2020年9月23日付のGoogle 広告公式ヘルプページで、動画キャンペーン向けに2つの新指標追加がアナウンスされました。
- 頻度の分布
- 平均表示頻度(ユーザーあたり 7 日間または 30 日間)
すでに全アカウントで利用が可能となっているようです。
参考:Making frequency reporting more helpful for video campaigns - Google Ads Help
目次
ユーザー単位のフリークエンシー状況がより詳細に把握できるように
従来提供されていた動画キャンペーンのリーチ指標は、Cookie単位が主でした。しかし昨今のCookieへの規制が強まってきていることもあってか、今回追加の新指標は、ユーザー単位でのフリークエンシー状況がより詳細に見えるものになっています。
参考:リーチとフリークエンシーを測定する - Google 広告 ヘルプ
1. 頻度の分布
1人のユーザーが指定期間(最長31日)内に、動画広告を見た最小回数を示す指標です。「1+」「2+」「3+」「4+」「5+」「10+」の6つの階級で区分・表示されます。
たとえば動画キャンペーンでは、平均値で見ると十分なフリークエンシーがあるのに蓋を開けてみたら、実は十分な表示回数が確保されているのはごく一部のユーザーだったということも少なくありません。
これまでリーチの指標であった「平均表示頻度(ユーザーあたり)」だけでは、このように隠れてしまう情報が多いため、分布を併せて見ることで、より的確な施策判断を下せる可能性が高まります。
レポートの注意点
表示の粒度はキャンペーン単位のみとなっており、広告単位や広告グループ単位、動画単位での表示はできません。
また、数値を解釈する際には、1人のユーザーが含まれる階級が複数にまたがる可能性があることに注意しましょう。たとえば広告表示回数が2回のユーザーがいるとすれば、「1+(1回以上広告表示)」「2+(2回以上広告表示)」の両階級でカウントされます。
なお、実際に確認したところレポートへの反映にはタイムラグがあるようで、数値の反映には中1~2日は待つ必要がありそうです。
2. 平均表示頻度(ユーザーあたり 7 日間または 30 日間)
「指定期間内の特定のある日を含む過去直近7日間(または30日間)」における1ユーザーあたりのインプレッション平均発生頻度の日次推移を確認するための指標です。
「平均表示頻度(ユーザーあたり)」との違いは?
以前からある指標に「平均表示頻度(ユーザーあたり)」がありますが、こちらはあくまで指定期間の「平均」を表したものです。
一ヶ月通して動画広告を配信した場合、直近の7日間と30日間では広告が表示された平均回数は違いますよね。
たとえば、直近では成果が下がってきた動画キャンペーンは、過去30日の平均表示頻度をみると十分に表示されているにも関わらず、実は直近では表示頻度が下がってしまっていることが要因となっている可能性もあります。
このように同じ平均値でも、期間をどう設定するかによってその数字が意味するところは違ってきます。
管理画面での表示方法
2指標とも、表とグラフの2通りの表示方法があります。グラフは表の数値部分にマウスオーバーすると確認できます。手順を確認してみましょう。この段では、9/25時点での管理画面の表記に準拠して解説します。
① Google 広告ログイン後、左側ナビゲーションメニューの[動画キャンペーン]をクリック。
② 表示項目から[リーチの指標]を選択
③ デフォルトで [インプレッションの平均発生頻度(ユーザーあたり7日間)]と[頻度の分布が表示されるようになります。
④各指標の数値部分にマウスオーバーするとヒストグラムや折れ線グラフを見ることができます。
⑤デフォルトでは表示されない [平均表示頻度(ユーザーあたり30日間)]は、②の[リーチの指標]をクリックする代わりに、[表示変更の変更]の中に入り、チェックを入れると表示できるようになります。
まとめ
動画広告に限った話ではないのですが、「平均値」を比較するだけでは、丸め込まれて見えてなくなるデータが多いのは言うまでもありません。今回のアップデートにより、平均だけでなく分布も見えるようになったので、より的確な結果分析に役立てられそうですね。
また1ユーザーあたりに同じ広告を表示させる回数は、少なすぎれば印象に残らず、多すぎれば嫌悪されるという性質があるため匙加減が大変むずかしいものです。
表示回数の制御を目的にフリークエンシーキャップを設定するための参考指標としても有用ですのでぜひ利用してみてください。