Google広告、入札戦略レポートを確認する方法と活用の仕方

Google広告、入札戦略レポートを確認する方法と活用の仕方
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Google広告では、ますます自動入札が入札調整の中心になってきています。
自動入札は機械学習を利用してユーザーのデバイスや性別や年齢といったユーザー属性から、個々のユーザーのサイトでの行動までもを加味して、それぞれのオークションにおける入札価格を自動で調整します。そのため、人の手による入札調整よりも時間の節約ができ、また多くの情報に基づくため、成果の改善も期待ができます

一方で入札が自動であるため、自動入札を導入してみたはいいけれど、実際に上手く機能しているのか、どう改善したら良いのかわかりにくいですよね。

今回は自動入札を活用するときに役立つ「入札戦略レポート」の使い方と活用方法をご紹介します。

入札戦略レポートとは?

入札戦略レポートを利用することで、入札戦略の種類ごとに関連性の高い指標や重要なデータを確認することができ、入札戦略のパフォーマンスを把握することが可能です。

入札戦略レポートは下記の入札戦略について、キャンペーンあるいはポートフォリオ入札戦略の単位で確認可能です。

  • 目標コンバージョン単価
  • 目標広告費用対効果
  • 目標インプレッション シェア
  • クリック数の最大化
  • コンバージョン数の最大化
  • コンバージョン値の最大化

入札戦略レポートで確認できる5つの内容

入札戦略レポートは主に5つの要素から成り立っています。

  • 入札戦略のステータス
  • 上位のシグナル
  • スコアカード
  • コンバージョン達成までの所要時間
  • 掲載結果グラフ

ではそれぞれの概要と確認の仕方を確認して行きましょう。

入札戦略のステータス


入札戦略レポートを開くと、最上部に表示されるのが「入札戦略のステータス」となります。
ステータスには5種類があり、それぞれ以下の意味を持っています。

 

入札戦略のステータス

意味

有効

入札戦略は有効で、設定された単価や予算に対して最適化が行われています。

学習中

入札戦略は学習中です。また、同時に成果の安定にかかる期間の目安もここに表示されます。

無効

入札戦略は無効です。入札戦略がキャンペーンや広告グループに紐づけられていない場合や、対象となる広告やキーワードが全て停止している場合、前払い残高が不足している場合に表示されます。

制限あり

入札戦略に予算の上限など制限がかかっており、十分に最適化されていない状態です。

不適切な設計

自動入札で最適化対象となるコンバージョンアクションが、キャンペーンやアカウントに設定されていない場合に表示されます。

 


なお、入札戦略のステータスの右部に表示される「詳細」をクリックすることで、それぞれのステータスにおける対応手段が表示されるようになっています。

入札戦略のステータスが「無効」「制限あり」「設定が不適切」のいずれかであった場合、自動入札を活用するには何らかの対策が必要となりますので、詳細を確認しましょう。

上位のシグナル

上位のシグナルだけは「目標コンバージョン単価」あるいは「コンバージョン数の最大化」を使用している検索広告だけが対象となります。

「上位のシグナル」では、時間帯やキーワード、オーディエンスリストといった、自動入札が参考にしているシグナルを確認することができます。

「上位のシグナル」では、入札を強める要因となるシグナルは緑の上矢印で、入札を抑える要因となるシグナルは赤の下矢印で表現されています。

上位のシグナルには、次のようなものが含まれます。

  • 端末の種類
  • 位置情報
  • 曜日
  • 時間帯
  • キーワード
  • リマーケティングリスト

これを元に、獲得に繋がりやすい時間帯やキーワード、逆に成果に繋がりにくいキーワードなどを確認することができます。

広告を配信するにあたり、「○○といったキーワードは獲得に繋がりやすく、××といったキーワードは獲得に繋がりにくいだろう」といった仮説を、あらかじめ持っているかと思います。実際に自動入札を導入してみて、むしろ成果が悪化してしまった場合は、こうした仮説とシグナルを突き合わせてみましょう。

仮説とシグナルが矛盾している場合、自動入札がまだあまり上手く機能していない可能性もあります。この場合、特定のキーワードを停止したり、特定の時間帯の入札単価調整を行ったり、あるいは手動入札に切り替えるといった対応を、「上位のシグナル」を参考に行うことができます。

スコアカード(入札戦略のタイプに応じた重要指標)


入札戦略レポートでは、入札戦略に応じた重要指標を確認することができます。

例えば、コンバージョンを目的とした自動入札では、選択している期間における目標コンバージョン単価の平均と、実際のCPA、費用、コンバージョン数とコンバージョン率を確認することができます。

入札戦略ごとの表示内容は以下の表の通りとなります。

 

入札戦略

スコアカードの項目

目標コンバージョン単価

平均目標コンバージョン単価、実際のCPA、費用、コンバージョン数、コンバージョン率

コンバージョン数の最大化

費用、コンバージョン数、コンバージョン単価

目標広告費用対効果

実際の広告費用対効果、費用、コンバージョン値、コンバージョン数

コンバージョン値を最大化

費用、コンバージョン値、平均広告費用対効果

クリック数の最大化

費用、クリック数、平均クリック単価、クリック率

目標インプレッションシェア

検索広告のインプレッションシェア、表示回数、費用

複数のキャンペーンにまたがる入札戦略である「ポートフォリオ入札戦略」を利用している場合、この項目でその入札戦略全体での成果を確認することができます。

コンバージョン達成までの所要期間


入札戦略レポートでは、広告のクリックからコンバージョンが達成されるまでにかかる平均的な所要時間と、平均的な所要期間に基づく、今後管理画面に反映されていくコンバージョン数の見込みを確認することができます。

目標コンバージョン単価は設定しているコンバージョン計測期間が経過した時に、設定したコンバージョン単価を達成できるように入札を行います。そのため、ユーザーの広告クリックからコンバージョンまでの期間が長い商材を扱っている場合、設定している目標コンバージョン単価に対して実際のCPAが高い状態で推移していくことが多いはずです。その際、獲得単価を抑えるために目標コンバージョン単価を下げる、という判断をついしたくなってしまいますよね。

しかし、入札を下げてしまうと、単価は改善できてもコンバージョン数も減らしてしまうことになります。入札の設定を変更する前に、今後CPAが下がる見込みが本当にないのか疑い、コンバージョン達成までの所要期間とコンバージョン数の見込みを確認してみましょう。

なお、コンバージョン達成までの所要期間は、スコアカードの「コンバージョン数」などに引かれている破線にカーソルを合わせることで表示されます。

掲載結果グラフ

 


最大 2 つの指標の、掲載結果の推移を確認することができます。

掲載結果グラフを確認することで、選択した期間の成果の推移をグラフで把握することができます。

入札戦略レポートの確認方法

入札戦略レポートは以下の手順で確認することができます。


①キャンペーンの一覧より、「表示項目」を選択
②「表示項目の変更」を選択


③「属性」のプルダウンを開きます。
④入札戦略タイプにチェックを入れ、キャンペーンの表示項目に入札戦略タイプを含めるようにします。


⑤自動入札を利用している場合は入札戦略タイプが青字で表示されるので、これをクリックします。

また、ポートフォリオ入札戦略に関しては、共有ライブラリの「入札戦略」から確認することもできます。

①管理画面の右上部「ツールと設定」をクリックします。
②「共有ライブラリ」より、「入札戦略」をクリックします。


③入札戦略レポートを確認したいポートフォリオ入札戦略をクリックします。

自動入札を正しく理解し使うために

自動入札の精度はどんどんと高まり、現在では使わない理由はないケースが非常に多いですよね。

しかしながらすべてを委ねてしまった場合、もしも自動入札が上手く行かなかったのなら次に打つ手は見えてこなくなってしまいます。

自動入札のすべての動きを把握することはできませんが、入札戦略レポートを確認することで主要な数字の変化やおもなシグナルを把握することができます。

自動入札も”運用”していけるようにぜひ入札戦略レポートを参考にしてみてください。

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