日常や風景を切り取るような、ちょっとしたスナップ写真であれば、プロのカメラマンでなくてもシャッターを切る機会も増えていますよね。
しかし、ビジネス用プロフィール写真は、被写体の印象だけでなく企業の印象まで影響を及ぼすことがあるため、スナップ写真とは撮影時に気をつけるべきポイントが異なります。
ビジネス用プロフィール写真が必要になるのは、たとえば以下のようなシーンです。
- コーポレートサイトのスタッフ紹介
- セミナー登壇情報
- プレゼン資料の担当者紹介
- メールやチャット、オンライン会議ツールのアイコン
- 所属を明らかにして発信するブログやSNSのアイコン
これらは企業と顧客の最初の接点になることが多く、プロフィール写真があることで企業やその人自身の印象を伝えたり、信頼感を抱いてもらう効果が期待できます。
アナグラムでもコーポレートサイトのスタッフ紹介ページや、セミナー登壇情報などに、社内で撮影したプロフィール写真を用いています。
スタッフ紹介ページ写真
セミナー告知用バナー
1回撮影しておくと、さまざまな場面で活用できるプロフィール写真。本記事では、撮る前に準備しておくことや撮影時に気をつけるべきポイントまで詳しく解説します。
目次
撮影前に準備しておくべきこと
プロフィール写真はあらゆる場面で何度も使うものなので、いきなり撮り始めるのではなく準備をしっかりした上で臨むことが大切です。当日スムーズに撮影を進めるためには、何をしておくべきでしょうか。
撮影場所の下見をする
まずはどこで撮影するかを決めておきます。
おすすめは、単色の壁を背景にすることです。シンプルな背景だと被写体に目が行く上、バナーの素材に使う際など、切り抜きしやすくなります。とくに白を背景にすると光の反射で顔が明るく写り、どんな場所に掲載しても馴染むので扱いやすいです。もしくは、コーポレートカラーや被写体のイメージカラーにするのも良いでしょう。
基本的には、天候に左右されない室内での撮影がおすすめですが、写真の切り抜きに使用しない場合や、室内が暗すぎる場合などは、緑のある屋外で撮影をするのも良いでしょう。屋外での撮影では標識や通行人が気になることも多いので、カメラの絞りを開け(=f値を小さくする)背景をぼかすことで目立ちにくくなります。
撮影は明るい時間帯、場所を狙う
撮影は明るい時間帯、明るい場所で行うと顔映りが良くなります。
屋内撮影の場合は、できるだけ自然光の差す明るい部屋で、時間帯は午前10時~15時がベストです。屋内の撮影でもこの時間帯に撮影を行えば、照明を使わずに十分撮影できます。自然光があまり差さない部屋でも、蛍光灯がついていて仕事ができるくらいの明るさであれば問題ありません。
アナグラムのプロフィール写真撮影風景
屋外撮影の場合、太陽が頭上に来る正午付近はコントラストが高くなり影が顔に落ちやすくなるので、さわやかな印象を与えたいビジネス用のプロフィール写真では避けたほうが良いでしょう。
服装の指定がある場合は事前に連絡する
たとえば「当日はジャケット着用でお願いします」「カジュアルすぎない、清潔感のある服装であればなんでも大丈夫です」など、被写体となる方に事前に連絡しておきましょう。服装のイメージ画像や過去のプロフィール写真を例として送ると、より準備しやすくなります。
このとき、身だしなみを整えるためにあると便利なものも一緒に伝えておくと安心です。
- 手鏡
- 整髪料
- ブラシ
- ヘアアイロン
- シワ伸ばしのスプレー など
これらは被写体の方に持ってきてもらうか、もしくは撮影者が用意しておくかどちらでもかまいません。整髪料やヘアアイロンなどは普段使っているものを持ってきてもらえると、使用感も慣れているので安心ですね。
撮影中に気をつけること
ここからは撮影時に気をつけるポイントをご紹介します。シャッターを切る前にひとつづつチェックしていきましょう。確認漏れがないように上から順に見ていくのがおすすめです。
身だしなみの確認をしよう
髪型や服装は顔の印象を大きく左右するので、充分に気をつけたいところです。社外向けの写真になるのでだらしないと思われてしまったり、暗い印象にならないよう注意しましょう。
寝ぐせはついていないか
事前に鏡で確認して直してもらいましょう。ロングヘアの場合は邪魔にならないよう仕事中だけ結んでおく……という人もいますが、束ねた跡がつきやすく目立つことがあるので、撮影まで束ねずにおくか、結んだまま撮影すると良いですね。
前髪が目にかかっていないか
目が隠れてしまうと表情がわかりづらく暗い顔に見えてしまいます。あとからの修正も難しいので、もし目元にかかってしまう場合は整髪剤を使ってできるだけ顔が隠れないようにしましょう。
襟が曲がっていないか
シャツの場合、ボタンに沿って中心がわかりやすいのでズレていると意外と目立ってしまいます。
服にシワがよっていないか
シワが気になる場合は撮影直前に撮影用のシャツに着替えたり、アイロンがない場合でも水で霧吹きをかけて吊り干しをしておくと、シワが目立たなくなります。ポージングによってはシワができやすかったりすることもあるので、撮影者がこまめに確認してあげると良いですね。
インナーが透けていないか
YシャツやTシャツを着用する場合に気をつけたいポイントです。白色のトップスはインナーの色が透けやすいので、インナーは薄い色(ベージュや白、肌色に近いピンクなど)を選ぶと安心です。半袖の場合は袖のないノースリーブタイプのインナーをチョイスすると着崩れることもないでしょう。
ポージングは姿勢よくを心がける
髪型や服装などが整ったらポージングに移ります。ポーズが決まった後、最終チェックとして髪型や服装の乱れがないかもう一度確認をすることで撮り直しを防ぐこともできます。
姿勢を整える
胸を張り背筋を伸ばす姿勢を意識してもらうことで、きちんとした印象になります。姿勢を良くすることでジャケットなどのシワが目立たなくなります。
ポーズは目的と会社のイメージに合わせる
プロフィール写真のポーズも会社の雰囲気を表すひとつの表現方法なので、目的に沿ってポーズをつけてみましょう。
かっちりとした雰囲気を出す場合には、手を身体の横につけましょう。そうすることで正しい姿勢を保ちやすくなり、服のシワもできにくくなります。
ほかのポーズをとる場合でも、被写体の胸から上の写真を用いることが多いので、上半身を意識してアイデアを出すと良さそうです。
身体の向きは正面・斜めを使い分ける
身体の向きを少し変えるだけで、与える印象が異なります。身体がカメラに向かって正面を向いている写真は顔全体が見えるため、表情もわかりやすくなり安心感を与えることができます。一方斜めの場合は、顔に立体感が生まれメリハリがつきやすいので、スマートな印象になります。
被写体に対して引きの構図で撮影する
完成形のイメージによって写真の撮り方もさまざまですが、イメージが決まっていない場合はひとまず引きで上半身がしっかりと入る構図で撮っておきましょう。
引きの構図とは一言でいうとメインとする被写体から遠ざかった写真のことです。対して寄りの写真はメインの被写体に近い距離感で写した写真を指します。
※厳密にどこから引きでどこからが寄りという定義はないので、あくまでもメインとする被写体との距離感をニュアンスで表すものです
寄りの写真をあとから引きの写真にすることはできませんが、引きで撮影しておけば、あとでトリミングをして寄りの写真にすることもできます。
まとめ
きちんとしたイメージを印象づけるためには服装や髪型をはじめ、シチュエーション選定やポージングなど細かなことにも気遣いながら撮影をすることが大切です。
気をつけるポイントはたくさんありますが、ひとつひとつ見ていくと難しいことはないので、焦らず確認しながら進めてみてください。
被写体が人物・モノどちらの場合でも使える、撮影時に気をつけたい基本的なポイントは、以下の記事で解説しています。