SmartNews Adsの「Pixelタグ(ピクセルタグ)」を用いたイベント計測の方法

SmartNews Adsの「Pixelタグ(ピクセルタグ)」を用いたイベント計測の方法

SmartNews Ads(スマートニュース広告)の効果測定や最適化に欠かせないPixelタグ。

2024年のアップデートにより、データ計測の精度が向上し、新たな計測項目が追加されたほか、広告主にとってより柔軟な活用が可能になっています。特に、コンバージョンの最適化やユーザー行動の可視化において、どのような影響があるのか気になる方も多いのではないでしょうか?

本記事では、SmartNews AdsのPixelタグとは何か?アップデートで何が変わったのか? をわかりやすく解説し、広告運用にどのように活かせるのかを詳しくご紹介します。


Pixelタグとは

SmartNews Pixelタグとは、SmartNews Adsの効果測定や最適化を行うためのトラッキングタグです。広告を経由したユーザーのサイト訪問やコンバージョン(購入・問い合わせ・会員登録など)のデータを取得し、広告の成果を可視化できます。

Pixelタグの種類と役割

Pixelタグには、「ベースコード」と「イベントトラッキング」の2種類があります。

それぞれ異なる役割を持っているため、

ベースコード

SmartNews Pixelタグのベースコードは、すべてのページに共通して設置するタグで、サイト訪問者の行動データを取得し、広告配信の最適化や効果測定に活用するための基盤となる役割を持ちます。

ベースコードの主な役割は以下です。

①ページビューの計測

ユーザーがサイトに訪問したことを記録し、どのページが閲覧されているかを分析できる。

②リターゲティングの基盤

サイト訪問者のデータを蓄積し、後のリターゲティング広告に活用できる。

③イベントトラッキングにも必須

ベースコードが正しく動作することで、購入や問い合わせといった特定のアクション(イベント)の計測が可能になる。

イベントトラッキング

イベントトラッキングとは、サイト訪問者の特定のアクション(イベント)を計測する仕組みです。ベースコードが「サイト訪問」を記録するのに対し、イベントトラッキングは「ユーザーがサイト内で何をしたのか」を詳しく把握するために使用されます。

イベントトラッキングの主な役割は以下です。

①コンバージョンの計測

購入完了、問い合わせ送信、会員登録などの重要なアクションを計測し、広告効果を可視化できる。

②ユーザー行動の詳細な分析

コンバージョン以外のユーザー行動を記録し、どのアクションがどの程度発生しているかを把握できる。

例えば、ECサイトにおいて商品一覧ページや商品詳細ページ、カートページなどの購入に至る前のページに来訪したアクション数がわかります。

③セグメント化したリターゲティング

 サイト訪問後に特定のアクションを取ったユーザーをセグメント化し、リターゲティング広告を精緻に配信できる。

 例えば、「カートに商品を入れたが購入しなかったユーザー」に対して、リマインド広告を配信するなど、購買意欲の高いユーザーへの追従が可能。

ベースコードとイベントトラッキングは、それぞれ異なる役割を果たしており、正しい計測のためにはどちらも欠かせないものです。

Pixelタグの発行・設定方法

では具体的にどのようにPixelタグを設定すれば良いのか、ベースコード・イベントトラッキングそれぞれの設定を実際の管理画面での操作方法を踏まえて解説します。

ベースコードの発行と設定

①管理画面のログイン後、画面上部の「イベント」>「新しいPixelを作成」をクリック

画像引用元:SmartNewsAdsヘルプセンター|【広告マネージャー v2】Pixelベースコード/イベントトラッキングの設定

②任意の名前をつけて、「Pixelを作成」をクリック

③「コードをダウンロード」をクリック。
④ダウンロードしたPixelベースコードを広告主サイト全ページの<head>タグ内に実装。Googleタグマネージャーなどのタグ管理ツールを利用した設定も可能です。Googleタグマネージャーの場合は、「カスタムHTML」のタグの種類を選択し設定しましょう。

ベースコード例:

<!-- SmartNews Ads Pixel Code -->

<script type="text/javascript">

!function(){if(window.SmartnewsAds=window.SmartnewsAds||{},!window.SmartnewsAds.p){var e=window.SmartnewsAds.p=function(){e.callMethod?e.callMethod.apply(e,arguments):e.queue.push(arguments)};e.push=e,e.version="1.0.1",e.queue=[];var n=document.createElement("script");n.async=!0,n.src="//cdn.smartnews-ads.com/i/pixel.js";var s=document.getElementsByTagName("script")[0];s.parentNode.insertBefore(n,s)}}();

SmartnewsAds.p("[pixel ID]", "PageView");

</script>

<noscript>

<img height="1" width="1" style="display:none;" alt="" src="https://i.smartnews-ads.com/p?id=[pixel ID]&e=PageView" />

</noscript>

コード引用元:SmartNewsAdsヘルプセンター|【広告マネージャー v2】Pixelベースコード/イベントトラッキングの設定

※[pixel ID]は広告アカウント固有。管理画面からダウンロードした場合、[pixel ID]が設定された状態のコードが出力されます。
※上記のコードはサンプルです。ご利用の際は広告管理画面からの取得をお願いします。

Pixelタグ(ベースコード)の設定は以上となります。

イベントトラッキングの設定方法

Pixelイベントコードを管理画面で設定する方法を見ていきましょう。

画像引用元:SmartNewsAdsヘルプセンター|【広告マネージャー v2】Pixelベースコード/イベントトラッキングの設定

①管理画面上部の「イベント」>「イベントを設定」をクリック。

②設定したいイベント選択します。

選択できるイベントは以下の通りです。

イベント名(英語)イベント名(日本語)イベントコード
Purchase商品購入SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Purchase”)
Add To Cartカート追加SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “AddToCart”)
Initiate Checkoutチェックアウト開始SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “InitiateCheckout”)
Submit Form応募SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “SubmitForm”)
Subscribe課金SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Subscribe”)
Complete Registration会員登録SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “CompleteRegistration”)
Contact問い合わせSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Contact”)
Sign UpサインアップSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “SignUp”)
View Content詳細ページSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “ViewContent”)
Add Payment Info支払い情報追加SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “AddPaymentInfo”)
Add To Wish Listウィッシュリスト追加SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “AddToWishList”)
Visit Cartカート確認SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “VisitCart”)
Customize Product製品のカスタマイズSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “CustomizeProduct”)
Search検索SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Search”)
Booking予約SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Booking”)
DownloadダウンロードSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Download”)
Start TrialトライアルSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “StartTrial”)
Share共有SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Share”)
LoginログインSmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Login”)
Donate寄付SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “Donate”)
Find Location場所の検索SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “FindLocation”)
Time Spent訪問時間SmartnewsAds.p(“pixel tag ID”, “TimeSpent”)

③「セットアップ方法を選ぶ」から「Pixelイベントコードを設定」をクリック
④コードをダウンロードし、ベースコードの直後にイベントコードを設定する。

<!-- SmartNews Ads Pixel Code -->

<script type="text/javascript">

!function () {

if (window.SmartnewsAds = window.SmartnewsAds || {}, !window.SmartnewsAds.p) {

var e = window.SmartnewsAds.p = function () {

e.callMethod ? e.callMethod.apply(e, arguments) : e.queue.push(arguments)

};

window.SmartnewsAds._p || (window.SmartnewsAds._p = e), e.push = e, e.version = "1.0.0", e.queue = [];

var n = document.createElement("script");

n.async = !0, n.src = "https://cdn.smartnews-ads.com/i/pixel.js";

var s = document.getElementsByTagName("script")[0];

s.parentNode.insertBefore(n, s)

}

}();

SmartnewsAds.p("[pixel ID]", "Purchase", {

"currency": "JPY",

"event_value": 600000,

"content_ids": [400, 401, 402],

"content_type": "item"

});

</script>

// Choice 1

<noscript>

<img height="1" width="1" style="display:none;" alt="" src="https://i.smartnews-ads.com/p?id=[pixel ID]&e=[event name]" />

</noscript>

// Choice 2

// one "&d%5B[additional_parameter_key]%5B=[additional_parameter_value]" will only represents one pair of key value.

// example for above will be:

// https://i.smartnews-ads.com/p?id=[pixel ID]&e=[event name]&d%5Bcurrency%5B=JPY&d%5Bevent_value%5B=600000&d%5Bcontent_ids%5B=400&d%5Bcontent_ids%5B=401&d%5Bcontent_ids%5B=402

<noscript>

<img height="1" width="1" style="display:none;" alt="" src="https://i.smartnews-ads.com/p?id=[pixel ID]&e=[event name]&d%5B[additional_parameter_key]%5B=[additional_parameter_value]" />

</noscript>

コード引用元:SmartNewsAdsヘルプセンター|【広告マネージャー v2】Pixelベースコード/イベントトラッキングの設定

※[pixel ID]は広告アカウント固有。管理画面からダウンロードした場合、[pixel ID]が設定された状態のコードが出力されます
※上記のコードはサンプルです。イベント名や変数は、アクションに合わせて異なります。ご利用の際は広告管理画面からの取得をお願いします

上記は、商品購入イベント(Purchase)を追加した場合のイベントコードの例です。

例のようなイベントコードをサイトの対象ページに設置します。Googleタグマネージャーなどのタグ管理ツールを利用した設定も可能です。

コードのなかにある”event_value”や”content_id”といった情報は、パラメータと呼ばれる各イベントに関連する情報です。

次の章で詳しく解説します。

イベントトラッキングのパラメーター

イベントトラッキングには、任意でパラメーターと呼ばれる関連する情報を任意で追加することが可能です。

たとえば、商品購入イベントに対して、商品ID、カテゴリ、購入商品数、合計金額などのパラメータを設定することで、イベントに関連する詳細情報を計測します。

2025年2月現在、パラメータを利用したオーディエンスの作成や価値に基づいた最適化などはできませんが、今後Dynamic Ads(データフィードを利用した動的な配信キャンペーン)にてパラメーターを利用した最適化などが期待されます。

設定できるパラメータは以下の通りです。

パラメータ名型 (データの種類)説明記入例
content_categorystringページや商品のカテゴリ名(例: 商品のジャンルや分類)"electronics"
content_idsarrayイベントに関連する商品ID(複数の商品IDをリストとして記録)["12345", "67890"]
content_namestringページや商品の名前(例: 商品名やページタイトル)"Smartphone XYZ"
currencystring通貨コード(取引で使われる通貨の種類)"JPY", "USD", "EUR"
content_typestring商品または商品グループの種類(例: 個別の商品かグループ)"product", "product_group"
contentsarray 商品情報を含むオブジェクトのリスト(商品IDと数量をセットで記録)[{"content_id": "ABC123", "quantity": 2}]
event_valueinteger/floatイベントの価値(例: 取引額や価格などの数値)5000.00
keyword_querystring検索クエリ(検索された言葉やフレーズ)"スマートフォン おすすめ"
statusboolean 登録完了の状態(登録が完了したかどうか)true
quantityinteger 購入した商品の個数(購入した商品の数量)3
time_spentinteger ページ滞在時間(秒で表した滞在時間)120
ltvinteger ユーザーの生涯価値(LTV:長期間にわたる購入額の合計)150000

これらは、ユーザーのデータを動的に取得する必要があるため、GTMのデータレイヤーなどを利用して取得すると良いでしょう。

データレイヤーってなに?GTMでどうやって設定するの?という方は以下をご覧ください。

Pixelタグの動作確認方法

SmartNews Pixelをウェブサイトに実装した後、その動作を確認するためにはPixel の検証機能を活用することができます。

この機能を使うことで、Pixelが正しく設置され、イベントが発火することを確認できます。

1.管理画面の上部「イベント」タブをクリック後、作成したPixelの三点リーダーをクリック

2.「Pixelを検証」をクリック

3.ウェブサイトのURLを入力し、確認したいユーザー行動を行う。(ページランディング、ボタンクリック、購入など)

画像引用元:SmartNewsAdsヘルプセンター|【広告マネージャー v2】Pixelベースコード/イベントトラッキングの設定

4.PixelベースコードとPixelイベントコードが正しく実装されている場合、上記の画面が表示されます。エラーが表示された場合は、Pixel が正しくインストールされていることや、検証時に正しいURLを使用していることを再確認してください。

設定したイベントの確認方法

続いては、キャンペーン配信開始後の広告経由のイベント件数の確認方法について解説します。

1.管理画面の「キャンペーン」タブを開く

2.「表示項目をカスタマイズ」をクリック

3.「コンバージョン指標」から設定したイベントを選択。(商品購入数、カート追加数、応募数、課金数など)

4.キャンペーン別成果の指標に追加したイベントが設定され、イベント毎の数が確認できるようになります。

Pixelタグ・イベントトラッキングにおけるポイントと注意点

広告の効果を正しく計測し、最適なターゲティングを行うためには、Pixelタグとイベントトラッキングの設定が非常に重要です。しかし、適切に設定しなければ、意図しないデータの欠損や誤った計測が発生する可能性もあります。

ここでは、よくあるミスを防ぎ、正確なデータを取得するための4つの注意点を紹介します。

①イベントトラッキングの管理画面上の計測期間は、従来のコンバージョンタグ(CVタグ、CV.js)同様にクリックから30日のものが計測されます。

②1ユーザーが複数回イベントを反応させても、従来のコンバージョンタグ(CVタグ、CV.js)同様に計測は複数回ではなく1回となります。

③同じ広告主で2つの別広告アカウントがある際は、Pixelタグは広告アカウントごとにそれぞれ発行しましょう。

イベントトラッキングタグがどのPixel IDに紐づくものか判別できるのか?と心配になるかもしれませんが、SmartNews Adsの場合イベントコードごとにPixel IDが入る設定となっているためアカウント間でイベントトラッキングタグが重複することはありません。各アカウントでのトラッキングが正確に行われ、重複の心配なく管理できます。

④一度作成したキャンペーンの最適化地点は変更できません。キャンペーン作成後に最適化地点を変える場合は、既に作成したキャンペーンでは変更できないので新たにキャンペーンを作成し直す必要があります。

特に、計測期間やイベントのカウント仕様、アカウントごとのPixel管理、最適化地点の変更不可 などは、運用時に誤解しやすいポイントです。

これらを事前に理解し、正しく設定を行うことで、より精度の高い広告運用 を実現しましょう。

まとめ

Pixelタグによりさまざまなイベント計測への対応が可能となり、よりユーザーの行動を加味した広告運用が可能となります。

例えば、「カート追加」「入力フォーム」「購入完了」など複数のステップがあるECサイトや、「資料請求」「問い合わせ」「無料トライアル」といった複数のコンバージョンがあるBtoB商材での活用が見込めます。

SmartNews Adsを運用中の方は改めてPixelベースの計測タグの設定をご検討いただき、新たにSmartNews Adsの掲載を考えている方は効果的なトラッキングと最適化を行えるようチェックしていきましょう。

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