Yahoo!ディスプレイ広告の「オーディエンス分析」とは?概要から活用方法、注意点までを解説

Yahoo!ディスプレイ広告の「オーディエンス分析」とは?概要から活用方法、注意点までを解説

新規ユーザーへのアプローチ方法を立案する際、既存顧客像をもとに仮説ベースで考えることが多いと思います。客観的な数値をもとに確度の高いターゲットを見つけ出せたらいいのに、と思うことはありませんか?

そんなときに活用したいのが、Yahoo!ディスプレイ広告(以下、YDA)の「オーディエンス分析」です。

オーディエンス分析を活用すれば、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて、分析対象のオーディエンスリスト内でのユーザー比率が高い興味関心事を数値で確認できます。そのため、客観的な数値をもとに、分析対象のオーディエンスリストと関連性の高いターゲットやクリエイティブ案を考えられます。

今回は、YDAのオーディエンス分析の概要から活用方法、注意点までを解説します。


オーディエンス分析とは?

オーディエンス分析とは、作成したオーディエンスリストとヤフーユーザー全体とを比較して、指定したオーディエンスリストがどの程度特定のユーザー(特定の事柄に興味・関心を持つユーザーや、特定の属性を持つユーザーなど)を多く含有しているかを値で確認できる機能です。また、その値を「リフト値」と呼びます。

特定の事柄に興味や関心を持つユーザーや特定の属性を持つユーザーの比率が、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて高いのか低いのかを把握することで、既存のクリエイティブの見直しや、新たなターゲットを発見するためのヒントとして活用できます。

※共通オーディエンスリストとは、ユーザーの興味関心や購買意向、属性・ライフイベントなど、 ヤフー社があらかじめ定義したカテゴリごとにユーザーを束ねたリストです。

参考:オーディエンスリストとは - Yahoo!広告ヘルプ

オーディエンス分析が利用可能なオーディエンスリスト

オーディエンス分析を利用できるかどうかは、オーディエンスリストの種類やユーザーサイズによって決まります。また、リフト値を算出できる共通オーディエンスリストは一部です。

次より、リフト値の算出に使用できるオーディエンスリストの条件をそれぞれ説明します。

まず、“分析対象として選択できる”オーディエンスリストは次の4つです。

  • ウェブサイト訪問ユーザー
  • アプリユーザー
  • 顧客データ
  • Yahoo! Audience Discovery

ただし、ユーザーサイズが1,000件未満のオーディエンスリストは分析対象として選択できません。

参考:オーディエンス分析 - Yahoo!広告ヘルプ

なお、“リフト値を算出できる”共通オーディエンスリストは、下記の3つになります。

  • 興味関心
  • 購買意向
  • 属性・ライフイベント

YDA(予約型)で使用可能な下記のオーディエンスリストはリフト値を算出できないので覚えておきましょう。

  • トレンドのイベントや季節の行事に合わせて使用できるターゲティング
  • 市場のニーズは高いが、通常の共通オーディエンスリストでは補完できない興味関心、ユーザー属性ターゲティング

リフト値の算出方法

次は、リフト値のイメージを鮮明にするために、リフト値はどのように算出されるのかを見ていきましょう。

リフト値は次の方法で算出します。

  1. 分析対象のオーディエンスリスト内の特定のカテゴリーに興味関心のあるユーザーを分析対象のオーディエンスリストのユーザー数で割り、分析対象のオーディエンスリストの特定のカテゴリーに興味関心のあるユーザーの含有率を算出
  2. 分析対象のオーディエンスリストの含有率をヤフーユーザー全体の含有率で割ってリフト値を算出

今回は、興味関心カテゴリー(野球・旅行・音楽・アニメ)を例にあげて、リフト値の算出方法を解説します。

画像引用元:オーディエンス分析 - Yahoo!広告ヘルプ内画像をアナグラムで加工

たとえば、興味関心カテゴリー「野球」では、分析対象ユーザー(オーディエンスリスト)の含有率が0.8でヤフーユーザー全体の含有率が0.1のため、リフト値は次の計算式で算出できます。

0.8÷0.1=8.0

リフト値は「1」を基準とするため、1よりも値が高いほど特定の事柄に興味や関心を持つユーザーや特定の属性を持つユーザーの含有率が高いと判断できます。

そのため、今回の分析対象のオーディエンスリストは、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて野球に興味関心のあるユーザーの比率が高いことがわかります。

オーディエンス分析の活用方法

ここからは、ディスプレイ広告において、オーディエンス分析をどのように活用することができるかを紹介します。

新たなターゲットが見つかる

オーディエンス分析は、新たなターゲットの選定に役立ちます。

たとえば、日焼け止めを扱っているECサイトがオーディエンス分析をして興味関心カテゴリー「野球」のリフト値が最も高い場合、分析対象のオーディエンスリストは、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて野球に興味関心のあるユーザーの比率が高いと判断できるため、新たに野球に興味関心のあるユーザーを切り出して関連する広告配信するなどの打ち手が考えられます。

オーディエンス分析機能を利用すれば、客観的な数値にもとづいて新たなターゲットを発見できる可能性があります。

新たなクリエイティブ案の発見につながる

分析対象のオーディエンスリストを使った広告を配信している場合は、リフト値を参考に新たなクリエイティブ案を考えることができます。

たとえば、アパレル企業がオーディエンス分析をして「旅行」のリフト値が最も高かった場合、「旅行用におしゃれな服を新調したい」や「旅行に必要な洋服を買い足したい」といったニーズが考えられますよね。

動きやすくて着回しのきく旅行コーデや、夏にビーチリゾートに行く人を想定したビーチファッションなどのクリエイティブ案が考えられるのではないでしょうか。

このように、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて、分析対象のオーディエンスリスト内でのユーザー比率が高い興味関心事を知ることで、新たなクリエイティブ案の発見につながります。

リフト値の確認方法

それでは、管理画面で実際にリフト値を確認する手順を見ていきましょう。

広告管理画面にログインした後、画面右上より[ツール]をクリックし、ライブラリーの列から[オーディエンスリスト]をクリックします。

左のサイドメニューから[オーディエンス分析]をクリックします。

[選択してください]をクリックします。

分析したいオーディエンスリストをラジオボタンで選択し、[適用]をクリックします。

オーディエンスリストが選択できたら、[分析を開始する]をクリックします。

分析結果が表示され、共通オーディエンスリストのリフト値を降順で確認できます。

リフト値が高いほど、特定の事柄に興味や関心を持つユーザーの比率が、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて高いと判断できます。

オーディエンス分析の注意点

リフト値が表示されないことも

ユーザーサイズが1,000件未満のオーディエンスリストは分析対象として選択できないと前述しましたが、オーディエンス分析が利用できない条件は他にもあります。

以下の2点のいずれかに当てはまるときにリフト値は表示されません。

  • 分析対象のオーディエンスリストのユーザーサイズが1,000件以上でも、該当の興味関心ユーザーが少なく、有効なリフト値が算出できなかった場合
  • リフト値が「1」以下の場合

例をあげて説明します。

例)分析対象:ユーザーサイズ5,000件のオーディエンスリスト

興味関心カテゴリー「ショッピング」:リフト値 2.0
興味関心カテゴリー「おもちゃ」:リフト値 0.5

分析対象のオーディエンスリストのユーザーサイズが1,000件以上なのでリフト値は算出できますが、「おもちゃ」のリフト値は1以下の0.5なので表示はされず、リフト値が1以上の「ショッピング」は表示されます。

リフト値はあくまで参考に

リフト値の算出において、分析対象のオーディエンスリストに含まれるすべてのユーザーが対象になるわけではありません。そのため、分析結果と実際の傾向にずれが生じる可能性があります。

リフト値は、あくまでも参考程度に活用しましょう。広告運用のヒントを得たいときや、ターゲティングの提案をする際の客観的な市場データのひとつとして利用するのがよいでしょう。

まとめ

あくまで参考値ではありますが、オーディエンス分析を活用すれば、ヤフーユーザー全体の含有量と比べて、分析対象のオーディエンスリスト内でのユーザー比率が高い興味関心事を数値で確認できるため、客観的な数値をもとに、既存顧客と関連性の高いターゲットを発見できます。

また、分析対象のオーディエンスリストを使った広告を配信している場合は、リフト値を参考に新たなクリエイティブ案を考えることもできます。

たとえば筆者は、新規ユーザーへのアプローチ方法を立案する際や、さらにアプローチ先を拡大したいタイミングで活用しています。

自身の仮説の精度を高めるためにも、オーディエンス分析をぜひ活用してみてくださいね。

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