10ヶ月間で21名から39名の組織に!2017年初頭から組織構成を構築し直し、進行形で実践中のマネジメントや組織に関して、すべてを公表します。【検証中も含む】 

10ヶ月間で21名から39名の組織に!2017年初頭から組織構成を構築し直し、進行形で実践中のマネジメントや組織に関して、すべてを公表します。【検証中も含む】 

普段はあまり表に出さない話ですが、年の瀬ということもありますし、我々がこの1年間で意識して組織に変化を加えた部分について具体的に触れていきます。

我々のことをご存じない方のためにも簡単に説明すると、アナグラム株式会社は主にリスティング広告やFacebook広告などを筆頭とする運用型広告代理事業を営み、その強みも活かしつつベンチャーキャピタル事業も展開していますが、基本的には我々は中小企業だと定義し、自覚しています。

参考:スタートアップと中小企業の違いと2つのイノベーションについて

いわゆる典型的なBtoBビジネスで、社内のほぼ全員が個人当たりで平均5社程度のプロジェクトを常時持っています。クライアントから求められる以上の成果を当たり前に出し、ビジネスのお作法がきちんとできていれば会社はとりあえず回る、そんなビジネスモデルです。

アナグラムが代表の阿部1人の会社でなくなってからまだ(もう?)6年。我々なりにまじめにやってきたこともあり、下請け案件などが殆ど無いにも関わらず、ありがたいことに事業規模は毎年成長中です。お任せいただいている取引先数・従業員数も順調に増加し、創業から市場の成長ペースを上回るペースで拡大を続けています。

この記事では持続的な成長のために何をやめて、何を新しくはじめたのか?外向きの仕事の変化ではなく、内向きの「組織体制」にフォーカスしていくつか紹介します。過去の未熟な部分も含めて出せる部分はすべて出したつもりです。将来の仲間に向けて書きました。それがどこかの組織・誰かのマネジメントの参考になれば嬉しいです。

※以下はあくまで弊社内でのケースであって、一般論としてどうなの?という部分も当然あります。フィットする組織、しない組織があると思いますので導入に関しては読者の皆さんのご判断にてよろしくお願いします。

やめたこと

社長による「オレ基準」の評価をやめた

これは主に昇格・昇給の話です。所属する人数が少ないうちは絶対評価の確立も難しいですし、少人数での相対評価もムリがあるので仕方なく「オレ基準」を高らかに明言。評価や給与は基本的に社長がすべて決めていました。

以前にも何度も評価制度を検討しましたが、設計と運用に多大な労力を奪われるくらいであれば「オレ基準」がもっとも最短距離でもっとも納得性があったと今でも感じます。特にベンチャーの創業期においては。

ただし、このやり方では、いつまでに何をどこまでやればどうなる、が会社と個人の約束ではなく、社長と個人の約束になってしまいます。人数が増えるにしたがって明確かつ公平な評価制度のニーズも高まり、「オレ基準」を廃止しました。

社長が毎月全社員と面談することをやめた

20人を超える程度の規模までは、社長が全社員と月1回面談・給与明細を手渡ししその場で確認してもらうという行事を行っていました。先に触れた「オレ基準」もあったため、評価や給与について社長に直接質問できる場が必要でした。

数十人以上の規模になると単純に社長1人では対応しきれなくなった、という理由ももちろんあります。それよりも普段からやりとりしている直属の上司に任せた方が責任と目標が明確になりマネジメント上の都合が良かったので、やめました。

多階層になった組織で、社長が入社間もない社員と面談をすると階層が崩れるきっかけになることも

たとえば、社長が取締役会や中間の管理職を飛び越えて社員と話すような、階層を飛び越えたやり取りは気を付けて行う必要があります。本来は直属の上司がやり取りし、管理すべき仕事にまでついつい口を出してしまうことが起こりがちですが、この指示が、直属の上司の指示と全くことなる内容のものだとどうなるでしょうか?

社員は直属の上司の言うことを聞かなくなり、上司は言うことを聞かなくなった部下のマネジメントを嫌い、役員はこの上司を無能だと判断することになるでしょう。これを避けたかったのです。スムーズな規模拡大のためには直属の上司、チームリーダーに任せていくことが必要でした。

役員+リーダーの週次ランチをやめた

「同じ釜の飯を食う」ということわざがあります。英語のcompanyという単語の語源は、「ともにパンを食べる仲間」だそうです。

なんとなく食事をともにした方がよい気がして、毎週月曜日は定例で役員とチームリーダー陣のランチ兼会議を行っていました。これが厄介で、飲食店によってオーダーからお食事提供までのスピード違いますし、我々のペースで話していても途中で分断されることもしばしば。会議というにはほど遠いものでした。

何より飲食店はパブリックな場ですし、個室であっても社内でしか話せないような内容を話すわけにはいきません。途中から回数を隔週未満に減らしいき、やがて明確にやめました。

※みんなの好き嫌いや性格がわかってくるとか、ラフな場なのでラフに「新しく入った●●さん、調子どう?最近●●くん元気ないけど大丈夫?」と、案件や仕事ではなく人にフォーカスした話ができるという意味では悪くなかったです。

役員がノリで社員を誘うランチや飲み会をやめた

これはなんとなく、和気藹々でいい感じがしますし、良かれと思ってやってしまいがちです。我々も以前はけっこうやっていました。

創業期の組織が小さいうちや、若いメンバーがさまざまな理由でランチ・夕飯にありつける状況にない場合には、確かにいい制度だと思います。僕自身も預金残高がマイナスの頃に社長に何十回と助けていただきました。浅草橋の中華料理も、上海料理も絶対忘れません(マジで中華料理屋さんが多い)

ただ、組織が大きくなっていく段階で「どこかでやめなければいけない行動」でもあると感じていました。

特にラフな飲み会は、毎回来るメンバー・来たがるメンバー・毎回来れないメンバー・参加に気が引けているメンバー・行きたくないメンバーに必ず分かれていきます。回数を重ねていくうちに、主催者と個人間における距離感に差ができるのも当然のこと。いいことばかりではないなと反省しました。

また、いつもの直属の上司が隣にいない状況、かつお酒がまわった状態で好きに話させると、マネジメント上良くないことが起こることも。今では階層を飛び越えて誘うような飲み会はほとんどやめました。

ノリでいくランチや飲み会を階層飛ばしで行う回数が増えると、組織の階層が崩れ通常業務に支障をきたすことがある

理由は前述のものに近く、それが階層だけではなくチームも飛び越えた上で階層も飛んで仕事の話をしだすと厄介なことがたくさん起こります。

僕は2017年、1度もやらないことにしました。正直ちょっと寂しいですし、日頃頑張ってくれている社員にふと感謝を伝えたい夜はあります。こういうときに死ぬほど飲みにいきたい。そんな夜も何度もありましたが、それでも断固として行くのをやめて効果を試してみたかったのです。

この効果はまだまだ検証中ですが、間違いなく組織の階層は明確化し、役員と各社員の距離感は適正になってきている気がします。これによって案件アサイン等の采配も不公平なく平等になっていると信じています。

※チーム単位では月1回、夜の飲み会や食事会の代金を会社が負担する仕組みを設けていますが、必ず毎月行かなければいけないというとそうではなく、「権利を使わない」ことを選択しやすいようにしています。

全社日報をやめた

弊社では各チーム内で個人がクライアントを持ち、日々の業務に当たっています。そういう意味では個人ークライアント間での月報・週報・都度報告による進捗管理の方が重要度は高いです。

次に重要度が高いのが所属チーム内での管理。少なくとも役員や他のチームが全社員の日報を管理する必要性はまったくないと判断し、各チームでの管理はチームのリーダーに一任しています。

※全員で1つのサービスを作っているスモールチームなどは、全社向け日報による進捗管理が重要な役割を果たすということも考えられます。すべての会社が今すぐ日報をやめるべきとは思っていません。

全社全員が各個人のスケジュールを把握するのをやめた(もともとほとんどやっていない)

カレンダーが他人の予定と思われるブロックでびっしりになっている画面を見て、眩暈がしたことがあります。

これも日報と同じく各チームリーダーに一任し、チームの誰かに聞けば、チーム内のメンバーが出社しているか外出中かだけ、わかるようにしてもらっています。

経験者の中途採用にこだわるのをやめた

「業界でもっとも信頼される運用型広告のリーディングカンパニーであること」が我々の存在価値と自負しています。クライアントの担当者さんにも、豊富な知識を持ち本気度が高い方が多くいらっしゃいます。

こういう背景もあって、評価制度や教育体制が十分でない10名-20名のフェーズでは、即戦力の中途採用を中心に採用を組み立てていかないと厳しい状況にありました。

でも結局はチームリーダーやクルーが必要としている人物であれば積極的に採用すべきですし、これもリーダーに判断をほぼ任せる形で頭を切り替えました。「そういえば半年前は、まっさらの未経験だったよね?」と思えるほど成果を上げているメンバーもいます。

オルフェウス・逆ピラミッド型組織、という部分だけ叫ぶのをやめた

「大学院でマネジメントの勉強をしています!オルフェウス型という貴社の組織について大変興味がありますので、取材したいです。」というお問合せを毎年何通かいただきます。そのくらい、以前はオルフェウス!オルフェウス!といろんな場所で社長が叫んでいました。弊社の公式サイトにも記載があります。

※詳細:オルフェウスプロセス―指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント

社内での仕事と社外への仕事で捉え方・伝え方を変える必要があった

ある日、「オルフェウス・逆ピラミッドって聞いて入ってきたけど、全然ピラミッドマネジメントやん」と社員にツッコミを受け、役員はある事実に気づきました。

我々の組織では、以下のように説明をするのが一番しっくりきたのです。

  • 社外の業務スタイル:逆ピラミッドかつオルフェウス
  • 社内での評価と管理:ピラミッド型マネジメント

なんとなく頭ではわかっていたけど、言語化できず偏ったオルフェウスのイメージだけがひとり歩きをしていました。

社外の業務スタイル:逆ピラミッドかつオルフェウスの図

具体的に説明すると、社外つまりクライントワークにおいてもっともクライアントに近く責任が発生するのは窓口の広告運用担当者であり、各クライアントの求める成果に責任を持たなくてはなりません。その分クライアントワークに大きな権限が発生します。その責任を果たすために、リーダーや役員が働きやすい環境を用意するという意味で逆ピラミッド型といって良さそうです。

なおかつ1案件に1名だけアサインする案件はほとんどなく、多くをメイン1名、サブ1-2名という体制で担当します。どちらかが休暇中、外出中の時に、サブのメンバーやチームのメンバーがなめらかに対応できます。この点がオルフェウスの要素です。

社内での評価と管理:ピラミッド型マネジメントの図

社外とは異なり、社内での評価・給与の管理は正のピラミッド型でマネジメントする必要があり、こここそきちんと定義し話さなければならないところでした。

新しくはじめたこと

できる、できないがない、全員遂行可能な組織内のルールを作り明確にした

日本という国で生活している以上、日本の法律の下で生活しなければいけません。それと同じで、アナグラムという組織に所属する以上、アナグラムのメンバー全員が同一のルール下で仕事をする必要があります。これこそが、「同じ組織に属している」という状態です。どのような形であれ、人は帰属意識を無意識下で求めることを考えれば至極当然ではありますが、ルールは”必ずできること”の範囲内で最低限設定しました。

なるべく、「当たり前」「一般的に」「普通は」という言葉を使わずに組織運営ができたら幸せです。何故なら、これらの言葉は個々人で解釈の異なる言葉だからです。過去、この単語が僕の口から頻発しているフェーズがありました。あれは今思えば、組織のメンバー間で同一のルールが約束されていなかったからだと強く反省しています。

創業来初の評価制度を導入し、各個人の目標と報酬テーブルを超明確にした

単一事業、多くの人間が同じ仕事をしているからこそ明確に作るべきだったし、作りやすかった

2017年初頭にかなりの時間と体力を使って、まずは役員で評価制度のたたき台を作りました。評価制度作りに慣れているコンサルタントの方にも手伝っていただきつつ(結局そこで作ってもらった素案は壊してイチから考えました笑)、自社にフィットする制度を作る工程にかなり神経を使い、何度もシミュレーションしました。

救いだったのが、弊社は単一事業で、分業制を敷かないため多くの人間が同じ仕事をしているということです。過去を遡った従業員の実績データの蓄積も十分にありましたし、相対評価がクリアにできるため、初動から妥当性が高い状態で制度を作ることができました。

創業当初から大事にしている価値観として、個人に売上や利益の直接的なノルマを紐づけない文化は継続した

売上や営業利益を個人の目標にして管理できたら、業績と直結するので合理的な評価制度を作ることは容易です。

しかし、弊社のような1人5社ほどをクライアントにもつ代理店ビジネスで個人への業績連動評価を導入するとどんなデメリットが起きるか?

極端な話、「●●さんにもノルマがあるように、僕にもノルマがあって今期あと300万円足りません。今月どうにか泣いてもらえませんか?」ということが現場で起こり得るわけです。クライアントのビジネス成長に直結しない営業活動を引き起こす可能性があります。

会社の業績につながる合理性を担保しつつ、個人に粗利や売上の目標を課さないようにどんな指標の評価にまとめるかが重要でした。

評価制度設計時に意識した形

ここで評価制度のすべてをお伝えするのは難しいのですが、設計時に拘ったのは上図のように、階層毎に用意されている目標をクリアすれば、それは大上段である組織の目標をクリアすることに加担していることになるようになることです。

尚、アナグラムでは創業以来、「売上はクライアントからのありがとうの総数。利益は経営努力であり、マネジメントサイドの責任」という暗黙知がありますので、ルールを作る側が売上や利益云々を現場に強いることは一切有りませんし、これからも有り得ません。

特殊部隊、1名しか所属しないチームは「オレ基準」継続だが、責任範囲は全員明確に

総務などの管理チームを筆頭に、絶対評価や相対評価が難しい役割を担うメンバーも当然います。そのため「オレ基準」を完全にゼロにできたわけではありません。評価制度が通常チームと異なっていたり、完全オレ基準が継続しているところも一部あります。

ただ、明確な評価制度がなくとも責任範囲・目指すべき目標は明示されていて以前よりは働きやすくなっているはずです。

期が変わる前の1-3月でテスト導入、以降半期ごとの評価で管理開始

評価制度を作ったタイミングで、いきなり本運用することは現場へのストレスが強すぎるだろうということで回避。期が変わる前の3ヶ月をテスト期間として導入し、妥当な目標かどうかを全員で検証しました。

3ヶ月の進捗を見て本導入が可能と判断し、そのまま2017年4月の8期目の初日から評価制度を稼働しました。

※今ではいい思い出ですが、テスト導入期から本導入期前半のしばらくは毎日現場からの質問や意見が集まってきてけっこう大変です。「この指標で評価した方が合理的ではないか」「目標が高すぎる」「このケースはどう判断するんだ」「こことここが矛盾している」「この場合はおまけしてほしい」「結果だけじゃなくてプロセスも見てほしい」などなど。現場にもそれだけストレスがかかっていたのでしょう。

ただ一方で、市場から会社が評価されるように、会社が責任を持って各従業員の評価を決めなければなりません。テスト運用までして固めたルールを途中でひっくり返しては余計に従業員の不安を煽りますから、ひとつひとつ説明・対応していきました。

 

役員+リーダーの週次会議は明確な評価制度、目標に沿ってで週10分を目標にした会議に切り替えた

定例ランチや飲み会など、パブリックな場だったりシラフじゃない場面で会議なり目標管理等を行うことはやめました。代わりに、10分目標で6~7名での会議を週1回だけ取り入れました。朝礼・終礼はありません。

  • とにかく平等な距離感で接する
  • 疑問は当事者同士ですぐ解決する
  • チームの取り組みと進捗をフラットにシェアする

これらをモットーに毎回素早く行っています。今は会議室で座って行っていますが、将来的にスタンディングデスクのスペースが十分に確保できれば、立ったままでもできる内容に絞っています。

目標とその進捗に対して、どのような行動変化を自らのチームに課していくのか?も常に全チームが約束し可視化。

同じ機能を果たす(同じ評価制度で管理される)チームのリーダー陣は、お互いの進捗と行動変化を見えるようにしています。こうすることで正の競争意識も発生しますし、他のチームでうまく管理できている状態があれば行動変化の内容を少しずつ皆で盗んでいくことができます。

新任のリーダーも、上手くいっているチームの動きを真似しやすいように工夫してあります。

ラフな話をする対面面談・約束を残す非対面での面談

なるべく平等な距離感を保ちたいので週次のオープンな会議を重視していますが、マンツーマンの面談は今のところ必要性を感じているため無くしていません。

取締役対リーダーの、マンツーマン面談は月1回、2パターンで構成しています。大きく分けると2つです。

  • 対面 :自分のチームメンバーとうまくやれているか?を聞き取ることが目的
  • 非対面:予実の進捗と不足の明確化、来月の行動変化の約束を行うことが目的

人数も増えてきているので月によっては叶わないこともありますが、なるべく対面の面談で給与明細を渡し、リーダーには自分のチームメンバーのことを1人ずつ話してもらうようにしています。誰に手をかけていて、誰が元気があって、誰を教えるのが楽しくて、といった雰囲気がわかります。1人1人の話に温度差がある場合はだいたい接し方に距離差が発生していたり、任せている仕事が上手くいっていない可能性が高いので注意、と判断しています。

また、他のチームを見て気になることや、自分のチームからでも会社をよくするために変えたいと思っていること、悩んでいること、困ってること、疑問を一気に話してもらっています。

社内で飲み会にもランチにも行かない僕が、他愛もない話をできるタイミングはここしかありません。この面談には1人当たり20~30分程度時間を取ります。場合によっては1時間近く話し込むこともあります。残業が長くなっていて疲れているように見えるメンバーには、有給取得を勧め、積極的に休むという選択肢を提示することは意識しています。

非対面での面談は、テキストで約束や議事録を残したい内容に絞って行っています。約束を口頭で済ませてしまうと、後から「言った言わない」の問答を引き起こすこともあるので注意しています。

要は、テキストじゃない方が言いやすいこと・感じやすいことと、口頭とテキストで意味が変わらずテキストでもらった方がお互い助かることを分けているイメージです。

組織の階層を明確化し、階層飛ばしの不要なやり取りを起きにくくした

階層を明確化し、誰が誰の上司、という状態を固定させました。評価制度が無かったときは、案件ごとに上司が違ったり入れ替えたりといった体制でした。

チームを飛び越えて行う仕事もほぼ無くし、基本的には同じチームの中で仕事に集中してもらう体制を整えました。こうすることで、自分は誰の評価に対して実績を出すべきなのか?がクリアになりました。

直上下の階層でのやり取りを基本とし、役員がグロースハック(※社内で毎週実施している勉強会の呼称)に参加することもやめました。

新卒一括採用を開始した

これも大きなチャレンジでした。目標と評価制度が明確になり、研修も実施しやすくなったため未経験の若いメンバーでも十分戦力として成長できる環境が整いました。やっと新卒一括採用にチャレンジできるフェーズになったわけです。

一括採用といっても、採用したい人数が一桁台であったこと、専任担当を設置できず僕のリソースの中で実施する必要があったので大型媒体への掲出や合同説明会へのブース出店等は手段から除外。主な施策としては新卒向けの説明会・座談会を数十回行いました。

学生が気になっているけどなかなか質問するのが憚れる話題として組織や評価体制・昇給に関してこちらからガンガン話せたこと、何を聞かれても明確な答えがある状態で臨めたのは良かったです。エントリーする学生にとっても、中小企業にしては野心も安心感もある会社に映っていたのではないでしょうか。

おかげ様で、18卒は4名が元気に入社予定でもう全員内定者としてインターンしています。入社時点ですでに新しいマネジメントの体制に慣れていることに加え、4人とも抜群に個性が効いているので今後が楽しみです。

結果、どうなったか&わかったこと

 

よく言われている「30人の壁」フェーズを大きな障害なく超え、50人規模に向けノンストップで拡大している

知らないうちにメンバーが39人まで増えていました。採用活動を止める気もまったくありませんのでこのまますぐ50人、100人と拡大していきそうです。

業績も順調な進捗をしており、売上・利益を個人に直接ノルマに設定しなくても従業員の昇給・満足と業績拡大は両立可能だと実感しました。

評価制度が全くない状態から導入することは一時的に負荷を伴い離職者も発生したが、中長期的に見ると公平性が高まりつつ、全員の方向性が定まった

会社の仕組みを大きくいじるときは必ずストレスが発生します。今回の変更時もごく少数ですが、一時的に離職者は出ました。もちろんすべて評価制度のせいではないと思いますが、きっかけのひとつであったことは間違いなさそうです。

ストレスを乗り越えた成果として「全員が明確な結果によるアウトプットすることを意識し働くようになった」のは大きいです。文章で見ると至極当たり前ですが、評価や目標が明確にならない限り、一点の迷いもなく働くことは難しいと思います。

1人の管理者あたり、直下統括部下は6名が限界のよう

ハーバード大学心理学部教授のJ.リチャード・ハックマンも言っているように、チーム人数の適性値は6-7名あたり。うちのやり方でも、求められる評価を満たしながら健康で文化的な生活をするには10名の部下を持つことは難しそうです。平均5名程度の規模を保ちながら適宜新チームを発足して拡大していきます。

言葉を選ばずに言えば、ヒット人材の可視化と量産化は可能になったがホームラン人材の採用、育成は難しいかもしれないという仮説(検証中)

まず単一事業を前提に評価制度を作ったので、この評価に沿って成長すれば1人前の運用型広告運用者にはなれます。さらにはそれらを束ねるリーダーにもなれます。

半期ごとに評価制度はすでに微調整しており、試行錯誤回数の増加と従業員数の増加によりヒットの精度はますます上がっていくでしょう。

ただ、今の評価基準だけではプロ野球でいうところの大谷翔平選手のようなスーパースターは生まれてこないし雇えません。評価の枠からはみ出す逸材をどう見出すかは今後の研究課題です。

今後、更なるチャレンジとして2018年以降検討したいもの、期待しているもの

社長直下、経営管理部の更なる強化

2018年はさらに、管理体制を強化していきます。すべて現在進行形のものですが紹介します。

人事部の新設

2018年1月より、ようやく人事部を立ち上げます。責任者は高梨に任せることにしました。彼女は業界未経験から弊社に参加、凄まじい成長を遂げクライアントワークでもすぐに気に入られていました。さらには2017年から発行している全国で活躍するマーケターにがっつり迫るメディアのmarketeerの取材・編集も担当するアグレッシブさがありながら、一番冷静に社内全体を見えている器用さを兼ね備えており適任です。

人事は社外からの採用も検討しましたが、うちのことをよく知っているメンバーに任せるのがやっぱり一番だね、ということでこれからは高梨に任せていきます。

マーケチーム(旧:編集・技術チーム)の強化

弊社はこれまでアウトバウンド営業や大手代理店の下請けなどはやらずにインバウンドやご紹介で受注を積み重ねてきました。引き続き、より多くの会社を支援していきたいのでインバウンドマーケティング強化の一環として、以下の新しい施策を実施していきます。

  • 公式ブログ編集のリソースを確保すること
  • ウェブサイトリニューアル
  • メルマガの開始(流通チャネルの拡大)

マーケチームは社内での技術的な質問の駆け込み寺という役割だったり、セミナー登壇、一部総務的な役割もこなしてくれているので本当に日々助けられています。

総務部の強化

総務部も新しく採用を行い、業務の責任範囲を広げました。創業メンバーの野武士なスキルでどうにかなるフェーズを超え、経理や法務のタスクも肥大化してくる段階で大きな助けになっています。運用メンバーが本当にやるべきことに集中できる環境づくりに精を出してくれています。

ちなみに、アナグラムの管理チームのメンバーも全員運用型広告運用経験者で構成されており、当然のことながら専門用語や技術的な話題などにも精通しています。

リモートワークや時短勤務の導入

苦労して整えた評価制度の導入や目標の明確化が進み、以前は難しいと感じていた勤務体系も柔軟に導入できそうなフェーズになってきました。

恐らく業界の中では既婚者率が割と高い方ですし、嬉しい出産の報告もちらほら聞こえてきています。バリバリ限界に挑戦し働きたいメンバーも、限られた時間とリソースで働きたいメンバーも、多様な働き方を許容できるようになれば今後の人材獲得競争力も増します。

前向きに導入を検討中です。

マネジメントへの昇格ではなくプレイヤーとしてのキャリアを追求するスペシャリストの出現

今のところは単一事業の会社ですが、それでも多方向にキャリアパスがあるといいなと思っています。選べる選択肢、マネジメントが向いてないなと判断した人もプレイヤーに戻りスペシャリストを目指す、というキャリアを尊重しています。

弊社の現時点の評価制度では、昇格せず同じグレードにとどまっていても継続的な昇給が可能なテーブルを敷いています。これが何よりの期待と尊重の表明です。

マネジメント側の仕事を知ってからプレイヤーに戻ってきた人は管理者の気持ちが痛いほどわかりますしね…。

評価制度がうまくフィットしなかった人を受け入れられるような部署の設置や役割の用意

一発ホームラン型人材の獲得や優秀な人材の流出を防ぐという意味でも、これは継続的に考えている課題です。

評価制度全体はフィットしなかったが、評価制度にあるどれかの項目に特別に秀でている人が活躍する部署の必要性を痛感しており、近い将来用意する意志があります。

異常なほどクライアントワークが苦手だが、思いつく施策は全部当たる。技術力が高く全部自動化できちゃう。みたいな人を放っておくのはもったいないですからね。

まとめ

大きな変化を一言でまとめるとすれば「距離を適正化し、公平な評価を導入し、正ピラミッドと逆ピラミッドの使い分け」の元年だったと振り返りできます。弊社の社員は皆、よくスムーズな導入に協力してくれたと思います。

本文中にも記した通り、組織体制を変えるにあたってストレスを伴う場面も必ず出てきます。どうしても変化を受け入れるのが得意な人、時間をかけて受け入れていく人の双方がいます。時にはまとまった退職者が出るかもしれません。そこで折れず、腐らず、新しい仕組みを入れるとどんないいことがあるのかを現場に通していく必要があります。

組織変更を進める責任者や役員こそが新体制での成功を信じない限り、改革はうまくいきません。最初は一人、二人でしたが、ずっと信じて1年やった甲斐がありました。

最後に

運用型広告の代行をメインとした代理店業は、本当に「人」が命です。クライアント側から見た時には組織が強く、信頼して任せられる体制であること。社員側から見た時には安心して、健康的に、持続的な自己成長を期待しながら働きやすい環境であること。この2点の両立が理想ですし、追求していくことがマネジメント層の役割です。

運用型広告業界でプレイヤーと中間でのマネジメントを5年以上経験してきましたが、入る前はシンプルに見えた代理店ビジネスも突き詰めると奥が深くおもしろいです。

2018年以降も、試行錯誤しながら持続可能な仕組みをベースに組織を拡大していきます。社風やマネジメントスタイル、弊社で働くということに少しでもご興味お持ちいただけた方がいれば嬉しいです。ぜひ話しましょう。

当記事はマネジメント層側の目線で書いた記事です。実際に変っていく過程を受け入れてくれた当事者のクルー(社員)に、実際のところどう感じているかも聞いてみてください。

アナグラムは今年も当たり年でした。皆さま来年も良いお年をお迎えください。

Masaru Takeuchi

Masaru Takeuchi

アナグラム株式会社の取締役。学生インターン1号として入社し、アナグラム株式会社の取締役に2016年4月より就任。「クライアント担当者様が社内で評価され、昇進していただくこと」もモットーに社内チームのメンバーを日々鼓舞する。ビジネスモデル・ネットマーケティング手法に精通しており幅広い提案が展開できるのが強み。マイブームは筋肥大。ベンチプレス120キロが当面の目標である。

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