
スマートフォンへの広告配信が主流になっている現在、電話発信コンバージョンを設定している方も多いのではないでしょうか?
ユーザーや商材によっては、フォームを入力するよりも電話をした方が早いと感じる場合も多く、成果指標として電話の計測は一般的になってきております。
しかし、電話コンバージョンでは「広告管理画面上の数値は良好なのに、有効なお問い合わせ数に大きな乖離がある」「媒体の電話コンバージョンを設定しているけどなかなか成果へつながらない……」といった悩みが多く生じます。
そこで今回は、なぜそういった悩みが生じるのかと、それを解決する一つの手段としてコールトラッキングツールをご紹介します。


目次
コールトラッキングツールとは?

コールトラッキング(電話効果測定)とは、電話からのお問い合わせを計測・分析できるツールです。
コールトラッキングを使用することで、電話によるコンバージョン数やお問い合わせ内容を把握できるようになります。いつ・誰が・どこから・どういったお問い合わせをしたのかといったデータだけでなく、お客さまとの会話ログを取得することができる機能が使えるツールも多いです。
今や各社さまざまなツールを提供しており、不動産、冠婚葬祭、学習塾、探偵、病院、旅行、美容、士業、求人、保険、飲食店など、さまざまな業界において導入されています。
なぜコールトラッキングツールを導入するの?
媒体にも電話の効果計測を行う仕組みが用意されているのに、なぜツールを導入する必要があるのでしょうか?
電話コンバージョンには3種類の数字が含まれている
電話コンバージョンの数字の中には、3種類のコンバージョンが混在しています。
- 有効なお問い合わせ
- 間違い電話
- 間違って電話CTAに触れてしまった誤タップ
媒体で計測できるのは多くが電話"発信"コンバージョンで、実際に架電のあった回数ではありません。そのため、「管理画面上の数字=有効なお問い合わせ数」とはならないのです。
これらを広告の管理画面上で判別するのは難しく、どの広告文、どの検索キーワードが成果につながっているのかを判断することも難しいというのが現状です。
電話が重要なビジネスにはコールトラッキングが欠かせない
広告の管理画面上では良好な成果を得られていたとしても、実際はほとんど間違い電話や誤タップだった……では、成功とは言えませんよね。
もしかしたら、ユーザーを勘違いさせるような施策をおこなってしまい、ユーザーも広告主も広告運用者も、負のループに陥るPDCAサイクルを繰り返しているなんてことも起こり得ます。
そのようなことを防ぎ、明確な成果指標の下で先回りし、改善や提案を行うためにも、コールトラッキングを使い、電話コンバージョンによるさまざまなデータを分析し、施策へ反映させていきましょう。
取得できるデータ

取得できるデータは、どのツールでもおおよそ上図のような内容です。コールトラッキングはいつ、どの媒体から、どの広告を見て、誰が(電話番号)、どのようなお問い合わせをしてきたのかを取得することができます。
そのため、複数の広告媒体からのお問い合わせの成果を一括で管理することが可能です。
通話ログも取得できるので、ユーザーの声を直接確認することもできます。ツールによってはGoogle アナリティクスとの連携も可能です。そのため、通話前に閲覧していたページなどより細かいユーザーの行動を分析することができます。
コールトラッキングの思わぬ大きなメリットとは?
通話の正確な計測のほか、導入による大きなメリットのひとつが、一次情報としてユーザーの生の声を取得できることです。コールセンターの方へヒアリングを実施することで、お問い合わせ内容を把握し、その内容と得られた数値データ分析することで、施策へ反映させることができます。
ユーザーはどういったことを求めているのか、広告文のどの訴求に興味を示したのか、LPのどこを見て気になって電話してきたのかなど、管理画面上の数値を眺めていてもわからないユーザーの生の声を聞くことができます。
基本的に広告運用者は、画面上の数字と向き合う仕事だからこそ、こういった生の情報は他の運用者・競合との差別化になります。
運用者は自ら仮説を立て施策を打ちますが、それが当たっているかどうかは、数字上でしか判断することができません。しかし、コールトラッキングを使えば数字に表れない、ユーザーの内なる欲求を明らかにすることができるかもしれません。
一次情報を取得することで、より深く仮説立てられるようになり、そこから新しい訴求を考えてみたり、自分たちが訴求している内容とユーザーが求めている内容に齟齬が生じないようにブラッシュアップしたり、さらに質の高い運用へつなげることができます。
計測の仕組みと注意事項
コールトラッキングを導入する際は、ツール会社より付与された専用の電話番号を使うことになります。ユーザーがサイトを訪問した際に、その番号が表示され、電話を掛けることで計測が可能となります。この仕組みを簡単に理解した上で、注意しなければならないことを2つ記載します。
1. ユーザーが電話を掛けなおす場合は、こちらから電話番号を伝える
たとえば一度の電話問い合わせで成約とはならず、ユーザーが「あとで掛けなおします」という場合があります。そういった場合は、ユーザーへ計測専用の電話番号を伝えておくオペレーションを設計してことが大切です。もう一度検索し探そうと思っても、広告が表示されないこともありますし、表示されクリックされることで追加のクリックコストが発生してしまう可能性があります。
2. 電話番号が書いてあるCTAは電話番号なしへ変更する

コールトラッキングを導入すると、専用の電話番号が発番されます。そのため、これまで使用していた電話番号を使うと、ツールによっては計測できないことがあります。
画像として電話CTAを設定している場合は電話番号を記載せず、「電話をかける」などの文言にし、電話番号に依存しないよう変更しておく必要があります。
おもなコールトラッキングツール
初期費用 | 月額費用 | 検索キーワード取得 | Google アナリティクス連携 | |
---|---|---|---|---|
コールトラッカー | 50,000円 | 50,000円〜 | 〇 | 〇 |
AdSiP | 無料 | 3,000円~ | 〇 | 〇 |
コール・インテリジェンス | 10,000円~ | 13,000円~ | 〇 | 〇 |
Callノート | 要問い合わせ | 10,000円~ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Call Data Bank | 要問い合わせ | 50,000円~ | 〇 | 〇 |
※2020年11月時点で各社ウェブサイトで確認できる情報をもとに作成
料金は自分たちが取得したいデータや電話番号の種類と数、ユーザーのセッション数によって異なります。こちらに記載した金額はあくまで参考程度にお考えいただき、自分たちの要望を伝えてみることで最適なツールが見つかるはずです。
自分たちはどういった課題を抱えていて、それを解決するためにどういったデータが必要なのか。そして、実際にトライアルで使用し、コールトラッキングの管理画面の使いやすさやサービスなども考慮し選ぶことで、最適なツールが見つかると思います!
まとめ
広告運用において商材やビジネスを理解を深めることが、よい結果に繋がることがほとんどです。そして、商材やビジネス理解には一次情報にどう触れるかというのが重要な要素のひとつです。
「商材・ビジネス理解は一次情報で差がつく」
先ほども述べましたが、一次情報を取得することができるのもコールトラッキングツール導入による恩恵だと考えています。
お客さまからの架電がビジネスにおいて重要な指標である場合、計測の精度が広告のパフォーマンスを左右します。「電話コンバージョンが実際の成果に繋がらない」という場合はコールトラッキングツールの導入も検討してみてください。