Yahoo!ディスプレイ広告における「動画視聴経由のコンバージョン」の仕様と注意するべき点とは?

Yahoo!ディスプレイ広告における「動画視聴経由のコンバージョン」の仕様と注意するべき点とは?

動画広告は、テキストや画像形式の広告に比べて情報量も多く、ブランドのストーリーや商品のメリットや使い方などを伝え商品やサービスを知ってもらったり興味を持ってもらうのに向いている広告フォーマットのひとつです。SNSでは動画広告の利用が一般的ですが、実はYahoo!ディスプレイ広告(以下、YDA)においても動画広告が利用できます。

一方で、動画広告はそのままリンクをクリックすることがなく視聴のみが行われるケースも多く、効果をどのように測定するかお悩みの方も少なくないでしょう。

この記事ではYDAの動画広告の効果を可視化するために利用できる「動画視聴経由のコンバージョン」について、その仕様から注意するべき点についてご紹介します。


動画視聴経由のコンバージョンとは

動画視聴経由のコンバージョンとは、動画を視聴したものの広告をクリックしてリンク先URLを直接訪れず、別の方法で広告主のサイトを訪れて発生したコンバージョンです。

Criteo(クリテオ)が動画広告について行った調査では、動画広告を視聴した後に50%のユーザーがその商品やサービスを検索するというデータもあります。

画像引用元:動画広告を見た後に「商品・サービスを購入した」消費者は39%、「検索する」は5割 | ネットショップ担当者フォーラム 

この調査からも分かるように、動画広告のパフォーマンスを測るためにはクリック経由のコンバージョンだけではなく「動画視聴経由のコンバージョン」を含めての測定が重要です。

動画視聴経由のコンバージョンの計測仕様

画像引用元:動画再生後に発生したコンバージョンの測定 - ヘルプ - Yahoo!広告

YDAの動画視聴経由のコンバージョンにおいては、動画を10秒以上視聴した後に発生したコンバージョンが計測の対象となります。10秒以下の動画の場合は再生完了した場合のみが対象です。

計測期間は初期設定では3日に設定されていますが、1~30日の範囲で一日単位で設定が可能です。

どの日数が適しているかは広告接触から購入まで期間を加味して検討するのがおすすめです。購入まで多くの広告接触がある場合、日数を長くすればするほど動画広告自体の効果かどうかは把握がしづらくなる点には注意しましょう。

動画視聴経由のコンバージョンの利用範囲

コンバージョンの獲得を目的としたキャンペーンで動画広告を利用する場合、動画広告を視聴だけした場合には広告クリックが発生しません。

このため、2023年2月末までは動画視聴経由のコンバージョンは自動入札の最適化には利用されていませんでした。

画像引用元:【ディスプレイ広告(運用型)】動画視聴経由のコンバージョンの広告配信等における活用について – Yahoo!広告 資料内PDF P17

現在では動画視聴のみであってもコンバージョンへの影響を加味した最適化が図れるよう、以下の場合には自動入札の最適化に利用されるようになっています。

  • 対象の自動入札
    • コンバージョン数の最大化 目標値あり
    • コンバージョン数の最大化 目標値なし
  • 対象のキャンペーン目的
    • コンバージョン
    • アプリ訴求
    • PayPayギフト ※一部の広告主のみ利用可

参考:【ディスプレイ広告(運用型)】動画視聴経由のコンバージョンの広告配信等における活用について – Yahoo!広告

また同じタイミングで、「広告の品質」の予測にも動画視聴経由のコンバージョンが適用されており、YDAにおいて動画広告を掲載する際に、その影響を広告運用に反映できるよう環境が整備されています。

動画視聴経由のコンバージョンの注意点

動画広告の効果も自動入札や広告の品質に加味される仕様となり、これまで以上に動画の存在感が増しています。一方で、次のような点に注意しておく必要もあると考えています。

動画広告の成果なのかの判断は慎重に

広告とユーザーの接点が多くなればなるほど、動画視聴がコンバージョンのきっかけになったのかの判断が難しくなります。

たとえば、リターゲティング配信を行う場合には顕著です。サイトを一度訪れているユーザーであるがゆえ、確かに動画を視聴したものの、それが無くてもコンバージョンしていたのでは?と考えることもできます。逆に動画広告だからこそ視聴したことでコンバージョンへと意識が向いたという可能性もあります。

そのため、動画視聴がコンバージョンにつながったのかどうかは慎重に判断するのをおすすめします。

動画視聴に限ったテストは現状ないかと思いますが、Viewがどれだけコンバージョン獲得の向上に作用したかはコンバージョンリフト調査でも傾向を把握できますので、検討に入れておいてもよさそうですね。ただし利用には一定の条件がありますので、営業担当まで連絡しましょう。

参考:ディスプレイ広告の効果を可視化「Yahoo! JAPAN コンバージョンリフト調査」

自動入札による配信状況の変化

自動入札のシグナルとして動画視聴経由のコンバージョンが追加されたことで、状況によっては動画広告の配信量が増える可能性があります。画像などの広告フォーマットも掲載している場合には、相対的に動画広告の配信比率が上がり、他の広告の配信比率が下がってしまう可能性もありそうです。その結果、クリック経由のコンバージョンの減少がないかはチェックしておくのがよいでしょう。

現状では動画視聴経由のコンバージョンを自動入札の対象からオプトアウトできないため、場合によっては広告フォーマットによってキャンペーンを分けるなどの必要も出てくる可能性があります。(不要な広告グループの分割などは避けたいところなので、判断は難しいですが)

まとめ

動画視聴経由のコンバージョンが自動入札や広告の品質計算に利用されることで、Yahoo!ディスプレイ広告のコンバージョンを目的とした配信において、動画広告の存在感は増していくことが予想されます。

ただし、今回挙げた注意点にあるように、動画視聴がユーザーにとってプラスに作用しているかの判断は慎重に行わざるを得ません。

ユーザーにとって動画広告の視聴がポジティブな体験になっているか、また広告主の成果に繋がっているのかが動画広告に取り組む上で大切ですね。

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