コンサルタントの負担を減らし間接的に利益をあげる、攻めの経理・横山さん。
社内では「攻めの経理担当」と呼ばれている横山さん。利益を生み出す「攻めの経理」とは何か、横山さんがどんな想いで仕事に取り組まれているか、取材しました!

経理業務を一気通貫で担当

―横山さんの普段の仕事内容を教えてください。

帳簿の記帳、資金管理、決算業務、税務業務など、一般的に経理業務と呼ばれる仕事をチームメンバーと一緒にやっています。税務申告だけは税理士に任せていますが、四半期ごとの税金の概算計上なども経理チームが担当です。

上場企業のグループ会社として、経理処理の制度変更や、より厳密な内部統制が求めれているので、その辺りの業務を整えたりしています。他にも予実差異や月次業績を取締役に報告したりもしています。0から1を生み出す作業が多いですね。

―運用型広告コンサルタントと同じで経理も一気通貫なんですね。前職も経理をされていたのでしょうか?

はい、前職も経理でした。ただ、前職は記帳など自動化が進んでいる領域の仕事が多く、決算周りや税務申告など人の介在価値が高い仕事は複数の経理メンバーと共同で進めることが多かったので、一貫しては任せてもらえませんでした。このままじゃAIやRPA(Robotic Process Automation)に代替されるスキルしか積めないと思い、1から10まで経理業務ができるようなベンチャー・中小企業を探したんです。それで当時、経理の内製化を進めていたアナグラムを見つけました。

「攻めの経理」とは

―経理業務も自動化が……!「横山さんは攻めの経理」と社内では言われていますよね。横山さんが考える「守りの経理」「攻めの経理」はどんな違いがあるのですか?

「守りの経理」は、たとえば帳簿の記帳、資金管理、決算業務、税務業務などをミスなくこなしていくことを重視した経理と捉えています。経理においてミスをしないのは大前提なので「守りの経理」は絶対ですね。

そのうえで「攻めの経理」は、直接的か間接的かにかかわらず、会社に利益をもたらす経理業務と捉えています。一般的に経理は間接部門と呼ばれ、直接利益を生むような仕事ではありませんが、だからといって利益に貢献できない仕事ではありません。たとえば、直接的な利益貢献なら銀行からの借入利率を交渉して下げてもらったり、クレジットカードの利用金額に応じたキャッシュバック率を上げたりが考えられますね。

―キャッシュバック?

広告費の支払をクレジットカードで決済することも多いですが、利用金額に応じてキャッシュバックをくれるクレジットカード会社もあるんです。このキャッシュバック率が高いクレジットカードを選んだり、クレジットカード会社と交渉して高めることができれば、それだけ利益を増やせるわけです。

―すごい…影で横山さんが利益を増やしてくれていたんですね。直接的な利益貢献は理解できましたが、間接的な利益貢献はどんな方法があるのでしょうか?

間接的な貢献だと、直接部門と呼ばれる売上を生んでいるメンバーの負担を減らすのが一つです。アナグラムで言えば運用型広告コンサルタントの請求書や経費の事務負担を減らせば、コンサルタントは広告運用に集中できるので会社の売上アップに繋がりますよね。経理として管理は大事なのですが、管理し過ぎてコンサルタントの生産性を下げてはならないと思っています。

たとえば請求書発行の承認フロー。複数名の電子承認がないと請求書発行ができない会社もあるのですが、アナグラムでは内部統制が問題ない範囲でスプレッドシートを活用することで工数を減らしていますね。スプレッドシートは一人ひとりに権限を振り分けたり、毎月シートを更新したり、管理部門側の負担が大きいので、導入したがらない会社も多いかもしれませんが、私たちはコンサルタントの負担を減らすためにスプレッドシートも使っています。

アクセルとブレーキを大事に

―お客様のほうを向いて広告運用に集中できるのは横山さんの配慮のおかげですね!横山さんがお仕事をするうえで大事にされていることは何ですか?

アクセルとブレーキを大事にしています。AIに代替されない「攻めの経理」の比重は今後も上がっていくと思いますが、「守りの経理」を疎かにしていいわけじゃありません。経理は管理のミスがゼロであることが大前提。そのうえで攻めることができます。ミスが頻発したら会社が潰れちゃいますから。そのくらい守りと攻めのバランスに気をつけて、アクセルとブレーキのコントロールを意識しています。

―なるほど。かなり倫理観を求められる仕事ですよね。

はい。誤解をおそれずに言えば経理の立場なら不正もできちゃうんですよ。たまにニュースで流れますよね。たとえばクレジットカード不正利用もそうですし、誰かがお金を持ち出したとか、入金対応に漏れがあるとか。これらを管理しないと会社に損失が出てしまう。そのため社内では内部統制の強化を進めていて、業務が属人化しないような仕組み作りも進めています。

―横山さんが誠実な方で良かったです(安堵)

入社した当初から信頼して任せてもらっていたので、その期待に応えねばという想いでここまで頑張っていますね。

経理としてのこれから

―これからやってみたい仕事はありますか?

経営層への助言ができるくらい専門的な分析をしたいです。今も決算をまとめて、取締役会で報告などはするのですが、事実報告やよくある分析に終始しています。今後は経営視点で価値のある助言や提案をしていきたいですね。監査役の岡田さんがそういった立ち位置だと思いますし、阿部さんも岡田さんの発言は信頼していますからね。岡田さんの役割を奪わねば!という気持ちです。

参考:肩書は代表。役割は究極のサポーター|株式会社リワイア代表 岡田吉弘さん

あとは他部署のメンバーともっと仕事したいです。お客様からキャッシュフロー改善の相談を受けてグロースハックに参加したり、社内で開催した会計勉強会だったり、今でも経理業務以外での関わりはありますが、コミュニケーションを増やして相談しやすい経理を目指したいですね。

編集後記

普段はコンサルタントとデザイナーのみで実施するグロースハック。横山さんが参加してくれたお客様のキャッシュフロー改善提案の会は、神回だったといっても過言ではありません。

そして、横山さんのおかげでどれほどコンサルタントが働きやすい環境が用意されているのか。取材を通して、経理業務自体の話も新鮮でしたが、何より横山さんが影で動いてくれていた仕事に驚くことばかりでした。「攻めの経理」でこれからもよろしくお願いします!