もう一度見直す、Facebook広告の特色とこれから

example01_04

近年、ディスプレイ広告収益の中でFacebook広告がそのシェアを伸ばしてきています。(※)
そして最近は、さらなる将来の可能性を感じさせてくれる魅力的なアップデートや新機能発表も見せ、まさにFacebookは破竹の勢いといったところですね。

そんなFacebook広告ですが、「結局どんなところがすごいの?」と言った声が増えてきているのを私自身も身にしみて感じています。そこで今回は、現状と今後の展望も踏まえつつ、Facebook広告ならではの特色や利点を紹介いたします。

 (※):eMarketerが2015年3月に発表した調査報告書より。
Facebook and Twitter Will Take 33% Share of US Digital Display Market by 2017

1. 広告掲載面、広告配信について

Facebook広告の配信先は、その多くがFacebook上の下図の広告枠に限られています。

desktop_newsfeed_adデスクトップニュースフィードの広告枠

rightrail_ad_desktopデスクトップの右側広告枠

mobile_newsfeed_adモバイルニュースフィードの広告枠

Facebookのオーディエンスネットワーク(Facebook連携のアドネットワーク)への広告配信も可能ですが、2015年5月現在、日本の配信先はパートナーモバイルアプリ上に限られています。
しかし、近年の幅広い年代層におけるFacebookユーザーの増加や、今後日本でも導入の可能性が高い「Facebook Search」や「Instant Articles」のような機能追加によって見込まれるアクティビティや滞在時間の増加により、Facebook広告の配信ボリューム拡大は日本においても期待できるでしょう。

20150615_02

20150615_03s
総務省情報通信政策研究所の「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(PDFファイル)より。

■Facebook Search:2014年12月より米国にて先行実施。過去の、友達や「いいね!」したページの投稿をキーワードで検索、閲覧できる機能。(自分への公開設定がある投稿のみ)
※公式:Facebook Search

■Instant Articles:2015年5月に公式発表。パートナーメディアの投稿記事を、Facebookのニュースフィード上に直接表示できる機能。
※参考:Techcrunch Japan 「Facebookがメディアにユーザデータと広告収入を保証する高速ニュースサービスInstant Articlesを開始 」

そして、上述のように配信先がほぼ限られるFacebook広告を配信する上で気をつけるべきは、配信先であるFacebookがあくまでもSNSであるということです。Facebookはユーザー体験を第一に尊重しており、広告との関係は表裏一体であるとも答えています。「成功するFacebook広告クリエイティブの作り方 9の秘訣」でも触れていますが、”Facebookユーザー交流の場の中に広告を配信する”という意識なくしてFacebook広告で継続的に成果をあげることはできません

これを表す象徴的なことは、Facebook広告はユーザーからの生の反応がダイレクトに広告(投稿)に反映され、これによって広告の品質や関連度・友好度に影響される点です。広告への「いいね!」やシェアといったポジティブなもの、「非表示にする」といったネガティブな評価それぞれが、広告の品質判断にプラスマイナスに加味されます。

20150615_04

出来る限り避けたい、ユーザーからのネガティブフィードバック

加えて、Facebookは広告枠が少なく、ユーザーに同じ広告を見せてしまいがちです。そのためユーザーのターゲティング設定を変えずに、他ディスプレイ広告と同じ感覚で長期間同じ広告を配信し続けていてはパフォーマンスが低下しやすくなります。また、SNSという媒体性質もあり、ユーザーは新鮮かつ興味を引かれるような情報を期待してFacebookを閲覧するため、出来る限り広告でこれに応えていく意識も大切でしょう。

[まとめ]

  • 今後のFacebookユーザー数増加や機能追加に伴うユーザーのアクティビティ・滞在時間の増加や、オーディエンスネットワークの拡充により、Facebook広告の配信ボリュームは拡大が期待できる。
  • Facebook広告はまず何よりもユーザーありきのものであると言える。SNS特有のこの性質を理解し効果を上げるためには、ユーザーにとって魅力的な広告(投稿)を配信し、長期的に同一の広告クリエイティブを配信することは避ける。

2. ユーザーのターゲティングについて

運用型広告において重要視される「誰に広告を届けることができるか」というターゲティングの面において、Facebook広告はとても優秀です。ご存知かと思いますがFacebookは実名登録が前提のSNSであるため、基本的に嘘偽りのないユーザー情報が登録されます。Facebook広告では、このFacebookユーザーが登録している年齢・性別・居住地域やその他多数のステータスを指定してユーザーのターゲティングが可能です。この正確なデータを基に、例えば年齢は13歳~65歳の範囲で1歳刻みでの指定ができ、性別も男性か女性どちらかを明確にターゲティングできる点が大きな特徴です。

facebook_targeting

1都3県在住の、美容に興味関心があると判断される30代女性
(コンバージョンユーザーは除外) へのターゲティング設定

また、Facebook広告の配信対象となるユーザーは全てログインを通しているため、クッキー情報にも左右されず、ユーザーが使用するデバイスやブラウザが異なっていても正確にターゲティングできることも強みです。さらにクロスデバイスコンバージョンの計測精度も比較的高く、効果測定の面でも優秀です。(クロスデバイス・ブラウザでのターゲティングと計測機能が加わった「Atlas」の導入も本格化すれば、なおさら頼もしくなりますね。)

GoogleアドワーズやYDNでもおなじみの「類似(シミラー)ユーザー」リストの生成も、Facebook広告では正確なユーザー情報を元にしてリスト生成をすることができるため、比較的効果も高い強力なリストとなり得ます。(類似度が高いと判断される上位1%~10%までのユーザーを範囲指定し、リスト生成をコントロール可能です。)同様に、正確なユーザー情報、過去のデータを参考にした自動入札の最適化の精度も高く、かつ早いスピードでその効果を実感することができます。

先述のFacebookユーザー増加や新機能の導入に加え、今後日本でも導入予定のFacebook上での決済システムに伴い、ますますFacebookユーザーのアクティビティ情報は増していくことでしょう。投稿やFacebookページへのエンゲージメント傾向といった情報だけではなく、ユーザーの購入活動なども含めたインタレストのデータ収集も加速し、広告配信においてより精度の高いターゲティングが実現できることが見込まれます。

そして、ターゲティング機能の極めつけは、「カスタムオーディエンス」の機能により、現在は既存顧客のメールアドレスや電話番号といった情報を用いて、Facebook広告でターゲティングができる点です。Facebook上の決済システムの登場により、今後はクレジットカード情報などの新たな情報でターゲティングも可能になるかもしれません。(※こういった情報によるターゲティングは、個人のプライバシーの問題に大きく関わるため、Facebookユーザーへの配慮を考えた時に悪と判断されれば、廃止の方向も大いにあると思います。)

[まとめ]

  • Facebook広告は、他の運用型広告では成し得ない正確なターゲティングが可能。
    「顧客となる可能性のあるユーザーにだけ正確に広告を届けたい。」
    「限られた予算の中でムダなく、できる限り成果をあげたい。」
    といった場合にはうってつけの広告であると言える。
  • 今後は日本においてもAtlasのプラットフォームと連携し、Facebook外でもcookieに依存しないユーザーベースのターゲティング・データ収集が可能になっていく見込み。

3. Facebookページについて

Facebookページを活用してユーザーへ多様にアプローチできることもFacebook広告の強みです。(Facebook広告をニュースフィードへ配信するためにも、Facebook広告アカウントとFacebookページとの連携は必ずやっておきたいところです。)

ユーザーからFacebookページに一度「いいね!」をしてもらいファンとなってもらえば、そのファンに対して以後はニュースフィードに無料で投稿を表示することが可能です。ニュースフィード上の投稿表示アルゴリズムによって、ページ投稿の表示率は友達の投稿と比べるとかなり低くなりがちですが、それでも無料でファンに投稿を届け続けられる点は長期的に考えれば非常に強力です。

ファンを多く集めることができれば投稿の表示数は増やすことができ、広告のターゲティングの面でも選択肢が広がり、権威・信用上の意味でも有益です。そのため一定数のファンを獲得できていなければ、Facebookページへのいいね!広告を配信してファン獲得を目指されることを強くおすすめします。

Facebookページ投稿にてファンにとって魅力的な内容を配信していければ、継続的に商品・サービス理解や関係性を深めることができるため、他広告と比較しても圧倒的にLTVの高い顧客を獲得しやすい傾向にあります

しかしこういったページ投稿にはライティングやコンテンツ作成などのリソースの問題がどうしても関わってくるため、Facebookページ運用を本格化するのであれば事前に体制を整え戦略的に行なっていくべきかと思います。ファンからの反応に一喜一憂でき、SNSならではの企画立案を楽しめるような人員を、自社内で確保して担当してもらうのが理想的ですね。

[まとめ]

  • Facebook(広告)での狙いすましたターゲティング、継続的なファン関係の上で得られる顧客(コンバージョン)は、エンゲージメント率だけでなくLTVも比較的高い傾向にある。
  • Facebookページファンは長期的に見ても大きな資産であり、継続的にファンを獲得し続けファンをやめられないためにも新鮮で魅力的な投稿をし続けることが大切。

おわりに

他広告と比較してFacebook広告が持つ強みと弱みどちらもあり、商品・サービスとの相性の良し悪しももちろん影響します。しかしこれを踏まえても、マーケティングの面でFacebook広告の存在は今や無視できないものになってきています。

昨今は良い意味でも悪い意味でもインターネット上のコンテンツに慣れたユーザーが増え、今までの広告手法が通じなくなることも増えてきています。その中で、多様なターゲティングや広告(投稿)フォーマットによる、ユーザーへの継続的なアプローチを叶えるFacebook広告の価値は一層高くなると思います。これに通ずる他のSNS広告、TwitterやInstagramの広告も盛り上がってきており、広告主さまにとって有効な選択肢と成り得る広告メニューが生まれてきているのは有益なことですね。

今後、只でさえ慌ただしい運用型広告の動きがより一層加速していきそうですね。その中でも、FacebookはGoogleを対抗馬に最前線を走り続けていくのではないでしょうか。

example02_04

Yuhka Suzuki

Yuhka Suzuki

アナグラム株式会社 ソーシャルエキスパート。 学生時からSEMに惹かれ、運用型広告を扱う企業にて多様なビジネスのコンサルティングを経験。運用型広告を通してより深くマーケティングに向き合いたいと考え、2014年からアナグラムに在籍。現在はリスティング広告だけでなく、ソーシャルメディアの広告運用やプランニングをメインに行っている。