Google広告の動的リマーケティングとは?仕組みと始め方を徹底解説

Google広告の動的リマーケティングとは?仕組みと始め方を徹底解説

ショッピングモールでいろんなお店を回っているうちに、気に入ったお洋服があったお店がどこだったか忘れてしまった、そんな経験はありませんか?

オンラインショッピングでも、複数のECサイトを行き来して時間の経過とともにお目当ての商品を忘れてしまい、仕方なく別の商品を購入……ということも珍しくありません。販売者側からしても、せっかく商品に関心を持ってもらえたのに、忘れられてしまうのは悲しいですよね。

そんなときに活用したいのが、「動的リマーケティング」です。

今回は、ユーザーが過去に閲覧していた商品をクリエイティブとして表示できる、Google広告の動的リマーケティングのしくみと始め方までを紹介します。


動的リマーケティングとは?

取り扱う商品が多いと、それぞれの商品に興味をもったユーザーに個別にアプローチするのは非常に難しくなりますよね。

動的リマーケティングを用いると、商品ページの閲覧履歴などのユーザー行動に基づいて、商品情報を組み合わせてクリエイティブを自動生成してディスプレイ広告を表示できます。配信先はYouTubeやGmailのようなGoogleが提供するサービスのほか、食べログやlivedoorなどの大手サイトを含むGoogle AdSenseを利用する多くのサイトが対象です。

動的リマーケティングでは、ユーザーの行動を把握できる「タグ」と商品情報をまとめた「商品フィード」を用いることでターゲティングや広告クリエイティブを一人ひとりに合わせて自動的に調整が可能です。

動的リマーケティングのクリエイティブは、商品フィードに登録した商品情報にもとづいて表示されます。

多くの場合、ひとつのクリエイティブ内に複数の商品が表示され、各商品画像をクリックするとそれぞれの商品詳細ページにユーザーを遷移させることができます。

幅広い職種を掲載する求人サイトやラインナップが幅広いECなど、商品によって狙いたいターゲットや見せたいクリエイティブが異なるサービスでは特に有効です。オーディエンスリストを細分化しなくとも自動でユーザーの興味に合う商品の出し分けが実現するため、費用対効果を維持しながら売上向上が期待できます。

動的リマーケティングのしくみ

動的リマーケティングは、商品フィードから得られる商品情報と、広告主のサイトに設置するタグから得られるユーザーの行動データを組み合わせて「だれにどの商品を見せると興味を持ってもらえそうか」を判断し、広告の出し分けを行っています。

たとえば、サイト利用者がシャンプーの商品ページを閲覧し、買わないまま離脱したとします。このときサイト内に動的リマーケティングタグを設置していると、見ていた商品のIDや価格といった情報を取得できます。これらの行動履歴データをもとに、購入につながる可能性の高いアイテムを広告として配信します。

動的リマーケティングの始め方

動的リマーケティングの配信開始にあたり、次の3つの準備が必要です。

  1. タグを設置する
  2. 商品フィードをアップロードする
  3. 広告管理画面で配信設定を行う

1.タグを設置する

動的リマーケティングの配信には、Google広告タグの設置が必要です。Google広告タグは「Google タグ」と「イベントスニペットタグ」で構成されています。

イベントスニペットによって取得された「ユーザーが閲覧した商品やサービスのID」や「カートに入れた商品とその金額」などの詳細な情報をGoogleタグと連携して、ユーザーのサイト内での行動を把握しリマーケティング配信に活用できます。

Google Ads管理画面

①管理画面の右上の「ツールと設定」より「オーディエンスマネージャ」をクリックします。

② 左タブから「データソース」を選択し、Google広告タグの「タグを設定」を選択します。

③ リマーケティング欄で「お客様のウェブサイトでユーザーが行った特定の操作に関するデータを収集してパーソナライズド広告を表示します。」を選択すると、サイト内のユーザーの行動履歴を識別するのに必要なイベントスニペットが利用可能になります。

業種の欄で該当の業種を選択したら「保存して次へ」をクリック

④タグの管理状況に合わせてタグの設定方法を選びます。今回は例として「タグを自分で追加する」を選択します。

⑤Google タグとイベントスニペットタグが表示されます。タグをコピペで取得したら、ウェブサイトに設置します。

Google タグは、ウェブサイトの各ページの<head></head>タグの間に設置します。Google タグは広告アカウントごとに1つだけ設置すれば良いので、すでに設置済みの場合は追加設置は不要です。イベントスニペットは、Google タグの直後の<head></head>タグ間に設置します。

また、イベントスニペット内の値は、一部ソースの書き換えが必要です。

イベントスニペットは、ユーザーの行動を識別する「イベント名」と商品情報を識別する「アイテムパラメータ」があります。

イベント名

商品ページであれば [view_item] 、購入完了ページであれば [purchase] など、ページの種別に応じてイベント名を出し分けます。これにより、ユーザーがサイト内でどんなページに訪れたのかを識別できるようになります。
アイテムパラメータ

商品に関する情報を設定します。商品ページでは表示されている商品について、カートページや購入完了ページではカートに含まれる商品についてのデータを渡すことで、ユーザーがどの商品を閲覧/購入したのかを識別できるようにします。

使用可能なパラメータは、「1.タグを準備する」の手順③で選択した業種によって異なります。詳しくは、下記のヘルプをご参考ください。

参考:動的リマーケティングのイベントとパラメータ - Google 広告 ヘルプ

パラメータルールは、広告表示の粒度や、サイト階層のデータ構造も踏まえて決める必要があります。広告運用者、ウェブサイトを管理するシステム担当者も交えて議論するとスムーズです。

2.商品フィードをアップロードする

次に商品フィードをアップロードしていきます。

動的リマーケティングの配信には通常のキャンペーンとは異なり広告クリエイティブの入稿は必要なく、商品フィードの内容をもとにクリエイティブが自動的に生成されます。

小売業者はMerchant Centerを利用

小売業の場合は、Merchant Centerより商品を登録し、Merchant CenterとGoogle広告を連携することで、広告配信に利用できます。

Google Merchant Centerの始め方から商品登録の方法、Google 広告とのリンクまで以下の記事で詳しく説明していますのでご参考ください。

業種に応じたフィードを利用する

小売以外では業種ごとにフィードの形式が異なっています。たとえば、旅行の場合には「Destination name (目的地名)」、不動産では「Property type (物件タイプ)」などの属性が用意されています。

次の手順で業種に応じたフィードを用意していきましょう。

Google広告ヘルプから自分の業種のテンプレートをダウンロードする
②テンプレートに沿って商品フィードを作成する

ファイル形式は、.csv、.tsv、.xls、xlsx、Google スプレッドシート、HTTP、HTTPS、FTP、SFTPを使用できます。

テンプレートの中には任意項目も含まれますが、任意項目も含めできる限り多くの項目を入力することをおすすめします。なぜなら、Googleに渡す商品情報が多いほうが、より精度の高い機械学習が期待できるからです。

管理画面より商品フィードをアップロードする

商品フィードを用意できたら、管理画面から商品フィードをアップロードします。

①管理画面上部の「ツールと設定」から「ビジネスデータ」を選択します。

②「+」ボタンをクリックして「動的広告フィード」を選び、業種を選択します。

③フィード名を登録し、ファイル形式を選択して商品フィードをアップロードします。これで商品フィードのアップロードは完了です。

アップロード後、商品フィードの内容の審査が行われるので、不承認やエラーがないかを後日確認しましょう。

商品フィードの更新

商品フィードのアップロードが完了したところで気にしておきたいのが、情報の更新をどのように行うか、です。広告の値段とサイト上の金額が異なっており、ユーザーをガッカリさせてしまったというようなこと自体は避けるため、原則的に常に商品フィードは最新の状態にしておくのが理想です。

商品フィードの生成方法によって、現実的にどのような頻度で更新できるかあらかじめ確認しておくのがおすすめです。

なお、Merchant Center上の商品フィードは30日以上更新されていない商品は期限切れ扱いになり広告で掲載されなくなるため、定期的な更新が必須です。また、在庫の変動や金額の変動もあるため、できる限り1日に1回は更新するよう推奨されています。

参考:商品ステータスの定義 Google Merchant Center ヘルプ

もし毎日の更新は難しい……という場合や一日に何度も変更する必要があるような場合にはサイトをクローリングして金額や在庫情報を自動更新してくれる機能もありますので、検討してみてください。

参考:商品アイテムの自動更新について - Google Merchant Center ヘルプ 

3.広告管理画面で配信設定を行う

商品フィードの設定が終わったら、キャンペーンを作成し動的リマーケティングの配信設定を進めていきましょう。

キャンペーンの作成まずは、キャンペーンを作成します。

①管理画面より「新しいキャンペーンを作成」をクリック

②キャンペーンの目標とコンバージョン目標を運用指標に合わせて任意で選択して「続行」をクリック

③キャンペーンタイプで「ディスプレイ」を選択して「続行」をクリック

④プロモーション対象のウェブサイトとキャンペーン名を入力して「続行」をクリック

⑤配信地域・ユーザーの言語など、配信したい内容を画面の項目に沿って設定後、「その他の設定」の中にある「動的広告」をクリック

⑥「パーソナライズド広告向けの動的広告のフィードを使用する」にチェックを入れます。

⑦チェックを入れると追加の設定項目「データフィード」が表示されますので、先ほどアップロードした商品フィードをプルダウンリストから選択します。

選択後、さらに追加で表示される「商品フィルタ」を設定します。基本的には「フィルタなし」を設定します。広告掲載したくない商品が含まれている場合は「フィルタ適用」を選択して、配信対象にするデータの条件を設定します。

⑧キャンペーンの1日の予算と入札戦略を設定し、「次へ」をクリック

⑨ターゲット設定で、「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」からリマーケティングリストを選択し「完了」をクリックでキャンペーンの設定完了です。

※初期設定ではターゲット設定はキャンペーン設定に含まれますが、キャンペーン作成後は広告グループで設定します

広告設定

Merchant Centerに商品情報を登録したのでクリエイティブの作成は必要ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、動的リマーケティング広告では、デフォルトの広告を最低1本以上用意しておく必要があります。これにより何らかの原因により商品データを用いた広告配信ができない場合でも広告配信を行えます。

では、ここからは広告の設定方法を紹介します。

ターゲット設定までを完了すると以下の広告作成画面が表示されます。

⑩レスポンシブディスプレイ広告の最終ページURL・広告見出しなど各種入力項目を作成して「次へ」をクリック

⑪確認画面でエラーや間違いがないことを確認したら「キャンペーンを公開」をクリックして設定完了です。広告と商品フィードの審査が完了次第、広告配信が開始されます。

まとめ

動的リマーケティングは、ショッピング広告を利用している小売の広告主では、比較的スムーズに導入ができるため、おすすめの施策のひとつです。

他の業種では通常のディスプレイ広告にくらべ、タグやフィードなどの設計や準備は複雑でかんたんではないため、導入に踏み切れていない方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、一人ひとりに合った広告を掲載してアプローチできるのは、とくに多品目の商品やサービスを扱う業種ではユーザーにも大きなメリットがあり、魅力的な施策のひとつです。

また、商品フィードを用いた広告施策はGoogle広告だけではなく、さまざまな媒体で展開が可能です。用いる商品フィードは媒体によって多少の属性の違いなどはあれど、Googleのフィードと共通する属性が多いため、最初に取り組む媒体としてもおすすめです。

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