
ひとつの広告アカウントにおいて、キャンペーンごとに目標とするコンバージョンが異なる場合があります。その際に、どのようにキャンペーンごとのコンバージョン目標を管理すればよいか、頭を悩ませることもあるでしょう。
今回は、Google広告でキャンペーンごとに異なるコンバージョン目標を設定する具体的な方法を解説していきます。
すでに設定しているという方も、設定方法によっては意図と異なる設定となっている可能性もありますので、念のため確認してみてくださいね。


目次
キャンペーン固有のコンバージョン目標
Google広告ではユーザーのアクションを「コンバージョンアクション」と呼んでいます。設定したコンバージョンアクションが発生するとコンバージョンとして測定がなされる仕組みです。
ビジネスによって、広告アカウントでコンバージョン目標が共通である場合もあれば、ひとつの広告アカウントでキャンペーンごとに異なるコンバージョンを目標とすることも少なくありません。
たとえば、BtoBのサービスでは「問い合わせ」だけではなく資料請求などの「リード獲得」も目標とするケースがあります。
このようなさまざまなコンバージョンアクションを整理して、キャンペーンごとに固有の目標を設定するための仕組みが「コンバージョン目標」です。
ここからは、コンバージョンアクションを分類しキャンペーンに適切に活用していくための「コンバージョン目標」の使い方について詳しく解説していきます。
コンバージョン目標の使い方
Google広告では上記のように「販売促進(販売カテゴリ)」「見込み顧客の獲得(セールスリードカテゴリ)」「その他」と大きく3つのカテゴリに分類されています。
新たにコンバージョンアクションを作成する際、目標とするカテゴリを選択することで、該当するカテゴリに割り振られます。
さらに、設定時にはそのカテゴリをアカウントのデフォルトの目標に追加も可能です。
キャンペーンを作成する際には、キャンペーンのパフォーマンスを最適化するためのコンバージョン目標が設定できますが、キャンペーン単位での設定を行わない場合にはアカウントのデフォルトの目標が自動的に選択される仕組みです。
アカウントのデフォルトの目標
新たにキャンペーンを作成する際に便利なアカウントのデフォルトの目標設定ですが、どのカテゴリをデフォルトとするかは、あとからでも編集が可能です。
編集方法は次のとおりです。
①左メニューの「目標」から「概要」を選択
②「アカウントのデフォルトの目標」となっているカテゴリの「目標を編集」をクリック

アカウントのデフォルトの目標として使うか使わないか、希望する方にチェックを入れて変更を保存すれば完了です。
メインアクションとサブアクション
コンバージョン目標を利用する際にもうひとつ押さえておきたい設定が「メインアクション」と「サブアクション」です。コンバージョンアクションのオプション設定として利用可能です。
それぞれどのような用途で利用されるのか、詳しく見ていきましょう。
メインアクション
メインアクションは、スマート自動入札の最適化対象としてデータが活用されます。また、レポートは[コンバージョン]列で確認できます。
目標>概要>コンバージョン目標の「目標を編集」をクリックすると編集画面になります。プルダウンで「メインの操作」「サブアクション(表示のみ)」が選択可能です。
サブアクション
サブアクションは、スマート自動入札には使用されません。レポートは[すべてのコンバージョン]列で確認することができます。
「標準の目標」にサブアクションが含まれている場合でも、入札には使用されません。

メインアクションとサブアクションの機能をまとめると次のような違いがあります。
スマート自動入札による最適化の対象とし、レポートでの「コンバージョン」の項目に含めたいコンバージョンアクションはメインに設定、コンバージョンとして測定はするものの最適化の対象にはせずレポートでも「コンバージョン」に含めたくないものサブとして設定しましょう。

なお、いずれもコンバージョンアクションの設定からも変更が可能です。
サブアクションは、メインのコンバージョン数が少ない場合の参考値とするなど、モニタリングを目的として利用するのがおすすめです。詳しい利用方法は次の記事を参考にしてくださいね。
標準の目標以外で利用する「カスタム目標」
たとえば「標準のコンバージョン目標は、カテゴリ単位の選択となるため、カテゴリの一部のコンバージョンアクションだけを選択することはできません。しかし、キャンペーンに固有のコンバージョン目標を設定したい場合もありますよね。
そんなときに利用したいのが「カスタム目標」です。
カスタム目標の活用方法
カスタム目標は、複数のコンバージョンアクションを選択したい場合に活用できます。
例えば、BtoB向けのサービスで、診断コンテンツ、ホワイトペーパーダウンロード、資料請求、問い合わせ、無料トライアルの5つをコンバージョンアクションの設定をしているとします。
来月開催予定のセミナー集客のため、ホワイトペーパーダウンロード、資料請求、問い合わせの3つのコンバージョン目標をキャンペーンの最適化の対象として設定し、広告配信を検討しています。
この場合、カスタム目標でホワイトペーパーダウンロード・資料請求・問い合わせのコンバージョンを選択して、セミナー集客用のキャンペーンに設定します。
なお、カスタム目標は、図の①アクションの目標カテゴリから複数組み合わせたり、②コンバージョンアクションの最適化オプションである「メイン」と「サブ」を自由に組み合わせに含めることが出来ます。
カスタム目標の作成方法
広告管理画面の目標から、概要のページの下部で「カスタム目標」を選択できます。ページ下部までいかないと確認できません。

目標>概要のページ下部にカスタム目標の設定画面があります。
「カスタム目標を追加します」からコンバージョンアクションを複数選択し、組み合わせを作成することができます。
カスタム目標の注意点
柔軟な目標設定が可能なカスタム目標ですが、標準の目標とは異なる仕様があるため、あらかじめチェックが必要です。
- サブアクションも入札やレポートの対象
- カスタム目標は複数の設定はできない
また、スマート自動入札を使用しているキャンペーンで、カスタム目標に含むコンバージョンアクションの設定を変更すると、目標設定後に新たに記録されたコンバージョン データに合わせて入札モデルが自動調整されます。
設定内容の変更が必要な場合は徐々に目標を調整していくことで大幅な費用の上下を防ぐことができるでしょう。
なお、カスタム目標に限らずキャンペーンのコンバージョン目標を変更すると、入札戦略が調整されるまで 1~2 週間ほどパフォーマンスが変動する可能性があります。そのため、基本はできる限りキャンペーン作成時から変更しないほうがいいでしょう。もし別のコンバージョンを目標とするために変更が必要な場合は、変動を加味して変更を行うか、その目的にあったキャンペーンを新たに作成するのをおすすめします。
効果的な広告配信には適切なコンバージョン目標の設定が必須
コンバージョン目標の設定は、一度設定すると確認の機会は少なくなります。もし、設定当初と比べてビジネスの状況やキャンペーンの目的が変わっているのであれば、再確認すると、もっとよい管理方法が見つかるかもしれません。
さまざまな種類や設定があるコンバージョン目標の違いを理解することで、キャンペーンの目的に合った最適な設定が可能になります。
広告配信の目的が異なる場合には、キャンペーン単位でコンバージョン目標を選択するのも効果的です。カスタム目標やメインアクション、サブアクションの定義を理解し、適切に設定することで、広告配信の目的を達成できるでしょう。
