Indeed広告の自動入札の選び方、目標設定の注意点を解説

Indeed広告の自動入札の選び方、目標設定の注意点を解説

これまでIndeed広告では手動入札(入札価格や日額予算を設定すること)を利用できましたが、2023年4月より手動入札が廃止され、広告配信の手法は自動入札のみになりました。

入札が自動のみと言われると何もしなくても機械が勝手に良い感じに運用してくれるんだなという印象を受けますが、実際にはそこまで簡単な話でもありません。

本記事ではどういったポイントに気を付けると自動入札が広告成果に繋がるのかを解説していきます。


基本的な仕様の理解

自動入札の場合の基本的な挙動についてまずは理解しておきましょう。

求人ごとに入札額を最適化

手動入札では、クリック単価を30円で設定していた場合、クリック単価が30円を超えることはありませんでした。

しかし、自動入札の場合は各求人ごとの入札額をIndeedが決定し、成果に繋がり辛いと判断された求人は低いクリック単価で入札し、成果に繋がる見込みが高い求人はクリック単価を上げて入札する対応を行うため、キャンペーン全体のクリック単価が50円だったとしても、キャンペーン内に成果に繋がりにくい求人と成果に繋がりやすいものが含まれているような場合には、100円を超える相対的に高いCPCとなっている求人もあります。

手動入札でクリック単価を30円に設定していた場合、そのキャンペーンに含まれるすべての求人が30円を超えて入札されることはありませんでしたが、自動入札では求人ごとに最適なクリック単価で入札するため、成果に繋がりやすい求人であれば適切な入札価格によりこれまでよりも表示機会が増え、成果に繋がる可能性が高くなります。

日額予算の設定ができない

自動入札の場合は日額予算の設定ができません。設定できるのはキャンペーン単位の月額予算もしくはワンタイムキャンペーンの予算となります。

※ワンタイムキャンペーンとは、広告の掲載期間を月ごとではなく、任意の期間を指定できるキャンペーンです。

月初から月末まで途切れることなく配信を実施したい場合、これまでは日額予算を設定することで過剰なペースで広告予算が利用されるのを防げましたが、日額予算を設定できなくなったことで大きく配信ボリュームが伸長してしまう日が出てくる場合があります。

また、平均的な一日の予算額を大きく上回る日が出てくることで月末に予算が切れてしまう場合もあるでしょう。

Indeedとしてはコンバージョンが見込めるタイミングで入札額や配信ボリュームを上げてコンバージョン数の最大化を狙う挙動のため、もし、月初よりも月末の方がコンバージョンに繋がりやすい場合、月初では月額予算の設定を本来よりも少ない金額で設定し、中旬以降に予算を増やすことで月末の予算切れを避けやすくなります。

目標設定型キャンペーン

Indeedでは4つの配信目標からどのような目的で広告配信を行いたいかによって自動入札を選べます。

広告の管理画面上で「キャンペーンを作成する」のボタンを押下すると「キャンペーンの目標の指定」という画面に遷移し、以下の4つのキャンペーン目標から1つを選ぶ必要があります。

  • バランス型
  • 応募数最大化
  • 目標応募数
  • 目標応募単価

バランス型

応募が獲得しやすい求人にもそうでない求人にも全ての求人に大きな偏りができないように広告が配信されます。また、広告枠だけでなく、無料掲載枠と広告枠を通じて配信ボリュームをバランスよく調整しています。

掲載料課金の求人サイトなど、掲載料をいただいている企業の求人に平等に広告費を利用したい場合などに「バランス型」はおすすめです。

応募数最大化

設定された予算内で可能な限り応募数を増やします。「バランス型」と異なり、応募数を求人ごとに均等に分散するのではなく、キャンペーン内の合計で応募が最大限になるように広告配信します。

多くの企業や求人サイトでは応募数を多く集めることがIndeedを利用する目的かと思いますので「応募数最大化」を選択することが多いかと思います。Indeedで広告出稿している求人が数百〜数万件ある場合には、応募が多く獲得できる求人群とそうではない求人群があると思います。

「応募数最大化」の場合には応募が多く獲得できる求人群に広告の配信が偏ってしまうため、特定の求人に広告配信が偏っても問題ない場合に利用することをおすすめします。具体的には応募課金型の求人サイトなどの場合はこちらの設定がおすすめです。

目標応募数


Indeedエントリーが有効になっている場合には「目標応募数」が利用可能です。「目標応募数」は具体的な採用目標がある場合や採用までに必要な応募数をあらかじめ把握している場合に適しています。

特に、募集中のすべての求人で応募を獲得したい場合に適しており、すべての求人に同じ目標数を設定することも、求人ごとに設定することも可能です。目標応募数に達した場合、その求人への費用は大幅に削減され、他の求人に割り当てられるため、応募が集中しやすい求人へ広告費が過剰に集中することを避けられます。

目標応募単価

Indeedエントリーが有効になっている場合には「目標応募数」が利用可能です。応募1件あたりの単価をコントロールしたい場合に最適です。このキャンペーンでは、選択した応募単価をキャンペーン全体で達成することを目指します。

応募単価は安価であれば安価であるほど良いのでついつい厳しい単価を設定しがちですが、配信ボリュームが僅少になってしまったり、もう少し高い単価設定であればアプローチできた求職者へアプローチできずに機会損失に繋がってしまうため、適切な金額を設定するようにしましょう。

※「目標応募数」と「目標応募単価」は、Indeed エントリーが有効になっている求人でのみ使用してください。Indeed エントリーが有効になっていない状態でこれらの目標を選択すると、選択できる求人が表示されません。 

目標設定の注意点

一度設定した目標設定は途中で変更できないため、目標設定を変更したい場合には既存のキャンペーンを停止し、新規キャンペーンを作成し直す必要があります。途中でキャンペーンを立て直すと予算やパラメータなどの管理が煩雑になってしまうため注意が必要です。

とにかく多くのコンバージョン数を獲得していきたい求人群なのか、多くの求人で万遍なく広告表示を行いたい求人群なのか、目的ごとに求人群(キャンペーン)を分けて、目的に応じた目標設定を心がけましょう。

自動入札の最適化ポイントを理解する

自動入札は機械が勝手に運用してくれるからといって、放っておいてもOKということではありません。自動入札がどのような指標を重要視して、どのような挙動をするのかを理解しておかなければ成果が悪化してしまった場合に改善することができなくなってしまいます。

応募開始率は要チェック

今回は「応募数最大化」の目標設定を例に解説していきます。

Indeedエントリーを有効にしていない場合、ユーザーの導線は下図のフローになります。

多くの広告主は⑤の応募数をGoogle Analyticsなどの計測ツールで成果を計測しています。

しかし、Indeedでは広告主のページへ実装するタグが無いため、Indeed側では③までしか求職者のトラフィックを計測できないため、Indeedから広告主のサイトへ遷移した時点でそれ以降のトラフィックは分からない仕組みになっています。

上記の仕組みから、Indeedの自動入札が最も重要視している指標は③の「応募先へ進む」のクリック率と考えられます。この「応募先へ進む」のクリック率をIndeedの管理画面上の用語では「応募開始率」と呼び、応募数を最大化するために③の応募開始率が高い求人の入札や配信ボリュームを高めます。

その結果、応募開始率の高い求人はCPCが高くなったり、配信ボリュームの比重が増す傾向があります。

キャンペーンのメンテナンス

Indeed広告がどんな指標を重視して広告配信を行っているかを理解できれば望んだ広告成果が得られなかった場合に、「自動入札なので分かりません。」ではなく、改善ポイントの当たりを付けられるようになります。

例えば、「応募開始率」の高い求人に広告費をかけているのにGoogleAnalyticsといった計測ツール上での応募率が悪いのであれば、Indeedから自社サイトへ求職者は遷移しているので見直すべきはIndeed広告ではなくサイト内の導線ではないかと考えられますよね。

反対に、応募開始率の高い求人に充分に広告費を利用できていない場合は、応募開始率の高い求人群を抜き出した広告キャンペーンを作成し、広告費を充てられるように対応することが解決策の一つになるかも知れません。

他にも、応募開始率の高い求人とそうでない求人を比較することで、どのような求人が求職者のニーズに沿っているのかを確認することもできるでしょう。

自動入札がどんな指標を重要視しているかを理解しておけば成果が悪化した際に「自動入札なので分かりません」ではなく、対処すべき課題を見つけるのに役立ちます。

自動入札だからこそ仕様の理解がより大切に

自動入札や自動入札という言葉を聞くと人間は何もしなくても良いと考えてしまいがちですが、自動入札だからこそ、仕様や挙動の理解の重要性が高くなります。自動入札だとしても一度設定して完了ではなく、求人ごとの応募開始率の推移や応募開始率の高低に応じたキャンペーン設計などを細かくメンテナンスしていくことが成果に結びつくカギなのではないでしょうか。

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