
Facebookの広告マネージャであらかじめ確認できる指標のひとつに「結果レート」というものがあります。これは「インプレッション数」に対する得られた「結果」の割合を表しています。
しかし、たとえばランディングページ(以下、LP)のABテストの結果を知りたい場合、「インプレッション数」ではなく「リンクのクリック数」に対して得られた「結果」の割合だったりしますよね。
このようにFacebook広告の運用をするなかで、広告管理画面上の既存の指標だけでは不十分だなと感じることもあるのではないでしょうか。
そこで活用したいのが「カスタム指標」です。
この記事では、カスタム指標の設定方法と指標を作成する際の注意点、活用例をご紹介していきます。


目次
Facebook広告のカスタム指標とは?
カスタム指標とは、広告管理画面にある既存の指標を組み合わせて独自の指標を作成、保存できる機能です。
たとえば、デフォルトでは用意されていないリンクのクリック率に対するコンバージョン率を既存の指標と組み合わせて新しく作成・保存することで、指標としていつでも確認することができるようになります。
カスタム指標を利用するメリット
カスタム指標を利用するメリットは大きく2つあります。
1.より正確に詳しい分析ができる
あらかじめ用意されている指標では目的に対する成果が正確に測れないと、効果的な広告運用を行うことは難しいでしょう。しかし広告の目的に合わせて最適なカスタム指標を作成すれば、より正確で詳しい分析ができるようになります。
2.次のアクションが取りやすくなる
カスタム指標を利用すれば、広告管理画面上ですぐに広告の目的にあった指標を確認できるため、次のアクションまでの時間を短縮できます。
広告アカウントごとに適した指標が異なることも少なくないでしょう。アカウントの運用状況に応じて、指標をカスタマイズできる機能は結果的に広告運用の成果にも繋がります。
カスタム指標の設定方法
では次に、カスタム指標の設定方法を解説します。
広告マネージャから設定する方法と、広告レポートから設定する方法の2パターンあります。まずは広告マネージャから設定する方法をご紹介します。
広告マネージャから設定する方法
①広告マネージャを開き、[列:パフォーマンス]のタブをクリック
②[列をカスタマイズ]をクリック
③[カスタム指標を作成]をクリック
ここからは、実際にカスタム指標を作成する方法を説明します。今回は例として「リンクのクリックに対する購入の割合」のカスタム指標を作っていきます。
④任意の名前を設定
⑤作成する指標に合わせてフォーマットを選択
⑥任意の数式を記入
⑦作成した指標にアクセスできる人を選択
※このときに何を選ぶかは注意が必要です。詳しくは後ほど解説します。
⑧[指標を作成]をクリックして完成です。
広告レポートから設定する方法
続いて広告レポート画面から設定する方法をご紹介します。
①広告マネージャを開き、[レポート]のタブをクリック
②[カスタムレポートを作成]をクリックして新規レポートを作成、または[最近見たレポート]から既存のレポートを選択
③画面右側のサイドバーにある[指標]をクリック
④[+作成]をクリック
以降の手順は、「広告マネージャから設定する方法」の④以降の手順と同じです。
カスタム指標作成時の注意点
作成したカスタム指標をアクセスできる人(閲覧・編集・削除できる人)は、「自分のみ」または「このビジネスにアクセスできる全員」のどちらかを選択できます。
以下のとおり、閲覧・編集できる範囲が異なるため、状況に応じて最適な方を選びましょう。
カスタム指標を作成した本人のみ、閲覧・編集・削除ができます。
このビジネスにアクセスできる全員
カスタム指標を作成した広告アカウントにアクセスできる全員が閲覧できます。数式の表示や、名前、説明の変更ができるのは作成した本人と、広告アカウントの管理者のみです。
ここで言うカスタム指標を作成した広告アカウントにアクセスできる全員とは、次のユーザーです。
- カスタム指標を作成した広告アカウントに紐づいているビジネスマネージャで社員アクセス以上を所有しているユーザー
- カスタム指標を作成した広告アカウントでアナリスト閲覧権限以上を所有しているユーザー
「自分のみ」を選択した方が良い場合
クライアント所有の広告アカウントを運用している広告代理店がカスタム指標を作成する場合、まずは「自分のみ」で作成するのをおすすめします。
なぜなら、「このビジネスにアクセスできる全員」で作成したカスタム指標は削除する手段がありません。みんなが役立つような指標でない限りは、表示の邪魔になってしまう可能性があるからです。
また、カスタム指標を作成した広告アカウントにアクセスできる人全員がそのカスタム指標を閲覧できます。情報漏洩につながる可能性もありますので、カスタム指標の名前にはクライアント名やサービス名は入れないようにしたいですね。
「このビジネスにアクセスできる全員」を選択した方が良い場合
一方、「このビジネスにアクセスできる全員」を選択することで、独自の指標を一度作成しただけで関係者全員に共有できるというのはメリットでもあります。指標名にクライアント名やサービス名は入れないようにしたうえで、関係者全員にとって有用な指標であれば、簡単に共有できる便利な機能です。
もし、指標を作成する際に有用か否かに迷う場合は、まずは「自分のみ」で作成し、その後、「このビジネスにアクセスできる全員」で作成し直すというような流れで進めるのも良いでしょう。
カスタム指標の活用例
ここからは、カスタム指標のおもな活用例をご紹介します。
リンクのクリック数に対する結果の割合
このカスタム指標は、LPのABテストで活用したい指標です。
似たような既存の指標で、任意の結果に対する割合を示す「結果レート」というものがあります。しかし、結果ルートは広告が表示された回数に対する結果の割合なので、リンクをクリックしていない人も母数に入ってしまいます。それでは正確なLPのABテストになりません。より正確な分析をするためにも、広告の目的にあった指標を作成していきたいですね。
カート離脱率
この指標は、通販サイトのプロモーションでカート離脱率を知りたいときに作成したい指標です。
たとえば、どのクリエイティブが購入の後押しになったのか、貢献度を測る際に役立ちます。
運用代行手数料を含むコンバージョン単価
クライアントによっては、運用代行手数料を含むコンバージョン単価を目標としているケースもあるでしょう。たとえば手数料率が20%であれば、以下のような数式で算出できます。
なかには運用代行手数料を含むコンバージョン単価を算出するために、毎回、広告管理画面からデータをエクスポートして集計していたという方もいるのではないでしょうか。大切なのは現状の数字を把握して次の対処を考えることです。集計する手間はなるべく省いて、分析により多くの時間をあてていきたいですね。
最後に
カスタム指標は、既存の指標だけでは見ることができない独自の指標を作成できるようになるため、より正確な分析ができたり、集計を効率化できる便利な機能です。
指標名にはクライアント名やサービス名は入れないという点は留意しつつ、広告の目的に合った指標を作成することで、日々の広告運用に役立てたいですね。
