ChatGPT広告(ChatGPT Ads)とは?特徴・配信の仕組み・費用・出稿の流れを解説

ChatGPT広告(ChatGPT Ads)とは?特徴・配信の仕組み・費用・出稿の流れを解説

【2026年7月13日更新】

- 地域ターゲティングが都道府県単位に対応(除外地域の指定も可能)
- カスタムオーディエンス(自社の顧客リスト)でのターゲティングに対応

【2026年7月1日更新】

- 日本の事業主でも、広告アカウントを作成し、広告の配信まで進められるように
- 現時点で代理店が事業主に代わって広告アカウントを開設・所有する仕組みはなく、事業主側で作成して代理店のメンバーを招待する形

詳細や具体的な手順は、本文中の追記をご覧ください。

検索エンジンの代わりに生成AIで調べごとを済ませる人が増え、従来の検索広告やSNS広告だけではリーチしきれない層が生まれつつあります。なかでも広く使われているのがChatGPTです。

そのChatGPTのチャット画面に直接広告を出せる「ChatGPT広告(ChatGPT Ads)」が、広告運用の新しい選択肢として注目を集めています。

現在、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドではセルフサーブでの出稿が可能となっており、提供範囲は段階的に広がっています。この流れを踏まえると、日本でもいずれ出稿できるようになると見込まれます。ただし、広告主が自分でアカウントを作って広告を出稿する「セルフサーブ」には、まだ対応していません。

日本でもすでに配信は始まっており、ChatGPTを使う日本のユーザーの会話画面にも広告が表示されるようになっています。広告主が自分でアカウントを作って出稿する「セルフサーブ」についても、2026年6月28日から提供されるようになりました。

本記事では、OpenAIの公式ヘルプページや実際の管理画面の情報をもとに、ChatGPT広告の全体像を広告運用者向けに整理します。取り上げるのは、特徴、配信の仕組み、費用、出稿の流れ、計測方法、運用上の注意点です。


目次

【2026年7月1日追記】日本でも広告アカウント作成が可能に。ただし、広告代理店側では不可

これまで日本は、ChatGPTの会話画面への広告の表示は始まっているものの、広告主が自分で出稿するセルフサーブには未対応でした。

しかし、2026年6月28日に、日本の事業主でもads.openai.comから広告アカウントを作成し、広告の配信まで進められるようになっています。

注意したいのは、現時点ではGoogle広告のMCCやMeta Business Managerのように、広告代理店が他社(事業主)の広告アカウントを開設・所有する仕組みはない点です。

OpenAIのヘルプでも、各事業者につきアカウント所有者が1人で広告アカウントを作成し、そのうえでメンバーを招待する流れが案内されています。

そのため代理店が運用を代行する場合も、まず事業主自身が広告アカウントを作成し、その後に代理店のメンバーを招待してアクセス権を付与する手順になります。

権限付与の具体的な手順は、後述の「広告アカウントの仕組み」をご覧ください。

ChatGPT広告とは

ChatGPT広告(ChatGPT Ads)は、OpenAIが提供するAIアシスタント「ChatGPT」のチャット画面で、ユーザーの会話の直下に表示される運用型広告です。

検索広告のようにキーワード単位でユーザーをターゲティングするのではなく、ユーザーとAIのやり取り全体の流れを読み取って、いま役立ちそうなブランドをチャット画面の下に提示します。

OpenAIは「ユーザーが一つの対話のなかで情報を調べ、比較し、決定する過程で広告主がリーチできるよう支援する」と説明しており、いわば「ユーザーが何かを解決しようとしている、まさにその瞬間に立ち会う広告」と位置づけられています。

ChatGPT広告のメリット・特徴

ChatGPT広告には、以下の3つのメリット・特徴があります。

会話の流れに沿った関連性の高い配信ができる

プロンプトや過去の会話履歴を含むやり取り全体をもとに、テーマに合った広告が配信されます。

主にキーワードでターゲティングする検索広告とは異なり、ChatGPT広告では「自社の商材を届けたい会話のタイプ」を文章で記述して設定します。

会話全体の文脈に沿って、関連するチャットに広告を届けられるのが特徴です。

能動的に解決策を探しているユーザーに届く

ChatGPTに質問を投げた時点で、ユーザーは「いま何かを解決したい」状態にあります。この点は検索広告も同じですが、大きな違いは、ユーザーの状況をどこまで詳しくつかめるかです。

ChatGPTでは、ユーザーが自分の状況や迷いを文章で具体的に書き、比較しながら結論に近づいていきます。その検討プロセス内で、解決手段としてのブランドを提案できるのがChatGPT広告ならではの強みです。

回答と広告が明確に分けて表示される

OpenAIは「広告はChatGPTの回答には影響を与えない」「広告はSponsoredラベルとともに回答とは別の枠に表示される」「センシティブな会話の周辺やブランドにふさわしくない環境では広告を出さない」と明示しています。AIの回答そのものに広告が混ざるのではなく、回答とは切り離された枠に表示される仕組みです。

ChatGPT上での表示

ChatGPT広告の概要

広告が表示されるユーザー

広告は、対象国のChatGPT FreeおよびChatGPT Goプランの18歳以上のユーザーに表示されます。ChatGPT Plus、Pro、Businessなどの有料プラン契約者には表示されません。OpenAIに18歳未満と申告したユーザー、およびOpenAIが18歳未満と推定したユーザーにも広告は出ません。

対象国

対象国は順次広がっており、現在は以下のユーザーに広告が表示されています。

  • 米国
  • カナダ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • 英国
  • 韓国
  • 日本

配信可能なカテゴリ

ベータ(初期の試験運用)期間中は、出稿できる広告の分野が消費者向けに限定されています。

区分カテゴリ
配信可能家庭用品・日用品、地域サービス、旅行・娯楽、デジタル製品・教育
配信不可成人向けコンテンツ、アルコールとたばこ、娯楽用ドラッグ、ヘルスケアと医療、健康に関する主張、金融サービス、法的サービス、ギャンブル、政治的な内容 など

ただし、この区分はあくまで現段階のものです。OpenAIは、安全対策・審査・コンプライアンス体制の整備にあわせて、対象とする分野を順次広げていくとしています。

また、配信不可とされているカテゴリでも、条件を満たせば配信できる商材はあります。

出稿を検討する際は、自社の商材が対象になるかを、OpenAIの広告ポリシーで確かめましょう。

広告フォーマット

各広告は、ChatGPTの該当する会話の直下に1ユニットとして表示されます。検索広告やディスプレイ広告のように複数のフォーマットに分かれてはおらず、1つの広告ユニットに次の6つの要素が含まれます。

  • 広告主名
  • ファビコン(広告主のロゴ)
  • タイトル(見出し)
  • コピー(説明)
  • ランディングページ
  • 画像アセット(クリエイティブ)

表示例については、以下をご覧ください。

配信・ターゲティングの仕組み

ChatGPT広告の配信は、ユーザーの会話の流れに合う広告を届ける仕組みと、広告主のオークション入札の組み合わせで決まります。

コンテキストヒントをもとに適切なユーザーへ届ける

ChatGPT広告が従来の検索広告と大きく異なるのが、この「コンテキストヒント」という仕組みです。ChatGPT広告には、検索広告のキーワードにあたる仕組みがありません。代わりに、広告グループごとにコンテキストヒントを設定します。

管理画面(Ads Manager Beta)上での入力フォーム

コンテキストヒントとは、自社の商品やサービスが関連しそうな会話・トピック・ユーザーの状況を、文章で書き込むものです。設定した内容にもとづいて、関連する会話をしているユーザーへ広告が届きます。

OpenAIは「単独のキーワードを並べるのではなく、ユーザーがChatGPTに相談しそうな質問や状況を説明するように書くこと」「幅広く網羅するよりも関連性を優先すること」を推奨しています。そのため、検索広告とは別の配信設計が求められます。

【2026年7月13日追記】地域ターゲティングは都道府県単位まで指定可能

通常の検索広告では、キーワードに加えてデバイスや地域(都道府県・市区町村)など、細かい単位で配信先を絞り込めます。一方、ChatGPT広告のターゲティングは現時点では国別までで、デバイスやそれより細かい地域での指定はできません。こうした細かい地域指定は今後対応予定とされています。

ChatGPT広告でも、地域ターゲティングの粒度が広がりました。現時点では、日本は都道府県単位での指定が可能です。キャンペーン単位で、特定の地域を配信対象として指定、除外することができます。

ChatGPT広告の地域ターゲティング設定画面。都道府県名をローマ字入力すると候補が表示される
都道府県名をローマ字で入力すると、候補が表示されます

商圏やサービス提供エリアが決まっている業種(店舗ビジネス、不動産、出張型サービス系など)と相性のよい機能です。

国によっては、市区町村や郵便番号といった、より細かい単位でも指定可能です。日本でも、今後さらに細かい単位で指定できるようになる可能性があります。

【2026年7月13日追記】自社の顧客リストを活用した配信もできる

自社が持つ顧客リストを配信に活用できる「カスタムオーディエンス」も追加されました。

この機能を使えば、配信対象や入札を柔軟に調整できます。既存顧客や見込み客に絞って配信したり、既知のユーザーを除外して新規獲得に集中したり、価値の高い顧客への入札を強めたりできます。

登録したオーディエンスは、次の3通りで活用できます。

使い方内容
含める(キャンペーン単位)選んだオーディエンスに該当する人にだけ配信する
除外する(キャンペーン単位)選んだオーディエンスに該当する人を配信対象から外す
入札を調整(広告グループ単位)該当オーディエンスの上限入札額に倍率(0.1〜10倍)で傾斜をかける

含めると除外は、片方でも両方でも使えます。両方の場合は、含める側に入る人のうち除外側にも入る人が外れ、除外後に残る配信対象も最低25,000件が必要です。なお、同じオーディエンスを含めると除外の両方には設定できません。

カスタムオーディエンスで「含める」と「除外」を両方使ったときの配信対象の考え方

入札調整で複数のオーディエンスに当てはまる人には、最も高い倍率が適用されます。倍率は入札の強弱を変えるだけで、配信できる対象そのものは決めません。

リストの準備とアップロード

顧客リストをアップロードして、オーディエンスとして登録します。

アップロードに使える識別子は、次の4種類です。

  • メールアドレス
  • 電話番号
  • SHA-256でハッシュ化したメールアドレス
  • SHA-256でハッシュ化した電話番号

SHA-256は、ハッシュ化(元のデータを不規則な文字列に置換する処理)の方式です。

ファイルはCSVまたはTXTで、最大500MB・最大500万件まで、1回のアップロードにつき識別子は1種類です。

カスタムオーディエンス作成画面。オーディエンス名・識別子の種類・ファイルを指定してアップロードする

利用の条件と制約

利用するには、リストのうち最低25,000件がChatGPT側のユーザーの登録情報と一致している必要があります。OpenAIは10万件以上を推奨しています。

制御はオーディエンス単位で、個々のユーザーを選んだり一覧で確認したりはできません。アップロード後の処理には、通常20〜30分ほどかかります。

注意点

GoogleやMetaのカスタマーマッチと同じく顧客情報を活用したターゲティング機能となるため、個人情報の取り扱いには十分に留意してください。利用目的や使用する個人情報、第三者提供、オプトアウト方法のプライバシーポリシーでの案内など、個人情報の収集と利用に関して個人情報保護法や改正電気通信事業法などの法令に準拠している必要があります。

代理店が運用を代行する場合は、生の顧客データを預からずに済むよう、クライアント側でハッシュ化・アップロードしてもらう形が安全です。

リストの書式ルールは、以下のページに詳細が記載されています。

参照:Set up Custom Audiences for your Campaign | OpenAI Help Center

ChatGPT広告の課金方式・費用

広告配信の目的と入札方式

ChatGPT広告では、キャンペーンの目的に応じて課金方式(入札方式)が決まります。選べる目的は次の2種類です。

目的最適化対象課金方式
Views(表示数)リーチと視認性CPM(インプレッション1,000回あたり)
Clicks(クリック数)エンゲージメントとトラフィックCPC(クリック単価)

目的はキャンペーン作成時に選び、あとから変更できません。目的を変えたい場合は、新しいキャンペーンを作り直す必要があります。

公式ヘルプでは、CPMキャンペーンの初期値は1,000インプレッションあたり60ドル、CPCキャンペーンの開始時の目安は1クリックあたり3〜5ドルと案内されており、広告主側で上限入札額を設定できます。

関連性で重み付けされたセカンドプライスオークション

配信のオークションには「関連性で重み付けされたセカンドプライスオークション」が採用されています。セカンドプライスオークションとは、落札した広告主への課金額を、2番手の入札額をわずかに上回る水準に抑える方式です。広告主とユーザーの双方にとって価値の高い結果になるよう設計された仕組みで、入札額の高さだけで配信が決まるわけではありません。広告選定では、コンテキストヒント、ランディングページ、広告タイトル、広告文といった複数の要素が考慮されます。

請求は後払い

請求は「postpay(後払い)」になります。広告配信に応じてアカウントに支出が積み上がり、アカウントごとに割り当てられた「payment threshold(支払い閾値)」に達したタイミングで登録カードに課金されます。

承認された広告主はまず低めの閾値から始まり、決済の成功実績などに応じて閾値が自動的に引き上げられていきます。月末時点で残額がある場合は、閾値に達していなくても月末にまとめて請求されます。なお、広告主の側で閾値を変更することはできません。

カード登録時には、支払い方法を確認するため、最大3日間にわたって100ドルのカードの与信枠を一時的に確保する処理が発生します。

予算は「1日の予算」もしくは「キャンペーン総予算」を設定

予算は以下のどちらかを選びます。

予算タイプ概要下限額
1日の予算1日あたりに使う上限額2,500円
キャンペーン総予算キャンペーン期間全体で使う上限額1円

「1日の予算」は1日あたりに使う上限額で、設定額を超えて消化されることは基本的にありません。ただし、関連する会話や配信機会が少ない日は、上限まで使い切らず未消化になることもあります。

金額は途中で変更できますが、予算タイプをあとから切り替えることはできません。

ChatGPT広告のアカウント構造

まずは、出稿前に押さえておきたいアカウント構造について整理します。

広告アカウントの仕組み

ChatGPT広告では、ログインに使う「OpenAIアカウント」と、出稿の単位になる「広告アカウント」が分かれています。Ads Manager Betaを使うにはOpenAIアカウントが必要で、持っていなければサインアップの途中で作成できます。

広告アカウントは、出稿する事業者ごとに用意します。ブランド・法人単位で複数のアカウントを持てます。

新しい広告アカウントを作るたびに別のメールアドレスが必要で、すでに使ったメールアドレスは別アカウントの作成に使い回せません。

ただし、いったん作成したアカウントには同じユーザーを招待でき、1つのメールアドレスのまま複数のアカウントを切り替えて操作できます。

なお、現時点では、GoogleのMCCやMeta Business Managerのように、代理店が他社(事業主)の広告アカウントを開設・所有する仕組みはありません。アカウントを作成するのは事業主自身です。

代理店が運用を代行する場合も、まず事業主がアカウントを作成し、その後に代理店のメンバーを招待してアクセス権を付与します。

メンバーの招待は「設定」>「ユーザー」>「招待」から、メールアドレスを指定して行います。

招待したメンバーには、次のいずれかの権限(ロール)を割り当てます。

ロール権限
管理者広告アカウントにフルアクセスできる
メンバーキャンペーンの作成・管理ができる
閲覧者コンテンツの閲覧のみ

複数アカウントの一元管理機能(グローバル管理者コンソール)も実装予定

複数のブランドや法人など、広告アカウントを組織単位でまとめて管理する仕組みとして「グローバル管理者コンソール」が用意されています。組織内のユーザーにロールを割り当てて権限を分け、広告アカウントの作成からメンバー管理までをまとめて扱えます。

ロールは2つの階層に分かれます。組織全体を管理する「Ads Admin」が広告アカウントを新規作成し、個々のアカウント内では「管理者・メンバー・閲覧者」で操作範囲を分けます。すでにOpenAIの組織がある場合は、まずAds Adminにアクセス権を付与してもらってから、アカウントの作成・管理に進む流れです。

現時点では広告向けのユーザー管理が先行して提供されており、ChatGPTやAPIなど他プロダクトを含めた横断的な管理は今後拡張される見込みです。なお、この仕組みは日本ではまだ使えず、近日リリース予定です。

参照:グローバル管理コンソールにおける広告ユーザーの管理 | OpenAI Help Centerグローバル管理者コンソール | OpenAI Help Center

ChatGPT広告を出稿するまでの流れ

ここからは、セルフサーブでの出稿手順を整理します。

①アカウントを作成する

ads.openai.comにアクセスし、OpenAIアカウントでサインインします。続いて、ビジネス名、ウェブサイト、ロゴ、業種、国、通貨、タイムゾーンといったビジネス情報を入力し、広告アカウントを作成します。

このうち国・通貨・タイムゾーンの3項目は、アカウント作成後に変更できません。

誤って入力するとアカウントを作り直すことになるため、出稿主体となる法人の情報を正確に登録してください。

その後、本人確認サービスPersonaを使ったアカウント認証に進みます。OpenAI側で、広告ポリシーに沿った事業内容かどうかを審査し、承認されると登録メールアドレスに通知が届きます。

②請求プロファイルと支払い方法を登録する

承認後、Ads Manager Beta上で次の2つを設定します。

  • 請求プロファイル:ビジネス名、請求書送付メールアドレス、請求先住所
  • 支払い方法:クレジットカード情報と請求先住所

カードはアカウントの登録国と一致している必要があります。日本法人で出稿するなら、日本発行のカードと日本の請求先住所を登録します。

③キャンペーン・広告グループ・広告を作成する

キャンペーンは2つの方法で作成できます。

  • ガイド付きキャンペーン作成:Ads Manager BetaのUI上で順番に作る
  • 一括アップロード:CSV形式のテンプレートをダウンロードし、入力済のデータをアップロードする

各階層で入力する項目は次のとおりです。

階層項目
キャンペーンキャンペーン名、目的(Views/Clicks)、予算、開始終了日(YYYY-MM-DD形式)、ターゲット国
広告グループグループ名、コンテキストヒント、最大CPC入札額(Clicks目的のみ)
広告タイトル、コピー、ランディングページURL、画像アセット

一括アップロードを使う場合、コンテキストヒントはJSON配列形式(["hint1", "hint2"])で記述します。

広告の入稿規定

公式ヘルプで示されている広告の入稿規定は次のとおりです。

項目仕様
広告タイトル推奨16〜24文字、最大50文字
広告コピー推奨32〜48文字、最大100文字
画像形式PNG または JPG
画像比率正方形
画像サイズ1200×1200ピクセル以下
画像ホスティング一般公開されたURL(公開設定のGoogle Drive、S3/CloudFrontなどのAWS、広告主の自社ドメインやCDN等)
ランディングページ有効でアクセス可能であり、OpenAIのクローラーをブロックしていないこと

④配信を開始する

広告を入稿すると、OpenAI側で広告審査が行われます。クリエイティブやランディングページはOpenAIの広告ポリシーに沿っている必要があり、審査を通過した広告だけが配信対象になります。承認されてキャンペーンと広告のステータスが「提供中」になれば配信開始です。

開始から24時間以内に、インプレッションやクリックが発生し始めます。

商品フィードでカタログから配信することも可能

商品を多数扱うECサイトなどでは、商品フィードを使ってカタログから一括でキャンペーンを作成・配信することもできます。

仕組みと特徴

取り扱う商品が幅広い、または商品の入れ替わりが激しい小売事業者に向けた仕組みです。SFTP経由で商品フィードをアップロードすると、カタログから広告を作成でき、広告のタイトルと説明はフィードの内容から直接生成されます。

大きな工数をかけずに関連性の高い広告を数多く用意でき、購入意向の高い会話の中で関連商品を訴求できるのが強みです。実際にOpenAIも「商品フィードから作成された広告は、これまでで最も高い成果を上げている広告の一部」としています。

また、在庫状況や商品情報をフィード側で最新に保てるのも利点です。

なお、フィードの要件は最少1,000商品・最大200万商品で、商品数が少ないECサイトは対象外になる点に注意してください。

表示形式と今後の展望

なお、Googleショッピング広告のように商品情報がカード型で並ぶ専用フォーマットがあるわけではなく、フィードから生成される広告も通常の広告ユニットと同じ表示形式です(この形式も今後進化する可能性があるとされています)。

また、ベータ期間中のフィード商品は広告での利用のみが対象で、ChatGPTのオーガニックな会話(広告枠以外の通常の回答)には表示されません。ただしOpenAIは、これを将来的に提供する可能性があるとしています。フィードが広告枠の外にも広がる余地を見据えると、対象となる小売事業者は早めにフィードを整えておく価値があります。

商品フィードキャンペーンの作り方

商品フィードを使う場合は、通常のキャンペーン作成の前に、フィードの準備が必要です。商品フィードキャンペーンは以下の手順で作成できます。

1.Ads Manager Betaの「ツール」>「フィード」からフィードを作成し、発行されたSFTP接続情報を控える

2.フィード仕様に沿って用意した商品フィードを、SFTP経由でアップロードする(処理にはフィードのサイズに応じて数分〜数時間かかります)

3.キャンペーン作成時に、キャンペーンタイプで「商品フィード」を選択し、使用するフィードを設定する

4.キャンペーンの目的や対象地域など、その他の項目を設定し「次へ:広告グループ」をクリック

5.商品フィルターで対象商品を絞り込む

フィルターだけで分けきれない場合は、フィードのads_metadataに「bidding_tier」や「product_line」などの値を持たせて整理します。

提出後の審査・配信開始の流れは、通常のキャンペーンと同じです。

計測

Ads Managerで確認できる指標

Ads Manager Betaでは、キャンペーン・広告グループ・広告のいずれの階層でも、次の指標を確認できます。

  • インプレッション数
  • クリック数
  • 支出
  • CTR
  • 平均CPC
  • 平均CPM
  • コンバージョン数(コンバージョン測定を設定している場合)

これらはテーブルビュー、チャートビュー、CSVエクスポートで参照できます。

JavaScript PixelとConversions API

コンバージョン測定には次の2種類が用意されています。

  • JavaScript Pixel:自社サイトに設置するブラウザ側のトラッキングタグ
  • Conversions API:サーバー側からイベントを送る仕組み

Google Tag Manager経由でPixelを設置することもできます(タグマネージャー側で、Pixelの初期化やイベント送信が妨げられないことが条件です)。ShopifyやヘッドレスEC、サーバー側で発生する購買イベントなどは、他媒体での定石にならい、PixelとConversions APIを併用するのが堅実です。

具体的な設計方法や仕様は、以下のヘルプページに記載されています。
JavaScript Pixel – Ads | OpenAI Developers
Conversions API – Ads | OpenAI Developers

Criteo経由でも配信できる

ChatGPT広告は、ads.openai.comから直接出稿するほかに、Criteo経由で配信する方法もあります。

既存のCriteoキャンペーンに配信面を追加するかたちで提供されるため、対象条件を満たしたキャンペーンであれば、特別な設定変更をしなくても順次配信されます。ただし、この場合もOpenAIのポリシーにもとづく審査があり、審査を通過したクリエイティブ・広告主のみが配信対象になります。

なお、コンテキストヒントは、Criteo経由の配信では指定できません。そのため、直接出稿する場合と比べて、ターゲティング精度に差が生じる可能性があります。

配信実績は、管理画面の「表示された配信面の数(Placement Report)」で、「openai」と検索すると確認できます。

現時点では、コンバージョン率やクリック率が他環境の類似フォーマットと比べて高い傾向にあるとの報告もされており、広告主にとって新たな配信機会になっているようです。

この配信面だけを切り出した個別の配信メニューとして提供することも予定されていますが、本記事の執筆時点でリリース時期は未定です。すでにCriteoを利用している場合は、まず既存キャンペーンの配信面の一つとしてChatGPTが加わる流れを押さえておくとよいでしょう。

ChatGPT広告の運用ポイント

ChatGPT広告は「コンテキストヒント+広告クリエイティブ」のセットで配信設計するため、検索広告とは違う作り方が必要です。ヘルプページの内容をもとに、それぞれのポイントについて解説します。

コンテキストヒントのポイント

コンテキストヒントは、厳密なキーワード一致ではなく、テーマを示す幅広いシグナルとして扱われます。

適切なコンテキストヒントは、次のようなものです。

  • ユーザーの意図や話題を記述する
  • 広告グループのテーマやグループ内の広告と密接に関連している
  • 単独のキーワードを列挙するのではなく、ユーザーがChatGPTに相談しそうな質問・ニーズ・状況を説明する
  • 幅広く網羅するよりも関連性を優先する

効果を高めるには、広告グループの設計にも工夫が必要です。

以下の点を意識することで、より適切なユーザーに広告が届きやすくなります。

  • 1つの広告グループは、1つの商品カテゴリ・テーマ・意図に絞る
  • オーディエンスやユースケースが明確に違う場合は、広告グループを分ける
  • 関連性のない商品やテーマを、同じ広告グループにまとめない
  • 1つの広告グループに複数の広告を入れ、異なる訴求をテストする

参照:https://help.openai.com/ja-jp/articles/20001211-create-ad-groups-for-chatgpt

広告のポイント

切り口を変えたバリエーションを複数用意する

検索広告のように、ターゲティングしたキーワードに対して設定した広告を当てるのではなく、関連性のある会話の幅に合わせて配信されます。そのため、タイトルやコピーのバリエーションが少ないと、対象になりうる会話の一部にしかリーチできず、取りこぼしが多くなります。

1つの商品でも、対象ユーザー・解決したい課題・使われるシーンなどを変えて、それぞれ違う角度から訴えるバリエーションを複数用意しておきましょう。

タイトルとコピーは役割を分けて書く

広告タイトルは、あいまいな表現よりも、誰に向けて、どんな価値があるかが一目で伝わる具体的な表現のほうが向いています。「ユーザーがChatGPTに相談している話題に対して、解決手段としてどの広告主が参照されるか」という仕組みのため、商品やサービスの中身がすぐ伝わる短文が機能します。

広告コピーはメリット、機能、ユースケース、対象範囲など、タイトルとは異なる情報を訴求し、ユーザーが内容をすばやく判断できるように補いましょう。

ランディングページは関連性の高いページを設定する

汎用的なページを遷移先にしてしまうと、広告をクリックしたユーザーが「自分が解決したいこと」にたどり着くまでに時間がかかり、離脱の原因になります。商品ページ、カテゴリページ、特集記事など、広告の訴求と一致するページに直接リンクするのが基本です。

画像はシンプルで広告メッセージを支えるものにする

チャット画面での広告表示枠はコンパクトなので、情報を詰め込んだ画像や細かい文字を載せた画像は視認しにくくなります。商品の見た目や特徴がひと目で伝わるシンプルな画像を選び、タイトル・コピー・画像で一貫したメッセージを持たせると、ユーザーが内容を一瞬で判断しやすくなります。

注意点

ChatGPT広告の運用で、特につまずきやすい点を整理します。

UTMパラメータは固定値で設定する

ランディングページのURLにUTMパラメータを付ければ、Google Analyticsなどの分析ツールで、ChatGPT広告からの流入を計測できます。ただし、設定できるのは固定の文字列だけです。

GoogleやMeta広告では、キャンペーン名や広告IDをURLへ自動で差し込む仕組み(動的パラメータ)が用意されていますが、ChatGPT広告にはこの仕組みがありません。そのため、UTMは1つずつ固定値で入力する前提で設計しましょう。

配信開始から数字が見えるまでに最大7時間の遅れがある

キャンペーン開始から24時間以内に、インプレッションやクリックは発生し始めます。ただし、Ads Manager Betaのレポートに結果が反映されるまでには、通常で最大7時間ほどかかります。開始直後に「配信が出ていない」と慌てないよう、確認のタイミングには余裕を持たせてください。

24時間以上たっても1件もインプレッションが発生しない場合は、アカウント認証・請求設定・キャンペーン予算・終了日・支払い方法の状態を順に確認しましょう。

OpenAIによるクローリングを許可しておく

ChatGPT広告のランディングページは、OpenAIのウェブクローラー「OAI-AdsBot」「OAI-SearchBot」がアクセスできる状態にしておく必要があります。広告審査や、ユーザーへの最適な配信タイミングの判断のために、OpenAI側がランディングページの内容を参照するためです。

公式ヘルプでは、クローラーがブロックされやすい3つのレイヤーが示されています。

レイヤー対応
robots.txtOAI-AdsBotとOAI-SearchBotに対してAllowの記述を入れる
ウェブ保護・ボット対策(Cloudflare、Akamaiなど)ユーザーエージェントをもとに許可リストへ登録(OAI-AdsBotはCloudflareの検証済みボットリストに登録済み)
アプリケーション層のボット対策(CAPTCHA、JSチャレンジ、行動分析)OpenAIのユーザーエージェントを対象外に設定

robots.txtの記述例は次のとおりです。

User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /

User-agent: OAI-AdsBot
Allow: /

固定IPリストが必要な場合は、openai.com/searchbot.json および openai.com/adsbot.json で公開されています。配信開始の前に、インフラやセキュリティの担当者とあわせて許可リストの設定を確認しておきましょう。

まとめ

ChatGPT広告は、これまでの広告運用で培ってきた感覚が、そのままでは通用しにくい広告です。キーワードではなくコンテキストヒント、検索結果ではなくAIの回答画面、明示的なターゲティング設定ではなく会話との関連性。前提が異なるため、他媒体で機能していた設計をそのまま当てはめても、思うように成果が伸びない場面が出てくるはずです。

ベータ段階のいまは、業界別のベンチマークもまだありません。だからといって、他媒体の指標と比べても、配信の仕組みが違うため良し悪しは判断しづらい段階です。自社の広告グループのなかでコンテキストヒントとクリエイティブを調整し、配信の反応を見ながら、自社の採算に合うかを確かめるのがおすすめです。

まずはアカウントの作り方や運用の勘所を押さえて、関連性の高い会話のなかで自社の商材を届けていきましょう。

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