多くのマーケティング担当者が、見込み顧客の獲得のために様々な施策に取り組んでいるのではないでしょうか?
そんな時の選択肢の一つとして検討できるのが、TikTokリード広告です。
今回は、TikTokリード広告の特徴から設定方法、活用方法までをお伝えします。
目次
TikTokリード広告とは?
TikTokリード広告は、TikTokのインフィード広告(TikTokのおすすめやフォロー中のフィード上に流れてくる広告)の一つです。
リンク先のランディングページに遷移する広告とは異なり、TikTokアプリ上に表示されるフォームに情報を入力することで、アプリから離れる必要が無いためユーザーへの負担を最低限に抑えつつ詳細な情報(氏名、メールアドレス、住所、電話番号など)を受け取れます。
TikTokリード広告のメリット
続いて、TikTokリード広告のメリットをご紹介します。
ランディングページが不要
TikTokリード広告では、広告をクリックすると、すぐにTikTokアプリ上でフォームが立ち上がります。
広告主としては、ランディングページを用意する手間がかからないのはもちろん、ランディングページに遷移するよりも読み込み速度が早いので、ユーザーへの負担を減らすことができます。
また、ユーザーとしてはTikTokアプリから離脱することなくアクションが取れるので、視聴体験を損ないづらいです。
フォーム入力の煩わしさの軽減
TikTokリード広告では、ユーザーがTikTokのプロフィールに設定している情報を自動入力もできます。そのため、ユーザーがフォーム入力時に感じる煩わしさの軽減を図れます。
もし、設定している情報以外の内容を入力したい場合(例:別のメールアドレスを入力したい)は、ユーザーは入力時に情報を編集することも可能です。
なお、リード広告で収集された個人情報は、広告主のみがアクセスできます。
TikTokリード広告の設定方法
続いてリード広告の設定方法を解説していきます。ランディングページへの遷移がないため、設定項目は通常の広告に比べるとやや多めです。ひとつづつ確認していきましょう。
①[作成]をクリック
②[カスタムモード]を選択
③[リード生成]をクリック
④キャンペーン名を入力
⑤キャンペーン予算を設定
⑥広告セット名を入力
⑦[インスタントフォーム]を選択
このインスタントフォームがリード広告特有の機能です。
⑧ターゲティングを設定
カスタム配信対象・自動配信対象のどちらでも問題ないです。カスタム配信対象を選択した場合、管理画面の流れに沿ってターゲティング設定を進めます。
⑨広告セットの予算を入力
必要であれば、ここでスケジュールの設定もします
⑩入札タイプを選択
続いて広告の設定に移ります。
⑪任意の方法で動画を設定
それぞれの違いはこちらです:
アップロード
パソコンから動画をアップロードします。
ライブラリから
TikTok広告マネージャーにアップロード済みの動画から選択します。
クリエイティブツールで作成
TikTok広告マネージャーのクリエイティブツールで動画を作成します。
⑫広告に表示されるテキストを入力(100字まで)
⑬広告下部に表示されるCTAボタンの文言を選択
続いてインスタントフォームの設定です。
⑭インスタントフォームの[作成]をクリック
[ライブラリから]を選択すると過去に作成したものを使用することができます。⑮[高度なフォーム]か[クラシックなフォーム]を選択。
氏名・メールアドレス・電話番号のみを収集したい場合は、「クラシックなフォーム」を、それ以外にもカスタマイズしたい場合は、「高度なフォーム」を選択します。
今回は「高度なフォーム」で作成する事例を見ていきましょう。
⑯表示言語を選択
⑰フォームタイプを「リード数を優先する」または 「ユーザーの意向を優先する」から選択
それぞれの違いはこちらです:
リード数を優先する
ユーザーが入力内容を確認するステップがないインスタントフォームです。このタイプはステップが少ない分、ユーザーの離脱が少なく、より多くのリードを獲得するのに適しています。
一方、リードの質が悪くなる可能性もあることを念頭に置いておきましょう。
ユーザーの意向を優先する
ユーザーが入力内容を確認するステップがあるインスタントフォームです。
「リード数を優先する」に比べてステップが多い分、リード数は減ることが予想できますが、リードの質は良くなることが期待できます。
⑱テーマを選択
次にインスタントフォーム上部に表示されるバナーを設定します。
⑲「画像」か「カルーセル」を選択
⑳更新をクリックして任意の画像を設定
画像規定:
- アスペクト比…4:3もしくは16:9
- ピクセルサイズ(横×縦)…750px*562pxもしくは750px*421px
続いてバナー下部の紹介欄を設定します。
㉑更新をクリックして会社ロゴを設定
画像規定:
- アスペクト比…1:1
- ピクセルサイズ(横×縦)…720px*720px
㉒表示名(会社名やサービス名)を入力
㉓タイトル(インスタントフォームの内容が伝わるものが望ましい)を入力
続いて質問内容を設定します。
㉔フォームの目的を記入
㉕ユーザーの個人情報以外の情報を収集したい場合は、カスタム質問を「短答」「択一」「スケジュール予約」「条件付き回答」から追加
質問は最大で10個まで設定できますが、「スケジュール予約」は1つのインスタントフォームで1個までです。
カスタム質問の形式 | 説明 | 質問例 | 回答例 |
---|---|---|---|
短答 | 短い文章で自由に回答する形式。 | 獲得1件あたりの目標金額など主要なKPIはなんですか? | 自由記述 |
択一 | 作成した選択肢の中から選択して回答する形式。 | 現在の運用状況を教えてください。 | 代理店・インハウス・未実施 |
スケジュール予約 | 日時を回答する形式。1つのインスタントフォームで1回まで使用可能。 | ご都合の良い時間を選択して下さい。 | カレンダーから日時を選択。 |
条件付き回答 | 回答ごとに条件付けを行い、条件ごとに作成した選択肢の中から回答する形式。 | 質問1:住んでいる都道府県はどこですか? | 選択肢1:東京・埼玉・神奈川・千葉 |
質問2:住んでいる都市はどこですか? | 選択肢2(※質問1で東京と回答した場合):新宿・渋谷・品川・池袋 | ||
選択肢2(※質問1で埼玉と回答した場合):大宮・浦和・所沢・和光 |
㉖ユーザーの回答によって質問を分岐させたい場合、「ロジック設定」をオンにできます。
ロジック設定の設定方法は以下です。
㉗分岐元の質問の[えんぴつマーク]をクリック
㉘プルダウンメニューをクリック
㉙分岐先に指定したい質問を選択
㉚取得したい個人情報を選択
カテゴリ | 選択項目 |
---|---|
連絡先 | 電話番号 |
メールアドレス | |
住所 | |
国 | |
都道府県 | |
市 | |
郵便番号 | |
ユーザー情報 | 名 |
姓 | |
氏名 | |
デモグラフィック | 性別 |
企業情報 | 企業名 |
役職 | |
勤務先メールアドレス | |
勤務先電話番号 |
続いて、プライバシーポリシーの設定をします。
㉛会社名を入力
㉜自社のプライバシーポリシーのリンクを入力
インスタントフォームを装飾したい場合は、カスタマイズ欄で以下の手順を踏みます。
㉝[追加]をクリック、「画像」「テキスト要素」「カルーセル」からカスタマイズ方法を選択
㉞画像やテキストを設定
最後にサンクスページを設定します。
㉟サンクスページのタイトルを入力
㊱今後の流れなどの説明を入力
㊲CTAのテキストを入力
㊳フォームに入力してくれたユーザーに遷移してもらいたいページのURLを入力
(製品資料のダウンロードページや自社サービスについて詳しく説明したページを設定するなどの使い方が考えられます。)
以上で完了です。
獲得したリードの取り扱い
リード情報をダウンロードできるのは、TikTokビジネスセンターの管理権限が「Admin」(最上位)のユーザーだけです。リードは多くの場合、見込み顧客の個人情報であるため、特に広告代理店に配信を依頼している場合は取り扱いに注意が必要です。
獲得したリードは、リードが送信されたタイミングから90日以内であればエクスポート可能です。期間を過ぎたリード情報は一切ダウンロードができなくなるので注意してください。
データをエクスポートする方法は以下です。
①[アセット]をクリック
②[クリエイティブ]をクリック
③[インスタントフォーム]からエクスポート
TikTokリード広告の活用例
続いて、具体的なTikTokリード広告の活用事例をご紹介します。
BtoBでのホワイトペーパー施策
インスタントフォームで「氏名」「勤務先メールアドレス」「勤務先電話番号」「企業名」「役職」などを記入してもらい、ホワイトペーパーのダウンロードページに遷移してもらうといった活用が考えられます。
リードの質を上げるためには、インスタントフォームでカスタム質問を設定して、ビジネスの課題感などをヒアリングする項目を追加するなどを検討してみてください。
遷移先のダウンロードページでは、ユーザーが2度フォーム入力することがないように、ワンクリックでダウンロードできるようにしておくと良いでしょう。
単品通販でのサンプル販売
これはアンケートLPのように活用する方法です。アンケートLPとは、ユーザーがニーズや悩みなどについてのアンケートに回答する代わりに、お得なオファーを提供し、購買意欲を高めるためのランディングページです。
インスタントフォームのカスタム質問を活用することで、LPを用意せずに実装できます。カスタム質問でユーザの悩みや潜在ニーズ、自社製品について魅力に感じるポイント、試してみたいかどうかなどをヒアリングし、製品のサンプルページに遷移してもらいます。
質問内容によってコンバージョン率や転換率が変わってくることが予想されるので、色々試しながらやってみると良いでしょう。
まとめ
リード広告は、通常のリンク先のLPに遷移する広告よりもフォーム入力の手間が少なく効率良くリードを獲得したい場合に適しています。
その反面、通常のリンク広告よりもリードの質が悪くなるケースもありますが、フォームタイプを「ユーザーの意向を優先する」にしたり、フォームの項目を増やしたり、質問の内容を工夫するなどで、リードの質を改善していけるといいですね。
その他のリード獲得広告全般の運用のコツなど、以下ブログも参考にしてみてください。