
検索連動型広告の成果を向上させるためには、キーワードの検索意図を的確に捉え、それに合った見出しや説明文の作成が重要です。しかし、手動で広告文を最適化し続けるのは時間も手間もかかる上、レスポンシブ検索広告には登録できるアセットの数に上限があるため、すべての検索意図をカバーするのは容易ではありません。
その結果、「設定した見出しや説明文が検索意図とズレている」「パフォーマンスを改善したいが、手作業では限界がある」といった課題に直面している方も多いのではないでしょうか?
そこで活用したいのがGoogle 広告の「自動作成アセット」です。この機能を利用すると、レスポンシブ検索広告で登録している既存のアセットと組み合わせて追加の見出しと説明文を自動で作成してくれます。さらに、設定できる上限数を超えて見出しと説明文を登録が可能なため、ひとつの広告文でより多くの検索意図をカバーすることも期待できます。
便利な一方で、利用時には注意するべきこともあります。この記事では、「自動作成アセット」機能をまだ使用したことがない方に向けて、機能の詳細やメリット・デメリット、設定方法まで解説していきます。


目次
「自動作成アセット」とは?
自動作成アセットとは、登録しているランディングページや広告、キーワードに基づいて追加の見出しと説明文を自動で生成できる機能です。生成されたアセット(広告見出しと説明文)は、すでに入力しているアセットと組み合わせて広告配信に活用できます。
設定は任意で有効化できるオプトイン方式となっており、キャンペーン単位で適用可能です。
ただし、あくまでも既存のレスポンシブ検索広告を補完する機能であるため、あらかじめ手動での広告設定も必要ですので、ご注意ください。
「自動生成アセット」とは別の機能
なお、Google 広告には、「自動生成アセット」という似た名称の別の機能があります。
自動生成アセットは動的サイトリンクや動的スニペットコールアウトなど、広告の下に表示されることがあるアセットを自動で作成する機能で、アカウント単位で設定するものになりますので、間違えないように注意しましょう。
「自動作成アセット」のメリット
自動作成アセットには下記の3つの特徴があります。導入を検討する際に参考にしましょう。
①広告の関連性を高め、パフォーマンス向上が期待できる
自動作成アセットの見出し、説明文は、ランディングページや既存の広告、登録しているキーワードに基づいて生成されます。それぞれで一貫した情報をユーザーに提供し、広告の関連性を高めることで、パフォーマンスの向上が期待できます。
②上限の設定数を超えて、より多様な検索意図に対応
レスポンシブ検索広告では、見出しは最大15個、説明文は最大4つまで設定可能です。しかし、登録するキーワードの種類が多く、ユーザーの検索意図が幅広い場合、事前に設定したアセットだけでは十分に対応しきれないケースもあります。
自動作成アセットは、この上限にカウントされず生成されるため、既存の設定だけではカバーしきれない検索意図にも対応できる仕組みです。
③見出し、説明文作成の手間を減らし、業務効率を向上
検索語句は日々変化し、そのたびに見出しや広告文を手動で調整・追加するのは容易ではありません。さらに、より広範囲にリーチできるマッチタイプ「インテントマッチ(旧:部分一致)」を活用すると、想定外の検索語句にも広告が配信されるケースが増えます。
自動作成アセットを活用すれば、手作業では対応しきれない検索語句にも適切な広告を表示できるため、見出しや説明文の作成にかかる工数を削減し、業務効率の向上が期待できるでしょう。
もし、これまで以上に検索語句との関連性を高めたい、設定上限を気にせず多様な検索意図に対応したい、見出しや説明文の作成負担を減らしたい といった課題を抱えている場合、自動作成アセットの活用は効果的です。
「自動作成アセット」の設定方法
自動作成アセットは、以下の3つの手順で簡単に設定できます。
①自動作成アセットはキャンペーン単位で設定します。まずは適用したいキャンペーンを選択し、キャンペーンの「設定」タブをクリックします。
②表示された設定画面で、「自動作成アセット」を「有効」にしましょう
③「有効」を選択すると、上記のように確認画面が表示されますので、「有効にする」をクリック。最後に「保存」ボタンをクリックすれば、設定完了です。
自動作成アセットの実績の確認方法
自動作成アセットの実績は、以下の手順にてレスポンシブ検索広告の「アセット」の部分から確認できます。
①管理画面の「キャンペーン」タブの、「広告」を選択します。実績を確認したい広告の「アセットの詳細を表示」をクリック。
②「アセットのソース」が「自動作成」と表示されているものが自動作成によって生成されたアセットです。
レスポンシブ検索広告では、見出しや説明文ごとの成果として確認できるのは、表示回数とパフォーマンスの2つのみです。そのため、自動生成された見出しや説明文がコンバージョンにどの程度寄与しているのかを個別に把握することは困難です。成果を判断する際は、アセットの追加前後でキャンペーン全体の成果を比較する必要があります。
また、表示回数が多いアセットは、ユーザーの検索意図に合致している可能性が高いため、その内容を分析し、求められている情報を手動で見出しや説明文として反映することで、PDCAを回しながら成果の向上を図ることが可能です。表示回数のデータを活用し、最適化を進めましょう。
「自動作成アセット」を使用する上での注意点
便利な機能である一方で、本来意図していない設定が反映される場合がありますので、注意が必要です。
自動的に作成された広告アセットが追加されるのには大きな可能性を感じる一方で、内容をコントロールできないため扱いには細心の注意が必要です。
意図しない広告テキストの表示
どの広告主でも気にしておくべきなのが、意図していない内容での掲載です。具体的には次のようなケースが考えられます。
ブランドガイドラインに沿わない内容
ブランドごとの表現ガイドラインを設けている場合、ルールに反する内容が露出する可能性がある以上、利用は積極的におすすめできません。利用する場合には必ずリスクに関して広告主に了承を得る必要があるでしょう。
古いコンテンツの内容
コンテンツの内容がいつも最新とは限りません。更新が間に合っていない場合などに、旧商品名など古いコンテンツを用いた広告テキストが作成されてしまう可能性もあります。
P-MAXではリンク先の拡張も
自動作成アセットはP-MAXでも利用可能ですが、検索キャンペーンとは異なる仕様もあり、さらに注意が必要です。
P-MAXではデフォルトで機能が有効
任意でオプトインする検索キャンペーンとは異なり、P-MAXでは機能がデフォルトで有効となっているため注意が必要です。無効にしたい場合には、設定を行いましょう。
より関連性の高いランディング ページに置き換えも
P-MAXでは広告テキストの追加だけではなく、ランディングページの置き換えも行われる可能性があります。
基本的にはドメイン内のより関連性の高いページが対象となります。ただし、あらかじめ好ましくないURLは除外しておくことをおすすめします。
参考:P-MAX キャンペーンの自動作成アセットについて - Google 広告 ヘルプ
必要に応じて広告グループを分けるのも重要
もし、検索意図の違いが明確であれば、ランディングページも別の方が良い場合が多いこともあり、一つの広告だけですべてを賄おうとせずに、必要に応じて広告グループを分けるべきかも検討するようにしましょう。
まとめ
自動作成アセットは広告分のアセット作成を一部自動化できる便利な機能で、レスポンシブ検索広告の成果改善の一手として有効な手法です。
ただし、必ずしも全ての広告主の方針や施策とはマッチしないこともあり、使用には注意を要する機能です。
まずはこの記事の注意点を参考にした上で、活用を検討してみてください。
