配信拡張と成果改善を両立する、スマートニュース広告「SMARTターゲティング」とは?設定方法や活用方法を解説

配信拡張と成果改善を両立する、スマートニュース広告「SMARTターゲティング」とは?設定方法や活用方法を解説

スマートニュース広告(SmartNews Ads)において、一定の成果を上げているものの、新規ユーザーへのリーチ拡大やコンバージョン数の更なる増加に課題を感じている広告主・運用者は少なくありません。

特に、ターゲティングの精度とCPA(獲得単価)とのバランスに悩む局面では、従来の手動ターゲティングだけでは、拡張性や効率性に限界が見えてきます。

こうした状況を受けて、SmartNewsが提供する広告マネージャー v2では、成果に基づいて自動的にオーディエンスを拡張する「SMARTターゲティング」機能が実装されました。

この機能は、過去の広告配信実績やCVデータを基に、類似性の高い見込み層に対して自動でリーチを広げることで、リスクを抑えながら広告効果の最大化を図るものです。

今回は「SMARTターゲティング」の仕組みをはじめ、導入するメリットや注意点、実際の開始方法までをご紹介していきます。


SMARTターゲティングとは?

SMARTターゲティングとは、スマートニュース広告の広告配信機能のひとつで、既存のオーディエンス設定やパフォーマンスデータ(クリックやコンバージョン実績)をもとに、自動でターゲットを拡張できる機能です。

従来の「標準ターゲティング」では、設定したユーザー属性(年齢・性別・地域など)に該当する人のみに配信が限定されます。一方、SMARTターゲティングでは、その設定とパフォーマンス実績を踏まえて、成果が見込まれる類似の属性や行動傾向を持つユーザー郡にも自動で配信を拡張します。

従来の「標準ターゲティング」(設定した属性のみに配信)と異なり、手間なく新規オーディエンスへリーチを拡大できる点が特長です。

特に、すでに成果が出ている広告グループに対して、CV数の増加やCPAの最適化を目指す際に有効な手段となります。

SMARTターゲティングによる配信拡張の仕組み

SMARTターゲティングでは、あらかじめ設定したターゲット属性に加えて、広告の配信実績や成果データをもとに、成果が見込まれるユーザー層へ自動で配信を拡張します。

以下は、年齢・性別でターゲティングした場合の拡張例です。

画像引用元:【広告マネージャー v2】SMARTターゲティング - ヘルプ - SmartNews広告

「標準ターゲティング」では、設定した年齢層と性別に当てはまるユーザーのみに配信されます。一方「SMARTターゲティング」では設定した条件に加えて、成果が見込まれるユーザー(ここでは女性やその他の年齢層)にも配信が広がります。

従来の「標準ターゲティング」では、リーチを広げるには新たな属性の追加を手動で行う必要がありました。一方、SMARTターゲティングでは、拡張の判断と配信が自動で最適化されるため、運用負荷を抑えながら広告効果を広げることが可能です。

SMARTターゲティングの設定方法

SMARTターゲティングの設定は、広告グループ単位で行います。

適用したい広告グループの設定の「ターゲティング最適化方法」にて、[SMARTターゲティング] を選択します。

ユーザー属性・オーディエンスも設定が重要な理由

設定時には、単にSMARTターゲティングを選択するだけでなく、配信の精度と効果を高めるために拡張の起点となるユーザー属性やオーディエンスの設計や設定も重要です。

特に、過去の配信実績で高いCVR(コンバージョン率)を示した属性などを起点に設定することで、類似ユーザーへの拡張が効果的に行われる可能性が高まります。

一方で、未検証のセグメントを広く指定してしまうと、拡張先のパフォーマンスが不安定になるリスクもあるため、最初は成果の出ている層に絞るのがよいでしょう。

拡張しないユーザー属性の指定

SMARTターゲティングでは、拡張対象を自動で広げる一方で、「この属性には配信したくない」といった一部の項目の除外設定も可能です。

たとえば、商材の性質上、特定の年齢層や地域、性別に配信したくない場合には、事前にそれらの属性を「拡張対象から除外」することで、リスクを抑制できます。

設定方法は以下のとおりです。

「ターゲティング最適化方法」の[拡張しないユーザー属性を指定する]のチェックボックスにチェックをつけ、下部のプルダウンより除外したいユーザー層を選択します。

最適化対象項目除外できる項目
年齢
性別
オペレーティングシステム(OS)
地域
配信回線
通信キャリア
デバイス
興味・関心
カスタムオーディエンス(追加)
カスタムオーディエンス(除外)

参考:【広告マネージャー v2】SMARTターゲティング - ヘルプ - SmartNews広告

ただし、すべての項目が除外対象として設定できるわけではありません。たとえば、興味関心やカスタムオーディエンスは除外不可となっており、除外可能な属性には制限がある点に注意が必要です。

SMARTターゲティング活用時の注意点

SMARTターゲティングは、高い運用効率とリーチ拡張の可能性を兼ね備えた機能ですが、すべての広告配信において万能ではありません。

効果的に活用するには、以下のような注意点と仕様上の制約を正しく理解した上で、設計・運用することが重要です。

学習データが少ないキャンペーンでは精度が安定しない可能性

SMARTターゲティングは、広告グループの配信実績(特にCVデータ)をもとに、拡張対象を判断・最適化します。

そのため、CV数が極端に少ない・ターゲティングが狭すぎる・配信予算が限られているといった条件下では、学習が進まず、初期配信の精度が不安定になるリスクがあります。一定のCV数の獲得など実績がある広告グループからSMARTターゲティングを導入し、拡張先の成果を段階的に評価する運用が効果的です。

拡張対象の制御には限界がある

SMARTターゲティングでは、「拡張しないユーザー属性」を設定することで配信対象の一部除外が可能ですが、除外できる属性には制限があります。

特に注意すべきは、カスタムオーディエンスの除外設定が、SMARTターゲティングと完全に連動しない可能性がある点です。

たとえば、CV済みユーザーを除外リストに指定していても、拡張のロジックによって再度配信される可能性があると、公式ヘルプでも明示されています。

その他、アルコールや公営競技など利用に年齢制限のある商品やサービスを取り扱い場合も、対象外のユーザーへ広告が配信されないように要注意です。

参考:配信時に年齢ターゲティング設定が必要な広告 | SmartNews Ads ヘルプセンター | 広告出稿をサポート 

精緻なターゲティング管理が必須な案件(例:CV済ユーザーへの再配信を厳格に防ぎたいケース)では、「標準ターゲティング」の利用も併せて検討するのがよいでしょう。

この仕様は、「拡張しないユーザーを指定する」を設定した場合でも、カスタムオーディエンスの除外設定を併用した場合拡張される可能性があるため、厳格なターゲティング制限が必要な場合、「標準ターゲティング」を使用するようにしましょう。

例えば、下記の設定を行った場合、CV済みユーザーや20歳~24歳以外にも拡張する可能性があります。

  • カスタムオーディエンスの除外設定にて、「CV済みユーザー」のオーディエンスリストを設定
  • 特定の年齢層にて、20歳~24歳を指定
  • 「拡張しないユーザーを指定する」にて、年齢を選択
画像引用元:配信時に年齢ターゲティング設定が必要な広告 - ヘルプ - SmartNews広告

また、広告運用の方針として拡張させたくない場合のほかに、SmartNews Adsのレギュレーションとして20歳以上を配信対象とする必要な商材もあるため、配信が拡張しないよう、設定に注意する必要があります。

継続的なモニタリングが必要

SMARTターゲティングは「自動拡張」機能ではあるものの、必ずしも費用対効果が合うとは限りません。

拡張先の配信成果は、オーディエンス別レポートなどで定期的に検証し、必要に応じて属性の除外や調整を行うことが大切です。

次では、配信後の確認や調整に役立つ配信レポートの活用法を紹介していきます。

配信レポートを活用して改善や調整に活かす

SMARTターゲティングを導入した後は、拡張された配信がどのような属性に届き、どの程度成果を上げているのかを定量的に把握することが重要です。

スマートニュース広告の広告マネージャーでは、各種レポート機能を活用することで、SMARTターゲティングによる拡張結果を可視化できます。

オーディエンス別の配信実績を確認する

拡張された配信が「誰に、どれくらい届き、成果を上げたか」を確認するには、「オーディエンス別の内訳」レポートが有効です。レポートの出力手順は以下のとおりです。

①管理画面の右側にある[レポート]をクリックします。

②「時間別の内訳」または「オーディエンス別の内訳」から、出力したい項目を選択し、[ダウンロード]をクリックします。

配信結果に基づく改善アクションの考え方

選択できるオーディエンス項目であれば、手動で設定したターゲット以外に拡張した配信実績も確認することが可能です。

分析結果をもとに、さらなる成果向上を目指して次のようなアクションが可能です。

分析結果推奨アクション
拡張先の年齢層・性別でCVが発生している拡張対象を明示的に手動ターゲットに含め、さらに拡張を促進
特定属性でCPAが極端に悪化している「拡張しないユーザー属性」として除外指定を追加
拡張先のインプレッションは多いが成果に繋がっていない拡張幅を狭める、または別グループでA/Bテスト実施

例えば、元々設定していた年齢セグメントから拡張した配信が、意外と獲得に至っていることがあれば、この成果に基づいてさらに配信を拡大していき獲得増加を目指せる施策の糸口も見えてくるかもしれません。

一方で、「拡張させてみたけど、特定の年齢だけ極端に成果が悪い」などであれば、前段でご紹介した「拡張の除外機能」を活用して、拡張を制限することも可能です。

出力できる項目の制限に注意

SMARTターゲティングに関連するオーディエンスの内訳レポートには、出力可能な項目と不可な項目があります。

出力できる項目出力できない項目
年齢
性別
年齢・性別
地域
回線
都道府県
通信キャリア

デバイス
OS 
興味関心カテゴリ別
カスタムオーディエンス別
リマーケティングリスト別

ユーザー属性(年齢や性別など)や利用環境(デバイス、OSなど)の数値は出力可能ですが、興味関心やリマーケティングやカスタムオーディエンスごとの実績は出力ができないません。標準ターゲティング利用時との比較などで効果をみるのがおすすめです。

まとめ

SMARTターゲティングは、これまで広告を届けられていなかったユーザーにも配信を広げられる便利な機能です。特に、既に成果が出ているターゲットをもとに、似た傾向のあるユーザーに自動で広告を届けられるため、新たな獲得につなげやすくなります。

一方で、自動で広がるがゆえに、意図していないユーザーに配信されてしまうリスクもあります。成果を安定させるためには、配信の設計と確認を丁寧に行うことが重要です。

正しく設計し、こまめに状況をチェックしながら活用していきましょう。

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