リワード広告とは、動画広告を利用することでアプリ内で使用できるアイテムやポイントが獲得できる広告フォーマットです。LINE広告においてもリワード広告が提供されています。
広告を見ることがアプリ内でのインセンティブに繫がるという設計上、通常のディスプレイ広告とはユーザーが広告に接する状況や広告に対する意識も異なるため、扱いが難しい広告フォーマットでもあります。
この記事では、LINE広告で配信できるリワード広告の概要や特徴について解説していきます。
目次
リワード広告とは
リワード広告とは、ユーザーにアプリ内で利用できるアイテム、ポイントなどの特典を付与する代わりに、広告の完全視聴を促す広告フォーマットです。
たとえばユーザーが漫画アプリの動画広告を視聴すると、漫画を読むためのポイントを獲得できます。
この広告は「LINE広告ネットワーク」の広告枠に掲載されるため、LINEサービス以外のさまざまなアプリの広告枠に配信されることがあります。
LINEリワード広告の特徴
LINEリワード広告には次のような特徴があります。
多くの情報を伝えられる
本来の動画広告では、冒頭の数秒でユーザーの興味を惹かないとなかなか視聴してもらえないですよね。
しかしリワード広告であれば、広告の完全視聴の代わりに、アプリ内での特典が付与されるため、ユーザーに最後まで視聴してもらえる可能性が高く広告主側として、伝えたい情報を十分に伝えられることが期待できます。
ただし、裏を返せば長く視聴してもらえる分、ユーザーにとって有益かつ面白いコンテンツを見せないと、ブランドへのマイナスイメージにさえ繋がる恐れがあるので、注意が必要です。
また静止画では、同じ画像が15秒間表示される事になるため、画像内のテキスト、タイトル、ディスクリプションの文字がよく読まれることが考えられます。たとえば文字だけの画像などでより多くの情報を伝えるなど、相性が良いかもしれませんね。
フルスクリーンによる高い訴求力
LINEのリワード広告では、様々な形でフルスクリーンの広告フォーマットとして掲載されるため、広告内で表現できる幅も広く、訴求力が高いことも特徴の一つです。
対象ネットワークが広く、幅広い層へリーチ可能
LINEのリワード広告は、「LINE広告ネットワーク」の中でリワード広告掲載枠を導入しているアプリに対して配信されますので、LINEサービス以外のさまざまなアプリユーザーへのリーチが可能です。
LINE広告ネットワークではゲーム、ニュース、漫画アプリなど、10,000以上ものアプリのユーザーへ配信が可能であり、幅広い層へアプローチができます。
また、LINEは国内8,400万人以上のMAUがいるとされており、リサーチ企業のマクロミル社の2020年の調査によると、8割以上のスマートフォンユーザーがLINEを利用しているという結果が出たことを加味すると、他の媒体では難しい層へのリーチも可能でしょう。
これらを踏まえて、仮にリワード広告がLINE広告ネットワークの配信に占めている割合がさほど大きくなくても、高い視認性と完全視聴率ゆえに、認知施策の中でそれなりの効果が期待できそうです。
逆にリワード広告では、購入など広告主が望むユーザー行動を取ってもらうことは難しいと考えております。なぜならユーザーはアプリ内で使うポイントなどの報酬をもらうために広告を視聴しており、広告視聴後に起こしたい行動があるためです。そのため広告視聴後、アプリから離脱し、広告主側が望む行動を取ってもらうハードルは高くなります。
LINEリワード広告の広告フォーマット
LINEリワード広告では、動画、静止画ともに配信可能です。
動画の対象フォーマット
まずは従来の動画フォーマットについてです。
どの動画形式だとLINEリワード広告に配信されるかに関しては明記されていないのですが、LINE広告ネットワークに対応している下記の3つのフォーマットが動画リワード広告としても掲載可能と考えられています。
- Card(アスペクト比は16:9の横長動画)
- Square(アスペクト比は1:1の正方形の動画)
- Vertical(アスペクト比は9:16の縦長動画)
リワード動画広告の表示イメージ:
表示項目は下記の7つです。
- 動画
- タイトル
- 公式アカウント名
- アクションボタン
- 公式アカウントアイコン
- ディスクリプション
- Xボタン(30秒以上の動画の場合30秒地点でXボタンが表示されます。)
静止画の対象フォーマット
次に静止画フォーマットの対象についてです。
いまのところ、2種類あります。
1.静止画Card(1200×628)
静止画Card(1200×628)はトークリスト、LINE NEWSなど多くの配信面に対応しているフォーマットです。LINE広告を配信する際、まずはこのサイズのクリエイティブを制作する方も多いのではないでしょうか。
2.静止画Square(1080×1080)
静止画Square(1080×1080)はCardと同じく、トークリスト、LINE NEWSなど多くの配信面に対応しているフォーマットです。
静止画は15秒間表示される
静止画フォーマットは15秒間広告が表示され、その間は時間がカウントダウン形式で表示されます。
表示項目は下記の4つです。
- タイトル
- 公式アカウント名
- 公式アカウントアイコン
- ディスクリプション
LINEリワード広告の注意点
特典を付与する代わりに広告の完全視聴を促す広告フォーマットということもあり、広告の成果によっては取り扱いが難しい可能性もありますが、次のような仕様があることはチェックしておきましょう。
LINEリワード広告を指定しての配信は不可
LINEリワード広告は以下の2つの設定で配信可能です。
①広告グループの「広告の配信」から配信先を「自動配信(推奨)」を選択する場合
②広告グループの「広告の配信」から配信先を「配信先を編集」を選択し「LINE広告ネットワーク」を選択する場合
上記のどちらかを選択することで、リワード広告として配信される可能性があります。あくまでLINE広告ネットワークの一部として配信され、LINEリワード広告を指定して配信(あるいは配信から除外)できないという点には注意が必要です。
以前は「LINE広告ネットワーク」の配信先の配下に「動画リワード広告」専用の項目がありましたが、2022年中にこの個別設定がなくなり、現在LINEリワード広告は自動的に「LINE広告ネットワーク」の配信先に含まれる仕様となりました。
そのため配信先として、LINE広告ネットワークを指定していても、リワード広告が必ず配信されるわけではなく「配信される可能性がある」という点には注意が必要です。
配信先別のレポートでも「リワード広告」の配信分を識別できない
ここまでリワード広告の設定方法、捉え方を紹介してきましたが、リワード広告はどれだけ配信されているかなど、確認することができない、という注意点があります。
LINE広告のレポート機能では「配信先別」の数値も確認できますが、あくまで「LINE広告の広告枠」か「LINE広告ネットワークの広告枠」かの粒度でしか確認できず、現時点ではリワード広告に出ているか否かまで把握できません。
しかし配信先別の数値が見れないからといって、どの様な配信面に広告が出ているか、意識しなくても良い訳ではありませんよね。重要なのは答えがない中で、自分なりの仮説を元に運用していく事です。
たとえばLINE広告ネットワークの配信比率が増加しており、また指名検索の検索ボリューム自体が伸びている場合。LINEリワード広告の配信面に出ているのでは?などが考えられますよね。
まとめ
現在、リワード広告のみへの配信やレポートもないため、不便な点も少なくないですが、リワード広告をきっかけにアプリをダウンロードしたり新たな情報に出会ったりという経験がある方もいるのではないでしょうか。
仕組み上、広告の視聴時間が比較的長いことを加味すると、ユーザーにとって有益かつ面白いコンテンツでないと、ブランドイメージにむしろマイナスに働く恐れもあります。もちろんリーワード広告に限った話ではないのですが、広告主・ユーザーともに付加価値をもたらすためには、ユーザー目線に立ち、どんな困りごとがあるのか、どんなコンテンツだと喜んでもらえるのか、考える必要があります。
LINEリワード広告にも配信されることを踏まえてLINE広告に取り組んでいきたいですね。