SNSの投稿や広告バナー、コラムやインタビュー記事など、マーケティング施策を行う上で、自分で撮影した写真を利用するシーンも多いのではないでしょうか。
普段から撮り慣れていないと、せっかく撮影したのに使えそうな写真がなくて困ったり、撮影後のレタッチに時間がかかりすぎてしまうことってありますよね。
実はこれらの問題は、撮り方のポイントをおさえるだけで改善できることがほとんどです。編集しやすい写真の撮り方を意識することで、再撮影や時間のかかるレタッチ作業から解放されることでしょう。
今回は被写体が人物・モノどちらの場合でも使える、撮影時に気をつけるべき7つのポイントを紹介します。
被写体にピントを合わせる
撮影の際、最も気を付けたいポイントは被写体にピントを合わせることです。ピントがしっかり合うことで、写真の中のどこに注目してほしいかを写真を見た人に示すことができます。
撮影の際、まずは画面の中で一番に見せたいと思う被写体を定めます。次にピントを合わせてシャッターを切ります。
オートフォーカスを設定している場合、被写体にカメラを向けてシャッターボタンを半押しにすれば、簡単にピントを合わせることができます。
同じ構図で撮影してもピントの位置を変えるだけで一気に写真の雰囲気が変わります。ハッキリ映っている部分の方が、パッと見たときに目に入りやすいですね。
プロフィール写真撮影や、商品撮影ではメインとなる被写体にピントを合わせての撮影が鉄則です。撮影後のピント修正は難しいため、撮影時点でピントが合った写真を撮れるように心がけると良いでしょう。
引きで撮影する
引きの写真とは一言でいうとメインとする被写体から遠ざかった写真のことです。対して寄りの写真はメインの被写体に近い距離感で写した写真を指します。
※厳密にどこから引きでどこからが寄りという定義はないので、あくまでもメインとする被写体との距離感をニュアンスで表すものです
例えば化粧品の商品撮影の際、商品に寄った写真にすると画面内に大きく配置されることになるので、被写体が最も目立つ表現方法になります。引きの場合にはメインの被写体となるパッケージだけではなく、周りの小物も目に入るため利用シーンや商品が持つイメージも一緒に伝えることができます。
寄りと引きについて解説しましたが、撮影をする際は引きの写真を撮ることを意識するのがおすすめです。
なぜなら、寄りの写真は後から引きの写真にすることはできないですが、引きで撮影しておくと後でトリミングをして寄りの写真も作成できます。
インタビュー写真など、使用する写真の枚数が多いにもかかわらず被写体の変化があまりない時には、引きで撮影すると印象が異なる写真を用意することが可能です。
一生懸命に撮影していると被写体に寄ってしまいがちですが、一呼吸おいて引きでも撮影できると良いですね。
水平・垂直を意識する
水平・垂直がとれていない写真で生じてしまう問題が2点挙げられます。
- 写真に違和感がでてしまう
- 修正した際の描画面積が狭くなってしまう
水平・垂直がとれていない写真とは、簡単に言うと被写体に対して前後左右に傾いていることを指します。そういった写真は実物と異なるため、見た人に違和感を与えてしまいます。逆に水平・垂直がとれている写真は整っているような印象を与えます。
※レンズによっては水平・垂直がとれていても端が歪むことがあります。
また水平・垂直がとれていない写真をレタッチ時に修正すると、歪んでいた部分が切り取られ元の画像よりも描画範囲が狭くなってしまいます。
意図しなかったトリミングで、本来写したかったはずの被写体が切れてしまう可能性があるので、撮影時に防ぐことができると良いですね。
水平・垂直は画面内のものを目印にして傾き具合を見ると調整しやすいです。またカメラの機能でグリッド線を表示することもできるので、ぜひ設定してみてください。
被写体の白飛びが起きないようにする
白飛びとは写真の一部に光が当たりすぎて白くなってしまうことを指します。
例えば、肉眼では見えていても実際に撮影して空が白一色になってしまったり、太陽の光が顔に当たってしまい表情が全くわからなくなってしまったりするのが白飛びが起きている状況です。
この図の場合、メインの桜は映っていますが、空が映っている部分は真っ白に白飛びしています。白飛びしている部分はどんなものが映っているかのデータがないため、レタッチをしてもその部分が復活することはありません。
ただ、白飛びは絶対にあってはならないというわけではなく、見せたいものが白飛びしてしまっていないかの確認が大切です。被写体にきちんと露出が合っていれば、多少背景が白飛びしても気にすることはありません。
白飛びは、カメラの機能のハイライト警告表示を設定することで確認が出来ます。
撮影中こまめにデータを見返す
意図した写真が撮れたのか、撮り直しが必要なのか判断するためには、こまめなデータ確認が必要です。撮影自体に夢中になって疎かにしてしまいがちですが、もしミスがあっても後からやり直しがきかない場面も多いですよね。
人物撮影の時は被写体が目をつぶってしまっていないか、商品撮影の場合はロゴがズレていないかなど、後で修正できないところは確実にチェックしておきましょう。
カメラの設定にもよりますが、撮影後カメラのモニターに数秒ほどプレビューが出るので簡易的に確認できます。細かい部分はプレビューモードを使って1カットごとや10枚単位など、サッと見返すことができる分量で確認する癖をつけるのがオススメです。
たくさん枚数を撮る
当たり前のことのようですが、たくさん撮ることで使える可能性のある写真が増えます。
撮影後のデータ整理が大変だからあまり枚数を増やしたくないな……という気持ちもわかりますが、二度とない場での撮影であればなおさら枚数をたくさん撮っておくことをお勧めします。
レタッチを他の人に任せる場合にも、たくさん写真があれば編集しやすいデータを見つけることもできるので、ありがたがられるシーンも多々あります。
スマートフォンでも撮影する
カメラの操作が不慣れだったり、思った通りの撮影が難しい場合はスマートフォンでも撮影しましょう。スマートフォンのカメラ機能であれば操作に慣れている上、カメラよりも難しい設定なしに比較的きれいな写真が撮れるようになっています。
スマートフォンでは画質が悪いのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、昨今のスマートフォンは高画質なものが多くカメラと同レベル程度の画素数のものもあります。よほど小さくトリミングしたり、大きく引き伸ばさない限り画質を心配することは少ないでしょう。
恥ずかしがらず保険としてスマートフォンで撮影しておくと、後で助かることも多いです。
まとめ
スマートフォンで気軽にキレイな写真が撮れ、編集ツールも優秀な昨今、改めて写真の撮り方について教えてもらう機会もあまりないと思います。しかしオーガニック投稿やちょっとした商品撮影などは、専門の役職ではなくても任されることが多いのではないでしょうか。
写真撮影に慣れていない場合は何に気をつけて撮影したら良いのかわからないことが多いですが、この記事のポイントを意識することで、編集しやすい・使える写真が増えてくるでしょう。