広告の効果測定や分析のためにGoogle アナリティクスを活用されている人は多いかと思います。このツールで各流入元でのパフォーマンスを分析していくためにはパラメータ設定し計測していくことが必要となります。これの仕組みをカスタムキャンペーン(UTMパラメータ)と呼びます。
Facebook広告では、計測したい情報の単位ごとにパラメータごとに細かく値を設定していく必要があり、この設定はミスも起こりやすく骨が折れます。
Google アナリティクスと連携でき、自動で入力してくれるGoogle 広告の自動タグのような機能がFacebook広告にもあればなぁ…、と思ったあなた。ひっそりと近しい機能がありましたので紹介します。
Facebook広告のダイナミックパラメーターという機能をご存知でしょうか?もしFacebookの広告セットや広告毎にGoogle アナリティクスのパラメータを細かく設定している場合、この機能を使えばかなり設定の負担が減るのではないかと思っております。
参考:URLパラメーターについて | Facebook広告のヘルプセンター
UTMパラメータの基本設定
まずは通常の設定の仕方をおさらいしましょう。パラメータを含む仮の入稿用URLが以下の場合。
最終的なリンク先URL:
https://anagrams.jp/?utm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign=retargeting&utm_content=abc
広告の「リンク」にアクセスします。「ウェブサイトのURL」のフィールドにパラメータ含めた全てを入力していくのでも問題ないのですが、通常は以下のように「ウェブサイトのURL」にはURL部分を、「URLパラメーター」にはパラメータ部分を入力していきます。
ウェブサイトのURL:
https://anagrams.jp/
URLパラメーター:
utm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign=retargeting&utm_content=abc
「URLパラメーター」のフィールドを使う使わない、これはどちらが正の方法かというものはなく、単に管理方法によって使い分ければ良いと思います。ただパラメータは変わらず、ランディングページのURLだけ変更したいといった場合、パラメータ部分は「URLパラメーター」で管理していたほうが変更がしやすいなど、管理の面ではスマートかと思います。
このようにして広告にパラメータを設定していくのですが、もし広告毎に個別のパラメータを一つひとつ設定管理していくことになった場合、かなりタイヘンではないでしょうか?そんな時に今回のURLダイナミックパラメーターが大活躍します。
URLダイナミックパラメーターの設定方法
前段では手動で各パラメーターを設定していったのですが、Facebook広告ではURLダイナミックパラメーターという機能があり、広告を設定した際の情報(キャンペーン名、広告セット名など)に基づいて、パラメータの値が自動で入力することができます。
さて先ほどの例で出したURLなのですが、おそらくほとんどのケースでは、Facebook広告内では参照元(utm_source)とメディア(utm_medium)は固定で、キャンペーン(utm_campaign)や広告のコンテンツ(utm_content)などを設定内容毎にパラメータを分けているケースが多いのではないかと思います。
最終的なリンク先URL:
https://anagrams.jp/?utm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign=retargeting&utm_content=abc
そこでそれらパラメータに対して、Facebook広告上で設定している広告セット名や広告名が自動で代入できるURLダイナミックパラメーターを使えば、作業が簡略化できます。
例えば、UTMパラメーターには以下のように振っていきたい場合。
設定するURLは以下の通りとなります。
ウェブサイトのURL:
https://anagrams.jp/
URLパラメーター:
utm_source=facebook&utm_medium=cpc&utm_campaign={{campaign.name}}&utm_content={{ad.name}}
この設定で配信していくとGoogle アナリティクス上では、それぞれFacebook広告アカウントで使用している広告セット名や広告名が、Googleの自動タグによる連携のように引き渡すことができるのです。
このURLダイナミックパラメーターの機能では以下の値をサポートしています。
パラメータ名 | 値 | 例 |
---|---|---|
広告ID | {{ad.id}} | -- |
広告セットID | {{adset.id}} | -- |
キャンペーンID | {{campaign.id}} | -- |
広告名 | {{ad.name}} | -- |
広告セット名 | {{adset.name}} | -- |
キャンペーン名 | {{campaign.name}} | -- |
配置 | {{placement}} | Facebook_Mobile_Feed Instagram_Feed Instagram_Stories etc. |
プラットフォーム名 | {{site_source_name}} | fb、ig、msg、an etc. |
URLパラメーターの欄に直接入力していく方法もありますが、はじめの内は「URLパラメータを作成」の機能を使うと入力ミスなども防げて良いでしょう。このように値のフィールドにカーソルを置くと次のようなガイドが出ます。
ダイナミックパラメーター利用時の注意点
このURLダイナミックパラメーターの機能を使う上で特に注意しておきたい点が1つあります。それは広告名やキャンペーン名などのURLダイナミックパラメーターは公開時の名称が使用されます。つまり公開後にキャンペーン名などを編集しても、最初に公開したキャンペーン名がURLダイナミックパラメーターでは反映されてしまいます。そのためもし別のパラメーターに変更したいときは新たに作成していく必要があります。このURLダイナミックパラメーターを活用していく際には、同時にキャンペーン名や広告セット名などの命名ルールは事前にしっかり整備しておくと良いと思います。
時間は有限
地味に時間もかかり、ミスも発生しやすいパラメータの設定。その設定にいくら時間をかけたとしても成果は変わりません。そうであるならば、そうした時間を圧縮するためにテクノロジーを活用し、しっかり成果を出すためのアクション(分析~施策立案~実行)にしっかり時間をかけていきたいですよね。
以上、知ってる人は知っている、地味に普段の業務を楽にする機能のご紹介でした。