージャーのページとは、各媒体のタグをどのページ(URL)で動かすか、指定するための必須設定です。仮にページを作らずタグだけ登録した場合、タグマネ側では登録されたタグをどのページで動かせばよいか分からないので、これだけではタグは稼動しません。

そのため、リマーケティングタグ(リターゲティングタグ)であればサイトの全ページ、コンバージョンタグであれば購入や申し込みの完了ページ(サンクスページ)のように、それぞれのタグを動かしたいURLをページとして登録し、各タグと紐付けることが必要になってきます。

それでは、ページの具体的な設定方法についてご紹介していきます。

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Yahoo!タグマネージャーの管理画面にログインして、管理画面のトップページから「ページの追加」ボタンをクリック。ここでは、リマーケティングに用いる「全ページ」と、成果測定に必要な「コンバージョン完了ページ」を作ってみましょう。

▼リマーケティング用のページ設定

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「ページの追加」ボタンを押すと、下記のような画面になりますので、必要な項目を埋めていきます。ページ名は分かりやすいものであれば何でも大丈夫です。URLパターンには「**」と入力。これで、Yahoo!タグマネージャーのタグを設置した全ページを指定していることになります。

「**」マークはワイルドカードと言われる代替記号のひとつで、**部分のURLが何であっても認識する、トランプで言うジョーカーのような役割を担っています。

▼コンバージョン完了ページ

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次に成果測定に必要となる、コンバージョン完了ページの指定方法です。基本的には、サンクスページと呼ばれる、購入完了や申し込み完了後に出てくるページのURLを「URLパターン」の欄に入力すればOKです。

https://example.co.jp/cart_thanks.php」のように、プロトコルをつけた形でも良いのですが、この場合は「https://」で始まるURLのみしか指定されないため、例えばタグを実行するページが「http://」と「https://」両方あった場合、「http://」の方が計測されなくなります。プロトコルを省略すると、「http://」と「https://」の両方に一致するとみなされるため、計測漏れのリスクは少なくなります。

「example.co.jp/cart_thanks.php」であれば、URL頭の形式を問わず計測が可能です。

ただし、完了ページのURLが、一律で「https://example.co.jp/cart_thanks.php」ではなく、ユーザーや購入商品ごとにクエリストリングと呼ばれる「?=」付きパラメータが付与され、URLが「https://example.co.jp/cart_thanks.php?=XXXXXX&0000000&%&%&%…」のように変動する場合は、上記の設定では異なるURLと認識され、精査な計測ができない場合があります。

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この場合、先ほどのワイルドカード「**」を用いて上記のように変動部分を指定するか、

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上記のように正規表現を用いることで、完了ページが動的に変動した際の計測漏れリスクを軽減することができます。正規表現に明るい方であれば、正規表現での表記をお勧めします。

(3)サービスタグに各媒体のタグ情報を設定しよう

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ページの設定が終わったら、いよいよYahoo!タグマネージャーに、(1)で発行した媒体タグを設定していきます。「①サービスタグ管理」のタブをクリックし、「②サービスタグを追加」ボタンをクリックして下さい。

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たくさんベンダーが出てきますが、検索窓に媒体名を入力することで追加したい媒体をすぐに検索可能です。

上図で黄色く囲ってあるのは、一般的に設定することが多い5つのタグです。この黄色で囲んだリンクをクリックすることで、各タグ情報の登録をしていくことができます。

なお、※印のついたYDNの「Server-Direct」は、Yahoo!タグマネージャーのクラウドサーバーを利用してコンバージョン情報を収集する形式です。ブラウザの遅延やシステム障害によるデータ損失のリスクを軽減することができ、良いこと尽くめですが、まだ対応しているベンダーがそれほど多くなく、今後様々な媒体にこの形式が適用されていくことが期待されています。

今回はGoogleアドワーズの一般的なコンバージョンタグを設定してみます。「Google AdWords Conversion(Javascript)」をクリック。

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(1)で発行したGoogleアドワーズのコンバージョンタグ(上図左)を見ながら、Yahoo!タグマネージャーの項目と合致する赤字部分の値をコピペしていきます。必須入力の「*」マーク部分だけだと計測漏れが起こるケースもあるので、入力できる箇所はなるべくくまなく埋めるようにしましょう。入力が終わったら、「サービスタグの作成」をクリックしてタグの登録は完了です。

「Value」は1コンバージョンあたりの単価(コンバージョン値)、「Currency」はコンバージョン値の通過単位です。発行したコンバージョンタグによっては単価設定が設定されておらず、「Value」と「Currency」の表示がない場合もありますが、その場合、特に必要なければ入力しなくて大丈夫です(必要な場合はタグの新規発行が必要)。

上図のケースでは、Valueに「5000」、Currencyに「JPY」と入力してあるので、管理画面上のコンバージョン値には、1コンバージョンあたり「5000円」という形で反映されます。

なお、1コンバージョンあたりの価値が変動し、成果計測もROAS(投資した広告費用の回収率、売上÷コスト×100(%))で行っている場合については、後ほど動的売上取得の方法を解説していますので、そちらも合わせてご参照ください。

今回例に取った「Google AdWords Conversion(Javascript)」以外も、基本的には各媒体で発行したタグを見ながら、Yahoo!タグマネージャーの項目と合致する値をコピペしていけば大丈夫です。

※タグのステータスはテストが終わるまで「プレビュー」にしておきましょう

(4)サービスタグを稼動(発火)させるページを指定しよう

これでタグの登録とページの登録が終わりました。フィニッシュまでもう一息です。

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次は、(3)で登録したタグを(2)のページのうちどこで動かすかの紐付けを行います。「①サービスタグ管理」のタブをクリックし、「②サービスタグ名」のリンクをクリックしてください。ここでは先ほどタグ設定の例に挙げたGoogle-CVタグを選んでみます。

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遷移したページで「①ページの設定」を選び、このタグと紐付けたいページ(このタグを稼動させたいページ)を選べば完了です。これはコンバージョンタグなので、コンバージョン完了ページの「②未設定」ボタンをクリックして指定。

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「未設定」ボタンをクリックすると、設定済みとなりました。これでGoogle-CVタグが、「cart_thanks.php」を含むページでのみ稼動するという設定が完了しました。

※仮にここで「全ページ」を指定すると、Yahoo!タグマネージャーを設置した全てのページでコンバージョンタグが稼動するため、正常な成果計測ができなくなります。「全ページ」はリマーケティングタグと紐付けてあげましょう。

(5)サイトにYahoo!タグマネージャータグを設置しよう

ここまで準備が完了したら、いよいよYahoo!タグマネージャーのタグをサイトに設置します。設置場所は、対象サイト全ページの</body>タグの直前です。

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タグの取得は、管理画面内の「①サイト管理」タブ>「②Yahoo!JAPANユニバーサルタグ」からも取得できますし、

ログイン前の「ユニバーサルタグ」>「表示」リンクをクリックしても取得できます。

(6)タグの稼動テスト

Yahoo!タグマネージャーのタグがサイトに設置できたら、プレビューモードを使って、タグがきちんと動いているか必ず確認を行いましょう。プレビュー機能は、Yahoo!タグマネージャーにログインしているユーザーがサイトにアクセスした時だけ、タグを稼動させることができる機能です。(Yahoo!タグマネージャーにログインしていない一般ユーザーがサイトにアクセスしても、タグは稼動しません)

いきなり本番環境で稼動させた結果、サイトがホワイトアウト(真っ白)になってしまうなど、何らかのトラブルが起こる可能性もゼロではありませんので、サイトの動きに支障がないか、各種タグが設定通りに発火しているかについては必ずプレビュー機能を用いて事前にチェックを行いましょう。

プレビュー機能を使ったテスト方法は、Yahoo!タグマネージャー公式サイトの資料の「タグプレビューガイド」をご参照ください。

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プレビューモードでのテストに問題がなければ、「①サービスタグ管理」から、各タグのステータスを「②プレビュー→有効」に変更。

これで、あなた以外の他のユーザーがサイトにアクセスした際もタグが稼動するようになりました。

その後、念のため再度確認を行い、問題なければこれにて導入完了です。お疲れ様でした!!

Yahoo!タグマネージャーで動的売上を取得する方法

商品単価がまちまちなECサイトなど、1コンバージョンの価値に変動があるサイトでは、CPAではなくROASで成果計測をしている場合も多いかと思います。

本項目では、Yahoo!タグマネージャーを用いて、売上金額を動的取得 → Yahoo!プロモーション広告やGoogle アドワーズなどの媒体管理画面に売上金額として反映する方法をご紹介していきます。

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まず、Yahoo!タグマネージャーの「①データ/イベント」タブをクリックし、「②データエレメントの追加」をクリック。

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次にデータエレメント名をつけ、「続ける」をクリック。分かりやすい名前であれば何でも大丈夫です。

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遷移した画面で「ウェブサイトに追加」をクリック。

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さらに遷移した画面で、「①データバインディングエクスプレッション」に「value」と入力。さらに動的に売上を取得する「②コンバージョン完了ページ」を指定し、「③保存」ボタンをクリック。

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保存後、表示されたデータエレメントページで上記のようになっていればOKです。

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次に、各コンバージョン完了ページのサービスタグの売上金額部分に、今設定したデータエレメントを適用します。Googleアドワーズのコンバージョンタグの場合、「①Value欄の横に出てくるEnterアイコンをクリック」すると、下図のようにデータエレメントが表示されるので、先ほど設定した「②動的売上取得を選択」し「③挿入ボタンをクリック」します。

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そうするとValue欄に「動的売上取得」設定が挿入されるので、「サービスタグの保存」ボタンをクリックして保存します。Yahoo!スポンサードサーチのコンバージョンタグでは「売上金額」、YDNのコンバージョンタグでは「yahoo_ydn_conv_amount」の欄で同様の操作を行えばOKです。

<script type="text/javascript">
var value = "●";
</script>
//この下にYahoo!タグマネージャーのタグを挿入する

以上の設定が終わったら、動的売上取得のために、Yahoo!タグマネージャーのタグの上部に上記3行を追加し、●部分に動的な売上金額が反映されるよう設定します。この●部分の設定はサイトのカートシステムごとに異なるため、システム担当の方にご依頼下さい。出来上がったタグをサイトの全ページに張り付ければ設定は完了です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

導入時だけちょっと大変かもしれませんが、しっかり導入できれば、煩雑なタグ管理や更新から解放され、サイトリニューアル時のタグ外れのリスクも少なくなります。

FacebookやTwitter、DSPなど、新たな媒体を追加する際も、タグの張替えが必要なく、Yahoo!タグマネージャーの管理画面だけで設置を完了できるのも大きな魅力ですね。

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なお、万一Yahoo!タグマネージャーのタグカタログにない媒体でも、Signal Tagのスマートカスタムタグにて設定できますので覚えておくとよいでしょう。

ぜひ導入のメリットを見極めて、使いこなしてみてくださいね。

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Shigero Morino

Shigero Morino

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 雑誌編集者、商社マンを経てリスティング広告の世界へ。某広告代理店にて、100案件以上のリスティング広告の運用改善を手がけた後、2014年7月からアナグラム株式会社に参画(現職)。ボトルネックの見極めと成果にコミットする運用が信条。社内イベントでは、人数分のバースデーケーキを瞬時に切り分けるケーキカットおじさんとして活躍中。