
自分の興味や関心、行動に基づいて広告が配信されるのは便利だと感じられるときもある一方、すでに興味がない、あるいは必要のない広告が表示されるのが煩わしいときもありますよね。また、場合によってはプライバシーにまで踏み込んで来られたと感じたりすることも少なくないのではないでしょうか?
多くの広告プラットフォームで広告表示に利用される自らの行動履歴情報をコントロールが可能です。今回はYahoo! JAPANのサービスに表示されるディスプレイ広告の掲載に利用するパーソナルなデータをカスタマイズできる「アドパーソナライズセンター」を紹介します。


目次
アドパーソナライズセンターとは?
アドパーソナライズセンターは、ディスプレイ広告の表示に利用できるパーソナルデータの設定が可能な機能です。以下よりアクセスできます。
具体的には、ユーザーの興味・関心に関連するトピックの広告について、表示頻度の設定変更が可能です。また、広告表示に利用するユーザー情報(性別、年齢、属性など)の設定もできます。設定にはYahoo! JAPAN IDでのログインが必要です。
※設定内容の広告配信への適用開始は2023年8月23日を予定されています
参考:【ディスプレイ広告】アドパーソナライズセンター公開のお知らせ - Yahoo!広告
ユーザーと広告主のメリット
アドパーソナライズセンターは、ユーザーのプライバシー保護と利便性向上を目的としています。ユーザーは自分の興味・関心に合わせて広告の表示頻度を調整したり、どのような情報を広告表示に利用するかを自由に設定できるようになります。
一方で、広告主にとってもメリットがあります。アドパーソナライズセンターの設定によって、これまでパーソナルデータを利用した広告配信ができていなかったユーザーに対しても、一部のターゲティング広告が配信されるようになる可能性があります。これにより、広告の配信機会が拡大することが期待できます。
また、興味のない広告に対してユーザー自らが調整を行うことで、多かれ少なかれパフォーマンスの向上にも繋がるでしょう。興味がなかったり必要がなかったりする広告がいつまでも表示される煩わしさを回避できる可能性もあります。
アドパーソナライズセンターの使い方
大きく次の2つの設定が利用できます。
広告の表示設定
Yahoo!JAPANのサービスの利用状況などから推測された広告配信用のトピック一覧が表示されます。それぞれのトピックの広告ごとに表示頻度を減らすかどうかを選択できます。
プライバシー管理
広告表示に利用するユーザー情報(性別、年齢、属性など)の設定を管理できます。「基本情報」はYahoo!JAPAN IDに登録されている情報です。属性情報はYahoo!JAPANのサービス利用状況などから推測されるもののため、実際とは異なる可能性もあります。
アドパーソナライズセンターで「減らす」設定をしたトピックや、「広告表示に利用しない」設定をした情報を利用したターゲティング広告は、該当ユーザーに対して配信頻度が減少します。しかし、あるトピックについて表示頻度を減らす設定をした場合でも、該当トピックに関連する広告が全く配信されなくなるわけではありません。
例えば、「旅行」のトピックについて表示頻度を減らす設定をした場合、「旅行」のトピックをターゲティングした広告配信はされなくなりますが、ターゲティングしていない旅行関連の広告は引き続き配信されます。
Yahoo! JAPANに蓄積されているデータの閲覧、削除、提供等の設定
上記はあくまで広告配信に限った機能として提供されています。実際にYahoo! JAPANに蓄積されているデータの閲覧、削除、提供等の設定はプライバシーセンター内の「プライバシーの設定」から対応可能です。
参考:プライバシーの設定 - Yahoo! JAPANプライバシーセンター
プライバシーセンターには検索履歴なども含めたパーソナルデータがどのように取得され活用されているかが詳細に示されていますので一度は目を通しておきたいところです。
外部サイトでの行動履歴によるターゲティングの設定
アドパーソナライズセンターの設定はあくまでYahoo!JAPANのサービス内での広告配信を対象としています。Yahoo!ディスプレイ広告は外部サイトにも配信できるアドネットワークとなるため、外部サイトでの行動履歴によるターゲティングは別の方法で設定する必要があります。
行動ターゲティング広告の設定
まとめ
Googleでもマイ アド センター という広告の透明性を担保するための機能が提供されており、ユーザー自らが広告のカスタマイズが可能です。
しかしながら正直なところ、一般的なユーザーはこれらの機能を知っているでしょうか。少なくとも僕の両親は知りませんでした。浸透までには多くの時間が必要そうです。
ユーザー側で広告をコントロールできることは大切ですし必要な機能だと思います。しかしながら、良くない広告体験をしないことでこのような機能が必要ないのが理想ですよね。広告を配信する側としては引き続き、広告を届けたいひとだけでなく、その広告をみてイヤな気持ちになるひとがいないかにも注意していきたいところです。
