Google アドワーズ、Gmail広告の仕様から設定方法、活用方法までのスベテ

Google アドワーズ、Gmail広告の仕様から設定方法、活用方法までのスベテ

Eメールはインターネットのゴキブリのようなもの。みんな嫌いだが消えるものではない

Slackのカル・ヘンダーソンCTO兼共同創立者が発言し、ちょっとした話題になりました。「コミュニケーションの媒体としては、チャットツールが主要なツールになる」という意見は、日本におけるLINEをはじめとしたチャットツールが広く普及していることを考えればとても真っ当なものだと筆者は考えます。

参考:Slackが日本法人を設立、カルCTO「メールはゴキブリのようなもの」 | BUSINESS INSIDER JAPAN

自分がプライベートで使っているEメールの受信トレイをみてみてください。友達や家族との普段のコミュニケーションにEメールを使っている方はごく稀かと思いますが、受信トレイには転職サービスからのお知らせ、新しく登録したWebサービスを認証するリンクが記載されたメール、毎朝と届くメールマガジン、不動産からの新着物件の情報など、相変わらずEメールをさまざまなシーンで利用していることでしょう。

Gmail広告はそんな、Eメールの主要サービスのひとつであるGmailの受信トレイ上に通常の受信メールと同様な広告フォーマットで広告を掲載できます。

Gmail広告自体は2015年9月より提供されていますが、Googleアドワーズのリニューアル版の管理画面上では、設定方法の変更や広告テンプレートやターゲティング方法の追加など、旧管理画面での仕様から大きくアップデートされています。今回は、リニューアル版の管理画面におけるGmail広告の仕様から設定方法、活用方法までのスベテを解説します。

Gmail広告とは


画像引用元:Ad Format Gallery | Gmail Ads

Gmail 広告は、Gmail の受信トレイの特定のタブの上部に表示される広告です。無料のGmail利用ユーザーのみへの掲載となり法人向けサービスのG Suiteでは表示がされません。Gmail広告が表示される条件として、ユーザーが「ソーシャル」「プロモーション」のタブを表示させていることが条件となります。タブについては、以下をご参照下さい。

参考:受信トレイのカテゴリを追加または削除する – Gmail ヘルプ


通常の受信メールと同様な形式で折りたたまれた状態(折りたたみ広告)で表示され、ユーザーがクリックするとメールのサイズに展開されます(エキスパンド広告)。エキスパンド広告には画像や動画がなどを含めることができ、リンク先を設定してサイトへの訪問を促すことができます。


通常の広告では、サイトへ遷移するためのクリックが課金ポイントとなりますが、Gmail広告では折りたたみ広告をクリックして展開した時点が課金ポイントとなります。Gmail広告のクリック(展開)はサイトへの誘導ではないので注意が必要です。(ちなみに、以前のGmail広告にはあったCPM課金は利用できなくなっています。)

参考:ターゲティング方法は無限大?Gmail広告の効果的な使い方

Gmail広告の設定方法

では、新しくなったGmail広告の設定方法を見ていきましょう。

キャンペーンの設定


①の「+」をクリックしキャンペーンを作成


続いて、キャンペーンを作成する際に②「ディスプレイ広告」を選択し、③「目標を設定せずにキャンペーンを作成」を選択

※「販売」「見込み顧客」「ウェブサイトのトラフィック」「商品やブランドの検討」を選択してもGmail広告を作成することが可能ですが、一部の設定が制限される場合があります。


キャンペーンのサブタイプが表示され④の「Gmailキャンペーン」を選択し「続行」をクリック

⑤地域や言語を設定

⑥単価設定
Gmail広告で使用出来る単価設定は、以下の通りです。

・個別のクリック単価
・拡張CPC
・目標コンバージョン単価(CPA)
・目標広告費用対効果

単価の設定に迷ったらこちらの記事もご参考ください。

参考: Google アドワーズのコンバージョンを目的とした自動入札を導入しない方がいい4つの状況

⑦1日の予算を設定
その他、通常のキャンペーン同様に広告のローテーション、開始日や終了日を設定します。

広告グループ:ターゲティングの設定

次に広告グループの設定行います。広告グループではおもにターゲティングを設定することができますが、リマーケティング、類似ユーザー、オーディエンス キーワード、アフィニティ カテゴリ、インテント(購買意向の強いユーザー層)、ユーザー属性など、といった通常のディスプレイ広告とほぼ同じ設定が可能です。

ただし、以下のターゲティングは利用ができません。

・プレースメント ターゲット
・トピック ターゲット
・カスタム アフィニティ カテゴリ
・関心のある地域
・コンテンツ キーワード

以下では、現在Gmail広告でのみ設定が可能となっているターゲティングおよび新しくターゲティング可能となったリマーケティングに焦点を当ててご紹介します。

消費者行動に基づくアフィニティカテゴリ

リニューアル番の管理画面では、新たに消費者行動に基づくアフィニティカテゴリが追加されています。

・買い物好き > 購入者(店舗タイプ別)
┗ コンビニエンスストアで購入
┗ スーパーマーケットで購入
┗ デパートで購入、雑貨店で購入

・美容、健康 > 頻繁にサロンを訪問

・フード、ダイニング > 頻繁に外食
┗ 夕食は頻繁に外食
┗ 昼食は頻繁に外食
┗ 朝食は頻繁に外食

・ライフスタイル、趣味 > ライブイベントに頻繁に参加

近頃の来店コンバージョンの測定技術の進歩が目覚ましいことからも、実店舗で発生するオフラインでの消費者行動の広告効果測定への取込みが進んでいます。Gmail広告のターゲティングにおいてもこれらの技術が応用され消費者行動をもとにしたターゲティングが実現されているのではないかと考えられますね。

参考:YouTube 広告とディスプレイ広告で来店トラフィックを促進する – Google 広告主コミュニティ

ライフイベント

商品を積極的に検討しているユーザーへのアプローチとして従来からある「購買意欲の強いユーザー層」(インテントイベント)に加えて、ライフイベントが追加されました。

ライフイベントを利用することで、生活の変化により何かと物入りとなることも多く、消費行動が大きく変わるタイミングのユーザーに対してアプローチすることが可能になりました。現在、指定可能なライフイベントは以下のとおりです。

・大学卒
┗ 卒業予定
┗ 最近卒業した

・引越し
┗ 引越し予定
┗ 最近引越した

・結婚
┗ 最近結婚した
┗ 結婚予定

リマーケティング

従来でもカスタマーマッチを利用した広告配信は可能でしたが、今まで設定することが出来なかったリマーケティング リストの設定が可能となりました。なお先日、動的リマーケティングをGmail広告でも配信できるようになることが発表されています。

参考:Inside AdWords: Reach more shoppers this holiday season with new innovations from Merchant Center and AdWords


現状では動的広告の設定ができないようですので、順次反映しているものと思われます。

広告の作成

広告の作成方法は2通りあります。

広告アセットでの作成


画像引用元:Google アドワーズ管理画面のプレビューより

新しいGmail広告では、アセットと呼ばれる広告素材(テキスト・画像・動画)をアップロードすると、それらが自動的に組み合わされ広告を作成できます。[+ Gmail広告]より作成が可能です。

広告アセットの文字数などの要件は以下の一覧をご覧ください。


また、カタログ画像を追加すると、広告の中で商品やサービスのラインナップをアピールすることも出来ます。行動を促すフレーズとURLを共通で1つ設定するほか、それぞれのアイテムごとにカスタマイズして設定も可能です。


「その他のオプション」を利用することで、上記の広告アセットとは別に、折りたたみ広告用の件名と広告文(カスタムキャッチコピー)、行動を促すフレーズ、ボタンの色の変更(カラーオプション)を設定出来ます。

その他のオプションの要件は以下をご覧ください。

「カスタムキャッチコピー」を使用することで、エキスパンド広告と折りたたみ広告の訴求の文言を変更することが出来ます。Gmail広告は、まず折りたたみ広告をクリックしてもらうことが重要なため、メールマガジンなどのタイトル同様、カスタムキャッチコピーを活用して、ユーザーが気になって思わずクリックしてしまうような魅力的なオファーを試していくことも重要です。

広告のアップロード

折りたたみ広告の要件は広告アセットでの作成時と共通ですが、エキスパンド広告のクリエイティブをアップロードできます。

イメージ広告


1枚の画像をアップロードすることができます。要件は以下の通りです。

HTML広告(カスタム HTML)

HTML広告(カスタム HTML)は、HTMLに関する知識が必要となりますが、動画を組み込んだり、入力フォーマットを使用したりと、レイアウトを自由にカスタマイズすることが出来ます。メールマガジンの内容をHTMLで組んでいる場合などは比較的導入がし易いでしょう。ただし、フォームによるデータ収集は、広告掲載のポリシーに沿っている必要があり、許可されないフォームの項目などもありますので、作成の際は十分に注意しましょう。

参考:Gmail 広告の要件 – AdWords 広告掲載のポリシー ヘルプ

詳しい使用方法はGoogleアドワーズの公式ヘルプページをご参照下さい。

参考: カスタム HTML を使用して Gmail 広告を作成する – リニューアル版 – Display Specs ヘルプ

Gmail独自の指標をチェックしよう

Gmailには独自の指標として「ウェブサイトへのGmailのクリック数」「Gmailの転送数」と「Gmailの保存数」という項目が確認できます。「ウェブサイトへのGmailのクリック数」はGmailキャンペーンではデフォルトで表示されています。



「Gmailの転送数」と「Gmailの保存数」[レポート]タブの「表示広告の変更」より追加して表示が可能となります。

前述したとおり、Gmail広告における「クリック数」はサイトへの誘導数ではありません。折りたたみ広告をクリックして、さらにエキスパンド広告をクリックしたのが「ウェブサイトへのGmailのクリック数」です。実際にエキスパンド広告がユーザーをウェブサイトへ誘導している効率をチェックして、期待に満たない数値であればエキスパンド広告に表示させている内容やオファーの改善の余地を判断できます。


画像引用元:Ad Format Gallery | Gmail Ads

Gmail広告は通常のメールと同様に他のユーザーへ転送や受信トレイへの保存が可能です。
転送する場合、自身の他のメールアドレスへの転送なども考えられるため、明確な指標としての評価は難しいかもしれませんが、エキスパンド広告のクリエイティブがユーザーにどのような影響を及ぼしたかを把握できる指標の一端となりますね。

広告パーソナライズのためのGmail受信内容のスキャンを廃止

もともと、特定のウェブサイトからメールに基づいてターゲティングを行う方法である「ドメイン ターゲティング」をはじめ、受信しているメールの内容も利用してパーソナライズがされることで高い効果が得られる傾向がありましたが、Googleは、無料のGmailユーザーのプライバシーとセキュリティへの配慮として広告のパーソナライズに利用するために受信トレイの中身をスキャンすることを辞めると発表していました。

参考:As G Suite Gains Traction in the Enterprise, G Suite’s Gmail and Consumer Gmail to More Closely Align

これに伴いGoogle アドワーズの公式ヘルプページでは、2017年9月28日以降にキャンペーンのリーチ、クリック数、コンバージョン数に変化が見られるようになることが明示されました。「ドメイン ターゲティング」は廃止され、「キーワードターゲティング」もキーワードに関するメールを最近多く受信しているGmailユーザーへもターゲティングではなく、ユーザーの行動履歴や訪問サイトなどからキーワードに関連する興味関心をもつユーザーをターゲティングする方式へ変わっているものと考えられます。

参考:Gmail 広告について – AdWords ヘルプ

ただし、これは必ずしもターゲティング精度劣化を意味するものではなく、ほかのGoogle アドワーズの広告に利用されているターゲティングの方法でGmailの内容スキャンしたパーソナライズに相当するターゲティング精度を実現できるようになったということの現れであるとも考えられますね。

最後に

ドメインターゲティングの廃止もあり、Gmail広告のターゲティング精度が下がると判断してキャンペーンを停止してしまったという広告運用者もいらっしゃると思いますが、今回のアップデートでは、今まで使用出来なかったリマーケティングが使用可能になったことや、新たなターゲティングによりこれまでとは違った活用方法も見いだせるのではないでしょうか。

もちろんユーザーのメールボックスというプライベートなスペースに対して広告を掲載できる反面、ユーザーのセキュリティ意識も高くなる傾向にあります。通常の広告以上にユーザーにとって魅力的なオファーをするとともに、安心感や信頼性が重要となるのはいうまでもありません。逆に言えば、適切に使うことができれば、広告主の商品やサービスにより高い関心をもった見込み顧客を集客することもできます。

また、実際のメールのような広告フォーマットではあるものの、ユーザーにサイトへ来てもらうには折りたたみ広告からエキスパンド広告を経るため、通常の広告にくらべ1つステップが多いです。そのため、比較的コンバージョン単価が高めな商材(たとえば転職サービスや不動産など)での活用が向いているケースが多いですね。

Gmail広告をすでに利用したことがある方も、まだ試してない方も、今回のリニューアルを機に一度活用方法を検討してみてはいかがでしょうか?

Daiki Tachihara

Daiki Tachihara

アナグラム株式会社 クルー。大学進学後半年で中退し、ベンチャー企業にて営業を経験。その後独立し、不動産のVR開発・作成を経て電気工事の職人を経験。持ち前のコミュニケーションで仕事を受注し、一人親方として活動。同時にメディア作成を行いSEOやリスティングを経験。メディア事業を売却し、アナグラムに参画。ちなみに元高校球児です。

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