Google広告「テキストに関するガイドライン」とは?AIが生成する広告文を制御する機能を解説

Google広告「テキストに関するガイドライン」とは?AIが生成する広告文を制御する機能を解説

Google広告のAI最大化設定やP-MAXキャンペーンを活用していて、AIが生成する広告文のコントロールに悩んでいませんか。「テキストに関するガイドライン」は、AIによる自動生成テキストにブランドの意図を反映させるための新機能です。この記事では、テキストに関するガイドラインの仕組みや設定方法、効果的な使い方を解説します。

※2026年3月現在、ベータ版での提供ですが、すべてのアカウントに提供範囲が拡大されています。We’re expanding beta access to text guidelines for all advertisers globally in AI Max.


テキストに関するガイドラインの概要

テキストに関するガイドラインは、Google広告のP-MAXキャンペーンおよびAI最大化設定(AI Max for Search)を有効にした検索キャンペーンで利用できるベータ版の機能です。2025年にベータ版として提供が始まり、2026年第1四半期にはすべての広告主に対象が拡大される予定となっています。

この機能が登場した背景には、AIによるテキストのカスタマイズ(旧:自動作成アセット)の普及があります。テキストのカスタマイズをオンにすると、Google AIが広告見出しや説明文を自動で生成してくれます。便利な機能ではあるものの、意図しない表現やブランドイメージにそぐわないコピーが生まれてしまうことがありました。

テキストに関するガイドラインは、こうした課題に対する解決策です。キャンペーン単位で設定でき、AIが生成するテキストアセットに対して「使ってほしくない言葉」や「守るべきルール」を指定できます。なお、この機能はテキストのカスタマイズによって自動生成されたアセットのみに適用されます。広告主が手動で入力した広告見出しや説明文には影響しません。

テキストに関するガイドラインの前提条件

この機能を使うには、テキストのカスタマイズが「オン」になっている必要があります。テキストのカスタマイズとは、既存の広告やランディングページのテキストと生成AIを活用して、ユーザーの検索に合った広告文を自動作成する機能です。

対応するキャンペーンタイプと設定の導線は次のとおりです。

キャンペーンタイプ前提条件設定の導線
P-MAXテキストのカスタマイズがオンブランドガイドライン、またはアセットグループのアセットの最適化
検索(AI Max)AI最大化設定を有効化し、テキストのカスタマイズがオンアセットの最適化 > テキストのカスタマイズ配下

なお、テキストに関するガイドラインはGoogle広告のすべての言語でサポートされています。日本語のキャンペーンでも問題なく利用可能です。

2つの制御オプション:語句の除外とメッセージの制限

テキストに関するガイドラインには、「語句の除外」と「メッセージの制限」という2つの制御方法が用意されています。それぞれ役割が異なるため、使い分けを理解しておくことが重要です。

比較項目語句の除外メッセージの制限
制御の粒度単語・フレーズ単位(完全一致)コンセプト・トーン・スタイル単位
上限数25個 / キャンペーン40個 / キャンペーン
記述方法除外したい語句をそのまま入力自然言語で指示を記述
多言語対応言語固有(日本語は日本語で設定)記述言語以外にも適用される
大文字・小文字区別しない
主な用途「激安」「格安」などNGワードの排除ブランドトーンの指定、法的注記の義務付け

語句の除外

語句の除外は、特定の単語やフレーズをテキストアセットの生成から完全に排除する機能です。キャンペーンあたり最大25個まで登録できます。完全一致で除外されるため、指定した言葉がそのまま含まれるアセットは生成されなくなります。大文字と小文字の区別はありません。

たとえば次のような語句を除外できます。

「安い」「無制限」「低コスト」「東京で最も安い」「競合他社よりも優れた選択肢」など、ブランドイメージに合わない表現やセンシティブな訴求を排除するのに適しています。

語句の除外にはいくつかの注意点があります。まず、言語固有の機能であるという点です。英語で「Cheap」を除外しても、日本語の「安い」が自動的に除外されるわけではありません。日本語のキャンペーンには日本語で除外語句を設定する必要があります。

もうひとつの注意点として、価格を含むアセットは除外キーワードだけでは制御しきれない場合があります。たとえば「ドル」を除外しても「50ドル以下の靴」のようなアセットは生成される可能性があります。価格情報全体を排除したい場合は、次に紹介するメッセージの制限で対応します。

メッセージの制限

メッセージの制限は、語句の除外よりも広い概念レベルでの制御を行える機能です。テキストアセットで避けるべきコンセプト、関連付け、スタイル、そして遵守すべきトーンなどを自然言語で指定できます。キャンペーンあたり最大40個まで設定可能です。

語句の除外が「この単語を使うな」という具体的な指示であるのに対し、メッセージの制限は「こういう方向性で書くな」「こういうトーンで書け」というより抽象度の高い指示が可能です。

メッセージの制限がとくに効果を発揮するのは、ブランドトーンの統一です。「当社のブランドトーンは、明確さとわかりやすさである」のように指定すると、生成されるコピーがそのトーンに沿ったものになります。

語句の除外とは異なり、メッセージの制限は制限を記述した言語以外のアセットにも適用されます。英語で書いた制限が、ドイツ語やオランダ語のアセットにも反映されるということです。多言語で広告を展開している場合にはとくに便利な特性です。

効果的なメッセージの制限の書き方

メッセージの制限は自然言語で記述するため、書き方次第で効果が大きく変わります。Google公式ヘルプで示されている有効な例と無効な例をもとに、ポイントを整理します。

有効な制限の書き方

効果的な制限にはいくつかの共通点があります。明確で具体的であること、具体例を添えること、そして1つの制限に1つの指示を書くことです。以下の対比表でポイントを確認してください。

判定記述例ポイント
有効「自社商品が割引されていると示唆することは避ける」具体的な方向性を指定。割引・安い・お買い得など関連表現すべてをカバーできる
有効「ブランド名はCompanyNameまたはCompanynameと表記する」許容される表記パターンを明示
有効「価格に言及しない(1泊45ドル、4,567ドルなど)」具体例を添えることでAIの理解精度が上がる
有効1制限につき1指示に分割して登録「割引に言及しない」「競合名を含めない」「表記はCompanyName」のように分ける
無効「喜びをもたらす広告であるべき」主観的で曖昧。望ましいテキストの方向性はより直接的に記述する
無効「30~45歳のユーザーをターゲットにする場合は○○と書く」オーディエンス条件付きの指示は未サポート。キャンペーン分割で対応する
無効「可能であれば○○について説明する」任意の指示は効果なし。必須なら「○○について必ず言及する」と断定的に書く

上の表で「無効」としたパターンに共通するのは、曖昧さ、条件付き、任意表現の3点です。ガイドラインは「必ずこうする/しない」という断定的な要件として記述することが鍵になります。

設定手順

テキストに関するガイドラインの設定手順を、キャンペーンタイプ別にまとめます。

キャンペーン新規 / 既存設定手順
検索(AI Max)既存キャンペーン設定 > AI最大化設定を有効化 > アセットの最適化 > テキストのカスタマイズをオン > 「テキストに関するガイドラインを追加」
検索(AI Max)新規作成フロー内でAI最大化設定を有効化 > 同じ画面からガイドラインを追加
P-MAX既存/新規方法A:アセットグループ > ブランドガイドライン > その他のオプション /
方法B:アセットグループ > アセットの最適化 > テキストのカスタマイズ > 「テキストに関するガイドラインを追加」

検索キャンペーン(AI最大化設定)の場合

既存のキャンペーンに設定する手順はシンプルです。キャンペーンメニューから設定を開き、AI最大化設定のセクションでAI最大化設定を有効にします。切り替えボタンの下にあるアセットの最適化パネルで、「テキストのカスタマイズ」がオンになっていることを確認してください。その下に表示される「テキストに関するガイドラインを追加」を選択し、除外キーワードとメッセージの制限を入力します。

新規キャンペーン作成時は、検索キャンペーンの作成フローのなかでAI最大化設定を有効にすると、同じ画面からガイドラインを追加できます。

P-MAXキャンペーンの場合

既存のP-MAXキャンペーンでは、キャンペーン設定の「アセットの最適解セクション」あるいは「ブランドガイドライン」からアクセスします。「アセットの最適解セクション」の場合の、テキストに関するガイドラインは、カスタマイズの下に配置されています。

新規作成時には2つの導線があります。ひとつはアセットグループのステップでブランドガイドラインのその他のオプションを選択する方法です。もうひとつは、アセットグループのアセットの最適化からテキストのカスタマイズにチェックを入れ、その下に表示される「テキストに関するガイドラインを追加」を選択する方法です。

運用上の注意点

テキストに関するガイドラインを設定する際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

既存アセットへの影響

ガイドラインは新規生成されるアセットだけでなく、既存のテキストアセットにも適用されます。新しいガイドラインに準拠していない既存のアセットは配信が停止され、削除済みとしてマークされます。つまり、ガイドラインの追加は既存の広告パフォーマンスにも影響を与える可能性があるということです。導入する際は、パフォーマンスの変動を注視してください。

パフォーマンスへの影響

制限を過度に設定すると、優れたテキストアセットまで削除されてしまい、キャンペーンのパフォーマンスが低下するリスクがあります。とくに直感に反するガイドラインや、効率的でないガイドラインは逆効果になりかねません。最初は控えめに設定し、パフォーマンスの変化を確認しながら段階的に追加していくアプローチが安全です。

確認とモニタリング

設定したガイドラインが正しく機能しているかは、アセットレポートで確認できます。確認方法はレポートで「提供者」列を追加し、「Google AI」でフィルタすると、AIが生成したアセットだけを一覧できます。

実践的な活用シーン

テキストに関するガイドラインは、とくに次のようなシーンで活用できます。

活用シーン語句の除外(設定例)メッセージの制限(設定例)
ブランド表記の統一「ブランド名はCompanyNameまたはCompanynameと表記する」
価格訴求のコントロール(高価格帯ブランド)「激安」「格安」「最安」「自社商品が割引されていると示唆することは避ける」
法的注記の義務付け(金融・保険など)「割引を宣伝する場合は、必ず利用規約が適用されますという文言を含める」

ブランド表記の統一は代表的なユースケースです。「ブランド名はCompanyNameまたはCompanynameと表記する」と指定すれば、AIが勝手にブランド名を略したり変形したりすることを防げます。

価格訴求のコントロールも有効な活用方法です。高価格帯のブランドであれば、「自社商品が割引されていると示唆することは避ける」というメッセージの制限と、「激安」「格安」「最安」などの語句の除外を組み合わせることで、ブランドイメージを守りながらAIの自動生成を活かせます。

法的な注記が必要な業界では、「割引を宣伝する場合は、必ず利用規約が適用されますという文言を含める」のような制限が有効です。コンプライアンス要件をAIの生成プロセスに組み込めるため、審査落ちのリスクを減らせます。

活用Tips:生成AIで設定内容を考える

語句の除外やメッセージの制限に「何を書くか」を考える段階で、ChatGPTやClaude等の生成AIを壁打ち相手として活用できます。その際、公式ヘルプに記載されている効果的な制限・非効果的な制限の基準をプロンプトに含めておくと、的外れな出力を減らせます。

語句の除外の候補出しでは、たとえば次のように依頼します。

[ブランド名]は[商品特徴]を強みとする[業種]です。Google広告のAIが自動生成する広告文に含まれるとブランドイメージを損なう語句を、以下のカテゴリ別にリストアップしてください。

①安売り・ディスカウント系
②品質を疑わせる表現
③競合比較系
④業界固有のNG表現。

なお、価格記号(¥、$)は語句の除外では機能しないため候補に含めないでください。上限25個なので優先度順に並べてください。

自分では思いつかなかった角度の候補が得られますが、出力された語句が自社LPにも含まれていないか注意してください。LPで使っている表現を除外すると、AIの広告文生成の素材が減ってしまいます。

メッセージの制限の候補出しでは、ブランドガイドラインやトンマナ資料を貼り付けたうえで、たとえば次のように依頼します。

添付したブランドガイドラインを、Google広告のAIへの指示文(メッセージの制限)に変換してください。以下のルールを守ってください。

①1つの制限に1つの要件だけ書く(複数を束ねない)
②断定的な指示にする("できれば""可能であれば"はシステムが対応していないため使わない)
③制限文の中に具体例を含める(例:「価格に言及しない。例:4,500円/泊、月額980円」)
④広告見出しと説明文で異なる指示を1つの制限にまとめない
⑤主観的な表現("楽しい雰囲気にする"等)は避け、具体的な表現指示にする

AIの出力が得られたら、設定前に以下を確認しましょう。制限が広範すぎないか(意図しないアセットまで大量削除されるリスク)、ターゲティングやROI目標に関する内容が混ざっていないか(テキストガイドラインでは機能しない)、そして既存の自動生成アセットへの影響範囲です。ガイドラインは既存アセットにも遡及適用されるため、現在配信中のアセットがどれだけ影響を受けるか事前に把握しておくことが重要です。

なお、生成AIはGoogle広告の自動生成ロジックを知っているわけではないため、出力をそのまま設定に使うのではなく、運用者自身が取捨選択することが前提です。法的な表現チェック(薬機法・景表法など)についても、漏れがちな観点の洗い出しには使えますが、最終判断は必ず専門家に確認しましょう。

まとめ

テキストに関するガイドラインは、Google広告のAI自動生成と広告主のブランドコントロールを両立させるための機能です。語句の除外で特定の表現をピンポイントで排除し、メッセージの制限でコンセプトやトーンを方向付けるという2つのアプローチを組み合わせて使います。

現在はベータ版として提供されていますが、AI最大化設定の普及に伴い、今後ますます重要性が増す機能です。まずは少数のガイドラインから導入し、アセットレポートで効果を検証しながら運用に組み込んでいくのがおすすめです。

参考リンク(Google広告公式ヘルプ)

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