運用型広告は、入札したら必ず広告が表示されるわけではありません。さまざまな理由により広告が表示されないことがあります。
広告が表示される可能性に対してどれだけ広告を表示できたのかを測る指標が「インプレッションシェア」です。
今回は、「インプレッションシェア」の定義や計算方法、指標を使った広告パフォーマンスの改善ポイントまで、分かりやすく解説していきます。
目次
インプレッションシェアとは?
インプレッション シェアとは、広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。
インプレッションシェアの算出方法は下記です。
たとえば、広告を表示可能な機会が1,000回あり、そのうち実際に表示することができたのが800回だった場合、インプレッションシェアは80%となります。
インプレッションシェア、計測の仕組み
インプレッション シェアは、その日に行われた広告オークションを対象として、その広告オークションに参加した他の広告主の広告の品質などの複数の内部データに基づいて算出されます。
インプレッション シェアを算出する際は、広告が十分に表示可能だったすべてのオークションが対象となります。たとえば、入札単価が現在の2倍であれば広告を表示できたオークションは対象となるが、入札単価を10倍にしないと表示ができないオークションについては対象外となります。
検索広告のインプレッションシェア
検索ネットワークで広告が、表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。
検索広告のページ最上部インプレッションシェア | 検索広告のページ最上部インプレッション シェアは、オーガニック検索結果ページの最上部に広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。 |
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検索広告のページ上部インプレッションシェア | 検索広告のページ上部インプレッション シェアは、オーガニック検索結果ページの上部に広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。 |
他にも「検索広告のページ最上部インプレッション シェア」と「検索広告のページ上部インプレッション シェア」なども管理画面で確認することができます。
※Yahoo!広告では「ページ最上部のインプレッションシェア」と「ページ上部のインプレッションシェア」と表現されてます。
ディスプレイ広告のインプレッションシェア
ディスプレイ ネットワークで、広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。
ショッピング広告のインプレッションシェア
ショッピング広告のインプレッション シェアの算出方法は検索広告と同様ですが、、同じ広告主が同時に複数のショッピング広告を掲載する可能性も考慮され、算出されます。
同じ広告主のショッピング広告が 1 回のオークションで複数掲載された場合、計測の重複が起こらないように、その同時に掲載された広告の中で、最も高いランクの広告に表示機会が割り当てられます。そのため、インプレッションはすべてのショッピング広告で発生しますが、最初の広告が配信された後に同じオークションで獲得したインプレッション数は、インプレッション シェアには反映されません。これは毎回の広告配信で同様で、検索ごとに発生した最初のインプレッションのみがインプレッション シェアの計算対象となります。
また、インプレッションシェアはターゲット設定や承認状況、広告の品質など、多くの要因をもとに算出されるため、多少の変動があります。
気にしておきたい、インプレッションシェア損失率
設定したキーワードやターゲティングによって変動するため、すべてのキャンペーンおいてインプレッションシェアを100%にする必要はありませんが、重要なキーワードへの配信では、できる限りインプレッションシェアを獲得したいですよね。そのようなとき、インプレッションシェアがどのような理由で損失しているかを把握することが大切です。インプレッションの損失に関する指標については、管理画面で確認することができるので、インプレッション損失について説明していきます。
管理画面では、インプレッションシェアの他にもインプレッションシェアに関する指標を複数見ることができます。今回、「インプレッションシェア損失率(予算)」と「インプレッションシェア損失率(ランク)」について、説明していきます。
インプレッションシェア損失率(予算)
インプレッションシェア損失率(予算)は、広告表示機会の総数に対して、キャンペーンの1日の予算が不足していることにより広告が表示されなかった回数の割合です。
インプレッションシェア損失率(ランク)
インプレッションシェア損失率(ランク)は、広告表示機会の総数に対して、オークションランクが低いことにより広告が表示されなかった回数の割合です。
インプレッションシェアの確認方法
Google 広告、Yahoo!広告ともに広告管理画面の表示項目を指定することでインプレッションシェアが確認できます。
例えば、Google 広告ではキャンペーン、広告グループ、キーワード単位で確認可能です。
オークション分析レポートを使うと、競合状況を含めてインプレッションシェアの状況を確認できます。
また、インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率(ランク)については、キャンペーンと広告グループ、キーワード単位で確認が可能ですが、インプレッションシェア損失率(予算)については、キャンペーンの予算に対しての指標のため、キャンペーン単位のみで確認が可能です。
インプレッションシェアの活用方法
では、インプレッションシェアの指標を、広告運用にどのように活かしていけばよいのか、インプレッションシェアを高めるためにできることを見ていきましょう。
予算による損失がある場合
インプレッションシェアに予算による損失がある場合は、以下のような対策が有効です。
キャンペーンの予算を引き上げる
もっとも簡単なのは、予算を引き上げることです。これにより広告の合計表示回数の割合が増加し、インプレッションシェアも高まります。
ターゲットを絞る
余裕がなく予算の引き上げが難しい場合、ターゲット絞るのも有効です。ただし、獲得が見込まれるインプレッション数やターゲットとなるユーザーが減少してしまうので、注意が必要です。
ランクによる損失がある場合
ランクが低いことによるインプレッションシェアの場合には次のような対策が有効です。
入札単価を引き上げる
入札単価を引き上げると、特定の広告オークションにて表示される可能性を高めることができます。
広告の品質を改善する
検索広告にて、ユーザーにとってより関連性の高い広告追加したり、キーワードとの関連性、リンク先ページと広告の関連性をあげていく ことで、広告品質の改善を図ることができます。広告の品質を上げることで、広告オークションにてより表示回数を増やすことができる可能性が高まります。
ショッピング広告では、上記の方法に加えて対応可能な方法もあります。
データ品質を改善する
ショッピング キャンペーンでは、商品データによって広告の動作や成果が左右されるため、まず商品データを改善していくことで、インプレッションシェアを高めることができます。
まずは、そのインプレッションシェアの損失は改善するべきなのかを考え、損失の原因や広告の目的にあった対策を選定することが大切です。
まとめ
インプレッションシェア自体を改善すべきかどうかについてはケースバイケースです。
重要なキャンペーンやキーワードが限られてるアカウントほど、重要な指標になってきますが、多くの場合インプレッションシェア自体は改善の目的とするのではなく、定義や意味をしっかりと理解した上で、運用やアカウントの構成などの参考として扱い、付き合っていくのがいいと考えています。