Google アドワーズの自動化ルールが生きる5つの設定

automated-rules

Google アドワーズの「自動化ルール」は、管理画面上の操作の一部を自動化することが可能となり、うまく活用すれば日々の作業時間の短縮や手作業では処理しきれない細かな調整を実現できます。ただし、設定の自由度が高いためどのようなルールを設定すればわからずに活用できていないという方も多いのではないかと思います。

今回は自動化ルールの仕組みや設定方法から、具体的な活用例や注意点までご紹介します。

自動化ルールで出来ること

自動化ルールとは、Googleアドワーズのキャンペーン、広告グループ、広告文、キーワードに対する各種操作を自動化できる機能です。自動化できる操作は下記の通りとなっています。

キャンペーンの操作

  • 1日の予算を変更する
  • キャンペーンを一時停止する
  • キャンペーンを有効にする
  • メールを送信する

広告グループの操作

  • 広告グループのデフォルトの上限クリック単価を変更する
  • 広告グループを一時停止にする
  • 広告グループを有効にする
  • メールを送信する

広告文の操作

  • 広告を一時停止にする
  • 広告を有効にする
  • メールを送信する

キーワードの操作

  • 上限クリック単価を変更する
  • 入札単価をページ上部表示の推定入札単価に引き上げる
  • 入札単価をFirst Page Bidまで引き上げる
  • キーワードを一時停止にする
  • キーワードを有効にする
  • メールを送信する

ユーザーリスト(インタレストやリマーケティングリスト)やユーザー属性に関する操作

  • 上限クリック単価を変更する
  • ユーザーリストやユーザー属性をオフにする
  • ユーザーリストやユーザー属性をオンにする

これらの操作を「どれくらいの頻度で実行するか」「どのような条件で実行するか」という条件を設定して、日々の作業を自動化します。操作対象に対して複数の自動化ルールを設定することも可能となっています。

自動化ルールの設定方法

自動化ルールの設定は操作対象のタブの「自動化」プルダウンから行えます。プルダウンをクリックすると操作の内容を選べるようになっていますので、それぞれの目的に合わせて選択しましょう。

20150427-01

自動化ルールが生きる5つの設定

前述のとおり、自動化ルールはやれることが無限にあるため、私の方からこれを抑えておくと便利だよ!という5つの設定を伝授します。

  • CPAやROASの状況に応じて入札単価を変更する
  • キーワードの入札単価がFirst Page Bid(※注)を下回っている場合に入札単価を引き上げる
  • 掲載順位をできる限り固定する
  • インプレッションシェア損失率(予算)が0%よりも高く、許容CPA範囲内のキャンペーン予算を上げる
  • 時間帯で広告文を出し分ける

※注:First Page Bidとは検索結果の最初のページに広告を表示するために必要と考えられる入札単価の見積もりを表します

CPAやROASの状況に応じて入札単価を変更する

まずは広告グループやキーワードの入札単価をCPAやROASの状況に応じて変更する自動化ルールです。日々の運用業務の中で大半をこの作業が占めている方も多いのではないでしょうか。

ルール例(目標CPAが3,000円の場合)

① 過去30日のキーワードのCPAが3,000円未満、CVが2以上、平均掲載順位が2位より低い場合10%上げる

20150427-02

② 過去30日のキーワードのCPAが6,000円よりも高い時、入札を30%下げる

20150427-03

③ 過去30日のキーワードのコストが4,500円よりも高く、CVが0の時、入札を30%下げる

20150427-04

人の目で毎日チェックするのが理想かもしれませんが、上記3つのルールを1つのキーワードに設定すれば、状況に応じて自動的に入札単価を変更してくれます。上記はあくまで一例ですので、目標のCPAやROASによって数値を変えながらチャレンジしてみていただければと思います。

補足:自動化ルールでは「頻度」という自動化ルールを発動させるタイミングを設定する項目と「データの使用期間」という過去何日間分のデータに対して指定した条件を加味するかを設定する項目があります。

20150427-12

「頻度」については、変更内容が入札単価に関わる場合は午前4時前後を設定しておくのがおすすめです。午前11時や午後1時などに設定してしまうと、自動化ルールが作動する前に人の手で入札を変更している場合は、その入札単価がベースとなって再度入札単価が変更されてしまいます。人の手が加わらない午前4時前後に設定しておくことで防げます。さらに、大量の変更点がある場合は時間がかかることがありますので、余裕を持った時間設定を行いましょう。

「データの使用期間」は、入札対象となるキーワードの位置づけ、例えば「マンション 賃貸」のようなコストやコンバージョン単価が短期間に大きな変動をとる様なキーワードは評価期間を7日など短めに、「マンション 賃貸 渋谷区 松濤」のような前者よりもコストやコンバージョン単価の変動が緩やかなキーワードは評価期間を14日~30日にするなど使い分けても良いでしょう。

キーワードの入札単価がFirst Page Bidを下回っている場合に入札単価を引き上げる

CPAやROASの状況に応じて入札単価を変更するルールでは、コストやコンバージョンが発生しているキーワードにしか対処ができません。その為、First Page Bidよりも入札単価が低い場合は、そのキーワードでのインプレッションが発生しにくい状況になってしまっているため、コストもコンバージョンも発生せずに、ずっと埋もれた状態になり、機会損失を生んでしまう可能性があります。

そのような機会損失を防ぐためのルールが下記になります。

ルール例(上限クリック単価200円まで許容できる場合)

① 過去7日間インプレッションが0のキーワードをFirst Page Bidに引き上げる

20150427-05

First Page Bidに引き上げているのにインプレッションが発生しない場合は、広告文の審査落ちや地域ターゲティング等、キーワードの入札単価以外の問題を疑いましょう。

掲載順位をできる限り固定する

CPAやROAS等の状況に応じて入札単価を調整することが基本になりますが、クライアントや上司から、掲載順位をできる限り固定してほしいという要望を受けることがあるはずです。

そのような時は下記のルールである程度自動化することができます。

ルール例(掲載順位2位を狙いたい場合)

① キーワードの昨日の掲載順位が3位より低い場合10%上げる

20150427-06

② キーワードの昨日の掲載順位が2位より高い場合10%下げる

20150427-07

ルール例(上位表示を維持したい場合)

① キーワードの単価をページ上部表示の推定入札単価に引き上げる。

20150427-08

どちらのルールも、狙った順位に表示できないと入札単価が上がり続けてクリック単価が高騰する可能性があります。必要に応じて上限の入札単価を設定するようにしましょう。

インプレッションシェア損失率(予算)が0%よりも高く、許容CPA範囲内のキャンペーン予算を上げる

多くのアカウントで見落としがちなのがキャンペーン予算によるインプレッションシェアの損失です。許容CPAの範囲でコンバージョンが獲得できているにも関わらず、キャンペーン予算によるインプレッションシェア損失が出ている状況は非常にもったいないことです。

それを防ぐためのルールが下記となります。

ルール例(許容CPAが5,000円の場合)

① 過去30日のCPAが5,000円未満で、キャンペーン予算によるインプレッションシェア損失が0%よりも高い時、キャンペーン予算を上げる

20150427-09

このルールが動くということはアカウントの運用がうまくいっているということですね。おめでとうございます。

時間帯で広告文を出し分ける

Google アドワーズの広告カスタマイザを活用しようでは、特定のイベントまでの日数を広告文に表示させる方法をご紹介しました。しかし毎日決まった時間に広告文を入れ替えることは、広告カスタマイザではできません。

例えば、18時までの注文は当日発送可能!といった広告文を18時までの時間だけ表示したい場合、下記のようなルールを広告文に設定することで実現することができます。

20150427-10

具体的なルールは下記の通りです。

①0時に「18時までの注文は当日発送可能!」といった広告文をオンにする。

20150427-11_1

②18時に「18時までの注文は当日発送可能!」といった広告文をオフにする。

20150427-11_2

③18時に通常の広告文をオンにする。

20150427-11_3

④24時(翌日の0時)に通常の広告文をオフにする。

20150427-11_4

以上で時間帯に応じた広告文の切り替えが行えます。

自動化ルール使用上の注意点

入札単価を変更する自動化ルールをすべてのキーワードに適用すると、アカウント内で辻褄が合う入札単価を崩してしまう可能性があります。そのため、同一キーワードを同一グループに複数のマッチタイプで登録している場合は、完全一致など限定性のあるキーワードに適用することをおすすめします。

それはGoogleアドワーズのヘルプにある通り、同一キーワードを同一グループに複数のマッチタイプで登録している際は、完全一致の入札単価が低くなっても他のマッチタイプのキーワードに配信を奪われず、純粋に登録キーワードの成果のみの評価で入札単価を調整することができるためですね。

同じキーワードが複数設定されている場合は、完全一致のキーワードが使用されます。たとえば、ユーザーの検索語句が「配管工」で、広告主様の広告グループに部分一致キーワードの「配管工」と完全一致キーワードの「配管工」が登録されている場合は、完全一致のキーワードを使用して広告が表示されます。

参照:https://support.google.com/adwords/answer/2756257?hl=ja

まとめ

自分の独自ルールでルーチンワーク化しているような作業は可能な限り自動化ルールを活用して対応して、広告文の作成や分析等、頭を使う作業に時間に割り当てることで、さらにアカウントを改善できるはずです。

しかし、自動化ルールは良くも悪くも指示通りの動きしかしないため、頼り過ぎると気付いた時にはCPCが高騰し過ぎて取り返しのつかない状態になっていた等、痛い目を見ることも多々あります。

自動化による失敗がトラウマになり、自動化ルールの挙動を毎日確認して逆に工数が増えてしまうと本末転倒です。あまり大胆なルールをはじめから設定するのではなく、小さな成功体験を積み重ね、徐々に自動化できる作業範囲を広げていくことをおすすめします。

テクノロジーを毛嫌いするのではなく、テクノロジーとは寄り添うように、うまく付き合って行きたいものですね。

20150223-06