Microsoft「ショッピング広告」の仕組みと始め方、運用のコツまで

Microsoft「ショッピング広告」の仕組みと始め方、運用のコツまで

Microsoft広告に、ショッピング広告があることをご存知でしょうか?

画像引用元:Bingでの「花束 プレゼント」の検索結果

ショッピング広告は、ユーザーがBingにて検索したときにその検索語句に応じて表示されます。商品画像や価格などの商品情報や販売者情報を一目で見ることができて、検索広告よりも上部に掲載できる可能性がある視認性の高い広告メニューです。

また、Google広告ですでにショッピング広告を配信している場合は、インポート機能(※)を利用すればGoogle Merchant Centerの設定を引き継ぐことができるため、工数をさほどかけずにMicrosoftのショッピング広告を始められます。

そこで本記事では、これからショッピング広告を始める方に向けて、ショッピング広告の仕組みと始め方、運用のコツを紹介します。

※インポート機能とは、Google広告アカウントのキャンペーンや広告グループ、Google Merchant Centerの設定を管理画面の操作だけで引き継ぐことができる機能です。

ショッピング広告の仕組み

まずは、ショッピング広告はどういった仕組みで表示されるのか、見ていきましょう。

検索広告は指定したキーワードに対して入札して広告を表示しますが、ショッピング広告はユーザーの検索語句と関連する商品情報にもとづいて広告を表示します。

商品情報は、Microsoft広告に連携したMerchant Center(※)から参照します。

ユーザーがBingで検索すると、Microsoft広告のシステムが検索語句を解析し、検索語句に関連する商品情報をMerchant Centerに問い合わせます。関連する商品があった場合、Merchant Centerから商品情報が送信されて広告が表示されます。

広告として実際に表示されるかどうかは、商品情報や入札価格などの要素をもとにオークションを行い決定されます。

※Merchant Centerとは、商品データを管理するシステムのことで、商品情報を登録してMicrosoft広告と連携することで広告配信に利用できます。

ショッピング広告の掲載面

Microsoftのショッピング広告は、Bingの検索結果に掲載されます。どのように表示されるのか、実際の掲載面を紹介します。

Bing「すべて」タブ

画像引用元:Bingでの「オフィス家具」の検索結果

Bing「ショッピング」タブ

画像引用元:Bingでの「オフィス家具」の検索結果

Bing「画像」タブ

像引用元:Bingでの「オフィス家具」の検索結果

Bing「動画」タブ

画像引用元:Bingでの「オフィス家具」の検索結果

このようにショッピング広告は、検索語句によっては検索広告よりも上部に掲載される可能性があります。

商品画像と一緒に価格などの商品情報や販売者情報を確認できるため、購入したい商品のイメージがすでにある人にはより目を引きやすいですよね。また、購入したい商品のイメージがまだない人にとっては商品画像や価格をもとに、検索結果で比較検討しやすいというメリットがあります。

ショッピング広告の始め方

ここからは、ショッピング広告を開始するにあたって必要な設定を説明します。

ショッピング広告は、次の3つの手順で設定できます。

  1. Merchant Centerにストアを作成する
  2. Merchant Centerに商品情報を登録
  3. 管理画面で配信設定をする

設定することが多くて難しそうだなと思う方もいるかもしれません。しかし、やり方さえわかってしまえば、設定はそこまで難しくありません。ひとつひとつ手順を見ていきましょう。

まずは、Merchant Center内に「ストア」を作成する手順を解説します。

1.Merchant Centerにストアを作成する

「ストア」とは、Merchant Center内で商品情報を管理するための箱のようなものです。

Microsoft広告の管理画面の右上メニューの [ツール]をクリックし、[Merchant Center]をクリックします。

[ストアを作成]をクリックします。

次に、ストアの作成方法を選択します。

Microsoft広告には、ストアを手動で作成する方法の他にインポート機能があります。インポート機能とは、Google広告アカウントのキャンペーンや広告グループ、Google Merchant Centerの設定を管理画面の操作だけで引き継ぐことができる機能です。

Google広告ですでにショッピング広告を配信している場合は「Google Merchant Centerから既存のストアをインポートする」を選択します。Googleショッピング広告を実施していない場合は、「ストアを手動で作成する」を選択します。

今回は例として、[ストアを手動で作成する]を選択し、[次へ]をクリックします。

ストア情報を入力します。各項目で設定する内容は、下記をご参考ください。

ストア名

[ストア名]には、任意の名前をつけることができます。

ドメインの検証

ドメインの検証方法を選択します。

ドメインの検証とは、Merchant Centerにアップロードされた商品が、広告主が保有している商品だと証明するものです。

ドメインの検証方法は、 次の2つから選択します。

  • UETタグを経由して検証済み
  • Bing Webマスターツールを介して検証済み

UETタグとは、コンバージョン計測やリマーケティングを行うために、広告主所有のWebサイトのユーザー行動を計測するために設置するタグです。

広告主所有のWebサイトにUETタグがすでに設置されている場合は、UETタグの作成時にドメインが検証済みです。[UET タグを経由して検証済み] を選択しましょう。

UETタグを設置していない場合はドメインの認証がまだできていないため、UETタグを設置するか、Bing Webマスターツールを介してドメイン検証します。

Bing Webマスターツールとは、Microsoftが無償で提供している、Bingを通じたサイト全体やページ単位のトラフィック状況やサイトに流入した検索語句などをチェックするツールです。たとえば、広告主とWebサイトの管理者が異なり、UETタグの実装が難しい場合は、Bing Webマスターツールを使用してドメイン検証を行います。

Bing Webマスターツールを利用したドメイン検証の手順は、以下を参考にしてください。

参考:Web サイト URL の所有権の確認と申請 - Microsoft Advertising

リンク先URL

リンク先URLは、[ドメインの検証]で選択した項目に応じて選択します。

[UET タグを経由して検証済み] を選択した場合は、ドメインに関連付けられているUETタグを、[Bing Webマスターツールを介して検証済み]を選択した場合は、Bing Webマスターツールにて申請したURLを選択します。

ストア情報の入力が完了したら、「次へ」をクリックします。連絡先を入力する画面が開きます。

言語を選択し、メールアドレスを入力して[ストアを作成]をクリックするとストアが作成されます。

入力した内容が審査されて承認されたらストア内の作成は完了です。審査には最大5日間かかります。

ここからは、作成したストアの審査の承認状況を確認する方法を紹介します。

管理画面右上の「Merchant Center(A)」をクリックし、次に左上の「Merchant Center(B)」をクリックしてストアの一覧ページを開きます。

ストアの一覧ページにて[承認済み]と表示されたらストアの承認がおりた状態です。

参考:Microsoft マーチャント センター ストアを作成する - Microsoft Advertising

2.Merchant Centerに商品情報を登録する

フィードファイル(※)をMerchant Centerにアップロードすることで、ストアに商品情報を一括で登録します。登録した商品情報は、Merchant Centerから管理画面に送られ、ショッピング広告の配信に利用できます。

なお、フィードファイルはストアの承認がおりてからでないと登録できません。

フィードファイルの作成方法についてはExcel、スプレッドシートなどを用いて作成します。詳細は以下のヘルプを参考ください。

参考:フィード ファイルの作成 - Microsoft Advertising

※フィードファイルとは、Webサイト内の商品の商品名や販売者情報、価格などの多数の商品属性などがリストでまとめられたファイルのことです。

では、フィードファイルをMerchant Centerにアップロードする方法を紹介します。

広告管理画面の右上メニューの [ツール]をクリックし、[Merchant Center]をクリックします。

左側のメニューから、[フィード]を選択し、[+フィードを作成] をクリックします。

フィード名は任意のものを入力し、フィードの種類は[オンライン製品]を選択します。

[販売国]は、ショッピング広告を配信したい国を選択します。[言語]は、[販売国]を選択する選択肢が自動で絞り込まれるため、そのなかから選びます。

入力方式では、フィードファイルのアップロード方法を選択します。アップロード方法は、ファイルの容量やファイル形式などから選びます。

アップロード方式選択基準
手動でアップロードフィードファイルが4 MBより小さい場合に使用可
FTP/SFTP 経由のアップロードフィードファイルが4MB以上、1GB未満の場合に使用可
URL からファイルを自動ダウンロードフィードファイルが1GB未満で、一般にアクセスできるサーバー上にある場合に使用可

※フィードファイルは24時間ごとに1回自動でダウンロード
インポートGoogle Merchant Centerを介してショッピング広告を掲載している場合は、Google Merchant Centerインポートツールを使用可

各アップロード方法に関する詳細は以下のヘルプページをご確認ください。

参考:フィード ファイルの作成 - Microsoft Advertising

今回は例として、[手動でアップロード]を選びます。フィードファイルをアップロードの[参照]をクリックし、作成したフィードファイルを選択して[フィードを作成]をクリックするとフィードファイルの処理が実行されます。

フィードファイルの処理には最大3営業日かかります。余裕をもって配信準備を進めておきましょう。

3.管理画面で配信設定をする

Merchant Centerへの商品情報の登録が完了したら、最後に管理画面で配信設定を行います。ショッピング キャンペーンの作成方法を解説します。

管理画面を開き、左側の折りたたみメニューで[キャンペーン]を選択し、[+作成]をクリックします。

キャンペーンの目標は、[カタログから商品を販売する] を選択します。

キャンペーンのサブタイプは[通常のショッピングキャンペーン]を選択します。

広告の種類は[検索広告]を選択して[次へ]をクリックします。

最後に、キャンペーン設定を行います。キャンペーン予算や入札、ターゲティングなどを一通り設定したら、[保存]をクリックしてショッピングキャンペーンの設定は完了です。

ショッピング広告の運用のコツ

ショッピング広告の配信開始と同時に順調な走り出しができるように、ここからはショッピング広告の配信で押さえておきたい運用のコツをご紹介します。

フィードはつねに最新の状態に保つ

商品名や価格や在庫状況など、フィードの情報はつねに最新の状態にしておきましょう。

価格や在庫状況などで情報の不一致があるとユーザー体験を著しく損ねるため、定期的にフィードを更新してつねに最新状態にしておくことが重要です。

価格と在庫状況は、広告管理画面で自動更新の設定ができます。

Merchant Centerを開き、[設定]より、[自動アップデート]をクリックします。

[商品アイテムの自動更新]を[オン]に切り替えます。

価格と在庫状況は、次の3つから選択できます。

  • 価格のみ
  • 在庫状況のみ
  • 価格と在庫状況の両方

価格も在庫状況が最新の情報でないとユーザーの購買行動を妨げてしまうため、基本的には[価格と在庫状況の両方]を選択しましょう。

「∨」をクリックして[価格と在庫状況]を選択します。

[フィード内に在庫切れのオファーがある場合は、それを上書きしてサイトから在庫状況を直接更新してください]にもチェックを入れておきましょう。

商品のステータスがフィード上では「在庫切れ」、Webサイト上では「在庫あり」の商品があるとします。チェックを入れておくと、フィードの情報よりもWebサイトの情報が優先されて、「在庫あり」のステータスに自動で更新されます。

高品質の商品画像を使用する

商品の画像はユーザーが探している目的の商品としてすぐにわかる視認性の高い画像にすることが重要です。

たとえば、解像度が低くぼやけているような画像や、商品の画像が小さく余白が多いものなどは見づらいですよね。ユーザーが瞬時に目的の商品とわかるような視認性の高い画像を用意することで、ユーザーの目に留まる可能性が高まります。

利用シーンが異なる商品は「キャンペーンのフィルター制限」で分類

ショッピング広告には、フィードの商品の属性情報に基づいて、キャンペーンに含める商品を絞り込む機能「キャンペーンのフィルター制限」があります。

参考:ショッピング広告のフィルター制限 - Microsoft Advertising

「キャンペーンのフィルター制限」を活用すれば、商品の「カテゴリ」や「商品タイプ」などの属性情報を使って、商品を分類することもできます。

たとえば、利用シーンが異なる商品は、ターゲットを分けてアプローチしたいですよね。「キャンペーンのフィルター制限」は、キャンペーンを分けずにターゲティングを分けたい場合に有効で、キャンペーン数が多くて管理が煩雑になるのを防ぐことができます。

「キャンペーンのフィルター制限」は、キャンペーンの設定にあります。

なお、「キャンペーンのフィルター制限」でキャンペーンの絞り込みに使用できる属性情報は次の6つです。

  • ブランド
  • 条件
  • ID
  • カテゴリ
  • 商品タイプ
  • カスタム ラベル

価格帯が異なる商品は「商品グループ」で分ける

ターゲティングを変更せずに入札価格のみ調整したい場合は「商品グループ」機能を使ってフィード内の商品を分けます。たとえば、価格帯が異なる商品ごとに分類したい場合です。

参考:商品グループを理解し使用する - Microsoft Advertising

さまざまな椅子を取り扱っている通販サイトがショッピング広告を配信する場合を例にあげて考えてみましょう。

通販サイトには1万円前後の椅子もあれば、10万円を超える椅子もあります。商品のカテゴリが価格帯ごとに分かれている場合は、商品グループを使って次のように分類できます。

商品グループ商品のカテゴリ価格帯入札価格目標費用対効果
Aオフィスチェア10,000円~30,000円50円200%
Bゲーミングチェア30,000円~50,000円100円300%
Cリクライニングチェア50,000円以上200円500%

30,000円までは低価格帯、30,000~50,000円は中価格帯、50,000円以上は高価格帯という分け方です。さらに商品グループごとに目標費用対効果を設定し、その目標費用対効果に応じた入札価格を設定すれば、売上・利益ともに高めやすくなります。

逆に、価格帯の異なる商品に同じ入札価格を設定してしまうと、価格が低い商品は入札価格が高くて費用対効果が合わなかったり、価格が高い商品は入札価格が低すぎて広告表示の機会損失につながる可能性があります。

同一商品を含むキャンペーンを複数並走する時に役立つ「キャンペーンの優先順位」

キャンペーンの優先順位は、広告アカウント内で同じ商品が含まれるショッピングキャンペーンを複数並走させているときに、特定の広告を優先的に配信したい場合に使用します。

キャンペーンの優先順位は高・中・低の3つから選べます。優先順位を[高]に設定したキャンペーンの広告は、入札価格やターゲティングにかかわらず(※例外もあり。詳しくは後述します)他のキャンペーンの同じ広告より優先されます。

参考:Microsoft ショッピング キャンペーン を開始する - Microsoft Advertising

たとえば、アパレルECサイトが通常価格とセール価格でショッピングキャンペーンを分けて広告配信をしていたとします。

通常とセール用のどちらのキャンペーンにも登録されている同一商品を、セール期間中だけセール価格で広告を打ちたい場合は、セール用のショッピングキャンペーンの優先順位を[高]に設定すると、セール価格の広告が通常価格の広告よりも優先的に配信されます。

このようにキャンペーンの優先順位は、複数のショッピングキャンペーンで同一商品の広告を配信している場合に、一方のキャンペーンの同じ商品の広告を停止せずとも、優先順位をつけるだけで配信を制御できるため、定期的に発生する注力商品の配信強化に非常に便利な機能です。

しかしながら、ひとつだけ注意点があります。

地域ターゲティングや最低入札単価など、設定にフィルターをかけている場合はフィルターのかかっていないキャンペーンの広告が優先されます。

たとえば、キャンペーンの優先順位が[高]で地域を東京都に絞って設定しているショッピングキャンペーンと、優先順位が[中]で全地域をターゲット設定しているショッピングキャンペーンに同一商品の広告があったとします。

東京都以外のユーザーには、優先順位[高]のキャンペーンからはショッピング広告が配信されず、地域設定していない優先順位[中]のキャンペーンの商品の広告が配信されます。

優先順位を使用する前に必ず、地域ターゲティングや最低入札単価などの設定にフィルターをかけていないかを確認するようにしましょう。

おわりに

ショッピング広告は、検索広告と比べると、広告配信を開始するまでにドメイン検証やフィードの用意など、準備をすることが多いです。しかし、やり方さえわかってしまえば、設定はさほど時間はかかりません。

さらには、商品の分類方法などの運用のコツを配信開始前から知っておけば、もし初動でつまづいた場合もリスクを最小限にできたり、運用・管理もしやすくなったりします。

ショッピング広告を開始するうえで基本的な設定を押さえておくことは大前提ですが、運用のコツもしっかり押さえて順調に広告運用をスタートできるようにしたいですね。

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