「スワイプLP」という言葉は聞いたことがある。でも、何がどう良いのかはよく分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。
LP(ランディングページ)の改善を考えるとき、「情報量を削ると理解が浅くなる。でも長くすると読まれない」という壁にぶつかることがあります。短くしても長くしても、どこかで何かを犠牲にしている感覚が残る。今回取り上げるスワイプLPは、まさにこの課題に対するいいとこ取りとして注目されている手法です。
本記事では、スワイプLPの概要から制作・検証のポイント、そして実際に検証した結果までをまとめています。手前のコンバージョンだけでは見えなかった成果が、さらに先のKPIまで追うことで見えてきました。
目次
スワイプLPとは? なぜ今、注目されているのか
スワイプLPとは、その名の通り、1枚1枚画像をスワイプして読み進めるLP(ランディングページ)のことを指します。カルーセル投稿のような操作感で、情報を「分割して」届けられるのが特徴です。

従来の縦長LPと比べたときの違いはシンプルで、一気に読ませず、1枚ずつ順番に理解させる構造になっています。読み飛ばしが起こりにくいのもポイントでしょう。
「目的達成のために必要な情報量はこれ以上削れない。でも長文は読まれない。」
この矛盾を埋める選択肢として、スワイプLPが使われるようになってきました。
SNS広告(特にInstagram)と相性が良い
SNS広告からLPに遷移したとき、急に「別のサイトに来た」と感じて離脱した経験はないでしょうか。スワイプLPが注目される背景には、この体験のギャップを小さくできるという点があります。
Instagramでは、カルーセルやストーリーズなど「スワイプで読む」体験が日常になっています。ユーザーにとって、スワイプは「読み方のデフォルト」であり、その延長線上にスワイプLPがあると違和感が少なく、読みやすいのだと考えられます。
「短いLP」と「長いLP」どちらも解決できない課題があった
今回の事例(オンラインフィットネス)では、従来のLPが両極端でした。短めLPは無料体験数こそ取れるものの、理解が浅いまま申し込まれやすい傾向がありました。一方、長めLPはサービス理解が進む反面、読み疲れによる離脱が増えてしまう。
つまり、「理解してもらうための文量」と「最後まで読んでもらえる文量」の両立が難しい状況だったのです。

この問題を解決するための「中間解」として、スワイプLPに着目しました。スワイプLPなら、一気に説明するのではなく、必要な情報を分割して順番に届けられます。サービスへの理解を深めてもらいながら、離脱を防げるのではないかと考えました。
スワイプLP制作ツールの選び方
スワイプLPは「作れる」だけでは足りません。実際に配信した際の効果検証ができるかが重要です。
現在提供されている多くのスワイプLP制作ツールにおいて、できること自体に大きな違いはありません。実施したい施策に合わせてツール選定をすることをオススメします。
制作から検証を効果的に行ううえで、特に見ておきたいのは次の3つです。
検証で特に重要だと感じた3つの機能
1つ目は、スワイプ分析(1枚ごとの分析が可能か)です。どのページで成果につながっているか、どこで離脱されているかなど、改善ポイントが見つけやすくなります。次の検証にすぐ移れるのも大きな利点でしょう。
2つ目は、A/Bテスト機能。勝ち筋を早く見つけたい場合に効果的です。
3つ目は、サポート体制です。スワイプLP特有の指標は初見だと判断が難しく、制作ツール提供元と数値に対してフィードバックや相談ができると検証の進度が大きく変わります。初動数値の相場観を持った方に壁打ちできる環境があるかどうかは、成果への評価にも直結する部分です。
専用ツールを利用しない代替手段もある
新しくツールを導入する場合、コスト面などハードルを感じる方もいるかと思います。いきなり専用ツールを導入しなくても、「スワイプ的に見せる」工夫はできます。
たとえば、そもそもLPに飛ばさずカルーセル内でストーリーを完結させる方法や、LPは従来型でもセクションを短く切って読み手の負担を下げる方法、疑似的にページ送りができるようにコーディングする方法などが考えられます。
ただし、1枚単位の分析や改善は回しにくくなります。そのため、目的が「制作から検証をしっかり行う」場合は、専用ツールの優位性が大きいと感じています。
制作の流れと押さえるべきポイント
スワイプLP制作は、基本的に以下の流れで進めます。
- 要件定義
- ラフ作成(画像とテキスト)
- 実装(ツールに流し込み)
- 計測整備(タグ設置、イベント設定、発火確認など)
- 配信 → 分析 → 改善

スワイプLPで肝になるのは、デザインよりも情報設計です。
「1枚1メッセージ」で設計する
スワイプLPは、1枚に情報を詰め込むと途端に読まれにくくなります。基本は「1枚1メッセージ」。1枚で言いたいことは1つに絞り、テキストは短く、次の1枚が気になる流れを意識して設計します。

カルーセルを作ったことがある方は、同じように作るイメージを持ってもらうと感覚がつかみやすいかもしれません。
動画を挟むタイミングと効果
今回の事例では全10枚構成のうち、2枚目に利用シーンの動画を配置しました。この動画ページが成果改善に大きく寄与したと考えています。

文章だけでサービスを伝えようとすると、どうしても説明が長くなり、視覚的な理解にもつながりにくい。LPの序盤で動画を挟み、視覚的に情報を届けたことが、ユーザーの理解度向上に効いたのではないでしょうか。
初回制作で押さえるべき最低限のポイント
初めて作る場合、まずは以下の3点を決めておくと進めやすくなります。
- 枚数の目安(長すぎないことが大切)
- 判断指標(到達率、CTAクリック、滞在時間、次工程のCVRなど)
- 上位コンバージョン(以下、CV)まで追う計測設計(商材によっては追うべきポイントが複数あるため、最重要)
特に3点目は、今回の検証でも成果評価の分かれ目になった部分です。手前のコンバージョンだけで判断していたら、スワイプLPの本当の効果は見えていませんでした。
検証結果:無料体験のCPAは同じ、でも本契約率は約5倍に
今回の検証では、Instagram広告で約4週間スワイプLPと従来LP(短め)を並行配信し、一定のサンプル数を確保したうえで成果を比較しました。
結果として、無料体験のCPAはほぼ同水準。手前のコンバージョンだけで見れば、正直なところ判断が難しい数字です。
しかし、本契約(上位CV)まで追ったところ、結果が一変。従来LP 4%→スワイプLP 19%と本契約率に約5倍の差が出ています。

スワイプ分析で見えた「2枚目の動画」の効果
スワイプLPは、1枚ごとに成果を見ることができます。確認できる指標はステップ到達率、CTAクリックあたりのCVR、滞在時間などです。

どこが効いて、どこが弱いかが把握しやすく、改善の方向性を決めやすいのは大きなメリットでしょう。今回の事例では、2枚目の動画ページの到達率と滞在時間が高く、この動画を経由したユーザーほど最終的なコンバージョンに至りやすい傾向がありました。因果関係の断定はできないものの、動画による視覚的理解が本契約率の改善に寄与した可能性は高いと見ています。
「とりあえず申し込む」層から「理解して申し込む」層へ
短めLPは、無料体験が取りやすい反面、「無料だからとりあえず」「よく分からないけど一旦」という温度感で申し込むユーザー層が増える傾向にあります。
スワイプLPは、申し込み前にサービスの情報を読み疲れが発生しにくい状況で理解を進められます。結果として、事業者側が狙っている層と実際に申し込んでくれた層のミスマッチが減り、本契約につながったと解釈しています。

手前のCPAだけ見ると「成果は変わらない」ように見えても、上位CVまで追うことで初めて見える成果がある。これが今回の検証で得られた最大の学びです。
スワイプLPが効果を発揮する商材・シーン
スワイプLPとの親和性が高いのは、商材の特徴や仕組みをユーザーにしっかり理解してもらう必要がある商材です。
相性が良い3パターン
- 文章での説明が難しく、差別化ポイントを視覚化したい商材
- 画像・動画でストーリー仕立てにして見せたい商材
- 情報量は必要だが、縦長LPだと読まれにくい商材
スワイプLPが向かないケースも
一方で、商材理解に必要な情報量が少なく分割する意味が薄いケースや、制作・改善の体制が持てないケースでは、無理にスワイプLPを選ぶ必要はありません。
自社で試すべきかの判断チェックリスト
以下に当てはまるかどうか、一度確認してみてください。
- 手前のCVは取れているのに、上位CVが伸びない
- 商材の理解度がCVに影響しやすい
- 画像・動画での説得力が大きい
- 改善前提で運用できる体制がある
複数当てはまる場合は、スワイプLPを検討する価値があると考えています。
まとめ:LPの成果は「直接CVの数」だけでは測れない
今回の検証を通じて実感したのは、スワイプLPの肝はUIの話に見えて、本質は「評価指標」の話だということです。
無料体験のCPAが同じでも、本契約まで追うと成果・評価が変わる。本契約まで計測することで初めてLPの本当の成果が見えるようになります。
また、スワイプLPの「1枚1メッセージ」という考え方は、スワイプLP以外にも応用できる部分があります。情報を詰め込みすぎない、順番を設計する、読む負担を下げる。これらはLP全般で意識しておきたいポイントではないでしょうか。
スワイプLPのような「理解を促すLP」が施策の選択肢になりうることを念頭に置いて、施策立案をしてみてください。



