ディスプレイ広告やSNS広告で画像を用いた広告を作成する際、このように思ったことはありませんか?
「1枚の画像だけだと伝えたいことが伝わりきらない……」
「商品のいろんな特徴を知ってほしい!」
そんなときに利用したい広告フォーマットが「カルーセル広告」です。
今回はカルーセル広告について、メリットから媒体ごとの入稿規定までわかりやすく解説していきます。
目次
カルーセル広告とは
カルーセル広告とは、1つの広告に対し複数の画像や動画を横並びに表示できる広告フォーマットです。ユーザーはモバイルであればスワイプ、PCなら左右の矢印をクリックすることでそれぞれの画像や動画を確認できます。
見た目にも他の広告フォーマットと大きな違いがありますが、カルーセル広告はどんなシーンで活用ができるのでしょうか?
カルーセル広告のメリット
カルーセル広告のメリットをひとつ挙げるとすると、他の広告フォーマットに比べてひとつの広告でより多くの情報を伝えられることです。
一方で、通常の広告フォーマットに比べて自由度も高いため、どうやって使えばいいのか分かりにくいという側面もあります。
そこで実際に、どんな利用方法が考えられるのか、活用事例をみていきましょう。
カルーセル広告の4つの活用事例
カルーセル広告の代表的な4つの活用事例を紹介していきます。
複数の商品・サービスを紹介する
カルーセル広告では、複数の商品を並べて表示させることができます。また商品だけでなく、複数サービスを並べることも効果的です。
ユーザーの好みや欲しいものはさまざまです。カルーセル広告でいくつかの商品・サービスを紹介することで、そのラインナップの中から自分に合ったものを見つけてもらうのもひとつの方法ですよね。
さらにほとんどの媒体で画像・動画それぞれに別々のリンク先を設定できるため、表示された商品にすぐアクセスすることができ、より良いユーザー体験を提供することも可能です。
商品のバリエーションを示す
扱う商品の幅広さをアピールすることはもちろん、カラーバリエーションやバージョンの多さを訴求するのも有効でしょう。
同じ商品でも、複数選択肢があることを示せればよりユーザーの好みに合うものが広告で表示される可能性も高まりますよね。
1つの商品・サービスをより詳しく紹介する
複数の商品・サービスを並べるだけではなく、逆に1つをより詳しく紹介することもできます。
たとえば上記の例では1つの商品を3枚の画像を使って見せることで、通常よりも大きく商品を見せることができます。ユーザーは製品の細かい部分まで画像で確認し、実際に商品を見るような体験ができますよね。
また上記の事例では、クルマの外装だけでなく内装や機能を示すことで、カルーセル広告をまるでバーチャルギャラリーのように活用しています。外装の画像1枚より深くクルマのことがわかりますよね。
また、物理的な製品だけでなく、サービスやアプリでできることを示すことも有効です。
上記ではアプリでできる機能を要約してそれぞれの画像で示しています。
このように、サービスを導入・アプリをインストールしたあとの具体的な機能を示すことで、ユーザーが実際に利用したときのイメージがつきやすく、利用したいと思ってもらえるかもしれません。
使い方や手順を説明する
カルーセル広告を利用して商品・サービスの使い方・使用手順を具体的に説明することができます。
たとえば、上記の例のように商品の使い方の手順を画像で示すことで、広告を見るだけで実際の使い方のイメージが浮かびやすいクリエイティブになります。商品単体の画像を見るより、利用イメージができ、ユーザーに手に取りたいと思ってもらいやすくなるでしょう。
利用方法が分かりにくいサービスなども、利用手順が分かると使うイメージが湧きやすく興味を持ってもらいやすいですよね。
他にもアイデア次第でさまざまな活用方法が考えられます。対象の商材やサービスの魅力をユーザーに理解してもらうために、どのように活用できるのかぜひ検討してみてください。
各媒体の入稿規定
実際に入稿する際に知っておきたい、カルーセル広告が使える媒体と入稿規定を見ていきます。
カルーセル広告を利用できる主な媒体
カルーセル広告を利用できる運用型広告の代表的な媒体は下記の通りです。多くの媒体で用意されています。
- Google 広告(ファインドカルーセル広告)
- Yahoo!ディスプレイ広告
- Facebook(Instagram)広告
- Twitter広告
- LINE広告
こちらではこれらの媒体の入稿規定を解説していきます。
最低限用意するもの
各媒体ごとの細かい入稿規定を見ていく前に、これさえ用意すればどの媒体でもカルーセル広告が始められる、というラインを見ていきます。
画像 | 1080×1080を2枚以上 |
---|---|
ロゴ画像 | 1200×1200を1枚 |
広告文 | 媒体に応じてそれぞれ用意 |
上記3点さえあれば先述したどの媒体でも広告配信を行うことが出来ます。
入稿規定
次に詳細な入稿規定を見ていきます。ここでは媒体のヘルプからあらかじめ確認しておきたいポイントのみ抜粋します。
媒体 | 画像 | 動画 | ロゴ画像 | 広告文 |
Google 広告(ファインドカルーセル広告) | 1つの広告に2~10枚まで1.91:1と1:1の2種類のサイズが設定可能(混在可) 推奨サイズ:1.91:1(1,200×628)、1:1(1,200×1,200) 最小サイズ:1.91:1(600×314)、1:1(300×300) |
なし | 1つの広告に1枚が必須 1:1サイズが設定可能 推奨サイズ:1,200×1,200 最小サイズ:128×128 |
見出し:半角40文字(全角20文字)、画像に付属しないものを1つ+カルーセルカード毎に1つ 説明文:半角90文字(全角45文字)、1つの広告に1つまで設定可能 |
---|---|---|---|---|
Yahoo!ディスプレイ広告 | 1つの広告に2~10枚まで 1:1サイズが設定可能 最小サイズ:600×600 |
なし | 1つの広告に1枚まで 1:1サイズが設定可能 最小サイズ:600×600 |
タイトル:20文字以内(半角全角問わず) 説明文:38文字以内(半角全角問わず) |
Facebook広告 | 1つの広告に2~10枚まで 1:1サイズ推奨 推奨サイズ:1080×1080 |
240分以内(15秒を推奨) | なし | テキスト:半角125文字以内 見出し: 40文字以内 リンクの説明: 25文字以内 |
Instagram広告 | フィード 1つの広告に2~10枚まで サイズ:1080×1080 ストーリーズ 1つの広告に2~3枚まで サイズ:1080×1920 |
フィード:60秒以内 ストーリーズ:15秒以内 |
なし | テキスト: 半角125文字以内 ハッシュタグ: 30件以内 |
Twitter広告 | 1.91:1と1:1の2種類のサイズが設定可能 (1つの広告には同様のアスペクト比のみ) |
140秒以内(15秒未満を推奨) | なし | ツイート本文: 半角280文字以内(1つの広告で1つのみ) |
LINE広告 | 1つの広告に2~10枚まで サイズ:1080×1080 |
なし | なし | タイトル:20文字以内(半角全角問わず) ディスクリプション:40文字以内(半角全角問わず) |
また、リンク先URLは基本的に画像1枚につき1つ設定できますが、Twitter広告は1つのカルーセル広告でリンク先URLを1つしか設定できないため注意が必要です。
※2021年10月にTwitter広告でもカードごとのリンク先URLの設定が可能となりました。
詳細は、各媒体のヘルプページを確認してください。
参考:
ファインド キャンペーンを作成して管理する - Google 広告 ヘルプ
カルーセル 広告仕様(Yahoo!ディスプレイ広告)
カルーセル広告のデザイン仕様 | Facebook Businessヘルプセンター
Twitterのカルーセル広告
LINE広告(LINE Ads) 入稿規定マニュアル|LINE for Business
カルーセル広告の活用ポイント
カルーセル広告を利用する際、意識しておきたいポイントをチェックしていきましょう。
1枚目の画像は重要
カルーセル広告において1枚目に表示される画像は、ユーザーがSNSなどをスクロールしていて最初に目に入るため、その後興味を持ってスワイプしてもらえるかが決まる重要な画像です。
まず1枚目が続きが見たい画像になっているか、興味を持ってもらえる画像かどうか、よく検討する必要があります。
検討した上で、さらなる効果の改善を図りたいと考えたときには、1枚目の画像でABテストするなどが有効です。
なお、ほとんどの媒体では入稿した順番に表示されますが、Facebook・Instagram広告ではオプションで一番パフォーマンスが高いカードを自動的に最初に表示することもできます。
参考:カルーセル広告で一番パフォーマンスが高いカードを表示する | Facebook Businessヘルプセンター
表示順が固定の必要なく、手軽に一番パフォーマンスが高いカードを1枚目に表示させたいという場合に有効な機能です。
ぜひこちらも活用してみてください。
スワイプできることに気づく仕掛けを
せっかくカルーセル広告が表示されても、横にスワイプやスクロールできることに気づかれない可能性があります。(Instagramのストーリーズなどスワイプ前提の配信面もあります。)
せっかく複数枚画像を用意しているのにスワイプ自体に気づかれなかったらもったいないですよね。
もし2枚目以降の画像が見られていなさそうであればそれを避けるために、たとえば下記のような工夫が考えられます。
カード2枚めの色を目立たせるよう背景色とかぶらない色にしてみる
画像の色がSNSなどの背景と同じ色を使っていると、背景と同化してしまい、二枚目があることが認識されにくくなってしまいます。
媒体によって表示される面の背景が何色かを考え、それと違った色を2枚めの画像に用いると良いでしょう。
(動画の場合)1枚目の動画を短くする
動画の場合、1枚目の動画が終わると自動で2枚目の動画にスワイプされます。
2枚目の動画にすぐ自動で移ってもらえるよう、1枚目の動画は尺を短くしたほうが賢明でしょう。
1枚の画像を複数枚に分ける
先ほども引用した上記の画像のように、1枚の画像を複数枚に分けることも有効です。
通常のディスプレイ広告と成果を比較する
カルーセル広告は通常のディスプレイ広告と全く異なるフォーマットのため、場合によっては従来のディスプレイ広告やバナー広告より成果が悪くなる可能性もあります。
よって導入する際は、カルーセル広告だけではなく通常のディスプレイ広告と併用し、しっかり成果を比較することが大切です。
まとめ
カルーセル広告は1つの広告で複数の訴求を使うことができるフォーマットで、挙げた活用事例だけでなく、活用方法は無限大です。
ぜひ自社の商品・サービスにぴったりな使い方を考えてみましょう。