Meta広告を運用していると、広告に様々なコメントがつくことがありませんか?
コメントがついたときの対応方法としては、大きく分けて以下の3種類が考えられます。
- コメントに返事をする
- コメントを非表示/削除する
- コメントがついた広告自体を停止してしまう
とはいえ、どんなときにどんな対応をするのがいいのか、迷ってしまう広告運用者も多いでしょう。
この記事では、Meta広告によくあるネガティブなコメントをいくつかの種類に分類して、それぞれどんな対応が向いているのかを考えていきたいと思います。
目次
コメントの分類とそれぞれへの考え方
まずはコメントをいくつかに分類して、それぞれに対してどんなアクションを取れると良いのかをまとめていきます。
今回は、ネガティブなものに限って、以下の3パターンに分類します
- 広告の内容やサービスに対する批判コメント
- サービスに関して、事実に反する内容や誇大表現でのコメント
- 広告やサービス内容と全く関係がないようなコメント
それぞれのコメントの例と、コメントに対する推奨対応、その理由を説明します。
①広告の内容やサービスに対する批判コメント
- このサービスに◯◯円なんて高すぎる!
- (クリエイティブ記載の内容に対して)そんなに甘くない。美味しい話はない
- (サービスのハード面訴求の広告に対して)ソフト面をもっと大事にしてほしい
- (広告やランディングページから)◯◯についてわからないのが怖い
おすすめな対応:コメントに返信する。コメント内容をサービスやコミュニケーションの改善に活かす。
上記のように、提供しているサービスそのものへの具体的な批判や、または配信している広告クリエイティブへの批判的な内容はよくあるコメントだと思います。
こういったコメントは、一見サービスのネガティブな側面を言われて、「広告の成果に悪影響を及ぼしそうだから…」と反射的に非表示・削除などの対応をする方も多いでしょう。
しかし、短期的な広告の成果のためにそのコメントを無視してしまうことは、長期的に見たら非常に大きな損失になりかねません。
本来、見込み顧客からのリアルな反応を受けられるのは、サービス改善・コミュニケーション改善のためには有益なことでしょう。
まずはコメントの内容を真摯に受け止めて、サービス改善に繋げられないか、または広告クリエイティブを改善できないかを考えてみましょう。
- 「高い」→なぜ高いと感じたのか考え、値段が妥当であることを伝えるコミュニケーションを心がける
- 「このサービスを利用したからといって、すぐにうまくいくほど甘くない」→なぜそう感じたのかを考え、納得できるコミュニケーションを考える
- 「◯◯についてもっと大事にしてほしい」→そちらの軸でのクリエイティブを作成する
- 「◯◯についてわからないのが怖い」→広告やランディングページでその点をわかりやすく明記する
特にコメントに対して他のユーザーからの「いいね!」や同意するようなコメントがついていたら、その批判内容に対して共感する人がいるということなので、特に改善できるように検討してみてください。
批判であってもサービスそのものへの貴重なフィードバックです。ひとつひとつのコメントに対してできる限り返答するのが理想です。
関心を抱いたからこそコメントをしてくれたはずです。批判の元となった要因を解消できれば、将来的にサービス利用・商品購入を検討してくれる可能性も決して低くはないでしょう。
コメント内容が間違っていない情報なのであれば、サービスにとってネガティブな指摘だからといって、すぐに削除・非表示などの対応をしたい気持ちをぐっと堪えて、長期的なサービスの発展を見据えて、コメントへの返信、コメント内容をもとにサービス改善、広告クリエイティブやランディングページの改善に活かすことを考えるのがおすすめです。
②サービスに関して、事実に反する内容や誇大表現でのコメント
- 詐欺だ
- こんなもの導入しても意味がない
- (サービス提供者が)倒産したらどうするんだ!?
おすすめな対応:コメントに返信する形で正しい情報をお伝えする
例のような、過大な表現で否定してくるコメントや、実際に提供しているサービス内容に反することをコメントされる場合があります。
このような場合は、まずはコメントに返信する形で正しい情報を丁寧にお伝えしましょう。
コメントした人が誤解している可能性もありますし、そうでなくとも見ている他の人が勘違いする可能性があります。
もし会社的に現場の判断でコメントするのがNGなど、すぐに返事が難しい場合は、他に広告を見たユーザーに誤解や不信感を与えてしまう恐れがあるため、コメントの非表示、または削除します。
また、あまりにもサービスへの理解をしていないようなコメントが多い場合は、広告が配信されているのが、実際のターゲットユーザーとはかけ離れているかもしれませんので、ターゲティングを見直すことも検討しましょう。
③広告やサービス内容と全く関係がないようなコメント
- 関係ないGIF・画像など
- 関係ないサイトや記事へのURL
- 関係ない時事ネタ・社会問題に絡めて批判
- (日本向け・日本語での配信で)外国語で長文何か書いてある
おすすめな対応:コメントを非表示にする。(場合によっては削除)
これらのような、①にも②にも当てはまらない、サービス内容や広告ともほとんど関係ないような内容のコメントがつくこともしばしばあります。
意味もなく他の広告を見る人が不快になるようなものだとしたら、サービスイメージだけなく、他の人の混乱・見たときの不快感を避けるためにも削除・非表示などの対応をするようにしましょう。
非表示の設定は、コメントしたユーザーとその友達には見えるが他のユーザーには見えない状態で、削除した場合はその投稿から完全にコメントは削除されて誰にも見えない状態になります。
基本的には、コメントしたユーザーが再度その広告を目にしたときに、「削除された!また書いてやろう」となるリスクを考えて、非表示にするのがおすすめです。
ただ、もしそのユーザーのFacebook、Instagramの友達がターゲティングに多く含まれていそうであれば、彼らにそのコメントを見えないようにするために削除してしまうという判断も考えられます。
コメントへの各対応方法の手順
次に、実際に広告管理画面上でのコメントの確認方法、また対応の手順を説明します。
コメントの確認方法
広告管理画面から以下の手順で確認できます。
1. 広告管理画面上で、列をプリセットの[エンゲージメント]を選択すると何件コメントが付いているか確認できます
2. 広告タブで、「投稿へのコメント」がある広告の「編集」をクリック
3. 右上の「シェア」をクリックし、「Facebook投稿(コメント付き)」または「Instagram投稿(コメント付き)」をクリック
4. 該当広告の表示と、ついているコメントが閲覧できます。
コメントへの返事をする手順
1. Facebookページにログインし、右上のプロフィール写真をクリック
2. 「すべてのプロフィールを見る」をクリックし、切り替えるページを選択
3. フィードより対象の投稿のコメントを確認
4. コメントの下の「返信」をクリック。返信内容を入力してEnterキーを押します。
参考: Facebookページの投稿へのコメントに返信するにはどうすればよいですか。 | Facebookヘルプセンター
気をつけておきたいのは、コメントに返信をするのであれば、ポジティブ・ネガティブに関わらず、すべてのコメントに返信をする、または何かしら返信をするための一定の基準を設けるべきでしょう。
不規則に一部のコメントだけに対応すると、一部のユーザーからしたら「あのコメントには返信をしているのに、自分のコメントにはしないのか」と不満を感じる可能性があるため、なるべくすべてのコメントに返信をするように意識してください。
また、Facebookページの権限によって、可能な対応が異なることに注意してください。
クラシックページ(旧デザイン)の名称 | 新デザインの名称 | ダイレクトメッセージへの返信 | ページのコメントへの返信、既存のコメントの編集や削除 | 削除とブロック |
---|---|---|---|---|
管理者 | 全権限のあるFacebookへのアクセス許可 | ◯ | ◯ | ◯ |
編集者 | 部分的権限のあるFacebookへのアクセス許可 | ◯ | ◯ | ◯ |
モデレーター | メッセージ返信、コミュニティのアクティビティへのアクセス許可 広告、インサイトのタスクへのアクセス許可 |
◯ | ◯ | ✕ |
広告管理者 | 広告、インサイトのタスクへのアクセス許可 | ✕ | ✕ | ✕ |
アナリスト | インサイトのタスクへのアクセス許可 | ✕ | ✕ | ✕ |
参考:ページの設定を管理する | Facebookヘルプセンター
コメントへの返信を行う場合は、全権限のあるFacebookへのアクセス許可、部分的権限のあるFacebookへのアクセス許可、あるいはメッセージ返信、コミュニティのアクティビティへのアクセス許可が必要となります。
また、新デザインの権限の確認方法は下記の通りです
1.Facebookページへログイン
2.アイコン右側の「管理」をクリック
3.左メニューの「プロフェッショナルボード」より「ページアクセス」を選択
4.新デザインのページより、「ページのアクセス」を選択し自分の名前を確認
参考:Facebookページの管理権限やアクセス許可を確認する
非表示にする/削除する手順
1. コメントを確認する手順と同様に、「Facebook投稿(コメント付き)」から、該当コメントを見つけます。
2.該当コメントの横にある「・・・」マークをクリックし、「コメントを非表示にする」または「削除」を選択します。
参考:Facebookページの投稿に付けられたコメントを非表示にしたり、削除したりするにはどうすればよいですか。 | Facebookヘルプセンター
非表示の設定は、コメントしたユーザーとその友達には見える状態で、他のユーザーには見えなくなります。
削除した場合は、その投稿から完全にコメントは削除されて誰にも見えない状態になります。
しかし、Instagram広告においては、特定のコメントのみを非表示にする機能はないので注意が必要です。そのため、広告マネージャーから全てのコメントを非表示にしていただくことは可能です。
設定手順については下記「広告のコメントをオフにするには: (Instagramのみ)」をご参照ください。
参考: 広告のコメントを管理する
広告を停止・複製する手順
1. コメントの付いた広告を停止します。
2. 該当広告を「クイック複製」で複製し、新しいものを配信オンにします。
この方法は「広告主」権限だけでも対応可能なため、実施する方も多いかも知れませんが、以下のデメリットがあるため、あまりおすすめはできません。
広告を停止・複製すると、それまでその広告についていたインプレッションやエンゲージメントがリセットされてしまいます。
そのため、複製して同じ内容で配信したが、以前ほど配信ボリュームが伸びなかった、など、広告の成果そのものに影響が出る可能性があることを理解しておきましょう。
対象ユーザーを報告する・ブロックする
1.Facebookページにログインし、右上のプロフィール写真をクリック
2.「すべてのプロフィールを見る」をクリックし、切り替えるページを選択
3.画面の右上にある写真をクリックし、「設定とプライバシー」をクリックから「設定」をクリック
4.左側メニューで「プライバシー」をクリック
5.ブロックするユーザーを検索、もしくは直接 ブロックするユーザーを探して、「ブロック」をクリック
例えば、特定のユーザーが、関係ないネガティブなコメントを何度もしてくる場合には、最終手段として該当ユーザーをブロックすることも可能です。
ブロックされたことは相手に通知はされず、Facebookページの投稿内容の閲覧、ページへのタグ付け、グループへの招待、メッセージの送信、Facebook上でページの検索が行えなくなります。
ただ、懸念点としては、やはりユーザーから見ると印象の良い対応ではないため、ブロックされたことに気づかれ、他のSNSなどで晒されるなどのリスクもあります。
あくまでどうしようもないときの最終手段として捉えておきましょう。
コメントはユーザーの生の意見。まずは真摯に受け止めてサービスや広告の改善に務めることを第一に考える
Meta広告を運用していると、ユーザーからネガティブなコメントを受けることは一定避けられません。
一方で、そういった批判に対して、安易に非表示・削除などの対応を繰り返していることは、貴重なユーザーの生の意見を無視していることになり、非常にもったいないですよね。
広告運用は成果を追うことも重要ですが、ユーザーと接触できるポイントでもあります。リアルな声を拾ってサービス改善に活かすこともできるというのも魅力の一つです。
目先の広告成果に気を取られて臭いものに蓋をするだけではなく、長期的なサービス発展のために、素直にユーザーの意見に向き合うことも必要ですね。