
6月時点で今年は40%が経っているというのをどこかで見かけました。もう4割と見るのか、まだ6割もあると考えるのかで過ごし方も変わってきますよね。
さて、目まぐるしく変わる広告プラットフォームのアップデート情報、キャッチアップが大変ですよね。単に「何が変わったか」だけでなく、「それが広告主の広告運用にどう影響するのか」「具体的に何をすべきか」まで把握するのは一苦労かと思います。
この記事では、主要な広告プラットフォームから発表された最新のアップデート情報を、一歩踏み込んで解説します。2025年5月の主要な変更点が、広告運用にどのような意味を持つのか、具体的なアクションプランのヒントと共に分かりやすくまとめました。今後の戦略立案や日々の運用にお役立てください!


【Yahoo!広告】
ご覧頂いてお分かりの通り、新規機能の追加や統廃合までさまざまなアップデートが入り乱れています。検索連動型ショッピング広告(SSA)において商品情報掲載の無料化や検索広告「画像アセット」も最適化要素に組み込まれるなど、対応が抜けがちなので要注意ですね。
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
検索広告(ショッピング)「商品情報掲載」無料化 | 2025/5/14~ | 一部ユーザー限定、商品露出機会の拡大と集客コスト削減に貢献 |
検索連動型ショッピング広告(SSA)「ブランド」選択不可 | 2025/5/20~ | 商品グループ作成時の仕様変更、商品属性カスタムラベル活用が鍵に |
ディスプレイ広告(アプリ計測)オーディエンス項目削除 | 2025/5/28~ | 「カスタムラベル」「ページ種別」削除、管理画面の簡素化と運用効率化 |
ディスプレイ広告(アプリ計測)トラッキングパラメータ範囲拡大 | 2025/6/4~ | 「{ci}」「{deviceAppType}」が全キャンペーン目的で利用可能、より多角的な効果測定へ |
ディスプレイ広告 入札戦略「コンバージョン価値の最大化」 | 2025/5/19~ | 正式提供開始、ROAS最適化を目指す広告主にとって重要な選択肢 |
生成AIサービス利用規約改訂 | 2025/6/23~ | 個人情報入力時の法的責任明確化、適切なデータ利用とコンプライアンス遵守 |
ディスプレイ広告 顧客データ連携の従来形式利用終了 | 2025/6/30~ | 新形式(メアド小文字のみ、電話番号国番号付き)への変更必須、データ精度向上へ |
検索広告 キャンペーン一覧グラフ「フィルター適用」機能 | 提供中 | 一覧画面のフィルターをグラフに反映、レポーティング・分析の効率化 |
検索広告(ショッピング)にて「商品情報掲載」を無料化
2025年5月14日から、Yahoo!広告の検索広告(ショッピング)において、検索連動型ショッピング広告を掲載する際に配信必須となっている「商品情報掲載」が成果課金型ではなく、無料になりました。
- 影響: これは、対象となる広告主にとって大きなメリットです。商品情報掲載を介して商品が購入された場合でも料金はかからず、月額予算設定も不要になるため、実質的に無料で商品露出と集客の機会を得られることになります。特に中小規模のEC事業者にとっては、コストを抑えつつ販売チャネルを拡大できるチャンスです。
成果課金という特性上、支払いタームや成果否認作業がネックとなり取り組めていなかった広告主も少なくないのではないでしょうか?今回の無料化を機に導入もさらに広がっていきそうですね。
▼ 参考:検索広告(ショッピング)商品情報掲載の無料化について|LINEヤフー for Business
Yahoo!検索連動型ショッピング広告(SSA)については以下もチェック。
検索連動型ショッピング広告(SSA):商品グループ作成時の「ブランド」選択が不可に
2025年5月20日より、検索連動型ショッピング広告(SSA)で商品グループを新規作成する際に「ブランド」が選択できなくなりました。
- 背景・目的: より柔軟で詳細な商品属性に基づいた広告運用を促す意図があると考えられます。ブランドという大きな括りだけでなく、商品の特性やマーケティング戦略に応じた、よりきめ細やかなグループ分けが推奨される流れでしょう。
- 影響: 既存の「ブランド」を用いた商品グループは引き続き広告配信や入札価格の編集が可能ですが、新規作成や既存グループへの「ブランド」による追加設定はできません。これまでブランド単位でキャンペーンを管理・分析していた広告主は、運用方針の見直しが必要になる場合があります。
- 運用上のポイント: 今後、ブランドを軸にした運用を継続したい場合は、「商品属性カスタムラベル」の活用が推奨されています。例えば、カスタムラベルにブランド情報を設定することで、従来と同様のグループ分けやレポーティングが可能です。この機会に、商品フィードの整備とカスタムラベルの戦略的な活用方法を検討しましょう。
▼ 参考:
検索広告(ショッピング) SSA 商品グループ作成の機能変更について|LINEヤフー for Business
商品グループの作成、編集(検索連動型ショッピング広告) - ヘルプ - Yahoo!広告
ディスプレイ広告(アプリ計測):オーディエンスリスト作成画面がシンプルに
2025年5月28日より、ディスプレイ広告のアプリ計測において、「アプリユーザー」のオーディエンスリスト作成・編集画面から「カスタムラベル」と「ページ種別」の項目が削除されます。
- 背景・目的: 広告管理ツールの表示を簡素化し、運用者の操作性を向上させることが主な目的です。利用頻度の低い項目や、他の機能で代替可能な項目を整理することで、より直感的なインターフェースを目指していると考えられます。
- 影響: この変更による広告配信への直接的な影響はありません。ただし、これまでこれらの項目を活用してオーディエンスリストを細かく設定・管理していた場合は、設定方法の見直しが必要になる可能性があります。
- 運用上のポイント: 事前に自社の設定状況を確認し、もし「カスタムラベル」や「ページ種別」を用いた設定変更を予定していた場合は、確認を行いましょう。
▼ 参考:【ディスプレイ広告】アプリ計測における機能変更について|LINEヤフー for Business
ディスプレイ広告(アプリ計測):トラッキング用パラメータが全キャンペーン目的で利用可能に!
2025年6月4日(水)より、ディスプレイ広告のアプリ計測において、これまで利用が一部キャンペーン目的に限定されていたトラッキング用パラメータ「{ci}」(クリエイティブID)および「{deviceAppType}」(デバイスアプリ種別)が、全キャンペーン目的で利用可能になります。
- 影響: これにより、「アプリ訴求」以外のキャンペーン目的(例:ウェブサイト誘導や動画再生など)においても、より詳細なトラッキングと効果測定が可能になります。例えば、どのクリエイティブがアプリインストール後の特定行動に貢献したか、などをより広い範囲で分析できるようになります。
- 運用上のポイント: コンバージョン測定補完機能と合わせて活用することで、広告効果測定ツールへのデータ連携が強化され、コンバージョン計測率の向上が期待できます。利用可能なパラメータが増えることで、より多角的な分析とキャンペーン改善に繋げられるでしょう。自社の計測ツールとの連携設定やレポート項目を見直してみましょう。
▼ 参考:【ディスプレイ広告】アプリ計測における機能変更について|LINEヤフー for Business
ディスプレイ広告:入札戦略「コンバージョン価値の最大化」が正式リリース
2025年5月19日より、ディスプレイ広告の入札戦略「コンバージョン価値の最大化」が正式提供開始されました。
- 影響: この入札戦略は、単にコンバージョン数を増やすだけでなく、個々のコンバージョンの「価値」を最大化するように入札価格を自動で調整します。例えば、高価格帯の商品購入や、LTV(顧客生涯価値)の高い顧客獲得など、より収益性の高いコンバージョンを重視した運用が可能になります。ROAS(広告費用対効果)の最大化を目指す広告主にとっては非常に強力な選択肢となるでしょう。
- 運用上のポイント: 導入には、正確なコンバージョン値の計測設定が不可欠です。また、機械学習による最適化のため、一定の学習期間が必要となる場合があります。他の自動入札戦略と同様に、導入初期はパフォーマンスを注視し、必要に応じて目標値や予算を調整することが重要です。
▼ 参考:【ディスプレイ広告(運用型)】入札戦略「コンバージョン価値の最大化」正式提供開始のお知らせ|LINEヤフー for Business
Yahoo!広告:生成AIサービス利用規約が改訂へ
2025年6月23日よりYahoo!広告の生成AIサービス利用規約が改訂されます。まだYahoo!広告内で提供される生成AIサービスを利用する機会は多くないかもしれませんが、今後拡大していく方向性というのは疑う余地がありませんので、確認しておきましょう。
- 主な変更点: 利用者が広告作成などのために生成AIサービスの入力フォームに個人情報を入力する場合、その情報をOpenAI,L.L.C.、OpenAI OpCo,LLC、およびGoogle LLCに提供するために必要な法的手続き(例:本人同意の取得など)を、利用者自身の責任において実施する必要があることが明確化されました。
- 背景・目的: 生成AIの利用が拡大する中で、個人情報保護の重要性が改めて強調されています。プラットフォーム提供者として、利用者に対して適切なデータ利用とコンプライアンス遵守を促すための措置と考えられます。
- 運用上のポイント: 広告クリエイティブやターゲティング設定に顧客の個人情報を活用する際は、この規約改訂を念頭に置き、必要な同意取得プロセスやプライバシーポリシーの確認・更新を徹底しましょう。
▼ 参考:「Yahoo!広告 生成AIサービス利用規約」改定のお知らせ(2025/6/23適用開始)|LINEヤフー for Business
ディスプレイ広告:顧客データ連携の従来形式が利用終了へ
2025年6月30日をもって、ディスプレイ広告における顧客データ連携の従来形式の利用が終了となります。
- 変更内容: 現在、従来形式を利用中の広告主は、新形式(メールアドレスは小文字のみ、電話番号は国番号付きのE.164形式で提供)へのデータ形式変更が必要です。
- 背景・目的: データ形式を統一することで、プラットフォーム側でのデータ処理の精度や効率を高め、結果としてオーディエンスターゲティングの品質向上に繋げる狙いがあると考えられます。また、グローバルスタンダードな形式に合わせることで、システム間の連携もスムーズになります。
- 運用上のポイント: 利用終了日までに必ず新形式への対応を完了させる必要があります。対応が遅れると、顧客データを用いたオーディエンスリストの更新や新規作成ができなくなる可能性があります。自社で管理している顧客データのフォーマットを確認し、変換作業の計画を立てましょう。
▼ 参考:【ディスプレイ広告】顧客データ連携における従来形式の終了について|LINEヤフー for Business
検索広告:キャンペーン一覧のグラフ表示に「フィルター適用」機能が追加
検索広告のキャンペーン一覧画面のグラフ表示エリアに「フィルター適用」機能が追加されました。任意のキャンペーンだけを可視化して素早く傾向を把握できるのはうれしいですね。
- 影響: これまで、一覧画面で特定の条件(例:特定のキャンペーン名、ステータスなど)で絞り込み表示を行っても、上部のグラフエリアにはそのフィルターが反映されませんでした。今回のアップデートにより、一覧の表示内容とグラフの表示内容が連動するため、より直感的かつ効率的にパフォーマンス分析を行えるようになります。
- 運用上のポイント: 例えば、「過去30日間でCV数が10以上のキャンペーンのみ」といった条件で絞り込んだ際に、その対象キャンペーンだけの推移をグラフで視覚的に確認できるようになります。レポーティング作成や日々のモニタリング作業の効率化に繋がる便利な機能改善です。
- 注意点:「フィルター適用」がオフの場合、削除済みのデータはグラフに含まれますが、オンの場合は含まれません。
▼ 参考:
【Google広告】
Google広告では、毎年開催されるGoogleのマーケティング関連のイベント「Google Marketing Live」が開催され、直近のアップデートを含め今後実装されていくさまざまな機能が紹介されました。今年も引き続きAI関連の話が多いですが、すでに実装が進んでいるものも多く、導入がこれまで以上に進んでいきそうです。また、AI Overviewに加え「AI MODE」も発表され、検索体験が大きく変わる構想が印象的でした。
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
Googleタグゲートウェイ開始 | 提供中 | ファーストパーティデータ戦略強化、サーバーサイドタギング等を独自インフラで |
Google Marketing Live 2025 AI活用キャンペーン機能強化 | 随時実装予定 | P-MAXレポート機能強化、AI Max for Search、Demand Gen強化などAI中心の進化 |
ヘルスケア・医薬品ポリシー更新 | 2025年6月~ | カナダと米国以外でのメラトニン商品の広告掲載が許可 |
Googleタグゲートウェイの提供開始。ファーストパーティデータ戦略を強化

広告主がファーストパーティデータ戦略を強化できるよう、Googleタグゲートウェイが開始されました。
- 背景・目的: Cookie規制などプライバシー保護強化の流れの中で、ファーストパーティデータの重要性がますます高まっています。Googleタグゲートウェイは、広告主が自社のウェブインフラストラクチャ(例:自社サーバーやCDN)を通じて、クライアントサイドとサーバーサイドの両方でGoogleタグ(GoogleアナリティクスタグやGoogle広告タグなど)を実行できるようにするものです。
- 影響: これにより、広告主はタグ管理の柔軟性とコントロールを高めることができます。特にサーバーサイドタギングを活用することで、ブラウザの制約を受けにくくなり、計測データの精度向上やサイトパフォーマンスの改善、セキュリティ強化などが期待できます。より高度なデータ活用を目指す企業にとって重要な選択肢となるでしょう。
- 運用上のポイント: 導入には専門的な知識や技術リソースが必要となる場合があります。自社の状況や目的を考慮し、メリット・デメリットを比較検討した上で導入を検討しましょう。
▼ 参考:
- 広告主向け Google タグ ゲートウェイでコンバージョンの測定と広告のパフォーマンスを向上 - Google 広告 ヘルプ
- 広告主様向けの Google タグ ゲートウェイを設定する | Google tag gateway for advertisers | Google for Developers
イメージが付けづらい、という方は以下の実例での解説も分かりやすかったのでおすすめです。
広告主向け Google タグゲートウェイを Cloudflare (無料版)で実装する方法 – Yuwai株式会社
Google Marketing Live 2025:AI活用の新機能に期待が高まる
毎年恒例のGoogle Marketing Liveでは、今年もAIを中心とした多くの新機能やキャンペーン強化策が発表されました。これらは今後順次実装されていく予定です。
- 全体的な傾向: Google広告のあらゆる側面でAIの活用が深化し、広告運用はより自動化・最適化の方向へ進んでいます。運用者は、AIをいかに理解し、戦略的に活用するかが問われる時代になってきています。
主な発表内容
- Performance Max(P-MAX)の強化
- 各チャネル(検索、ディスプレイ、YouTubeなど)ごとの成果をより詳細に把握できるレポート機能が追加される見込みです。これにより、P-MAXのブラックボックス性がいくらか解消され、改善アクションに繋がりやすくなります。
- 検索語句に関するより詳細な分析が可能になり、P-MAX経由でどのような検索ニーズに応えられているのかを把握しやすくなります。
参考:Channel performance reporting coming to Performance Max
- AI Max for Searchキャンペーンの強化:
- AIによるキーワード拡張機能がさらに進化し、より広範かつ関連性の高い検索語句に広告を表示できるようになることが期待されます。
- スマート自動入札もAIによって継続的に強化され、目標達成に向けた最適化精度が向上します。
参考:Introducing AI Max for Search campaigns
- Demand Genキャンペーンの展開
- YouTube(特にShorts)やGmail、DiscoverといったGoogleの主要なビジュアルリッチな配信面でのエンゲージメントとコンバージョン獲得を目的としたDemand Genキャンペーンが強化されます。
- 将来的にはGoogleマップでのプロモーションも可能になる予定であり、オフラインへの送客にも繋がる可能性があります。
参考:Google Promoted Pins come to Maps for Demand Gen campaigns
- 運用上のポイント: これらの新機能が実装された際には、積極的にテストし、自社のビジネス目標達成にどう貢献できるかを見極めることが重要です。AIに任せられる部分は任せつつ、人間は戦略策定やクリエイティブ改善、AIの学習データとなるビジネスシグナルの提供といった役割に注力していく必要があります。
▼ 参考:Google Marketing Live 2025: Your roundup of announcements - Google 広告 ヘルプ
GML2025関連の公式リンクまとめ
公式だけでも、非常に多くの情報が公開されていますので、主なものをジャンル別にまとめました。辞書代わりにしたり、さらに詳しい情報を調べたりにご参考ください。(NotebookLMに取り込んで探すのもおすすめです)
ダイジェスト
- Google Marketing Live 2025: News and Updates https://blog.google/products/ads-commerce/google-marketing-live-2025/
- Google Marketing Live 2025: Your roundup of announcements https://support.google.com/google-ads/answer/16290177
- Google Marketing Live 2025 – Keynote(動画 90 分)
https://www.youtube.com/watch?v=Aem4LcsFNE0 (YouTube)- 各発表の詳細をまとめた全49ページの英語ドキュメント
検索 & 入札
- More opportunities for your business on Google Search(AI Overviews / AI Mode 広告枠拡張) https://blog.google/products/ads-commerce/google-search-ai-brand-discovery/
- Expand your universe of conversions with Smart Bidding Exploration https://blog.google/products/ads-commerce/smart-bidding-exploration-ai/
- Unlock next-level performance with AI Max for Search campaigns https://blog.google/products/ads-commerce/google-ai-max-for-search-campaigns/
- Channel performance & search-term reporting coming to Performance Max https://blog.google/products/ads-commerce/channel-performance-reporting-coming-to-performance-max/
クリエイティブ & ショッピング体験
- 4 new ways Google AI powers creativity(Veo/Imagen/Asset Studio など) https://blog.google/products/ads-commerce/google-ai-ads-creative/
- Shop with AI Mode & virtual try-on using your own photos https://blog.google/products/shopping/google-shopping-ai-mode-virtual-try-on-update/
計測・データ
- Get more from your ads with the latest AI measurement tools
https://blog.google/products/ads-commerce/google-ai-ad-campaign-measurement-update/ - Four new ways we’re helping marketers improve data strategies & app measurement https://blog.google/products/ads-commerce/marketers-data-strategy-app-management/
エージェント機能(Agentic Capabilities)
- Drive peak campaign performance with new agentic capabilities https://blog.google/products/ads-commerce/ai-agents-marketing-advisor/ (blog.google)
ポリシー更新:「ヘルスケアと医薬品」メラトニン広告掲載の範囲拡大
2025年6月から「ヘルスケアと医薬品に関するポリシー」が更新され、これまで一部地域に限定されていたメラトニン(睡眠改善効果が期待される成分)を含む商品の広告掲載が、カナダと米国以外でも許可されるようになります。
- 背景・目的: 健康やウェルネスへの関心の高まりを背景に、メラトニン関連商品の市場がグローバルに拡大していること、また一部地域での規制緩和の動きなどを反映したポリシー変更と考えられます。
- 影響: これまでメラトニン商品を扱っていても広告掲載が難しかった地域の広告主にとって、新たな市場への参入や販売拡大の機会となります。
- 運用上のポイント: ただし、広告掲載が許可されるといっても、各地域の法律や業界規制、そしてGoogle広告のポリシー全体を遵守する必要があります。特に医薬品やサプリメントに関する広告は依然として厳格な審査基準があるため、広告文やランディングページの内容には細心の注意を払いましょう。
▼ 参考:ヘルスケアと医薬品に関するポリシーの更新(2025 年 6 月) - Google 広告ポリシー ヘルプ
【Meta広告】
先日公開されたMetaの創業者、マーク・ザッカーバーグ氏のインタビューでは、AIを活用して広告作成、ターゲティング、測定のプロセス全体を自動化し、「究極のビジネスエージェント」を提供する構想について話されていました。加えて、2025年中にAIツールを使った広告の完全作成とターゲティング広告の実施を目指しているという報道も出ており、想像以上に早く環境の変化が起こるかもしれません。
ただ、不安を覚えるのは真っ当であるものの、想像だけで物事を考えないよう適切に恐れたいものですね。僕はそんなときに、この記事を思い出します。とにかく不安という方はぜひ。
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
Meta広告のインクリメンタルアトリビューションが測定可能に | 提供中 | 広告によってコンバージョンが発生するかどうかを予測する機械学習モデルを使用し、広告によって発生した増分効果を把握できる |
Meta広告のインクリメンタルアトリビューションが測定可能に
Meta広告におけるインクリメンタルアトリビューションは、広告がビジネス成果にどれだけ「純粋に」貢献したかを測定するアプローチです。アトリビューション設定より簡単に確認できるようになりました。
背景・目的: 従来の広告効果測定では、間接的な効果やオーガニックな成果との区別が難しい場合がありました。インクリメンタルアトリビューションは、「広告に接触しなかった場合と比較して、広告接触によってどれだけ成果が増加したか」という広告の真の増分効果を明らかにすることを目的としています。これにより、広告予算の最適な配分やROIの正確な評価を支援します。
主な仕組み(インクリメンタリティテスト):
- テストグループとコントロールグループの設定: ターゲットオーディエンスをランダムに2つのグループに分けます。一方のテストグループには広告を配信し、もう一方のコントロールグループには広告を配信しません。
- 効果測定と比較: 一定期間後、両グループのコンバージョン数やその他の重要指標を比較します。
- 増分効果の算出: テストグループとコントロールグループの成果の差が、広告による純粋な増加分(インクリメンタルリフト)となります。
影響・メリット:
- 広告の真の価値を理解: 広告が実際にどれだけの追加成果を生み出しているかを正確に把握できます。
- 予算配分の最適化: 効果の高い広告キャンペーンや戦略に、より多くの予算を自信を持って投下できます。
- ROIの向上: 広告投資に対するリターンを最大化し、マーケティング活動全体の効率を高めます。
- データに基づいた意思決定: 広告戦略の改善や新しい施策の評価において、より確かなデータに基づいた判断が可能になります。
▼ 参考:インクリメンタルアトリビューションについて | Metaビジネスヘルプセンター
【Microsoft広告】
Microsoft広告もAIも含めて毎月多くのアップデートがありますね。日本では後発だったというのはもはや影も形もなく、広告プラットフォームとしても存在感を増しているのではないでしょうか。
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
Ads StudioがMicrosoft Advertising Editorに統合 | 提供中 | AI搭載クリエイティブツール集約、制作から管理までシームレスに |
オーディエンス広告 ネイティブ広告にビジネスロゴとCTA追加 | 提供中 | ブランド訴求力とクリック誘導強化、広告効果向上へ |
オーディエンス広告 キャンペーン概要タブに診断ツール導入 | 提供中 | キャンペーン健全性のリアルタイムチェックと問題解決支援 |
ネイティブキャンペーン 動画アセット追加機能 | 提供中 | Microsoft Advertising Network全体で動画によるリッチな訴求が可能に |
スマートキャンペーンがP-MAXキャンペーンへ段階的アップグレード | 2025年5月中旬~ | AI主導の最適化強化、ROI向上期待(一部対象外あり) |
Ads StudioがEditorに統合、AI搭載クリエイティブツールが登場
Ads StudioがMicrosoft Advertising Editorに統合され、AIを搭載したクリエイティブツール群が一元的に利用可能になりました。
- 背景・目的: 広告運用におけるクリエイティブの重要性が増す中、その制作・管理プロセスを効率化し、AIの力でより効果的なアセット作成を支援することが狙いです。Editor内で完結することで、作業フローがスムーズになります。
- 主な機能:
- 生成AIを活用した画像や背景の生成
- ディスプレイバナーの自動作成
- 既存画像の編集機能(例:不要なオブジェクトの除去、背景の変更など)
- アセット単位でのパフォーマンス分析
- ブランドキット(ロゴ、カラースキームなど)を登録し、ブランドイメージに一貫性のあるアセットを効率的に生成
- 影響: クリエイティブ制作のスキルやリソースが限られている広告主でも、AIのサポートにより多様なバリエーションのアセットを迅速に準備できるようになります。また、パフォーマンス分析に基づいた改善も行いやすくなります。
▼ 参考:Ads Studio in Editor and other product updates for May | Microsoft
オーディエンス広告:ネイティブ広告にビジネスロゴとCTAが追加可能に
Microsoft Audience Network上のネイティブ広告において、広告主のビジネスロゴと、より目立つ行動喚起(CTA)ボタンを追加できる機能が導入されました。
- 影響: ビジネスロゴの表示は、広告の信頼性向上やブランド認知度アップに貢献します。また、明確なCTAボタンはユーザーの次のアクションを促しやすくするため、クリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。
- 運用上のポイント: ロゴは視認性の高いものを設定し、CTAは広告の目的やターゲットユーザーに響く文言を選びましょう。これにより、広告の訴求力全体を高めることができます。
▼ 参考:Ads Studio in Editor and other product updates for May | Microsoft
オーディエンス広告については以下の記事で詳しくチェックしてください。
オーディエンス広告:キャンペーン概要タブに診断ツールが新登場
オーディエンス広告のキャンペーン概要タブに、新たに診断ツールが導入されました。
- 機能: このツールは、キャンペーン設定、課金状況、編集内容、入札戦略、コンバージョン設定などについて、リアルタイムで健全性をチェックし、問題点や改善提案を提示します。多くの場合、ワンクリックで問題を修正することも可能です。
- 影響: これまで見過ごしがちだった設定ミスや機会損失を早期に発見し、迅速に対処できるようになります。キャンペーンのパフォーマンスを安定させ、最適化を効率的に進める上で役立ちます。
- 運用上のポイント: 定期的にこの診断ツールを確認する習慣をつけることで、キャンペーンを常に良好な状態に保つ手助けとなります。
▼ 参考:Ads Studio in Editor and other product updates for May | Microsoft
ネイティブキャンペーンに動画アセットが追加可能に
ネイティブキャンペーンにおいて、新たに動画アセットを追加する機能が導入されました。
- 影響: これまで主に静止画が中心だったネイティブ広告枠で動画を活用できるようになることで、よりリッチで魅力的な訴求が可能になります。Microsoft Advertising Network(MSN、Outlook.com、Microsoft Edgeなど)の広範なユーザーに対して、動画ならではの高いエンゲージメント効果が期待できます。
- 運用上のポイント: 短尺でもユーザーの興味を引くような、質の高い動画コンテンツを用意することが重要です。静止画広告とは異なる視点で、動画広告のパフォーマンスを測定し、最適化していく必要があります。
▼ 参考:Ads Studio in Editor and other product updates for May | Microsoft
スマートキャンペーンがP-MAXキャンペーンへ段階的にアップグレード
2025年5月中旬から、Microsoft Advertisingのスマートキャンペーンが、パフォーマンスマックス(P-MAX)キャンペーンへと段階的にアップグレードされます。
- 背景・目的: Google広告と同様に、Microsoft AdvertisingもAI主導によるキャンペーン最適化の流れを加速させています。P-MAXは、より広範な配信面とAIによる自動最適化を組み合わせることで、広告主の目標達成を支援する統合型キャンペーンタイプです。
- 影響: アップグレードにより、広告の投資収益率(ROI)向上が期待されます。AIがより多くのシグナルを活用して配信を最適化するため、手動での細かな調整よりも効率的に成果を上げられる可能性があります。
- 注意点: アップグレード完了後、キャンペーン履歴はレポートで確認可能ですが、Google広告からインポートされたスマートキャンペーンはこの自動アップグレードの対象外となる点に注意が必要です。また、広告の関連性とパフォーマンス向上のため、自動生成されたアセットが追加されることがありますが、これらはアセットグループ設定で管理できます。
▼ 参考:Ads Studio in Editor and other product updates for May | Microsoft
【SmartNews Ads】
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
SmartNewsビジネスマネージャー機能リリース予定 | 2025年5月14日頃~ | 複数アカウントの一元管理、アクセス権限設定など効率化 |
広告マネージャー v1提供終了スケジュール変更 | 2025年6月20日~段階的停止 | 旧バージョンから新バージョンへの完全移行、早めの対応が必要 |
「SmartNews Ads利用規約」「データポリシー」改定 | 2025年6月11日~ | 新機能追加に伴うもの、特にビジネスマネージャー管理者は確認を |
SmartNewsビジネスマネージャー機能がリリース
2025年5月14日頃から、すべての広告主・代理店アカウント向けにSmartNewsビジネスマネージャー機能の提供が開始されています。
- 機能・目的: 複数の広告アカウントやユーザー、支払い情報などを一元的に管理し、アクセス権限の設定などを効率的に行うためのツールです。特に複数のブランドやクライアントを抱える代理店や大企業にとって、運用効率の大幅な向上が期待できます。
- 詳細: ユーザーアクセス管理やアカウントの関連付けが効率化されます。ビジネスマネージャーからの新規ユーザーアカウント作成機能は6月上旬頃に提供予定とのことです。
- 運用上のポイント: これまでアカウントごとにログイン・ログアウトを繰り返していた手間が省け、セキュリティ管理も強化される可能性があります。提供開始後は、自社の運用体制に合わせて設定を見直しましょう。
▼ 参考:SmartNewsビジネスマネージャーのリリース | SmartNews Ads ヘルプセンター
広告マネージャー v1提供終了までのスケジュールが変更
SmartNews Adsの旧広告管理画面である広告マネージャー v1の提供終了までのスケジュールが変更されました。v1を利用している広告主は、新バージョンへの移行が必須となります。
- 背景・目的: プラットフォームとして機能改善や新機能追加を新バージョンに集約し、ユーザーにより良いサービスを提供するため、旧バージョンのサポートを終了するものです。
- 提供終了スケジュール:
- 2025年6月20日から:
- v1でのカスタムオーディエンス作成が停止されます。
- アプリキャンペーンのv2(新バージョン)への自動移行が開始されます。
- 2025年7月中旬:
- v1のカスタムオーディエンス自動更新機能が停止されます。
- 2025年8月中旬:
- 新規キャンペーンや広告グループへのv1カスタムオーディエンスの設定ができなくなります。
- 2025年第3四半期下旬:
- v1のカスタムオーディエンスがv2上で非表示となり、v1の完全提供停止が実施されます。
- 2025年6月20日から:
- 運用上のポイント: スケジュールを確認し、計画的にv2への移行作業を進める必要があります。特にカスタムオーディエンスを利用している場合は、v2での再設定や仕様確認が重要です。自動移行される機能と手動での対応が必要な部分を把握し、広告配信に影響が出ないよう早めに対処しましょう。
▼ 参考:[5/21更新:重要]広告マネージャー v1 提供終了までのスケジュールについて | SmartNews Ads ヘルプセンター
「SmartNews Ads利用規約」「SmartNews Adsデータポリシー」が改定
2025年6月11日に「SmartNews Ads利用規約」および「SmartNews Adsデータポリシー」が改定されます。
- 背景・目的: 2025年7月初旬に予定されている新機能(おそらくSmartNewsビジネスマネージャーに関連するもの)の追加に伴い、関連する規約やポリシーを整備するものです。
- 注意点: 新しい利用規約は、SmartNewsビジネスマネージャーの管理者権限を持つユーザーにのみ表示されるとのことです。該当するユーザーは、改定内容を必ず確認し、理解しておく必要があります。
▼ 参考:「SmartNews Ads利用規約」および「SmartNews Adsデータポリシー」の改定 | SmartNews Ads ヘルプセンター
【LINE広告】
アップデート内容 | 適用日/状況 | 概要 |
---|---|---|
LINE Creative Lab 生成AIによる画像生成機能提供開始 | 提供中 | テキストプロンプトから広告用画像を簡単生成、クリエイティブ制作効率化へ |
LINE Creative Lab:生成AIでテキストから画像が作れるように
ビジネス用クリエイティブツール「LINE Creative Lab」で、生成AIによるテキストからの画像生成機能が提供開始されました。
- 機能: 広告主は、作成したい画像のイメージを文章(プロンプト)で入力するだけで、写真風、デジタルアート風など様々なスタイルの広告に適した画像を簡単に生成できます。
- 影響: これまで画像制作に時間やコストをかけられなかった広告主や、多様なクリエイティブパターンを試したい広告主にとって、非常に強力なツールとなります。クリエイティブの量産やABテストの実施が容易になり、広告効果の改善サイクルを早めることが期待できます。
- 特長: 生成した画像は、LINE広告だけでなくYahoo!広告でもすぐに使用可能です。この機能は、Google LLCのAIモデル「Gemini」とOpenAIのAPIという、最先端のAI技術を活用しています。
- 運用上のポイント: 生成AIの特性を理解し、効果的なプロンプトを作成するスキルが求められます。また、生成された画像が意図通りか、著作権や肖像権などの問題がないかといった最終確認は人間の目で行う必要があります。
▼ 参考:ビジネス用クリエイティブツール「LINE Creative Lab」で、生成AIによるテキストからの画像生成機能を提供開始|LINEヤフー株式会社
詳しくはこちらの記事もチェック。
各アップデートが持つ意味や背景を理解することで、より戦略的な広告運用が可能になります。これらの情報を参考に、ぜひ自社・支援先の広告パフォーマンス向上に繋げてください。
※免責事項: 上記は本記事作成時点での情報に基づいています。最新かつ詳細な情報については、必ず各広告プラットフォームの公式サイトやヘルプドキュメントをご参照ください。また、一部解説には一般的な広告運用の観点からの推測や考察が含まれています。