Google スマートショッピングキャンペーンとは?通常との違いやメリット、設定方法を解説

Google スマートショッピングキャンペーンとは?通常との違いやメリット、設定方法を解説

小売業界のGoogle広告アカウントはもはや、ショッピング広告なしでは語れないと言えるのではないでしょうか。ショッピング広告が2013年にPLA(Product Listing Ads)名義で登場して以来、年々リスティング広告の予算に占めるシェアの成長からも明らかなようにリテール系アカウントの広告ポートフォリオの主役メニューに君臨するようになりました。

参考:Google Shopping is largest growth opportunity for most online retailers in 2019

こうして、さまざまな新しい機能やショッピングキャンペーンタイプも生まれてきたわけですが、中でも比較的注目を集めているのは2018年に初めて誕生したスマートショッピングキャンペーンです。

今回はスマートショッピングキャンペーンの通常のショッピング広告との違いやメリット、設定方法を経て導入を検討する際の注意点までご紹介します。

スマートショッピングキャンペーンとは?

まずは具体的にどんな特徴があるか、というとこから説明していきます。簡単に言えば、スマートショッピングキャンペーンは機械学習を利用し、クリエイティブ生成、ターゲティング、広告の配信場所(配信ネットワーク)入札調整までが自動化されたキャンペーンタイプです。

スマートショッピングキャンペーンのメリット

またスマートショッピングキャンペーンには次のようなメリットがあります。

設定の手間を大きく掛けずに成果が出せる

スマートショッピングキャンペーンの一つの便利なところは、やはり作業効率だと言えますね。特に運用するアカウントの数が多かったり、広告予算の規模があまり大きくなかったりする場合に、ユーザーに、求めているであろう商品と関連性の高い広告を検索・ディスプレイ・YouTube・Gmailなど複数の配信面に届けることによって、早く成果の出せる施策になりやすいと考えられます。本来、複数キャンペーンを作成・管理する必要があったことが、一つのキャンペーンで完結できている点がまずスマートショッピングキャンペーンの大きなメリットでしょう。

入札に留まらない全面的な自動最適化

入札に関しては「コンバージョン値の最大化」と「目標ROAS」のスマート自動入札戦略は他のキャンペーンにも設定できるので、厳密にはスマートショッピングキャンペーン特有な利点とはいえないものの、自動最適化が「入札」に留まらないことがこのキャンペーンの重要なポイントですね。マーチャントセンターに登録された商品データから自動的に広告が生成され、画像やテキストのアセットをパフォーマンスがもっとも良い形に最適化していく仕組みは、複雑になりつつあるWEB上のカスタマージャーニーの中で、ユーザーと有意義な接点を持てることがかなり魅力的ですね。

通常のショッピングキャンペーンとの違い

通常のショッピングキャンペーンと同様にフィードを基に広告配信が行われている点に関しては、両キャンペーンタイプが確かに似いてるものの、できる・できないことはそれぞれ違いますので、どちらかと言えばスマートショッピングキャンペーンは通常のショッピングキャンペーンとは別物だと考えた方がいいかもしれません。

重要な相違点を下記にまとめました。

スマートショッピングキャンペーン

ショッピングキャンペーン(従来型)

対応ネットワーク

Google 検索、YouTube・Gmail・Google Discover を含む Google ディスプレイ ネットワーク

Google 検索、YouTube・Gmail・Google Discover を含む Google ディスプレイ ネットワーク(配信有無の選択が可能)

ターゲティング

自動(検索語句、ユーザー属性、閲覧履歴など)

データフィードと検索語句のマッチング

入札

自動(目標広告費用対効果、コンバージョン値の最大化)

手動・自動(目標広告費用対効果、コンバージョン値の最大化、eCPC)

検索語句レポート

不可

除外キーワード設定

不可

オーディエンス設定

自動ターゲティングのため指定不可

リマーケティングと類似ユーザーの指定可

キャンペーン作成と管理

比較的簡単

やや複雑

上記の中ではやはりターゲティングの仕組みと対応しているネットワークが一番大きな違いでしょう。通常のシッピングキャンペーンは検索語句をもとに広告が表示されるのに対し、スマートショッピングキャンペーンは検索のみならずGoogleディスプレイネットワーク(GDN)、YouTubeやGmailに対応しているので、ショッピング広告と動的ディスプレイ広告のハイブリッドというのがイメージしやすいと思います。

スマートショッピングキャンペーンの設定方法

さて、スマートショッピングキャンペーンの設定方法ですが、基本はGoogle広告の別キャンペーンタイプとほとんど変わりません。

まずは管理画面をキャンペーン単位に表示し、【+】をクリックし「新しいキャンペーンを作成」を選択します。

そこから開くメニューから①「販売促進」を選びます。

キャンペーンタイプを「ショッピング」②にします。

次は③商品データフィードと商品を販売する国を設定し、ラジオボタンで「スマートショッピングキャンペーン」を選びます。ショッピングキャンペーンを作成する際に「スマートショッピングキャンペーン」がデフォルトの選択肢になっていることがやや示唆的です。

続いては、キャンペーン名から詳細の設定(予算、入札戦略、期間など)を決めていきます。自動化をふんだんに取り入れたキャンペーンタイプのため、入札設定は「コンバージョン値の最大化」と「目標広告費用対効果(ROAS)」のスマート自動入札のみになっています。

「保存」をクリックしたあとは作成完了です。

スマートショッピングキャンペーン作成時の注意点

スマートショッピングキャンペーンを作成すること自体は簡単ですが、やはりいくつかの注意点もあります。

商品データフィードが必要

通常のショッピングキャンペーンと同様に商品データフィードがなければ配信できません。そのため、Google広告アカウントと商品データフィードが登録されたGoogleマーチャントセンターアカウントとの連携が必要です。いくら自動化を活かしたキャンペーンタイプとは言え、この辺の作業は依然として発生します。

コンバージョン値の計測を行う

現在利用できる入札戦略(コンバージョン値の最大化・目標ROAS)はいずれも「コンバージョン値」をベースに最適化を行っていくため、コンバージョン数だけではなく、コンバージョン値までトラッキングする必要があります。自動の入札調整が正常に動くか否かに関わることなので、この設定が未完了ならスマートショッピングキャンペーンの作成より先にクリアしましょう。

参考:注文や購入ごとに変動するコンバージョン値をトラッキングする - Google 広告 ヘルプ

パーソナライズ広告に関するポリシーに注意

スマートショッピングキャンペーンはユーザー属性などに基づいて配信を行うこともできるため、通常のリマーケティングキャンペーンと同じく、ビジネスによってパーソナライズ広告に関するポリシーに触れる場合があります。そうなってしまうと配信制限がかかるばかりか、スマートショッピングキャンペーンの配信自体が不可能になります。この点は従来のショッピングキャンペーンとかなり違うので要注意です。

※制限されているビジネスの一覧は下記で確認できます

参考:Google 広告のポリシー - Google 広告ポリシー ヘルプ

通常のショッピングキャンペーンやリマーケティングキャンペーンとの併用について

もし、通常のショッピングキャンペーンとリマーケティングキャンペーンが既に設定されているアカウントにスマートショッピングキャンペーンも追加したければ、スマートショッピングキャンペーンの方が優先的に配信される傾向が強いことを念頭に置いて欲しいです。つまり、併用している場合は、従来型のショッピング、及びリマーケティングキャンペーンにインプレッション数の減少やパフォーマンスの悪化が伴うことも考えられます。Googleの公式ヘルプでは「スマートショッピングキャンペーンを導入割いている際、通常のショッピング・リマーケティングキャンペーンを一時停止することもお勧めしています。

参考:スマート ショッピング キャンペーンについて - Google 広告 ヘルプ

メリットもあればデメリットもある

他のキャンペーンタイプにも言えることですが、スマートショッピングキャンペーンはもちろん万能薬ではありません。次のようなデメリットも踏まえ、検討しましょう。

確認できるパフォーマンスデータは限定されている

スマートショッピングキャンペーンはデータを活用し自動最適化を行っている反面、そのデータの詳細がほとんど確認できないのが現状です。つまり、広告が主にどこのオーディエンスに配信されたのか、またはどの検索語句でコンバージョンに繋がったのかなどというデータは現時点で一切アクセスできない仕様になっています。従って、パフォーマンスデータの分析や粒度の高いレポーティングが必要なアカウントなら、このキャンペーンタイプは不向きかもしれません。

※唯一、プレースメントの詳細データは実際に確認可能ですが、ちょっと裏技に近い方法でしか出せません。ちなみに、そのデータは普段ありそうな「プレースメント」タブではなく、レポートタブからアクセスすることになります。例えば、カスタムレポートから「表」を選ぶと、「キャンペーン」と「プレースメント(グループ)」または「プレースメントタイプ」を「行」に設定し、列に好きなパフォーマンスデータをセットするとあるプレースメントデータが確認可能です。

手動で調整できることはほとんどない

アクセスできるデータが限定されていることに加えて、商品ごとに手動で入札を強めたり、パフォーマンスの悪い検索ワードやオーディエンスの除外などの、ほとんどの他のキャンペーンタイプならできる調整もできません。シーズナリティの変動や新商品による手動のプッシュなどの細かいチューニングがよく発生しそうな場合は別のキャンペーンタイプを検討してもよさそうです。

新規ユーザー向けの施策に活かせることが困難

自動的にコンバージョン値の最大化が見込めそうなオーディエンスに配信されるように動く仕組みのため、コンバージョンファネルの下の方にいるユーザーに配信が偏ってしまう可能性があります。あくまでも確率論の話ではありますが、このようなユーザーは「新規オーディエンス」よりも「既にサイトを訪れたことのあるユーザー」である可能性が高いと思われますので、新規ユーザーへアプローチしづらくなりかねないです。特に新規・既存オーディエンスに個別の予算や目標設定がある場合は注意です。

時代が変化しているからこそ登場したスマートショッピングキャンペーン

スマートショッピングキャンペーンが登場した背景についてはいくつか考察できるとか思いますが、主に「技術的な変化」「広告市場の変化」の部分が大きいのではないでしょうか。

近年Google社からスマート自動入札をはじめ、スマートディスプレイキャンペーン(SDC)という「スマート」がつくプロダクトをいくつか世に送り出したのですが、もちろんこれらに限らずですが、共通しているのが「機械学習」を活用しているところですね。その方向に突き進んでいる姿勢が遅くとも2018年のGoogle Marketing Liveから明確になりましたし、本記事のテーマである「スマートショッピングキャンペーン」も決して例外ではなく、このプロダクトが登場したことは同様な技術的な文脈の一環として見られます。今後もさらに機械学習を活かしたプロダクトが登場すると思いますが、新しい技術によって単純にできること増えたのみならず、使い方自体の簡略化によって利用者層を広げることもできるでしょう。特に通常のショッピングキャンペーンが「なんとなく難しい」などという理由で今まで敬遠した場合は、スマートショッピングキャンペーンがちょうどフィットするプロダクトになっているかもしれません。

また、広告市場も変化を遂げています。広告のプラットフォームとしては相変わらず「GoogleとFacebookのデュオポリー」が成立してるとは言えるものの、Amazonが年々広告媒体として脚光を浴びるようになったことも否定できません。

参考:eMarketer's Facebook-Google Duopoly Digital Ad Spending Forecast Estimates 2019

特にアメリカでは顕著に表れていますが、さらにWEB広告に投下されている予算のシェアでみるとAmazon広告の存在が大きくなるのに対し、Google広告の方が少しずつ減ってきていることが分かります。

参考:Amazon Advertising Growing Fast in the Digital Ads Market in 2020

参考:More Product Searches Start on Amazon

また、購入者が行う検索はGoogleよりもAmazonで始まることが多いことを加味すると、コンバージョンファネルの下まで到達したユーザーにアプローチできる、なおかつ沢山の広告運用者にとって導入しやすいスマートショッピングキャンペーンが、アマゾンに対する牽制球という意味合いを持ったプロダクトとも言えるかもしれません。

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Jan Hugendick

Jan Hugendick

ドイツの出版社でマーケティングやSEOに携わることをきっかけにリスティング広告に興味を持ち、 ドイツの某メディア大企業直属のWeb広告代理店に転職。そこで5年間、多国・多業界 のアカウントを担当することを経て、2016年にアナグラムに参画。広告運用の他、ブログ執筆と編集を行っています。

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