ショッピング広告で出稿する商品はどう絞るべき?効果的な出稿範囲の考え方と実装方法

ショッピング広告で出稿する商品はどう絞るべき?効果的な出稿範囲の考え方と実装方法

検索結果に商品の画像や価格が表示されるショッピング広告は、費用対効果も高くECでは欠かせない施策のひとつですよね。

「すべての商品」を対象にショッピング広告を出稿しているケースも多いですが、「出稿する商品を絞る」ことも広告の効果を高める方法のひとつです。

しかしながら、絞り方が適切ではないためかえってショッピング広告の効果を下げてしまっていたり、必要以上に手間と時間を掛けてしまっていたりすることも少なくありません。

今回はショッピング広告における効果的な出稿範囲の考え方をご紹介します。また、分かりづらい出稿範囲を絞り込むための具体的な方法までみていきましょう。


出稿範囲を決めるときに重要な「配信目標」

商品が複数あるいは多数ある場合、新規顧客に売れやすいものであったり利益率が高いものだったりと違いがありますよね。そのため、どの商品を掲載するか、あるいはしないのかは、広告配信の目標に応じて変わります。

まずは、ショッピング広告を用いてどのような目標を達成したいのか、「配信目標」を定めるのがもっとも重要です。

おもな配信の目的と出稿範囲は、大きく次のように整理できます。

配信目標出稿範囲の例
新規顧客を増やす全商品
販売数量を増やす全商品
広告費用対効果を高める人気商品、高利益率の商品
在庫を一掃する在庫一掃の対象商品
ブランド認知を向上させる全商品 or 人気商品

たとえば、新規顧客や販売数量を優先するのであれば、出稿範囲は広く設定する方がよいでしょう。特定の商品に絞らずに、全商品あるいはできるだけ多くの商品を露出することで、より多くの顧客にリーチできます。

一方で、広告費用対効果を高めることが目標であれば、利益率が高い商品や人気商品に限定するのがおすすめです。

また、在庫処分を目的とする場合は、対象商品を絞って配信することで効果を最大化できます。

このように「ショッピング広告配信の目的はなにか?」という配信目標を整理することが、出稿範囲を決めるうえでの第一ステップになります。配信目標が定まったら、その商品をどのような人が購入するか、どのような市場動向や季節性があるかなどを踏まえて、さらに出稿範囲を細かくチューニングしていきましょう。

出稿範囲を指定する2つの方法と使い分けのポイント

目標に沿った出稿範囲の設定ができたら、次に効率的にデータフィード(商品データの集まり)を管理する準備に移ります。

まず押さえておきたいのが、大きく2つのデータフィード管理方法があることです。それぞれに適したケースがあるため、特徴をよく理解し使い分けのポイントを確認していきましょう。。

運用方法特徴適したケース
ブラックリスト運用除外商品を選び、基本的に全商品を配信掲載商品数が多く、除外対象を限定的にしたい場合
ホワイトリスト運用掲載商品を選び、一部の商品に集中配信商品を限定的に配信して効果を最大化したい場合

たとえば、掲載したい商品点数が多い場合にホワイトリスト運用を選んでしまうと、一つひとつ商品を登録する必要があり、新しい商品が追加されるたびに手動で登録しなければなりません。その結果、対応漏れが生じたり、広告管理に無駄な時間がかかってしまったりする可能性があります。

一方で、ブラックリスト運用を選べば、配信したくない商品だけを除外するだけで、効率的に多くの商品を掲載できます。

逆に、限られたセール商品だけを配信したい場合ではブラックリスト運用は手間がかかりすぎておすすめできません。

ブラックリスト運用とホワイトリスト運用を出稿範囲や広告の目的に応じて適切に使い分けることで、商品の広告出稿やデータフィード管理にかかる手間を大幅に減らせます。

出稿範囲を絞り込むための具体的な方法

ホワイトリスト運用とブラックリスト運用を理解できたら、次は実際にどのような方法で出稿範囲を絞り込めるか、具体的な方法をみていきましょう。

まず、商品を絞り込むために操作が可能なのは大きく以下の2つに分けられます。

①データフィード(Google Merchant Center)
②Google広告の設定

②の多くは①のデータフィードの内容次第で、できる範囲が大きく左右されてしまうため、基本的にはデータフィード側での対応が重要となるため必ずチェックしておきましょう。

①データフィード(Google Merchant Center)側からできること

データフィード側では属性情報の追加や調整により、出稿範囲のコントロールが可能です。ここでは、掲載先と非掲載先を設定できる「掲載属性」について解説します。

掲載属性

広告を掲載するかどうかを指定するための商品属性に「掲載先属性」と「非掲載先属性」があります。属性指定をすることで、商品ごとに掲載非掲載を決めることができます。

参考:Google Merchant Center ヘルプ - included_destination: [掲載先]
参考:Google Merchant Center ヘルプ - excluded_destination: [非掲載先]

掲載先属性と非掲載先属性で指定できる主要な指定先は下記のとおりです。

属性利用シーン
Shopping_adsショッピング広告への掲載・非掲載を指定する
Display_ads動的リマーケティング広告への掲載・非掲載を指定する
Free_listings無料リスティングへの掲載・非掲載を指定する

設定例)
商品Aをショッピング広告に出稿しない場合

→商品Aの編集画面からその他の商品属性を選び、destination_excludedを選択後、shopping_adsを選択する。動的リマーケティングや無料リスティングには掲載されながら、ショッピング広告は掲載されない設定になる。

掲載属性を利用する場合には、次のような点に注意する必要があります。

  • 属性は常に非掲載属性が優先
    掲載属性と非掲載属性の両方が指定されている場合、非掲載属性が常に優先されます。誤って非掲載属性が指定されている状態ですと、非掲載属性を削除するまでは選んだ出稿先に広告掲載がされません。
  • データフィードの商品が増えると自動的に出稿商品になる
    データフィード内の商品が増えたとき、非掲載属性を指定しないと自動的に広告出稿がされます。広告掲載しない商品が追加されるたびに、非掲載属性を追加していく必要があります。

なお、Google Merchant Centerにはビジネス情報『商品』の『掲載』から出稿範囲を絞る方法もあります。

参考:Merchant Center で商品の表示設定とステータスを確認する

この方法は簡単ですが、データフィード内の商品が増えたとき、チェックボックスで「広告に表示」からチェックを外さないと、自動的に広告出稿がなされます。また、フィードの商品情報が更新された際に設定が戻ってしまうことも考えられます。典型的なブラックリスト運用による管理ミスといえるでしょう。

商品が多かったり、頻繁な切り替えを要する場合には、手動の管理は避け、できるだけデータフィードの生成時に自動的に掲載属性が反映されるように環境を整えるのが理想的です。

データフィード自体の編集が難しい場合は「フィードのルール」や「補助フィード」を活用

生成時点でデータフィードの整備が難しい場合には、一定の範囲でフィードの内容をコントロールする機能「フィードのルール」や「補助フィード」が用意されていますので、あわせて確認をおすすめします。

参考:Google マーチャントセンターのデータフィード管理を手助けする2つの機能「フィードのルール」と「補助フィード」

②Google広告側からできること

数ある出稿範囲を絞る方法の中でも比較的簡単に設定ができます。操作が簡単な反面、細かい範囲選択には向かないので、基本的にはデータフィード側での編集が難しかったときの手段です。

商品グループ

ショッピング広告は管理をしやすくするためにいくつかの階層構造になっています。その階層構造のうち、「商品グループ」から出稿範囲の設定ができます。

参考:

商品グループではカスタムラベルやカテゴリ、ブランドなどの予めデータフィードで設定した項目を、任意で分割できます。

分けた商品グループごとに広告配信のオンオフを選ぶことができるので、出稿範囲を決められるという仕組みです。

なお、商品グループを用いて商品の絞り込みを行う際には以下の点に注意しましょう。

  • 1つの商品は1つの商品グループにしか含められない
    元のデータフィードを分割していくため、1つの商品を複数の商品グループに含められません。
  • 共通の属性がない場合は、別途属性の設定が必要
    共通する項目がない場合は、データフィードのカスタムラベルなどでグループ分けをするためのラベル設定をする必要があります。

商品のヌケモレがないように絞り込みをするためにも、データフィードの属性にしっかりと値を入れられるよう設計しておくことが大切です。

意図通りの出稿ができているか、「商品」のレポートをチェックするのもお忘れなく。

ショッピング広告の出稿範囲は目標に応じて柔軟に設定を

効果的なショッピング広告の配信には、配信目標に沿った出稿範囲の設定と、適切な方法で絞り込むことが必要不可欠です。出稿範囲を広げすぎても狭めすぎても目標から離れていってしまいます。

また、配信を開始してからも、配信目標や出稿範囲は適宜考え直していく必要があります。実際に配信をしてみた結果を基に仮説検証を進めて、より目標に即した出稿範囲の設計をしていくことで、ショッピング広告の良さが存分に発揮されます。

正しく出稿範囲の設定を行って、よりよい配信設計を目指していきましょう!

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