法人営業・クライアントワークでプロとして信頼される文章を書くコツ

法人営業・クライアントワークでプロとして信頼される文章を書くコツ
  • ビジネスマナーを身に着けたい社会人1、2年目の方
  • 法人営業・カスタマーサクセス等職種でクライアントワークが上手く行かず悩んでいる方

本記事はこのような方々が、メール・チャットの送信ボタンを押す前にザッと見返すと仕事がスムーズにいくようになるかも?そんな内容となっています。

私たちアナグラムは運用型広告(Google 広告、Yahoo!広告、Facebook広告など)の広告運用の代行やコンサルティングや包括的なマーケティングの支援を行っています。広告運用で結果を出すのはもちろん、クライアントとのコミュニケーションも非常に重要な仕事です。

そんな私たちですが、先日社内の1~2年目社員向けに「クライアントワークを良くするためのワークショップ」を行いました。おもにテキストや資料を通してのコミュニケーションのコツについてですが、コミュニケーション全般にも活きる内容となっています。

広告代理店に限らず、法人営業全般に当てはまることがほとんどかなと思い、手前味噌ながら社内で留めるにはもったいなく今回ブログにまとめられたらと思い立ち筆を取りました。

1.レストランは、料理が美味しいことがまず前提として大事

私たちアナグラムで新人が入ったときに最初にみっちり仕込むのは、「運用型広告の仕組みのインプット、設定方法の実践練習、成果の出し方のイロハ」です。

なぜなら、いくら案件を受注できても、成果が上がらなければ意味が無いからです。運用型広告は成果が数字でしっかり見える分、言い訳のしようがありませんよね。

広告運用歴が浅いことや経験不足はクライアントには一切関係ありません。せめて「運用型広告の実績やノウハウはこのテーブルに座る誰よりも詳しい、色んなビジネスの集客に通じている」状態でないと、経営者や広いマーケティング知識を持ち合わせた担当者と、ビジネスパートナーとして対峙することは難しいでしょう。

十分な知識をもって「まずは仕事で結果を出すこと」ここが大前提となります。

2.しかし、いくら料理が美味しくても、盛り付けや接客が悪ければお客さんは去っていく

しかしながらいくら成果を出せていたとしても、クライアントとのコミュニケーションが原因で満足度が低いというケース往々にしてあります。

たとえば大切な誰かと食事に行ったとき、美味しい料理が食べたいのはもちろんですが、気持ちよく過ごせる空間や時間も同じくらい重要ではないでしょうか。どんなに広告運用が上手で成果を出せるプレイヤーでも、「一緒に仕事がしづらいな」と思われるようであれば信頼されるパートナーにはなりえません

社内だと「1人のクライアントのご要望すら汲み取れず、数多くの画面の向こうのユーザーさんのご要望が汲み取れるはずがない」という言い方をしました。一対一のメールもコピーライティングも、本質的に同じです。

3.「期待を超えること」これがすべて

では実際にどのようにコミュニケーションを行っていけばいいのでしょうか。

3-1.相手の期待に応えられるように仕事を進めること

「期待を超えること」がクライアントワークの全てといっても過言ではありません。

たとえば、同じ2週間で成果物を納品するケースでも、①と②とでは全く印象が違います。

「できますよ、1週間後に納品します」と言って「想定より時間がかかり2週間掛かってしまいました…お急ぎのところ遅延しご迷惑をお掛けし大変申し訳ありません。」

「できる限りご希望に添えるように調整しますが、準備にしっかり時間掛けたいので1ヶ月後になってしまう可能性があります。」と言って「関係各位調整し優先度を上げて対応進めたところ、2週間で納品できました!」

②の方が誠実ですし、印象もいいのではないでしょうか?ここで着目したい事実は、①と②とでは「掛けた仕事の工数や成果物は全く同じ」ということです。全く同じなのに、これだけ印象が違うのです。これがクライアントワークの本質ではないでしょうか。

上記の例は「納期」でばっちり見えるのでわかりやすいです。しかし、現実にはもっと複雑にさまざまなご期待が入り混じっています。

私たち運用型広告の運用代行で言うと、ざっくり以下のように分けられます。

  • どういった経緯でのご依頼か
「前代理店では成果に不満があったのでより伸ばせる代理店を探している」
「前代理店では提案が少なかったのでより事業の成長を自分ごと化して一緒に考えてくれる代理店を探している」
「社内に知見を貯められるように、アカウントは開示してほしいし、キーワードや広告の知見も教えて欲しい」
  • クライアントの事業内容・立場
「シンプルにもっと利益を伸ばしたいオーナー経営者さま」
「既存事業のウェブ展開に向けていろいろな改善点を一緒に考えていきたいマーケティング担当者さま」
「新規事業でプロダクトマーケットフィットを検証したいスタートアップ企業の役員さま」

同じ運用型広告の代理店業ですが、それぞれのパターンごとに、アナグラムに期待いただくサービス領域やレベルが異なります。

「クライアントの期待はどこにあるのか」を把握することで、先回りし工数を割いて考えるべきトピックが明確にしていくことが大切です。

3-2.前もって伝えると「信頼」に、後から伝えると「言い訳」に

3-1の内容とも関連しますが、「季節性の要因で成果が落ちるかもしれない」「目標が達成できないかもしれない」「期限に遅れるかもしれない」そういったリスクのある事柄ほど、前もってのご説明が重要です。言いづらいことほど最初にお伝えするべきと考えています。

たとえば、目標CPA以内では予算分配信ができなさそうな場合を考えてみましょう。

①月中に以下の相談をする
「今月ご予算が例月より多いですが、目標CPA以内だとご予算分配信ができない見込みです。そこで配信内容を◯◯のターゲットまで広げてチャレンジさせてください。
現在CPA XX円といつもより低く獲得できているため、配信内容を◯◯のターゲットまで広げてもCPCを抑え気味で配信すれば、多少コンバージョン率がこれまでより下がってしまっても目標CPAはクリアでき、うまくいけば獲得数もクリアできる見込みです。
しかし、まだ配信実績は無く目標CPA以内で成果につながらないリスクもあるため、予算のうち10万円のなかで配信させていただき検証をしたいです。その範囲内であれば全体に与える影響は軽微です。私としては兼ねてよりチャレンジしたかった配信ですし、ご予算に余裕あるこのタイミングで試しておきたいのですが、どうでしょうか?
もちろん無理に予算利用を目指さずCPA厳守で配信継続も可能です。その場合着地◯万円ほどになる見込みです。」
②月末に以下の報告する

「今月ご予算が例月より多いですが目標CPAに合わせてたら予算分配信できませんでした…すいません…」

①と②とでは一目瞭然で、①の方が信頼して仕事を任せられるのでは無いでしょうか?悪い報告、懸念事項ほど気づき次第すぐに善後策を添えてお伝えすることが大切です。

この「前もって伝えると『信頼』に、後から伝えると『言い訳』に」は、TAKE FRONTIERの佐野順平さんの受け売りです。私たちの運営するメディア、マーケティアでも取材をさせていただいてますので、よろしければご覧になってください!

参考:コピーライティングで最も大事なことは「最後までちゃんと読んでもらうこと」|マーケティングライターとしてネットショップをはじめ様々な企業のサポートをしている佐野順平さん – Marketeer(マーケティア)

4.言葉や数字の定義をていねいにすり合わせること

基本的ですが、ついつい疎かになってしまいがちなところです。

4-1.数字の出どころや定義をはっきりさせる

運用型広告の報告で言うと次などですね。

  • 「費用」の定義(手数料や消費税を含むか否か)
  • 「コンバージョン」の定義(Google 広告管理画面 or Google アナリティクス、ビュースルーコンバージョンを含むか、など)

特にクライアントから預かる予算に、消費税が含まれるか否かなどは間違えると予算の超過など信頼を損ねることに直結します。

4-2.誤解を招きそうな初出の言葉は補足する

また、たとえば前触れなく「新規ユーザーからの獲得が増えました」と報告するとします。これだと、以下のようにさまざまな解釈ができてしまいます。

  • うちのサイトで未購入のユーザーのこと?
  • それともサイトに未訪問のユーザーのこと?

何を言っているのかが伝わりづらい、意思疎通が上手く噛み合わない……そんなストレスに繋がります。

プログラミングだと、定義していない変数はエラーが返ってきますが、同じ現象は何気ない文章でも起こりえます。

  • 勝手に言葉を作り出さない
  • 作り出すときには意味を定義する

これを徹底することが大切です。

4-3.誰が見て、どう使われる資料なのか

  • クライアントの担当者のキャリアや社内用語があるか?
  • 担当者のみでなく、上長・役員レイヤーなどまで回覧される資料ではないか?

資料を誰が見てどう使われるかによっても言葉選びは変わります。普段コミュニケーションを取っているご担当者に通じる内容であっても、その上長に伝わらない内容であっては、提案を稟議に通すことはできません。普段のコミュニケーションよりも慎重に言葉選びや補足が必要になるでしょう。

4-4.業界内の略語や社内用語は使わない

ビジネスのコミュニケーションは、さまざまな業界内での略語、社内用語など溢れています。しかし、業界外や社外の方にも通じるよう、極力正式名称・平易な言葉を用いたいです。

私たち運用型広告の業界でいうと以下のようになります。

「リマケ」ではなく「リマーケティング」「リマーケティング(サイト訪問済みユーザーへの配信))」、など

私たちは代理店として媒体社へのリスペクトも込めて極力正式名称を用いるようにしています。

※クライアント側が略称で使われるケースは合わせて略称とする場合もあります

4-5.日付は曜日、時間まで

アナグラムでは日付は「11/5(火)15:00までに」等の日付、曜日、時間を添える形式で伝えるよう徹底しています。

「明日までに」や「明日中」は、期限を決めていることにはなりません。期限を曖昧にすることは相手の時間を拘束することにもなりますので、地味ですが大事なところです。

4-6.比較対象を明確に

案外、「良い⇔悪い」「高い⇔低い」は感覚的に語ってしまいがちですが、「どういった価値軸で」「何と比較して」を徹底して記載すると課題が整理されます。

☓:「クリック率が悪いです」
◯:「クリック率が、◯月と比べ下降しています」

「クリック率が悪いです」のどこが良くないのか以下に記載します。

  • クリック率自体に良し悪しは無いため、「悪い」は適切でない。(たとえばキーワードAにとって低いクリック率でもキーワードBでは高いこともある)
  • 「何と比べているのか」を明記する。

5.読み手になり切り徹底的に推敲すること

5-1.相手にとってほしいアクションを明確に

  • こちらで対応が必要なのか
  • それとも単に目を通していればいいのか

これらが判然としないことが、報告を受ける側として困ることの一つです。

ここが判然としないと、以下のようにコミュニケーションが上手くいかないことも。

  • 対応が必要だったのに、見落としてしまったり
  • 進捗共有のみだったのに、状況を確認しに行って指示を出す羽目になったり

もちろん、ホウレンソウがマメであるに越したことはありません。

必要なのは一工夫。

「進捗共有のみなので、お手すきでご確認ください」
「4/13(月)16:00までに確認・返信がほしいです」

メッセージの冒頭に相手にとってほしいアクションを明確にするとコミュニケーションが円滑になります。

5-2.お互いに期限を決めること

人は基本的に怠惰な生き物です。打開策はシンプルで、期限を切って約束することです。

自分の仕事は、期限を宣言しましょう。ぜひ確実に。以下のようにいいことづくめだからです。

  • 間に合わせるために仕事の効率が上がる
  • 関連タスクを調整しやすく円滑にプロジェクトを進められる

期限に曜日、時間も添えられるとなおいいでしょう。

また、必要な仕事であれば、クライアント側にも遠慮なく期限を定めて依頼するべきです。期限をあいまいにしてしまうと、他にも大切で期限のある仕事をたくさん抱えているなか、遂行される日はついぞ来ません。基本的には遠慮なく期限を伝えた方がプロジェクトも円滑に進みWIN-WINのはずです。

またセールス一般で新規商談に行くときも、見積もり期限を短く切れば切るほど、むしろ受注率は上昇するケースは少なくありません。検討期間が減り都合はつけずらくなるはずなのに。 でもそれもそのはず。課題感が熱いうちに決断するよう期限を切らないと、新しい商談なんていう面倒くさいことが進むはずがありませんから。

5-3.相手の立場を理解すること

これを言ったら相手がどう感じるか、こんな情報があったら役に立つよね、と相手の立場を理解してコミュニケーションをとることは大切です。

さらに言えば、相手の社内での立場も理解しておくのがよいでしょう。たとえば、担当者の上司からどんな成果を求められているのか、成果と認められるためにはどんな情報が必要なのかといった点は、よくヒアリングして押さえておくのがよいでしょう。

クライアントの担当者が会社で評価されることや昇進することは、代理店の広告運用者としてもっとも喜ばしいことのひとつだと考えています。

5-4.距離感に合わせた文体で

初対面から砕けたものの言い方をされると、ちょっと面食らってしまいますよね。フォーマルな文体や丁寧な口調を好まれる場合がほとんどではないでしょうか。

一方で、クライアントからは「こんにちは!」とご連絡がくるのに、「お世話になっています。」と返事が堅苦しすぎるのも違和感を感じますよね。

他にも必要以上にへりくだって自分を低く見せたり、舐められたくないと高慢な言い方になったりということ。お互いに気持ちのいい距離感でコミュニケーションが取れているか、改めて考えてみるのも大切です。

おわりに

広告運用で成果を出してクライアントから信用を得ている方だとほとんど意識せずにやっていることだと思います。

しかしながらまだ慣れていない方だとすべてを気にしながら対応していくのは時間も掛かりますし非常に大変です。送り手が何を期待しているか、どう受け取るか、を送信ボタンを押す前に念入りに考えるクセを少しでも意識できると、相手からの反応も変わってくるのではないでしょうか。

そのためには、文章を「これ足りなかった」「これこうした方が良かった」と手直しして…を地道に何度も繰り返し手に染み付けるしかありません。 「送信」ボタンを押す前に、今回の記事のうち、ひとつでも思い出してもらえるとありがたいです。

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Junya Koyama

Junya Koyama

アナグラム株式会社 マネージャー。インターネット広告代理店にてリスティング広告の分析・運用を経験後、2014年8月よりアナグラムに参画。健康食品、アパレル、求人、士業、BtoBなど多岐にわたる商材の広告に携わり事業拡大に貢献。

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